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知床で、その写真を見せてもらったのは2011年夏のこと。
以来、それから、いつかは撮りたいと思っていた知床の神であり主である山親爺こと、ヒグマを追う機会を持った。
とはいえ、相手は野生生物の中でも非常に手強い相手。
ひとたび牙を剝けば、命を取られることだってある。
そんな危険とひとつ隣合わせの中で、どうしてもこのヒグマというものをファインダーを通して見てみたかった。
撮るならば秋と決めていた。
なぜならば、長い冬眠の前に必ず餌を求めて、出てくるからだ。
ふたつの策を考えた。
ひとつはヒグマウォッチングの船に乗り、海上から浜に居るヒグマを狙う
もうひとつは、ひとつ危険と隣り合わせだが、彼らが動く同じ陸の上からヒグマを狙う。
知床には2013年10月11日に入った。知床を離れるまでの間は3日の猶予。
初日は、雨が降り、撮影は諦めた。しかし、この日は海上からの目視が確認できたそうだ。
2日めは、晴天。船に乗り、ヒグマのよく出没するというルシャの浜を目指すも、過ぎ去ったばかりの低気圧の余波で海上の波は荒く、カムイワッカまでは何とか辿りつくも、目指すルシャの浜へは波高く危険が伴うとの判断で、折り返されて、ヒグマを見る事はかなわなかった。
3日めは、さらに状態が悪化して、海上は波が非常に高く大時化の状態。この日は全便の船の欠航が早々に決まった。タイムリミットの3日が過ぎ、ヒグマは半ば諦めてまた来年という思いでいたが、最後の運ひとつに賭けて、陸上からの狙いを持った。
出るか出ないかは分からない。行ってみていなければそれまで。
ヒグマがよく出没するという場所を事前に教えてもらっていて、前日にも場所の下見をしていたので、そこを再訪する。
現地に着いて暫く待っていると、通りかがりのドライバーから今しがた山の上側で親子を見たとのことで、まもなく、通りを跨ぎ川へ下りるのではないかとの情報。しばらく遠く離れて川の方を眺めていると、すぐさま黒い影が道を過った。間違いなくヒグマだった。同業でヒグマを待っていたカメラマンが一斉に安全な間隔を持ってヒグマと向き合う。私も可能な限りの望遠をもって、彼らの行動を接写していった。
彼らが川で鮭を取り、再び山に帰るまで約30分、撮った枚数は1,000枚を超えた。
ようやく一枚の写真から、いつかは撮りたいと思っていたヒグマの雄姿を焼き付けることができた。
これからの写真は、その1,000枚の中からのほんの一部の彼らの静態を写し留めたものであります。

昔、北海道土産の定番でもらった木彫りの鮭をくわえる熊。その実写の姿をカメラが記録してくれた
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二本足で立つヒグマ。凶暴な相手だが、この姿は可愛らしさを見せてくれた
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川の中に泳ぐ鮭と闘うヒグマ。コマ送りで撮影した
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捕えた鮭が逃げまどい、一瞬、熊の頭上高く、鮭が翻った
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