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キンキーブーツの作品の魅力は前回の記事で語ったので、今回は別視点から
素晴らしかった事を。

今年はキンキーイヤー!と称して、ミュージカル界では、日本版と来日版を同じ年に公演するという
かなり画期的な事が行われた。

日本語で楽しんだ後は、じゃあ本場の雰囲気を。という英語版を楽しめるという、なんとも美味しい企画。
まさに1つで二度楽しめるというもの。 

これね~、本当に今までミュージカルの歴史は長いのに、中々例を見ない珍しい事。
というのも、多くの作品は国内版が上演されると、来日公演が出来なくなるのが通常だから。

権利を持っている団体により、どういう契約がされているかは、お客さん視点の我々には分かり得ない事
なのだが、でも大人気の知名度の高い大型ミュージカルの来日版がずっと上演されていないのは
まあ、大人の事情というのがあるのでしょう。

でもこの大人の事情というやつ、はっきり言うと、お客さんにとっては全く得をしないんですよ。。。

日本語で観られるのだから、英語版なんていいだろ。両方やってたチケットがバラけて
結局共倒れになる。 

もしかしたらそんな心配もあったり。

でも多くのファンにとっては、どっちも観てみたい。って思うのが自然な事だと思う。

映画だって、本来の俳優の声を聞きたいから字幕を選ぶ人が多い。でも、字幕は追えないから
吹き替えでみたい。だからどっちも選べるようにしてくれる。

ミュージカルにおいても、本場の雰囲気で観たい、でも日本語でも観たい。
どっちも選べるというニーズが当然あってもおかしくないはず。

ましてやミュージカルは生で行われるもので、日によって演者がアレンジを加えたり
それこそ国内だけでもダブルキャストなどで、演者を選んで作品を楽しめるように
色んな視点で楽しませてくれる要素が大きい。

日本人キャストですら、色々観たいんだから、そりゃ~本場キャストの公演も観たくなるでしょう。

それなので、ミュージカル界では割と常識になっている"大人の事情"は、ミュージカルの
"色んな視点で楽しみたい"という大事な要素を無くしてしまっているので、お客さん側は
得をしていないと、私は思っている。

最近はその"常識"も少しずつ緩和されているのかな?という嬉しい事もある。

それが14年に日本版シスターアクトが日本初上演され、15年に来日版、今年16年に日本版再演。

日本初演からわずか1年で、来日版が来てくれた。しかもその来日版はチケットが全公演完売と
いつもはチケットが公演してからでも買える来日公演でも、非常に珍しい出来事だった。

シスターアクトに関しては、元々の映画が有名で、それゆえ前年の日本版の好評版から
完売。というわけではないだろうけど、でも日本版を観て良かったから、来日版も行こうと思った人も
多いはず。(私はその一人)そして日本版再演時も絶対に行こう!と決めて、今年も多いに楽しんだ。

だから、もし"大人の事情"の一つに、お互いが客を食う。というのがあるとしたら、それはそんな事もなく
むしろこのような相乗効果を期待できるんじゃないかと思ってる。

さて、話を戻して今回のキンキーブーツは、シスターアクトとは違い、同じ年に日本版→来日版の
バトンタッチという形式で行われた。日本版は主演が小池徹平と三浦春馬なので、それゆえチケットの
完売が早かったが、来日版も日本版で気に入った方が観てくれるているのに加え、新たに観たい人も
増え、ジワジワと観客を増やしていった。よって、やはり日本版があるから来日版の売り上げが悪いという
事も無い。 

しかも両方やってくれるからこそ、日本語で観たい、英語で観たい。どっちも観たい。と
多くの人が作品に触れる事が出来て、この作品の素晴らしいテーマと魅力を存分に伝えていったはず。
自分も含め、キンキーブーツの魅力にどんどんハマっていく人が多かったし、お勧めして観にいってくれた人も
いた。

だからやっぱり、作品に触れる機会はどんどん増やしていくべきだと思う。

あと、この日本版と来日版のバトンタッチによる同時上演も、公式からも"違いを楽しんで!”
”どっちも魅力的だから"と、お互いに手を取り合って、作品を盛り上げる感があった、まさにコラボ企画
だったのは非常に良かった。特番で日米キャストインタビューもやったり、とにかく主催が協力してくれた。
そうそうお前ら分かってんじゃねーか!と(笑) 

もちろん来日公演は、思った以上に色んな所の協力が必要なので、お客さん側では想像できないような
大きな金額や手間がかかるから、気軽に呼べない=それが"大人の事情"になり得るのも理解しているけど
でも、ミュージカル界の未来を考えたら、やはり来日公演をやる意義は多いにあると思う。

キンキーブーツは、"自分が変われば世界が変わる"というメッセージを届けてくれる作品。
そんな作品が、ミュージカル界で画期的な日米コラボ上演という事をやってくれた。
まさに、"自分が変わって、ミュージカル界を変えよう"と自ら実践してくれた気もして嬉しさで一杯。

ミュージカル界の今後に期待するのと同時に、今回日米コラボをやるために
動いてくれた主催者の皆さんに本当に感謝!