March 18, 2005

私の心にぴったりとはまる映画

愛する人が心の底から死を望んだとき、あなたならどうしますか?


The_Sea_InsideMar Adentro (The Sea Inside)


2004


監督:アレハンドロ・アメナーバル



数ヶ月前、映画の短いシノプシスを目にした時、これは絶対に観なければいけない映画だと思った。



これは実話に基づくストーリーだ。



スペインのガリシア地方。海での事故で首から下が付随になり、28年間寝たきりのRamon Sampedroが自らの選択として尊厳死を望むお話。




あの事故で死ぬべきだったんだと語るラモン。時に動かない体をジョークにしながら、未来=死だけを見て生きている。


共に暮らす家族。ラモンの死への希望を尊重し毎日の世話をする義理の姉マヌエラ。口笛を鳴らすとやって来てくれる甥ハビ。年老いた父。そして唯一、ラモンの希望を絶対に認めない兄ホセ。


彼の元に集まる人々。尊厳死を尊重する団体のヘネ。法で認められていない尊厳死のために弁護士を引き受けたフリア。そして、TVでラモンを見かけて家にやって来るようになったロサ。


ラモンを愛しているからこそ、彼らはそれぞれの心に従って動く。そんなキャラクタ−の一人一人が、忘れられない。




アメナーバルの書いた言葉が美しい。どれくらい美しいかと言うと、美しすぎて、思い出したくても思い出せない。たぶん、そんな美しい言葉が持つ表面的な響きよりも、もっと奥にある根本的な意味がどしっと心に伝わってきて理解していたからだと思う。


アメナーバルは、私みたいに『人はいつかみんな死ぬんだ。』なんて言わなかった。


だからもう、言葉だけど言葉じゃないんだ。




ラモンは幻想の中でだけ動くことができる。いつものベッドから起きだして、行きたい所にすぐに行ける。会いたい人の所へ行ける。空を飛ぶのは気持ちがいいんだ。



He can't move but he moves everyone.




そして、主人公ラモンを演じたハビエル・バルデム。目が物語るものは時に言葉よりもずっと大きい。



そして、アレハンドロ・アメナーバル。私は何を言えばいいんでしょうか?








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nahorita at 16:43│Comments(10)TrackBack(21)clip!映画 

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1. 『海を飛ぶ夢』  [ ラムの大通り ]   March 20, 2005 00:42
-----おやおや、アカデミー賞外国語映画賞 ノミネート作品というのに渋い顔してるにゃあ。 「う〜ん。実話という重みがあるから語りにくいけど...」 -----けど、なに? 「物語の性質上、仕方がないんだけど、 とにかくここには全編にわたって“死”の匂いが立ちこめている。
2. 2月7日(月) 『海を飛ぶ夢』完成披露試写  [ 映画の胃袋 Живот киноего ]   March 21, 2005 00:30
★★★ (ネタバレと言っていいか微妙だけど、ひょっとしたらネタバレになってるかもしれないのでご注意) 独特の世界観を持つホラーやサスペンスを発表し続けてきたアレハンドロ・アメナーバル監督。これまでの彼の作品のファンには、今回の新作は戸惑いを覚えるに違いない
3. Mar Adentro 海を飛ぶ夢  [ Scientia est potentia? Pravda? ]   March 24, 2005 06:54
さて、「Mar Adentro」(邦題「海を飛ぶ夢」)見ました。ずーっと期待をぱんぱんに膨らませて待っていたわけですが、その期待通りの見事な作品だと思います。僕は貧乏にもかかわらず、なかなか公開されない作品や気に入った作品はどしどしDVDを買う、という非常にデンゲル係
4. CAC映画評:海を飛ぶ夢  [ 言語生活 ]   April 16, 2005 15:16
 アレハンドロ・アメナーバル監督は、スタイリシュな映像で幻想を見せる。それは、人自らが作り出す幻想である。それは疎外感から生まれるのか、自己愛から生まれるのか。『オープン・ユア・アイズ』(1997)での人と人との関係も、『アザーズ』(2001)での幽霊と幽霊の関係も
5. 海を飛ぶ夢  [ エンタメ!ブレイク? ]   April 17, 2005 00:31
重たいテーマだが、軽やか&さわやか。 「尊厳死」を望む不遇な男の 飛翔する心を描
6. 海を飛ぶ夢  [ It's a Wonderful Life ]   April 19, 2005 19:32
かなりデリケートな「尊厳死」というのがテーマになっているので、 この映画は人によって見方がかなり違うんじゃないかと思います。 僕は、主人公よりもこの主人公を支え続けて来た家族たちに胸うたれる ものを感じてしまいました。静かでいい映画です。 全く予...
7. 海を飛ぶ夢  [ 「月の風」シネマ日記 ]   April 19, 2005 22:43
アレハンドロ・アメナーバル監督作品 尊厳死をテーマとして取り扱ったヒューマンドラマとなっている。 実話に基づいたストーリーは、生きていくことについて深く考えさせられるものであった。 自ら生きることと他の人に生かされることの違い。 自ら生きている人間は、自
8. 『海を飛ぶ夢』  [ 京の昼寝〜♪ ]   April 20, 2005 08:53
 約束しよう。 自由になった魂で、きっとあなたを抱きしめる。 ■監督・脚本 ハレハンドロ・アメナーバル(『アザーズ』) ■原作 ラモン・サンペドロ(「海を飛ぶ夢」) ■キャスト ハビエル・バムデル、ベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス、マベル・リベナ、セルソ
9. 海を飛ぶ夢  [ No Cinema,No Life ]   April 22, 2005 17:05
大好きなアレハンドロアメナーバル監督の作品です。 「オープンユアアイズ」で衝撃を受けたあのサスペンスを作った監督、今度は一転し切なくて心苦しいヒューマンドラマを作ってくれました。その才能には驚きです。 自殺したいと切望する本人の苦しみも伝わってくる、
10. 海を飛ぶ夢  [ Akira's VOICE ]   April 24, 2005 11:38
死をじっくりと見つめた真摯な映画。
11. Mar adentro★★★★★  [ なおのオススメ文芸。 ]   April 26, 2005 05:18
邦題:海を飛ぶ夢(The Sea Inside) 『25歳の夏にラモン・サンペドロは、事故により首を骨折、寝たきりの生活を送る身体になってしまう。それから26年後、ラモンは自ら人生にピリオドを打つことを決意するが、弁護士フリアと村の女ローザと出会う。人間の尊厳とは何か。生...
12. 海を飛ぶ夢  [ future world ]   April 28, 2005 00:27
「生きる権利」「死ぬ権利」「尊厳死」・・・これらには永遠に答えが無いのかもしれない。 「生きることへの苦痛」「家族愛」「友情」「男女愛」など盛り込まれたヒューマニティ溢れる作品。 尊厳死を願う・・・人はどんな時も生きなきゃいけない、自ら願い命を絶つな
13. 「海を飛ぶ夢」観ました  [ Infocierge(インフォシェルジュ) ]   May 01, 2005 07:35
こんにちは!「海を飛ぶ夢」の感想を書きましたので、TBさせていただきました。よろしかったら、遊びにきてください。
14. 海を飛ぶ夢  [ 映画を観たよ ]   May 07, 2005 21:11
すごい人出でした。 立ち見もちらほらいましたよ。 「尊厳死」という言葉はこの間で初めて耳にしました。 1ヶ月くらい前にアメリカで問題になったみたいです。 そのときに初めて聞きました。 今年度のアカデミー外国語映画賞も受賞しました作品。 これも本当にあった話です
15. 映画「海を飛ぶ夢」  [ こまったちゃんのきまぐれ感想記 ]   May 08, 2005 10:59
「海を飛ぶ夢」開映11:20@新宿武蔵野館2 「海を飛ぶ夢」 2004年 スペイン・フランス・イタリア スペイン題 MAR ADENTRO  イタリア題 MARE DENTRO  英題 THE SEA INSIDE 配給:東宝東和 監督:アレハンドロ・アメナバール 製作:エミリアーノ・オテギ
16. 海を飛ぶ夢  [ impression ]   May 25, 2005 18:15
<ストーリー>9歳でノルウェー船のクルーとなり、世界中の国々を旅してまわったラモン・サンペドロ。 だが6年後、皮肉にも同じ海で起きた事故により四肢麻痺の障害を負ってしまう。 家族に支えられベッドで寝たきりの生活を28年間続けた末、ラモンは尊厳死を決意するのだ
17. デッドヘッドで帰国!  [ 麻布十番CA日記 ]   June 01, 2005 22:46
こんばんは。フライトからかえってきました!! 地震のことは忘れて、いつもの日記を書きま〜す♪ 今回のフライトは行きは乗務で、帰りはDHでした。 DHとは「DEAD HEAD(デッドヘッド)」の略で、 乗務を行わず、お客さんと同じ様に客席に座って帰ってくるんです。
18. デッドヘッドで帰国!  [ 麻布十番CA日記 ]   June 01, 2005 22:47
こんばんは。フライトからかえってきました!! 地震のことは忘れて、いつもの日記を書きま〜す♪ 今回のフライトは行きは乗務で、帰りはDHでした。 DHとは「DEAD HEAD(デッドヘッド)」の略で、 乗務を行わず、お客さんと同じ様に客席に座って帰ってくるんです。
19. 海を飛ぶ夢 Mar Adentro / The Sea Inside  [ ネコと映画と私plusワンコ ]   June 02, 2005 16:37
おとといナビオTOHOプレックスで観た映画。 この時の一番人気は「甘い人生」だった。 さずが今をときめく韓流スター、イ・ビョンホン主演。 イ・ビョンホンは確かにかっこいいし、「甘い人生」も面白い映画なんだろうけど、この映画もとっても良かった。 とにかく多くの
20. 『海を飛ぶ夢』  [ 歯医者さんを探せ! ]   June 04, 2005 08:01
       MAR ADENTRO   '04・スペイン・125分    '04アカデミー[外国語映画]賞受賞   '04G・グローブ[外国映画]賞受賞   '04V国際映画祭[男優・審査員特別]賞受賞    オフィシャル・サイト   海を飛ぶ夢@映画生活      なぜ観に行っち...
21. スペイン映画:海を飛ぶ夢  [ 無料スペイン語講座「スペイン語と英語を同時に極める!」 ]   March 14, 2007 03:48
スペイン語の映画の予告編(英語ではtrailerと言いますが)を使ってスペイン語を勉強してみましょう。 今回から3回に渡って紹介する映画はスペイン英語「海を飛ぶ夢」です。 ちなみにスペイン語の原題は"Mar adentro"です。 アカデミー賞外国語映画賞をはじめ数々の映画賞...

この記事へのコメント

1. Posted by yuyufite   March 20, 2005 00:06
コメント&トラバ、ありがとうございます。映画を作ってるんですね!映画が人に及ぼす影響って、ほんとうに大きいと思います。
この映画は観た後に、いろいろ考えさせてくれた映画です。“ただ楽しかった!”っていう映画もいいけど、こういうのもいい!
また寄らせてもらいます。
頑張ってくださいね!
2. Posted by nahorita   March 25, 2005 12:32
yuyufiteさん、どーもです。

『観て下さい!』って何度も書いてたyuyufiteさんの気持ちがよ〜くわかります。ホントにそうなんですもん。私もぜひぜひたくさんの人に観てもらいたいな。

3. Posted by kazupon   April 19, 2005 20:16
こんにちわ!お言葉に甘えて遊びにきました!
コメントまでありがとうございました!
ニューヨークにご在住ですか?いいですねー!!
アナメバールはまだ30そこそこで、あんなに鋭い人物
洞察をしていて、いったいこれからどうなるんだろうかと
思ってしまいました。いい意味で。
こちらのサイト、ブックマークしてたまに覗きにきますね!
よろしくお願いしまーす!!
4. Posted by 小夏   April 19, 2005 21:27
nahoritaさん、初めまして。
トラックバックありがとうございます!
「オープン・ユア・アイズ」からずっと大好きなアナメバール監督作品、大注目していたのですが田舎の我が地方では劇場公開されないという罠(汗)。残念でなりません。
DVD発売されたら早速レビュー書きますね。
その時にはこちらからもTBさせていただきたいと思いますw
5. Posted by nahorita   April 20, 2005 02:53
kazuponさん、コメントどーもです。

アメナーバルには大期待。音楽も自分でやっちゃうなんてかっこいい監督です。他の作品も観ましたか?

こちらこそよろしくお願いしま〜す。
6. Posted by nahorita   April 20, 2005 03:03
小夏さん、どーもです。

そっかぁ。田舎にお住まいなんですね。ちなみにどちらですか?私も田舎の方出身なのですが、なぜか映画だけは超充実していたので、お察しします。。。

DVDが出たらぜひぜひ観て下さい!そして感想聞かせて下さいね。
7. Posted by ななな   May 08, 2005 16:58
初めまして。
TB&コメントありがとうです。
NY羨ましいです〜!!おいしそうな写真がありましたね!
この映画で死を通して生きることもしっかり考えさせられました。見ることができて本当に良かったです。
また遊びに来ますね〜
8. Posted by nahorita   May 09, 2005 01:25
なななさん、コメント&TBありがとー。
最近食べてばっかなので、映画も観ないとね。
私もまた遊びに行きますね。おすすめ映画があったら教えて下さい!
9. Posted by ともっち   June 02, 2005 16:41
こんにちは。
この映画、主役のラモンも良かったですが、家族や周りの人みんなすごく印象的で良かったです。
普段考えない「生きること」「死ぬこと」を色々考えさせられた映画でした。
10. Posted by nahorita   June 03, 2005 11:22
>ともっちさん
こんちは。うんうん、私も周りの人間がホントに全員好きでした。1人の人間を通して、こんなにも多くの人間の個性も浮き立つっていうのがすごいなぁって。考えさせられましたね。私は普段から「生きること」と「死ぬこと」ばっかり考えてるのですが、考えても答えのないことだから映画とか作るんでしょうね。

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