患者は、呼吸器外科で胸部の悪性腫瘍の手術を受けて、その後、年に一回のペースでCT検査を受けていたそうですが、胆管癌の画像診断をきちんと確認していなかった、ということのようです。
胸部外科医は、肺野など主に胸部の病変をみたかった、ということだと思いますが、腹部臓器に新たな癌が発症した、ということのようです。
画像診断装置の発達とともに、医療の細分化は、このような医療事故の発生を、放射線科医たちも心配しています。
亡くなられた患者さまのご冥福をお祈りいたします。
読売新聞から
死亡のがん患者、診察に1年前の画像…群大病院
群馬大学病院は30日、コンピューター断層撮影(CT)検査でがんが疑われた70歳代の男性患者に対し、誤って1年前の画像診断報告書を基に診察し、がんの治療が遅れたと発表した。
男性は、問題の診察から10か月後の2017年5月に胆管がんと診断され、同10月に死亡した。病院は、正しい報告書で診断していれば治療を早く開始できたとし、遺族に謝罪した。
発表によると、男性は10年以上前に同病院の呼吸器外科で胸部の悪性腫瘍の手術を受け、その後は年1回、CT検査を受けていた。
男性が2016年7月にCT検査を受けた際、呼吸器外科の担当医は、誤って1年前の検査の画像診断報告書を見て診察し、悪性腫瘍の再発などはないと診断した。報告書は放射線科医が作成し、診察時にはまだ、新しい報告書はできていなかったという。