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ついに日本版ジャージーボーイズが自分の視界の中に飛び込んできた。

Dec,1963のフランス語版から始まる流れは一緒で、あの曲のイントロが流れてきた時
胸が高鳴った。あぁ~ついに始まる!

そして、ここからはもう情報がいっぱい入りすぎてその整理だけでも大変だった。

・・・というのも、幕が開ける前の舞台装置を見た時からそれは感じていたが、
本当に日本版は昨年見た来日版とは、かなり異なるっていたからだ。

えっ!?舞台が回る!? おっ、トミーとフランキーが客席から登場とは!!

タイプA、タイプB・・・あっ、こう客席いじるの面白いじゃん(笑)

オープニングわずか数分でもうこんなに違うのだから、それはもう情報整理が本当に追いつかなくなる。
そしてこの状態は、結局、最初から最後まで続くのだが、

ただそれでも、初回からどっぷりと話の中に入り込んでいけて、去年来日公演を観た時と
同じ感動が得られたのは

”きちんとジャージーボーイズ”

であった。これがものすごく感じられたからだ。

昨年の来日公演で、私を虜にした、客席もライブシーンのお客さん役として成り立っている演出。
ミュージカルといえば、歌=台詞が売りのスタイルだが、ジャージーボーイズの好きな所は
そのスタイルを上手く感じさせない、歌のシーンが台詞っぽくなく音楽劇に近い所。良くも悪くも
ミュージカルっぽくない。それがやはりきちんとあった事。 

まあ、いくら日本版で演出変えたからといって、さすがにこの作品の根底をくつがえす事は
普通に考えたらあり得ないのだが、ただ藤田さんの意気込みが、"オリジナルをぶっ壊す"くらい
だったから、実はどう変化してしまうのだろう?と不安になってた一つがここだった。

でも、ここはそのままで本当に良かった。だからこそ、あぁ~ジャージーボーイズの日本版が観れた!
と素直に受け入れられたから。 

さて、ここで私が気になった日米間の演出の違いを言うと

■日本版 

ドラムセットが舞台上に無い。ライブシーンでは、フォーシーズンズの4人が引き立つ
アンサンブルが目立つ。

■オリジナル版

ドラムセットが舞台上にある。ライブシーンでも、演奏者がいるので
バンド感がある。

特に顕著だったのは、日本版では、Bye-Bye- Babyのくだり、ここは本家でもライブシーンでなく
フランキーの心情を乗せて歌うシーンで、いわゆる元々ミュージカルっぽいシーンになるのだが
傘を使ったアンサンブルのダンスが目立ち、そのミュージカルっぽさに華が添えられた感じがした。

また、フランキーが"君の瞳に恋してる" "Workin my way back to you"を歌うライブシーンも
本家では、フランキー1人とバンドメンバーという構成だったが、日本版では、新生フォーシーズンズの
他のメンバーによるダンスとなっていた。 

つまり、日米を比べるとオリジナルのがミュージカルの面よりバンド感が強く
より音楽劇っぽく感じられた。

これについては、日本版がミュージカルっぽくなったのは、オリジナルのフォーシーズンズをあまり知らない
日本の客層や世代を考えると、この演出の方が入っていきやすいのかな。と思った。フォーシーズンズの4人に
フォーカスが当たるのもその方が物語としても分かりやすい。

個人的には、これまた男性目線での話になってしまうが、オリジナルのバンド感が強い方が
男臭く感じて、男性客にはオリジナルの方が受けるかな?と感じた。もちろんここは好みの話だけど。

そして、あっ!ここは変えちゃったのか・・・
と思ってしまったのは次の2点

(1)"君の瞳に恋してる" のボブの退場シーン 

ここ、日本版では曲の割と前半の方で立ち去ってしまうが、オリジナル版は、2番の途中から。
と結構長くいる。個人的には、"君の瞳に恋してる"はボブがそれこそ、ジャージーコントラクトで
フランキーと固く結ばれて、そしてそのフランキーを特に前面に出してやりたかった曲。一度はお蔵入りに
なりかけてのようやくの日の目を浴びる事となった、物語でも重要な曲の一つ。 
だからこそ、それをフランキーが歌っている姿をじっくりと見つめ続け、そしてボブの中で、ようやく「フランキーに任せられる」と心の中で確信したのか、そうして去っていく姿に、もう涙が止まらなかった。
だからここはもう少しフランキーを見守っていて欲しかったなと。 

(2)ラストシーン、ニックの退場

フォーシーズンズの4人がそれぞれの独白をして、舞台を去るシーンは、最終場面として
物凄く印象に残るけど、とりわけニックの退場が一番印象的だった。というのも、フランキーの独白で
分かる事なんだけど、「ニックは2000年に亡くなった」と既にこの世にはいない。 

オリジナルの演出では、ニックの独白の後、フランキーが独白をする際に
ニックが舞台の2階部分に残っている。
そして、ニックの死について語られる。 

2階=天上界にして、ニックが天に召されている事を示していて、これも鳥肌が立つくらいに
感動した演出だったので、日本版でニックがそのまま退場して、フランキーの独白に入ってしまったのは
少しもったいなかったかな。と


ただ(1)にしろ(2)にしろ、あくまで本家と比べたらの話であって、だからといって日本版が
ボブのフランキーに対する想いが伝わらないとかそういうのも全くないわけではなく
全体を通して、日本版も十分に"ジャージーボーイズ"だったと思えるから、その点は本当に良かった。

ロックの殿堂シーンで、楽屋で4人集まっている姿や、スターダムを駆け上がる際に
チラつくメアリーの様子、ニックが脱退を決めてしまいそこで切なく STAYを歌う姿は
日本版の方が丁寧に心情を描いていたかなと思ったので。 

そんなわけで、初回を観て、これで安心して日本版ジャージーボーイズが楽しめると思えたのは
見る前の緊張や不安から開放されて本当に気が楽になった。

「日本人がジャージーボーイズを日本語で???」なんていう声も開幕前には一部では聞こえたけど
その心配は全くなかった。「日本人でも全く問題無い、ジャージーボーイズ完璧に出来たから!」
これは声を大にして言いたい。

最後のカーテンコール。Dec,1963で盛り上がる流れは本家と一緒で
これも観客全員で盛り上がれて良かったけど、さらに日本版が凄いと思ったのは

その後にPVのメドレーを出演者が交代で歌い、さらに盛り上がった事。
しかも原曲の英詩と、本家のリスペクトもあり、その演出にはさらに感動!
カテコをライブ演出にした事、これはどこをどう取っても日本版アッパレでしょ!ありがとう藤田さん!!