graduated統計を取れば、入学試験に何度も失敗した学生というのは、無事に入学できたとしても、その後、大学内での勉学や試験、進級、そして、国家試験の合格、について、現役合格の学生よりも不利な数字が客観的に出ることは間違いない、と、私も確信しています。
集団として捉えれば。

でも、個々の学生を見れば、その統計結果には当てはまらない学生の例がいくらでもある、というのも事実でしょう。可能性、ポテンシャルはあると考えるべきです。

入学後の学生の学習意欲は、学生本人だけに責任を負わせるべきことではない、とも思いますし、教育の本質を考えれば、多浪受験生について、過去の統計実績と、個々の学生のポテンシャル、と、どちらを重視すべきか、ということは自明だと思います。

そうあってほしい、と、私は願います。

ただ、医学教育という大変特殊な高等教育について、社会の位置付け、経済コスト、が絡んでくるのかな、と、思います。
多分、経済学部や社会学部などでは、卒業生全員が受けなければならないとされる国家試験もないし、その後の職業、社会的責任も固定されてはいないので、入試はもっと自由度が高くて、それが許されるものだろう、と、想像しています。

いい意味でも、悪い意味でも、医学部は特殊、です。


読売新聞から

女子だけでなく、3浪の男子も抑制…東京医大

 東京医科大(東京)が医学部医学科の一般入試で女子受験生の合格者数を抑制していた問題で、同大による内部調査の詳細が判明した。今年の一般入試では、受験者側に知らせないまま、減点などで女子だけでなく3浪以上の男子の合格者数も抑える一方、5人前後の特定の受験生には加点していた。一連の得点操作は、臼井正彦前理事長(77)の指示で行われていた。

 同大は週内にも調査結果を公表する見通し。文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件で、臼井前理事長を贈賄罪で起訴した東京地検特捜部も、一連の操作を把握しているとみられる。
 同大医学科の今年の一般入試は、マークシート方式の1次試験(計400点満点)後、2次に進んだ受験者が小論文(100点満点)と面接を受け、1次の得点と合算して合否が決まった。