阪神の国道線は大阪市の野田から神戸市の西灘まで走っていた。さらに先の東神戸まで伸びていて神戸市電に連絡していたが、196912月に廃止されている。その前に神戸高速鉄道が開通し、三宮以西への交通が便利になったので、市電連絡は廃止になった。

 路面電車としては大阪府と兵庫県にまたがる長い路線を持ち、通過する自治体は5市に及び、全線を乗り通すと2時間かかった。当時も乗り鉄の人はここを電車に揺られて乗られたと思う。私が乗車したのはほんの僅かな区間だけである。

 路線の西側は乗客の減少も顕著で、西宮以西の運転本数は減らされていて、1974年3月に上甲子園〜西灘間が廃止になった。その直前に何度か撮影している。友人に頼まれて、車で電車を追いかけて撮影したこともある。終点の西灘ではたくさん撮っているが、神戸市内の区間で撮影はあまり多くない。鳥居のある住吉駅前が目立つ撮影ポイントだった。それ以外には戦前からの建物が残る御影公会堂があるが、こちらは撮っていなかった。

 当時は何回か電車を撮るだけで満足していて、全路線の全停留所を記録しておこうという考えは無かった。特に神戸市内の区間はほとんど土地勘も無いし、関心の薄い地域だった。

 神戸市内には停留所が14もあったが、終点以外で写真を撮っているのは田中から徳井あたりの区間だけだった。

 廃止前から阪神バスも並行して走っていた。それが税関前行きのバスで、当時は阪神電気鉄道の直営バスだった。このバス路線はまだ残っているが始発は阪神西宮に短縮されている。三宮駅前でよく遭遇する。
7404602 阪神205田中
三王神社前を走る西灘行き電車。
三王神社といえば何かと災難の多い神社である。


7404603 阪神205田中
西へ向かう201形電車。戦時中に増備されたグループである。


7404625 阪神、甲南学園前
甲南学園前の停留所。ここにも歩道橋があったのか。小倉行きフェリーは阪九フェリーである。当時は日明港に着いていた。神戸の乗り場も東神戸のフェリーターミナルより西側だった。


7404628阪神207灘高校
望遠で撮るとよくわからないが甲南学園前〜灘高等学校前かもしれない。左上の部分で住吉川を渡っていると思う。


7303721 阪神88国道線
住吉駅前には本住吉神社がある。右側の林が神社である。乗用車の助手席から撮っている。



御影公会堂 i9185
石屋川の東岸に御影公会堂がある。この横で撮っておけば良かったのにと思う。この歴史的建造物は阪神大水害から戦災や地震等あらゆる災害を耐え抜いた建築である。小説「火垂るの墓」にも登場する。


7304532 阪神83上石屋
石屋川を過ぎた西側を走る。適当に撮っているという感じである。ここからでは電電公社のビルは見えるが、公会堂は隠れている。


7304534 阪神83徳井
乗っていた車の屋根が写っている。徳井の交差点から北へ曲がると灘三田線で六甲ケーブルの駅前を通る道である。


7304603 阪神83西灘
大石川を過ぎて大カーブがあり、この先が西灘駅になる。


7304605 阪神83西灘
ここには大規模な歩道橋がある。この先で国道2号線は43号線と合流することになる。83号はベンチレーターに特徴があった。


7304608 阪神83西灘
阪神本線の橋梁があり、その先が西灘の停留所である。