今年の2月、"ノートルダムの鐘"のミュージカル版が劇団四季により
公演されると発表があり、その公演が始まる日をずっと待ってました。

そしてついに12月、その作品が開幕しました。
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早速観てきたので、その感想と、それから、今回は↓こちら
ディズニー関連ブログ Advent Calendar 2016
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の企画に参加しての投稿となります。どうぞよろしくお願い致します。

さて、本題に入りますが、この作品、まだ開幕して最初の週ですし
これから観る方も沢山いるので、本編のネタバレには触れずに、ここを観ておきたいポイントと
雑感といった所でしょうか。そういう点について今回は書きたいと思います。

まずは簡単に作品の概要から。

原作は"レ・ミゼラブル"で有名なヴィクトル・ユゴーの"ノートルダム・ド・パリ"。
それを96年にディズニー作品"ノートルダムの鐘"として、アニメ映画化。
ディズニー好きには、もうお馴染みのアラン・メンケン作曲の楽曲が劇中に流れ
その美しいメロディーに心を打たれた人も多いでしょう(私もその一人)
それゆえ、作品そのものは、他のディズニー映画に比べ、原作も原作だけに
少し大人向けでマイナーな部類に入りますが、実は結構好き!といった方も多いと思います。

今回、劇団四季で公演されたこのミュージカル版は、ディズニーミュージカルを製作する
ディズニーシアトリカルが、14年にアメリカで初演。(※)ミュージカルの聖地こと、
ブロードウェイには
進出しませんでしたが、世界各国の数々のプロダクションに上演権を提供していきました。
劇団四季もその一つです。まあ、劇団四季はこれまでにライオンキングや、最近ではアラジンの
大成功もあり、日本国内のディズニーミュージカルを上演する顔でもあるので、必然的に四季が
日本でのライセンスを獲得するのも当然の流れですね。さらに、映画版のノートルダムの鐘も
四季俳優が吹き替えを担当してた縁もあるので、元々、ノートルダム=四季の構図は出来てたわけです。
(※)ディズニー製作のノートルダムの鐘のミュージカル版は、過去にベルリン公演の別verがあるのですが
今回、四季版として上演されるのは、アメリカで公演された14年版という事になります。

そんなミュージカル版ですが、作品の雰囲気は映画版と違い、かなり"原作寄り"になっています。
この"原作寄り"というのが、今回この作品を楽しむ注目ポイントの一つとなります。

私も原作をきちんと読んだわけでも無いので、詳しい事は分からないのですが
原作はレミゼのユゴーとあって、やはりかなり重々しい作品です。間違いなく子供向けではありません。

アニメ版を公開した際、その原作ファンからは、"あの重々しさがなくなり浅くなった"と不満の声も
多かったと聞きます。。。 
それは仕方なかったと思います。ディズニー映画として公開する以上、ディズニー側は
子供でも観られるようにと、作品をどうしてもアレンジする必要があったと思います。自分も
もし原作ファンだったら、物足りなさはどこかで感じてたかもしれません。

今回のミュージカル版は、映画で使われた曲や音楽を取り込み、物語は原作に寄せています。
つまり、映画の良いところを生かしつつ、原作テイストを残すという、ハイブリッドな
"新生ノートルダム"として再構築されました。 

そう、この"再構築"こそが、今回ミュージカル化した最大の見せ場だと、個人的に思っています。

どういう事かというと、これまでディズニーは"美女と野獣"から始め、"ライオンキング"、"リトルマーメイド"といった作品を映画→ミュージカルにしています。
これらは、話の大元は映画版に忠実になっています。そしてそこに、映画では削られてしまった設定や
曲を追加したり、映画では出来なかった演出を取り入れ、ブラッシュアップして、2幕構成の3時間近くある
大型作品として物語の幅を広げました。

ノートルダムの場合は、どちらかというと、話の大元がまずは原作。そこに映画版の良さを追加して
話の幅を広げたというよりは、物語そのものを、ほぼ別物として見せてくれます。

私が愛して止まないディズニーミュージカルの"Newsies"も、映画版が元ですが、
そこから登場人物を変えたり、全体的に、大きく変わった印象を受け、最近のディズニーミュージカルは
映画があるから。というわけでもないんだな、と思いました。しかし、それでも大元は映画版と同じ流れ
だったので、ノートルダムに比べたら、Newsiesもブラッシュアップに近いリメイク版。という印象です。

思うにですね、ノートルダムのミュージカル版の場合、本来ディズニーも映画化する際に
こういう原作路線で行きかったのかな?とも感じられました。ただ、やはりそうすると子供が
楽しめない。という事もあり、変える必要があった。それなので、映画で出来なかった事を
ミュージカルではやる事にした。

それは映画化の際に、原作ファンから"もの足りない"と言われた事を補完してくれ
ディズニーが作る"ヴィクトルユゴーのノートルダム・ド・パリ"を遂に送り出した。
そんな気がしました。
(上記で少し触れたベルリン版も、映画版よりは原作寄りだったそうですが
ただ、評判は"なんだか中途半端"・・・だったようで、そういった意味でも、やはり今作のアメリカ版が
完成形なのかなと)

あくまで映画版、ミュージカル版を見比べてみた、個人的な感想になりますが。

というわけで、この作品を楽しむポイントの一つに、
"再構築"というリブートされた"ノートルダムの鐘"として観られる。事になります

次は、その他に、"ここは押さえるべき"楽しむ点についてです。 

① キャラクターの登場シーンの演出

普通、多くの作品では、登場人物は舞台袖や中央から初登場してきますよね。
しかし、この作品。キャラクターの初登場が、えっ!?そうくるの!?という感じで
登場します。あまり詳しく言うと、ネタバレになるので控えますが、どちらかというと
この手法はミュージカルというよりは、演劇的かな?とも思いました。
演劇的演出は、他でもちょっと垣間見れるので、ミュージカルは苦手だな。。。
といった方も、もしかしたら、ノートルダムなら観られる。となるかもしれません。

そして映画版ノートルダムのオープニングは、個人的にディズニー映画の中では
ダントツにぶっちぎりで好きなのですが、ミュージカル版も負けていません。
映画でお馴染みの、あのオープニング曲は当然ですが、そこに登場する
カジモドの演出、本当に鳥肌がゾワっと立ちます。

② マジックの演出 

クロパンやエスメラルダはマジックが使え、
他にもちょっと、驚く仕掛けがあるマジックも観られます。
こういう所は、生の舞台ならではのライブショーとしても
楽しめますので、舞台演出として見所あります。 

③ クワイアの演出

舞台上の役者以外に、クワイア(合唱隊)もいるのがこの作品の特徴です。
さすがは大聖堂を舞台にした作品ならでは。各所で、楽曲に乗せて歌を聴かせて
くれるのですが、中でも注目は、二幕はじめに流れるアントラクト(間奏曲) 
通常、多くの作品では、一幕のオーバーチュアと並んで、二幕目も曲を流してから
物語がスタートしますよね。ノートルダムの場合は、それが曲にとどまらず、このクワイアの
合唱がついています。これはがっつりと聞き惚れる事間違いないです!
休憩時間は、多くの方はトイレに行かれると思いますが、これは聴いた方が良いので
早めに戻るのをお勧めします。
ただ、女子トイレの行列は観劇にはつきもの。四季の場合は、トイレの混み具合も考慮して
開始時間を調整してくれるので、そこは有難いのですが、出来れば聞き逃す事のないように
観劇前は水分を控えるとか、対策をした方が良いでしょう。

④ アラン・メンケンの楽曲

これは映画版でも十分に感じられるので、ミュージカル版が特別!!というわけでは
無いのですが、当然、映画には無い曲も追加されています。それはもちろんミュージカル版
特有のお勧めポイントですが、個人的にさらにお勧めなのが、映画版ではエンディング曲だった
"Someday"が劇中歌になっているところです。 
これが・・・ものすごい上手い使われ方をしているんですよね・・・。あっ、ここでこれ流すのか・・・って。
もう"Someday"が流れるシーンは、涙がどんどん溢れてきます。

以上お勧めポイントでした
。私もまだ一回の鑑賞なので、またリピートしたら、もっと色んなお勧めポイントが
出てくるかもしれません。その時は、思いついたらお伝え出来たらと思います。 

そして最後に大事な点を一つ、作中では、カジモド=怪物として物語は進められていきますが
しかし"怪物って何?人間って何?それらの違いは?"と考えさせれる場面が随所に見られます。
これ、この作品の重要なテーマだと思ってます。今の世界情勢にも視野を広げると、少し繋がる事だとも
思ってるので、そういった意味で"非常に考えさせられる"作品になっているのは間違いないです。

"ノートルダムの鐘"を上演している、劇団四季の四季劇場「秋」は
来年から周辺の都市開発のため、6月末をもって一旦閉鎖となります。
それゆえ、ノートルダムも6月25日をもって、東京公演は閉幕です。 
東京公演の後は、7月から京都公演、そして18年春に横浜公演と
次が決まっていますが、東京で観られるのは、6月まで。というのは
変わりないです。

それなので、まだチケットは取ってないけど、でも観てみたいなぁ~。と
思った方は、もう3月までは、ほぼ売り切れ、4月~6月も残席が少なくなっています。
さらに、開幕してリピーターが、その残り少ない席を追加で買うので
(私も追加したくなりました(笑))、本当に
東京で観られる機会は、"今のうち"です。是非とも、観劇してみたくなった方は
券種は置いといて、とにかく座席を確保してください。(とりあえず観るのが大事です!)

以上、ミュージカル版ノートルダムの鐘についてでした。
長々としてしまいましたが、読んでくれた皆様、ありがとうございます。






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キンキーブーツの作品の魅力は前回の記事で語ったので、今回は別視点から
素晴らしかった事を。

今年はキンキーイヤー!と称して、ミュージカル界では、日本版と来日版を同じ年に公演するという
かなり画期的な事が行われた。

日本語で楽しんだ後は、じゃあ本場の雰囲気を。という英語版を楽しめるという、なんとも美味しい企画。
まさに1つで二度楽しめるというもの。 

これね~、本当に今までミュージカルの歴史は長いのに、中々例を見ない珍しい事。
というのも、多くの作品は国内版が上演されると、来日公演が出来なくなるのが通常だから。

権利を持っている団体により、どういう契約がされているかは、お客さん視点の我々には分かり得ない事
なのだが、でも大人気の知名度の高い大型ミュージカルの来日版がずっと上演されていないのは
まあ、大人の事情というのがあるのでしょう。

でもこの大人の事情というやつ、はっきり言うと、お客さんにとっては全く得をしないんですよ。。。

日本語で観られるのだから、英語版なんていいだろ。両方やってたチケットがバラけて
結局共倒れになる。 

もしかしたらそんな心配もあったり。

でも多くのファンにとっては、どっちも観てみたい。って思うのが自然な事だと思う。

映画だって、本来の俳優の声を聞きたいから字幕を選ぶ人が多い。でも、字幕は追えないから
吹き替えでみたい。だからどっちも選べるようにしてくれる。

ミュージカルにおいても、本場の雰囲気で観たい、でも日本語でも観たい。
どっちも選べるというニーズが当然あってもおかしくないはず。

ましてやミュージカルは生で行われるもので、日によって演者がアレンジを加えたり
それこそ国内だけでもダブルキャストなどで、演者を選んで作品を楽しめるように
色んな視点で楽しませてくれる要素が大きい。

日本人キャストですら、色々観たいんだから、そりゃ~本場キャストの公演も観たくなるでしょう。

それなので、ミュージカル界では割と常識になっている"大人の事情"は、ミュージカルの
"色んな視点で楽しみたい"という大事な要素を無くしてしまっているので、お客さん側は
得をしていないと、私は思っている。

最近はその"常識"も少しずつ緩和されているのかな?という嬉しい事もある。

それが14年に日本版シスターアクトが日本初上演され、15年に来日版、今年16年に日本版再演。

日本初演からわずか1年で、来日版が来てくれた。しかもその来日版はチケットが全公演完売と
いつもはチケットが公演してからでも買える来日公演でも、非常に珍しい出来事だった。

シスターアクトに関しては、元々の映画が有名で、それゆえ前年の日本版の好評版から
完売。というわけではないだろうけど、でも日本版を観て良かったから、来日版も行こうと思った人も
多いはず。(私はその一人)そして日本版再演時も絶対に行こう!と決めて、今年も多いに楽しんだ。

だから、もし"大人の事情"の一つに、お互いが客を食う。というのがあるとしたら、それはそんな事もなく
むしろこのような相乗効果を期待できるんじゃないかと思ってる。

さて、話を戻して今回のキンキーブーツは、シスターアクトとは違い、同じ年に日本版→来日版の
バトンタッチという形式で行われた。日本版は主演が小池徹平と三浦春馬なので、それゆえチケットの
完売が早かったが、来日版も日本版で気に入った方が観てくれるているのに加え、新たに観たい人も
増え、ジワジワと観客を増やしていった。よって、やはり日本版があるから来日版の売り上げが悪いという
事も無い。 

しかも両方やってくれるからこそ、日本語で観たい、英語で観たい。どっちも観たい。と
多くの人が作品に触れる事が出来て、この作品の素晴らしいテーマと魅力を存分に伝えていったはず。
自分も含め、キンキーブーツの魅力にどんどんハマっていく人が多かったし、お勧めして観にいってくれた人も
いた。

だからやっぱり、作品に触れる機会はどんどん増やしていくべきだと思う。

あと、この日本版と来日版のバトンタッチによる同時上演も、公式からも"違いを楽しんで!”
”どっちも魅力的だから"と、お互いに手を取り合って、作品を盛り上げる感があった、まさにコラボ企画
だったのは非常に良かった。特番で日米キャストインタビューもやったり、とにかく主催が協力してくれた。
そうそうお前ら分かってんじゃねーか!と(笑) 

もちろん来日公演は、思った以上に色んな所の協力が必要なので、お客さん側では想像できないような
大きな金額や手間がかかるから、気軽に呼べない=それが"大人の事情"になり得るのも理解しているけど
でも、ミュージカル界の未来を考えたら、やはり来日公演をやる意義は多いにあると思う。

キンキーブーツは、"自分が変われば世界が変わる"というメッセージを届けてくれる作品。
そんな作品が、ミュージカル界で画期的な日米コラボ上演という事をやってくれた。
まさに、"自分が変わって、ミュージカル界を変えよう"と自ら実践してくれた気もして嬉しさで一杯。

ミュージカル界の今後に期待するのと同時に、今回日米コラボをやるために
動いてくれた主催者の皆さんに本当に感謝!



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昨年の来日決定!の速報から、ずっと心待ちにしていたミュージカル。
キンキーブーツをついに鑑賞!トニー賞授賞式でのパフォーマンスでその存在感の
インパクトを受け、そして今年初めのニューイヤーコンサートでの曲披露を見て、
あぁ~これは間違いなく期待できるな!と思い、さらにそこにブロードウェイでNewsiesを観た時の
アダム・カプランが主演で日本で来てくれるとなり、もう期待値は日に日に上昇するばかり。 

残念ながら、来日前にやってた日本版は都合がつかなくて行けなかったのだけど(ジャージーボーイズに
明け暮れた夏と被ってたしねw)それを観た皆さんの感想も絶賛ばっかりだったので、さらに安心して
鑑賞日を迎える事が出来た。

そして、鑑賞したら・・・・うん、もう一発で惚れたw 
一幕最後の、そしてトニー賞授賞式で観た"Everybody Say Yeah!"を生でこの目で観られて
それが楽しすぎて、もう涙が自然と流れた。 

一幕終わりで既に惚れ始めたのだが、それが2幕の最後になった時は
感動と楽しさが頂点になり、もういわんばかりの涙が溢れ、そこで完全にキンキー愛に堕ちるw
んで、終演後は一番ノリでリピーターチケットを買いに言ってしまうほど(笑) 

さて、この作品、なんでこんなに惚れてしまったのかというと、
それは、Everybody say~や2幕最後のRaise you up などシンディーローパーのノリノリの曲
が良すぎたというは当然なんだけど、何より物語のテーマが心に突き刺さった。

ズバリこの物語が伝えたかった事は

"他者理解と自己肯定" "自分が変われば、世界も変わる" といったメッセージ。

主人公2人は"父親との確執"があり、彼らは幼い頃から父親の期待を受けてたけど
2人ともそれぞれが、その期待を裏切ってしまう。そして"自分は何なのか"と葛藤し苦悩する。

その確執を乗り越える姿を観客に見せ、また周りの人間も、彼らのそんな姿を見て
”他者理解と自己肯定" "自分が変われば、世界も変わる"という事を、実践していく。

実はこれらのテーマをした作品は、特に日本人が大好きなもう少し重い話でも作れそうな感じがするけど
この作品の素晴らしい所は、それを"明るく、前向きに"といったポジティブな気持ちで、
シンディーローパーが手がけたノリノリな曲で表現をした所。 

こんなに楽しくも感動させられる作りにしたのは、本当に誰でも入っていけそうな雰囲気だし
あえてそうしたんだな。というのもすごく伝わる。

というのも、このテーマは誰しも日々感じることであって、だからこそより
多くの人に受け入れられるように、明るくしたのだと思う。 

みんな同じ悩みは抱えているから。 

そんな悩みに対して、こうものすごく、前へ、前へ進んでいこうよ。と
作品が押してくれるその姿に、本当に感動した。 

来日キンキーブーツの東京公演も、残すところ今週一杯まで。
とにかく、作品テーマとそれを楽しく伝えてくれる曲が良いので
本当にお勧めなので、ぜひぜひ劇場で! 



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