自己主導型学習能力開発研究室

ISDL: Research and Development Institute of Self-Directed Learning

医療倫理

2022年4月から、医療系大学の職員として教育責務を果たすことになりました
よろしくお願いいたします

医療系大学の教育と地域医療に携わりながら、人と社会、教育と医療を考え、その軌跡を残していきます。(旧「医学教育でのひとりごと」「医は忍術?」「いやしのわざとこころ、サナトリウムから」「浄土の地から」「ひまわりのなかで」「suzukaの風に吹かれつつ‥」「医学を学ぶ、生涯学習!」「医療者大学教育でのひとりごと」)

性別変更した女性 凍結保存した精子でパートナーの女性が出産

heart社会の変化が、法律による制度とズレが起きている、と、思います。

とはいえ、このようなケースが生まれる、このような子供が生まれる、ということは予想もしていませんでした。



東京新聞から

性別変更、子の認知認めず 凍結精子出産「現行法と整合せず」東京家裁

 性同一性障害で男性から性別変更した女性が、自分の凍結精子でパートナーの女性との間に生まれた子と法的な親子となるための認知を巡る訴訟で、東京家裁(小河原寧裁判長)は28日、「法律上の親子関係を認めることは現行法と整合しない」と認知を認めない判決を言い渡した。

 カップルは東京都の40代女性と、パートナーの30代女性。40代女性が性別適合手術前に凍結保存した精子を使い、30代女性が2018年に長女、2020年に次女を出産した。40代女性は2018年に戸籍上の性別を変更した。
 判決は、親子関係は血縁上と法律上で「必ずしも同義ではない」と指摘。婚外子を父または母が認知できるとする民法の条文は「『父』は男性、『母』は女性が前提」とし、法律上の女性は「父」と認められないと判断した。懐胎、出産しておらず、「母」にも当たらないとした。
 女性側は認知届を出したが、自治体に受理されず、子ども2人を原告として40代女性に認知を求めていた。
 原告側は控訴の方針。別に、国を相手に親子関係の確認を求める訴訟を起こし、東京地裁で審理中。

◆「実際に育て、生物学的にもつながっているのに、矛盾感じる」
 1歳の次女とともに法廷で判決を聞いた40代女性。判決後の記者会見で「親子関係がないと言われつらいし、残念に思う。実際に育てていて、生物学的にもつながっているのに、矛盾を感じる」と無念の思いを語った。経済や福祉面で子に不利益になることが不安だといい、「裁判を続けたい。子どもが生きやすい社会にしたい」と話した。
 子どもたちは、女性二人をともに「ママ」と呼んでいるという。代理人の仲岡しゅん弁護士は、判決が母子関係の根拠を出産としたことに「生殖補助医療もなく、性同一性障害も認められていない大昔の最高裁判決を引っ張ってきた。家族関係は多様化しているのに硬直的な思考だ」と批判。男性ではないから「父」ではないという判断にも、子が成人後に性別変更すれば女性が「父」、男性が「母」となる実態を挙げ「未成年では認めない合理的な理由はあるのか」と疑問を投げかけた。
 松田真紀弁護士は「法律という多数決で決まるルールから取りこぼされる人を救うのが司法の役割。少数者は誰に助けを求めればよいのか」と指摘した。

◆子の福祉に触れず問題
 渡邉泰彦・京都産業大教授(家族法)の話 子どもが親を求めた裁判なのに、判決が子の福祉に触れていないのは問題。戸籍に親として記載されず、子どもの「出自を知る権利」も保障されないことになる。法律上の「父」とは何かという論点にも踏み込んでいない。性別と親の分離について、きちんと議論すべきだった。

開業前に、勤務先の医院から患者データを持ち出す 眼科医逮捕

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デジタル化、電子カルテは、このような大量の患者情報の盗み出しを容易にしています。

この案件、患者からみると、具体的な被害や損害、というものは皆無だと思いますが、もちろん、無断で、医療機関の外に(別の医療機関内にとどまっているとしても)、患者の情報を持ち出す、ということは、法律違反の事案となります。

でも、こういう事案で、警察が医師を逮捕した、ということが、少し驚き、かもしれません。
よく似た話は、開業前後の医師の周辺から、ときどき耳にしたことがありますので。ただ、今回は、規模が違うのかなあ。


朝日新聞から
(個人名を省きました)


眼科開業医を逮捕 前の勤務先の患者情報、不正にコピーした疑い

 勤務先の眼科医院から6千件以上の患者情報を不正に入手したとして、神奈川県警は30日、医師の容疑者(43)=横浜市=と、医院の元従業員の容疑者(42)=同=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで逮捕した。医師の容疑者は医院を退職後に別の眼科医院を開業しており、県警は、入手した情報を新規の患者を増やすために使った可能性があるとみて調べている。

 生活経済課によると、2人は共謀し、横浜市内の眼科医院に勤務していた2018年11月11日、不正の利益を得る目的で、この医院の営業秘密にあたる6433人分の患者の氏名や住所などの情報を、USBメモリーに不正にコピーした疑いがある。医師の容疑者は「弁護士と話すまで何も話すことはありません」、元従業員の容疑者はUSBへの保存を認めた上で「医師の指示でやったので悪いこととは思っていない」と供述しているという。
 医師の容疑者は退職後の2021年春ごろ、東京都町田市で眼科医院を開業。ウェブサイトでは「院長からご挨拶」として、全国の眼科医院で累計2万8千件以上の手術経験があると説明している。県警が被害にあった眼科医院から相談を受け、捜査していた。

立花隆さんのご冥福をお祈りしております。

heart
立花隆さんが亡くなった、というニュースに驚きました。

立花さんの見識の広さには、大変感銘を受けておりました。今から35年ぐらい前、大学生だったときに、大学祭の委員長をやることになったのですが、そのとき、恒例の講演会に、立花さんをおよびできないか、という話になり、恐る恐る、電話をしたことがあります。
とにかく、予算が乏しかったので。

ところが、立花さんは、わたしたち大学祭実行委員会の申し出を快く引き受けてくださいました。

「どこでも呼んでくれるならいきますよ」

たしか、新幹線の往復料金とビジネスホテルの宿泊代と同等程度の薄い謝礼で、大変、お忙しいスケジュールをさいて、講演に来ていただいたのではないか、と、記憶しています。

講演は、当時、社会問題にもなってきていた脳死についてのテーマで、素晴らしい講演をしていただきました。
その後の質疑応答でも30分以上、会場からの質問に、丁寧に対応していただいたことをよく覚えています。

ご冥福をお祈りいたします。


NHKのニュースサイトから


ジャーナリスト・作家 立花隆さん死去 幅広いテーマ取材

田中内閣退陣のきっかけになったと言われる「田中角栄研究」をはじめ、政治や科学、医療など幅広いテーマで取材や評論活動を行ってきたジャーナリストでノンフィクション作家の立花隆さんが、ことし4月、急性冠症候群のため亡くなりました。80歳でした。
立花隆さんは昭和15年に長崎市で生まれ、東京大学を卒業したあと出版社の文藝春秋に入社しました。
入社から2年あまりで出版社を離れたあとも取材活動や記事の執筆を続け、昭和49年に現職の総理大臣だった田中角栄氏の金脈問題を膨大な資料を検証して追及した「田中角栄研究」を発表して大きな反響を呼び、田中内閣が退陣するきっかけになったと言われています。
その後も鋭い着眼点と徹底した取材をもとにしたルポルタージュを次々と発表し、扱うテーマも政治だけでなく、最先端の科学や医療、宇宙や脳死など多岐にわたり、「知の巨人」と称されました。
平成7年からは東京大学の客員教授を務めてユニークな講義で多くの学生たちに学びの大切さを伝え、各地の大学でも講演するなど若い世代の育成にも力を注いできました。
平成19年にはぼうこうがんが見つかったことを公表し、病気や死をテーマにした作品の執筆やドキュメンタリー番組の制作にも携わってきました。
家族によりますと、立花さんは糖尿病や心臓病などを抱えて入退院を繰り返したあと旧知の病院で入院を続け、4月30日、急性冠症候群のため亡くなったということです。
80歳でした。

家族がHPで詳細を公表
立花隆さんが亡くなったことについて、家族が23日朝、立花さんの教え子が運営するサイトに詳細を公表しました。
それによりますと、立花さんはことし4月30日の午後11時38分、急性冠症候群のため亡くなりました。
亡くなるまでのいきさつについては、「長年 痛風、糖尿病、高血圧、心臓病、がんなどの病気をかかえ、入退院を繰り返してまいりました。一年前大学病院に再度入院しましたが、本人が検査、治療、リハビリ等を拒否したため、旧知の病院に転院しました」と説明しています。
この病院で立花さんは「病状の回復を積極的な治療でめざすのではなく、少しでも全身状態を平穏で、苦痛がない毎日であるように維持していく」という院長の考えのもとで入院を続け、4月30日の夜に看護師が異常を感じて院長に連絡をとったものの、到着を待たずに急逝したということです。
葬儀は家族のみで執り行ったということです。

近畿大学法医学の元教授を逮捕 不明朗な経理

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法医学教室というのは、医学部の中で、警察との距離感が一番近い存在と思います。一体化している、というような感じがする場合もあります。

ずっと、警察に協力してきた、法医学の教授が、警察に逮捕された、というのは、びっくりです。

今後の経緯をみていきたい、と、思いますが、近畿大学も、この教授を懲戒解雇していたので、経理に問題があったことは、本人も認めているのかもしれないですね。

逮捕するような案件なのかどうか、は、疑問が残ります。


東京新聞から
(固有名詞は省きました)


近畿大法医学教室の元教授ら逮捕 経費詐取疑い、大阪府警

 医療用品の購入を装い近畿大(大阪府東大阪市)から経費約1770万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は9日、詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで、元医学部法医学教室主任教授で医師の容疑者(66)=懲戒解雇=と、医療用品の納入会社元社員の容疑者(52)を逮捕した。

 元教授の容疑者は約40年間、大阪府警からの依頼を受けて司法解剖を担い、今年2月には警察庁長官から捜査協力した民間人に贈られる「警察協力章」を受章していた。
 府警は2人の認否を明らかにしていない。関係者によると元教授の容疑者は「経費は1円も詐取していない」と容疑を否認、元社員の容疑者は認めている。

ALS嘱託殺人に問われた医師が、10年前に実父を殺害か


容疑は、精神病の父親を、入院先から退院させて、殺害した、ということのようです。警察の調べでは、母親も関わっていたようですので、医師としての一線を超えた発想の出発点が見えてきたように思います。

当サイトの関連記事

2020/7/23
医師による積極的安楽死事件か ALSの患者死亡について京都府警が捜査
http://blog.livedoor.jp/nakaikeiji/archives/52262783.html


朝日新聞から
(固有名詞を省きました)

ALS患者嘱託殺人罪の医師ら3人逮捕 父親を殺害容疑

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者が京都市内の自宅で急性薬物中毒で死亡した事件をめぐり、京都府警は12日、女性に対する嘱託殺人罪で起訴された容疑者(43)と容疑者(43)の両医師のほか、容疑者の母の容疑者(76)の3人について、2011年に容疑者の父(当時77)を殺害した疑いが強まったとして、殺人容疑で逮捕した。

 逮捕状の容疑は、2011年3月、東京都内かその周辺で、何らかの方法により、容疑者の父を殺害したというもの。
 医師2人は19年11月、京都市内のALS患者の女性(当時51)に頼まれ、自宅で薬物を注入して殺害したとして、20年7月に京都府警に嘱託殺人容疑で逮捕、翌8月に京都地検に同罪で起訴された。その後、海外で「安楽死」を望む別の難病患者の20代女性の診断書を偽造していたとして、同10月に有印公文書偽造罪で追起訴された。
 容疑者は今年2月、診察をせずに容疑者の健康診断書を作成して勤務先に交付したとして医師法違反罪でも追起訴された。京都地検はいずれの事件についても、2人の認否を明らかにしていない。

(引用終わり)


NHKのニュースサイトから
(固有名詞を省きました)

ALS患者嘱託殺人の罪で起訴の医師ら3人 殺人容疑で逮捕状 京都

難病のALSの患者から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして逮捕・起訴された医師2人が、10年前に死亡したこのうち1人の父親についても殺害した疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。

70代の母親も関与した疑いがあるとして事情を聞いていて、京都府警察本部は、殺人の疑いで3人の逮捕状を取り、12日にも逮捕する方針です。
いずれも医師の、被告(43)と被告(43)は、おととし、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALSを患う京都市の女性から依頼を受け、薬物を投与して殺害したとして、去年7月、嘱託殺人の疑いで逮捕され、その後起訴されました。
捜査関係者によりますと、警察のその後の調べで10年前の平成23年に医師の父親が77歳で死亡した前後に医師2人と母親の3人が殺害をほのめかすメールをやり取りしていたことがわかったということです。
当時、父親は、精神疾患で長野県内の病院に入院し、病状は比較的安定していましたが、医師らが転院先が見つかったとして父親を東京都内のアパートに連れ出し、その日のうちに死亡したとみられることもわかったということです。
警察は3人が共謀し、何らかの方法で父親を殺害した疑いがあるとして、殺人の疑いで逮捕状を取って事情を聞いていて、12日にも逮捕する方針です。

(引用終わり)

当サイトの関連記事

2020/10/30
安楽死を合法化する国民投票で賛成多数 ニュージーランド
http://blog.livedoor.jp/nakaikeiji/archives/52269128.html

2020/4/22
認知症患者の安楽死を行なった医師に無罪判決 オランダ最高裁
http://blog.livedoor.jp/nakaikeiji/archives/52256370.html

2019/11/27
東京消防庁が蘇生措置中止や搬送中止を導入へ 自宅で看取り
http://blog.livedoor.jp/nakaikeiji/archives/52246899.html

2019/10/24
ベルギーのパラリンピック陸上選手が安楽死 脊髄疾患の激痛で
http://blog.livedoor.jp/nakaikeiji/archives/52244717.html

残ワクチンを自宅へ持ち帰り、子供に接種 看護師処分

injection役得。

わたしが研修医だった30年ぐらい前には、インフルエンザワクチンの残りを自宅へ持って帰って、家族に接種する看護師さんは普通にいましたけれど。

新型コロナウイルスに対するワクチンは、貴重なワクチンですので、バイアルの残滓を集めれば、十分な接種量を確保できる、ということになるかとも思いますが、責任者の了承なく、無断で行うことは許されません。

医師の指示なしに、接種しているのであれば、医師法違反であることは間違いありません。



朝日新聞から


「もったいない」インフルワクチン子に接種、看護師処分

 大阪市立総合医療センター(同市都島区)の女性看護師(45)が余ったインフルエンザのワクチン液などを持ち帰り、自身の子ども3人に接種していたことが29日、分かった。大阪市民病院機構が同日発表した。機構は看護師を同日付で停職3カ月の懲戒処分にした。看護師は「捨てるものなので、もったいないと思った」と話しているという。

 機構によると、看護師は外来でインフルのワクチン接種を担当していた2019年12月ごろ、使用済みのワクチンの瓶から余ったワクチン液を集めて瓶2本にまとめ、注射器3本などと一緒に自宅に持ち帰り、自身の子ども3人に接種した。空き瓶や注射器は病院に持参し、医療廃棄物として廃棄した。医師の指示なくワクチンを接種するのは、医師法に抵触する恐れがあるという。
 20年12月下旬に内部通報があり、発覚した。看護師は持ち帰りは1回だけと説明し、「関係者に多大な迷惑をかけた」と反省しているという。当時上司だった看護師は、持ち帰りに気付いていなかったが、機構は管理監督責任があったとして口頭注意を行った。

濃厚接触による休業を無給にする? 東京女子医大病院

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この報道からわかることをみれば、納得がいかないことが多いのですが、この大学病院の中で、いま、どんなことが、また、過去にどんなことがあったのか、わたしは全く知らない部外者です。

いずれにしても、意欲のある医療従事者のみなさんが、そのやる気を削がれることがないよう、責務に向かっていけるような職場環境であることを祈っています。


朝日新聞から

「濃厚接触者、休業中は無給」 東京女子医大通知が波紋

 新型コロナウイルスに感染した時の給料の扱いをめぐって、東京女子医科大学(東京都新宿区)が教職員に出した通知の波紋が広がっている。大学が求める感染防止策に反した行為をして感染したり、濃厚接触者になったりした場合、「休業中の給与は無給とする」という内容だったからだ。コロナ禍で現場の負担が高まるなか、医療従事者のやる気をそぐような対応ではないかとの懸念も出ている。

 関係者によると、大学側は1月29日、教職員に学内システムを通じて「新型コロナウイルス感染症に罹患等して休業する場合の処遇について」との文書を示した。そのなかで、新型コロナウイルスに感染するなどして休業する場合にはこれまで有給扱いとしていたが、一部運用を見直すとしている。具体的には次の2点を挙げている。
「1 法人内の施設において新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者と認定されたりして休業するに当たり、その感染原因等が法人からの自粛要請に反した行為にある、あるいはその他明らかに不適切な行為にあると認められる場合には、休業中の給与は無給とする」
 「2 発熱等の症状があり、総合感染症・感染制御部等の感染対応部署や上長から自宅待機を命じられた際、その原因等が法人からの自粛要請に反した行為にある、あるいはその他明らかに不適切な行為にあると認められる場合には、自宅待機期間中の給与は無給とする」
 さらに大学側は注釈として、次のようにも主張している。
 「医療機関を持つ医科大学で勤務する職員は、本来健康な状態で労働を提供する必要があり、感染等を理由に休業することはいわば民法上の「債務不履行」(民法第415条)に当たると解釈されます。よって、この場合には、休業期間中には給与を支給しないことが妥当であるという見解を顧問弁護士から得ています」
 大学は感染防止対策のため、換気の悪い密閉した空間や不特定多数の人が密集する場所などでの不要不急の会合や会食の自粛を求めている。カラオケボックスやスポーツジムなどは感染のリスクが高まる場所として遊興を禁止している。
(引用終わり)

新型コロナウイルスへの感染実験参加者募集 英国 報酬4500ポンド

virus
このウイルスにわざと感染を起こさせてみる、という人体実験の計画を英国政府が持っていることが報道されています。

このウイルスへの感染だけにとどまらず、肺炎などを発症した場合には、特効薬がないので心配ですし、改善したとしても、後遺症がみられる例もあるようですので、なかなか、悩ましい問題と思います。

日本ではこんな計画の実施は現実的ではない、と、感じます。


朝日新聞から


新型コロナにわざと感染 英国の治験、倫理審査を通過

 英国政府は17日、新型コロナウイルスの治療薬やワクチンの開発に役立てるため、健康な若者を意図的に感染させる臨床研究(治験)が、当局の倫理審査を通過したと発表した。治験は1カ月以内に始まる見通しで参加者を募っている。

 治験は「ヒトチャレンジ」と呼ばれる。英国政府が3360万ポンド(約49億円)を出資し、インペリアル・カレッジ・ロンドン、国民保健サービス(NHS)、治験専門企業が連携して実施する。これまで感染していない18〜30歳の健康な若者最大90人に少量のウイルスを鼻に入れ、感染が起きるのに必要なウイルスの量や免疫の働きなどを調べる。
 参加者はNHSの病院内に用意された個室で14日間隔離され、医療チームが24時間態勢で監視する。終了後も定期的に経過観察が求められ、報酬は4500ポンド(約66万円)程度という。
 今回の倫理審査を通ったのはここまでだが、次のステップとして、少数の参加者にワクチンや治療薬を接種し、ウイルスにさらして効果を調べる治験も予定している。

hANPが肺癌の転移を抑制 の論文は、捏造か 国立循環器病研究センター

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この研究論文結果をもとに、実際の患者に投与をする臨床研究が行われていたようですので、影響が大きいです。
残念なことと思います。


朝日新聞から

論文不正、先進医療の臨床研究を中止 国循・阪大が発表

 国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)と大阪大は30日、所属していた医師らが発表した論文2本に捏造、改ざんがあったと発表した。そのうち1本は、心臓病の薬に肺がん転移を抑える効果があるかを調べる臨床研究の根拠になっていたため、阪大は臨床研究を中止することを決めた。

 国循と阪大は、以前所属していた野尻崇医師らの論文21本について告発があったことから調査委員会を設け、うち5本で捏造や改ざんを認定したと昨年8月に公表。21本とは別の5論文も追加で調べていた。
 今回、捏造・改ざんと認定された論文の一つは、2015年に米科学アカデミー紀要に発表された。肺がんの手術の際に心臓病治療薬であるホルモン「hANP」を使うと、がんの転移を防げるとしていた。
 調査委員会は、この論文の図や表について、実験データが元データと違うことを見つけ、故意による不正と認定した。もう1本の論文も捏造、改ざんと認定した。野尻氏はミスで故意ではないとして不正を認めていないという。
 論文2本の責任著者である寒川賢治元国循研究所長について、調査委員会は不正行為にはかかわっていないが、管理責任があると判断した。寒川氏は、共著者と相談して論文を取り下げることを検討している。
 論文を根拠の一つとして、hANPを使う臨床研究が、公的医療保険がきく診療と併用できる「先進医療」として2015年に始まった。10施設で160人の肺がん患者が手術時にhANPの注射を受けた。
 今回の調査結果を受け、阪大は科学的根拠が明らかでない臨床研究だったと判断し、中止を決めた。臨床研究と因果関係が完全に否定できない健康被害が10件報告された。病院は研究に参加した患者に謝罪し、健康観察を続ける。2017年の告発から中止の判断まで時間がかかったことをふまえ、阪大は、不正が確定する前でも、適切に対応できるようにするとした。阪大の土岐祐一郎付属病院長は、「研究者人生をかけて立案した研究を止めるのは重い問題だが、疑いの段階でも、情報提供してもらい、止めるべきか検討する体制にしたい」と話した。
     ◇
 〈先進医療〉公的医療保険の対象外で患者の全額自己負担となる医療技術について、保険診療との併用を認める制度。厚生労働省が一定の施設基準を設定し、基準を満たした医療機関の届け出を認める。将来、保険診療が認められることをめざし、有効性や安全性を検証する臨床研究が、先進医療になることがある。

安楽死を合法化する国民投票で賛成多数 ニュージーランド

heartニュージーランドで、安楽死についての国民投票が行われたそうです。

ニュージーランドの基準は、

余命が半年以内とされた病の末期にあること
緩和できない耐え難い苦痛を抱えていること
患者みずからが安楽死を選択できる

などの条件を満たしていると2人の医師が判断した場合、投薬による安楽死が認められる
医師による安楽死が認められるようです。



NHKのニュースサイトから


“安楽死”合法化へ 国民投票で賛成多数 ニュージーランド

ニュージーランドで安楽死を合法化するかどうかをめぐる国民投票が行われ、暫定的な集計の結果、賛成が反対を大きく上回り、合法化される見通しとなりました。

ニュージーランドでは、病気で耐え難い苦痛を抱える人が、みずから死を選ぶ権利を認めるべきだとして、安楽死を容認する法案が去年議会で可決されましたが、法律の施行に当たって国民の同意を得る必要があるとして、今月17日、国民投票が行われました。
選挙管理委員会は30日、暫定的な集計結果を発表し、
▽賛成が65.2%、
▽反対が33.8%と
賛成が反対を大きく上回りました。
法律では、18歳以上の国民や永住者について、余命が半年以内とされた病の末期にあることや、緩和できない耐え難い苦痛を抱えていること、さらに、患者みずからが安楽死を選択できるなどの条件を満たしていると2人の医師が判断した場合、投薬による安楽死が認められるとしています。
ニュージーランドでは1995年以降、安楽死の賛否をめぐり議会で議論が続いてきましたが、国民投票の最終的な結果を受けて、来年11月に安楽死が合法化される見通しとなりました。
すでに合法化されている国は
安楽死は、ヨーロッパのオランダ、ベルギー、スイスなどのほかに、アメリカの一部の州などで合法化されています。
このうち、2001年に世界で初めて安楽死を合法化したオランダやベルギーでは、治る見込みのない病気で耐えきれない苦痛を受けていることや、患者がみずからの意思で安楽死を選択するなどの条件を満たした場合、医師が患者に薬物を投与することなどによる安楽死が認められています。
このうちベルギーでは、患者が子どもの場合、親の同意などがあれば安楽死が認められることもあります。
一方、スイスやアメリカの一部の州では、医師は安楽死のための薬を処方することだけが許され、投薬は患者自身が行うとされています。

産業医の専任制の見直しを進める 河野太郎行革大臣

knode2
産業医という職種が、二律背反の責任を有していることは、最初から指摘されていました。
労働者の健康を守ることを責務とする医師の給料や活動費が、企業経営者側から支払われる形になっているからです。

プロフェッションとしての医師には、雇われている企業の利益よりも崇高な社会的責任が求められている、と、私は考えていますが。

河野太郎氏の考えが、今後、どのようになって行くか、しっかりと経過を見ておきたい、と、思います。


毎日新聞から


河野氏、産業医の常駐義務見直しへ 「人口が減る中で物事が回らなくなる」

 河野太郎行政改革担当相は14日、毎日新聞社など主催のオンライン講演会で、企業の産業医の常駐義務について見直しを進める考えを示した。

 河野氏は講演で、常駐義務のある産業医が会社に出勤し、在宅勤務の社員にオンラインでカウンセリングを行っている大手企業の事例を挙げ「産業医は本当に専任で(会社に)いないといけないのかを考えると、そうでなくていいのが結構ある。人口が減る中で専任の常駐をやっていたら物事が回らなくなる」と指摘した。主に1000人以上の労働者を雇用する事業場は専属の産業医を選任する義務がある。

 行政手続きの簡素化に向けて▽押印廃止▽紙による届け出の廃止▽常駐・専任義務の廃止▽納税などのオンライン化――の順に進める考えも示し、「できるものは並列で進めたい」と述べた。

交際していた妊娠女性に堕胎術を実施か 33歳医師逮捕

balance
これは、明確な犯罪になるのではないか、と、思います。

ヒポクラテスの誓いで否定されているのはこのことだったのかもしれません。

妊娠していた女性が、この医師の診察を受けたのち、胎児が子宮内に確認できない状態となったということで、堕胎術を行った疑いがあります。逮捕された医師も認めているようですが、具体的な証拠が見つかれば間違いない、のですが。
そして、母体保護法に認められている人工妊娠中絶の手順や厳格な手続きを無視していることで、犯罪となる理由となります。

何れにしても、痛ましい事件だと思います。


河北新報から


不同意堕胎疑いで医師逮捕、岡山 20代知人女性に

 岡山県警捜査1課は9日、妊娠していた知人の20代女性を睡眠もうろう状態にさせて無断で堕胎術を行い、けがをさせたとして、不同意堕胎致傷容疑で外科医師の容疑者(33)を逮捕した。同課によると、「私がやったことに間違いない」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は5月17日午後1時〜5時ごろ、岡山市北区の勤務先の病院で、承諾無しで妊娠約2カ月の胎児を堕胎させ、女性の体に全治約1週間のけがをさせた疑い。
 同課によると、女性が藤田容疑者に妊娠したことを相談したところ「診てあげる」と言われ、この日に病院に呼び出されていた。

医師による積極的安楽死事件か ALSの患者死亡について京都府警が捜査

heart
死亡したALSの患者は京都市在住で、京都府警の捜査対象となっている医師は、宮城県と東京の医師2人だそうです。

医療倫理の問題があるので、病状がどのようなぐらいだったのか、患者本人の苦痛がどのようなものだったのか、他に方法はなかったのか、予後はどのようなものだったのか、依頼の方法はどのようなものだったか、また、どのような方法で死亡に至ったのか(至らしめたのか)、がはっきりしなければなりません。

それから、捜査を受けている医師が、他にも同様のことを行なったケースがあるのかどうか、今回では、謝礼があったのかどうか、あったとしたらどのぐらいの額だったのか、が、焦点になるかもしれません。

東海大学病院で起きた安楽死事件の判決では、医師による積極的安楽死が容認される条件が挙げられています。

横浜地方裁判所 平成7年3月28日判決

患者が耐えがたい激しい肉体的苦痛に苦しんでいること
患者は死が避けられず、その死期が迫っていること
患者の肉体的苦痛を除去・緩和するために方法を尽くしほかに代替手段がないこと
生命の短縮を承諾する患者の明示の意思表示があること
(以上)

これは、4要件と呼ばれているもので、裁判で問題となったケースは、苦痛に苦しむがん患者でした。
判決で示された4条件は、特に、2番目と3番目について、それを客観的に証明することがかなり厳しいことから、判決は、医師による積極的安楽死を容認する姿勢ではなく、厳しい制限を加えるものとなっています。
結果として、現実には、我が国では、医師による積極的安楽死は実施できないもの、と、考えられています。


NHKのニュースサイトから


ALS患者の依頼受け薬物投与 殺害か 医師2人逮捕へ 京都府警

全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALSの女性患者の依頼を受け、京都市の自宅に出向いて薬物を投与し、殺害した疑いがあるとして、警察が嘱託殺人の疑いで宮城県と東京の医師2人の逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材で分かりました。女性は周囲に「安楽死させてほしい」と話していたということです。

警察は医師2人から事情を聴いていて、逮捕する方針です。
捜査関係者によりますと、去年11月、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症を患った51歳の女性が、京都市の自宅で容体が急変し、搬送先の病院で死亡しました。
病院で詳しく調べた結果、体内からふだん服用していない薬物が見つかったということです。
警察が捜査を進めた結果、女性は周囲に「安楽死させてほしい」と話していて、当日、自宅に宮城県と東京に住むいずれも40代の医師2人が訪れていたことが、防犯カメラの映像などから分かったということです。
このため警察は医師2人が女性の依頼を受け、自宅で薬物を投与し殺害した疑いがあるとして、嘱託殺人の疑いで逮捕状を取りました。
警察は医師2人の関係先を朝から捜索するとともに、2人から事情を聴いていて逮捕する方針です。

医師の自宅を捜索
東京 港区の医師の自宅があるマンションには、午前5時45分すぎ、京都府警の捜査員数人がダンボールの束を抱えて中に入っていきました。
また、医師の1人が院長をつとめる宮城県名取市のクリニックには午前7時すぎに段ボールなどを持った捜査員たちが捜索のために次々と入っていきました。
捜査員らは時折、外に出てきて建物の写真を撮るなどしていました。

レイプで妊娠した女性の人工妊娠中絶に加害者の同意は不要

heart
人工妊娠中絶を行う手順の中に、胎児の父親となる男性の了解が必要、という事項があり、それをレイプで妊娠した女性にも適応してしまうケースが増えている、ということのようです。

気の毒な女性の立場に立てば、到底、容認できない対応ですし、また、現実的にも不可能と思います。
中絶費用の負担すら、男性側に要求しなければならない、と、私は思いますけれども。

我が国では、生まれた赤ちゃんの生育の責任が、出産した母親にある、という考え方が強いように思います。例えば、妊娠したことを誰にも告げることができず、女性一人で人知れずに出産し、その子供を放置したケースでは、出産した女性にその責任が強く問われますが、男性にまで責任を問うことは弱いように思います。

宗教的な観念も出てくるのですが、例えば、カトリック系の厳密な考えでは、レイプで妊娠したのだとしても、絶対に人工妊娠中絶は容認されない、という国もあります。

もちろん、その場合には、出産した女性の意思が尊重され、レイプされた女性が誕生した子供の成育まで責任を負う必要はない、とされ、教会や社会がきちんと責任を持って子供の成育を担当する、という仕組みがあるのも当然なのですが。

倫理の問題は、いろいろな価値観があるので、一概には言えないところがある、ということをわかっておかねばなりません。


NHKのニュースサイトから


“性的暴行の妊娠中絶 加害者の同意不要” 医師に徹底を要望

性的暴行を受けて妊娠し中絶手術を希望したものの、医療機関が必要のない加害者の同意を求めるケースが相次いでいるとして、弁護士で作る団体が日本医師会に適切な対応と実態調査を求める要望書を提出しました。

要望書を提出したのは、弁護士で作る「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」です。
この団体は、性的暴行を受けて妊娠した場合、母体保護法で「本人の同意」があれば中絶手術を受けられると規定されているにもかかわらず、各地で医療機関が「加害者の同意」を求めるケースが相次いでいると指摘しています。
さらに、加害者の同意が得られないことを理由に、複数の病院をたらい回しにされたケースや、中絶可能なぎりぎりの時期まで手術を受けられなかったケースなどが確認されたということです。
このため、加害者の同意は必要ないことを医師に周知徹底することや、加害者の同意を求める病院の実態調査を行うことなどを求めています。
要望書を受け取った日本医師会の横倉義武会長は「要望をしっかり受け止め対応したい」と述べました。
要望書を提出した上谷さくら弁護士は「絶対あってはならない事態で、被害者の心身の負担は計り知れない。犯罪被害の場合は加害者の同意はいらないということを周知するべきだ」と話していました。

認知症患者の安楽死を行なった医師に無罪判決 オランダ最高裁

balance認知症になって、判断能力を失う前に、事前に意思を明示していれば、認められる、ということのようです。


東京新聞から

認知症患者の安楽死容認 オランダ最高裁が判断

 安楽死が合法化されているオランダの最高裁は21日、判断能力を失った認知症患者に対しても、事前に安楽死の意思を明示する書面があるなど所定の条件を満たせば、死に導いた医師は訴追されないとの判決を下した。安楽死が許容される対象の幅を広げる判断となった。欧州メディアが報じた。

 同国検察は、重度のアルツハイマー病の女性(74)について、2016年4月に安楽死させた医師を殺人罪で訴追。同国ハーグの地裁は2019年9月、無罪を言い渡した。
 女性は認知症が進んで苦痛が耐えがたくなった際は安楽死を望むとの事前指示書を残していた。

宮城まり子さんを悼む

heart
「ねむの木学園」を設立して園長をつとめた、宮城まり子さんが、亡くなられたそうです。

ご冥福をお祈りいたします。


朝日新聞から


俳優・宮城まり子さんが死去 93歳、ねむの木学園設立

 肢体不自由児のための養護施設「ねむの木学園」を設立し、長年にわたり園長を務めた俳優の宮城まり子(みやぎ・まりこ、本名本目真理子)さんが21日、死去した。93歳だった。

 1927年、東京・蒲田生まれ。22歳で歌手デビューし、1955年の「ガード下の靴みがき」が大ヒット。NHK紅白歌合戦に出場し、俳優としても舞台やテレビで活躍した。
 ミュージカルの役作りで、脳性まひの子どもがいる施設を訪問したことをきっかけに、1968年に私財を投じ肢体不自由児養護施設「ねむの木学園」を静岡県浜岡町(現・御前崎市)に開いた。絵画や音楽、工芸などを教育に採り入れ、国内外で子どもたちの作品展を開催。障害のある子どもたちが生まれ持つ豊かな感性を世に伝えた。
 また養護学校など福祉施設も設立したほか、園児たちとの記録映画「ねむの木の詩」などを次々と発表し、大きな社会的反響を呼んだ。
 1997年に静岡県掛川市に施設を移して「ねむの木村」を開設。障害児の職業実習のための喫茶店や雑貨屋などをつくり、障害者の福祉に尽くした。
 作家の故・吉行淳之介さんの長年のパートナーとしても知られた。

神戸の精神科病院で患者を虐待 看護師ら6人逮捕

balanceいまでも、こんなことをしている病院があるのか。
残念。

でも、神戸では、小学校の先生同士でも、嫌なことがありましたね。

人類は進歩しているのかな。

朝日新聞の記事では、複数の事案で、27歳の看護助手がいつも参加していたようです。この容疑者だけ、「元」がついているので、いまは、辞職しているようです。看護師たちは、逮捕時にも在籍していたようですが。
看護助手は、免許がいらない職種と思いますが、他の看護師たちがそれに迎合していたのか、しかも、年齢も看護師たちの方が上のようですし、どうも、よくわかりません。

そして、この病院は、看護師が5人も同時に逮捕されたので、業務にも支障がでていることでしょう。
気の毒な患者さんたちにしわ寄せがいかないことを祈っております。


朝日新聞から


看護師ら6人、精神科患者を虐待容疑 キス強要・放水…

 神戸市西区神出町勝成の精神科病院「神出病院」で、入院中の男性患者同士でキスをさせたり、いすに座らせて水をかけたりしたなどとして、兵庫県警は4日、同病院の元看護助手と看護師ら男6人を準強制わいせつや暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕し、発表した。男らのスマホに動画が残っており、容疑が浮かんだ。6人は容疑を認めているという。

 捜査1課によると、逮捕されたのは、同病院の元看護助手、和田元規(27)▽看護師、橋本涼平(26)▽同、船引健志(33)▽同、高橋斉史(34)▽同、曽我部聡(41)、▽同、武田剛士(33)の計6容疑者。
 和田、橋本、船引の3容疑者は2018年10月31日午前0時すぎ、病室内で入院中の当時59歳と62歳の男性2人にお互いにキスさせるわいせつ行為をさせた疑いがもたれている。2人は精神疾患で抵抗できない状態だったという。
 また、和田、高橋、曽我部の3容疑者は昨年9月20日午後9時半ごろ、院内のトイレで、入院中の当時79歳の男性を椅子に座らせ、ホースやバケツで水を浴びせるなどの暴行を加えた疑いもある。さらに和田、高橋、武田の3容疑者は同月25日午後8時過ぎにも、入院中の同63歳の男性を病室の床に寝かせ、落下防止柵が設置されたベッドを逆さまにして覆いかぶせ、約20分間監禁した疑いがもたれている。
 神出病院の担当者は取材に対し、「この度は患者さんや家族、関係者に大変申し訳ございませんでした」と話した。

(引用終わり)

NHKのニュースサイトから

入院患者を虐待か 看護助手ら男6人逮捕 スマホに動画も 神戸

神戸市の病院に勤務していた看護助手と看護師の合わせて6人の男が、入院患者にホースで水をかけたり閉じ込めたりする虐待をしていたとして逮捕されました。調べに対しいずれも容疑を認め、看護助手は「反応がおもしろかった」と供述しているということです。

逮捕されたのは、神戸市西区の「兵庫錦秀会神出病院」の元看護助手、和田元規容疑者(27)と同僚の看護師5人です。
警察によりますと、6人は去年9月、統合失調症などで入院していた79歳の男性をトイレに連れて行き、ホースで水をかけたほか、63歳の男性を床に寝かせ落下防止柵が付いたベッドを逆さにしてかぶせて閉じ込めたなどとして、暴行や監禁などの疑いが持たれています。
去年12月に患者とは別の女性に対する強制わいせつの疑いで逮捕された和田容疑者のスマートフォンを調べた結果、ほかの患者を虐待している動画が残っていたため、警察が捜査を進めていました。
調べに対して6人はいずれも容疑を認め、和田容疑者は「反応がおもしろかったからやった」と供述しているということです。
スマートフォンには同様の映像がほかにも残っていたということで、警察は、1年以上にわたって複数の患者への虐待を続けていたとみてさらに調べています。

病院「大変申し訳ない」
神出病院によりますと、逮捕された看護助手はすでに病院を辞め、看護師5人のうち4人は、退職する意向を示しているということです。
一方、6人の関係性などは答えられないとしています。
佐伯正一事務部長は「被害にあった患者や家族の皆様には大変申し訳ありませんでした。今後、病院としても警察の捜査に全面的に協力していきます」と述べました。

新潟大学病院で、業務外の目的で特定の患者のカルテを閲覧か

heart_love_computer
院内から、とのことです。
背景になにがあったのか、よくわかりませんが、電子カルテのデータサーバーには、アクセスの履歴が記録されますので、その履歴の記録(ログ)をみれば、誰が、いつ、特定のデーターにアクセスしたのか、すぐにわかります。

業務として、正当な理由があれば、もちろん、データーにアクセスすることは当然のことなのですが。


毎日新聞から


新潟大でカルテ不正閲覧か 刺殺事件で司法解剖した女性 ログ解析、調査へ

 2019年11月にJR新潟駅前であった女性刺殺事件で、司法解剖した新潟大学医歯学総合病院(新潟市)の被害女性の電子カルテに、院内から業務外とみられるアクセスがあったことが判明した。同病院が28日、取材に明らかにした。

 同病院によると、女性のカルテについて11月末から12月初旬にかけての院内アクセスを確認したところ、関連部署ではないと疑われる痕跡があった。同病院はログの解析を進めており、アクセスしたことが判明した職員に書面や聞き取りで経緯を調査する方針。
 同病院では、アクセス権限を持つ職員であれば電子カルテを閲覧できるが、業務外のアクセスは内規で禁じている。担当者は「調査を進めている途中で、詳しいアクセス件数などは確認中」としている。

「お正月は、ゆっくりできましたか?」1月の外来でのあいさつ

stethoscope慢性疾患で通院してくださっている高齢者の患者さんたち、毎月のようにお顔を拝見しますので、もう、「顔見知り」でよいと思います。

診察室のドアをあけて、待ち合いにいる患者さんたちを見渡しながら、お名前を御呼びします。
マイクもあるのですが、わたしは、できるかぎり、ドアをあけて、直接、呼び入れるようにしています。
そこから診察が始まっている、のです。

診察室にお入りいただいたら、

「おかわりございませんか?」
「お体の調子はいかがですか?」

というような、オープンクエステョンで会話を始めます。

でも、いつも、同じ質問では、食傷気味(笑)、ですので、変化をつけることに心がけています。
同じ言葉をかけていたら、患者さんが、ベルトコンベヤーやまな板の上にいるのではない、と、嫌な思いをされては困りますので。

1月は、このような感じが多いです。

「お正月は、ゆっくりできましたか?」

都会にいる息子さんや娘さんたちが、お孫さんをつれて帰省したりしていたかもしれない、と、思いますが、そうではないケースも少なくないので、「お正月はにぎやかでしたか?」などと、決めつけたような質問はしないようにしています。

「はい、寝正月でした(笑)」というような会話から、診察を始めたい、と、思っています。

ブタをつかって、ヒトのiPS細胞から膵臓を作製 国が了承

laboratory
膵臓ができないよう遺伝子をノックアウトしたブタの受精卵にヒトのiPS細胞を注入すると、ヒトとブタのキメラができ、その受精卵をブタの子宮に移植して、30日ほど経過をみてから、ブタの胎児を取り出し、ヒトの細胞の膵臓ができているか、を、確認する実験だそうです。


NHKのニュースサイトから


“ブタ体内でヒト由来のすい臓作製”研究 了承 国の専門家会議

ヒトのiPS細胞を使って、ヒト由来のすい臓をブタの体内で作ることを目指す研究について、国の専門家会議が実施を了承しました。iPS細胞を使ってブタの体内で、移植用の臓器の作製を目指す研究が了承されたのは初めてです。

研究は、明治大学の長嶋比呂志教授らのグループが計画し、23日開かれた文部科学省の専門家会議で審議が行われました。
計画では、すい臓を作れないように遺伝子を操作したブタの受精卵にヒトのiPS細胞を数個から20個ほど注入します。
そして、受精卵をブタの子宮に戻すと、ブタの胎児の中にヒトの細胞を含むすい臓ができるとされ、およそ30日が経過した時点で、ヒトの細胞がどれほど含まれているか検証するとしています。
専門家会議では倫理的な問題が起きないよう、研究の進み具合を報告してもらいたいといった意見が出ましたが、審議の結果、実施が了承されました。
ヒトの細胞を入れた動物の受精卵を子宮に戻すことは禁止されていましたが、ことし3月に解禁され、東京大学のグループも国の了承を受け、iPS細胞を使ってネズミの体内ですい臓を作り出すことを目指す研究を進めています。
動物の体内で作られた臓器をヒトに移植することは禁止されていて、今回の計画はあくまで基礎的な研究ですが、ブタは臓器の大きさがヒトに近いとされ、将来、移植用の臓器をつくる技術につながるとして注目されています。
長嶋教授は「臓器を作るという目標に向け、初期の研究の入り口に立ったという段階だ。スピード感をもって研究を進めていきたい」と話しています。

電子カルテの個人情報を印刷した紙をメモ用紙に再利用 病院外に持ち出す 委託業者

heart_love_computer「紙」は持ち出したけれども、メモ用紙として再利用していただけで、「情報」の外部流出はなかった、という説明になっています。
それならそれで、一安心ですが。

当院でも、電子カルテの運用には、医療安全の面でも、どうしても、紙の出力が必要な部分があり、用がすめば廃棄するだけ、なので、メモ用紙にしたいところですが、危険なので、すべて、シュレッダーで細かく裁断しています。


東京新聞から


金沢の病院でカルテ情報持ち出し 委託業者、流出は確認されず

 金沢市立病院は9日、電子カルテの保守管理業務を委託されたインテック(富山市)の50代男性社員が、患者1528人と職員144人の個人情報を印刷した紙を持ち出していたと発表した。第三者への情報流出や不正利用は確認されていないとしている。

 同病院によると、個人情報は氏名や住所、性別など。男性社員は2008年9月から2017年4月まで同病院に常駐しており、裁断してメモ用紙にしていたという。同病院の担当を外れた際に業務に関するマニュアルが入ったUSBメモリーも持ち出した。
 業務は病院から受託した富士通がインテックに委託した。同病院は「情報管理の徹底を図る」としている。

ペシャワール会の中村哲医師が銃撃される アフガニスタン

Red Cross
アフガニスタンで、現地の人々の暮らしの改善に尽力されてきた医師、中村哲氏が、アフガニスタンで銃撃されたそうです。

中国の格言に、こんなことばがあります。

下医治病
中医治人
上医治国

中村氏は、「上医」ということだと思います。

お元気に帰国されることをお祈りしております。


NHKのニュースサイトから


アフガニスタンで中村哲医師 銃撃されけが 現地で医療活動

アフガニスタンで長年、農業用水路の建設など復興に携わってきた医師の中村哲さんが4日、現地を車で移動中に何者かに銃撃され、けがをしました。カブールの日本大使館が詳しい状況を確認しています。

アフガニスタン東部ナンガルハル州の警察などによりますと、福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表の医師、中村哲さんが4日、現地を車で移動中に何者かに銃撃されたということです。
中村さんはけがをして病院で手当てを受けているということです。
アフガニスタンの地元メディアは現地時間の4日午前、東部の都市ジャララバードで中村さんを乗せた車が走っていたところ、突然、何者かが銃撃を繰り返し、中村さんを含む数人がけがをして病院に運ばれたと伝えています。
カブールの日本大使館が詳しい状況を確認しています。
中村さんはアフガニスタンで長年、農業用水路の建設など復興に携わってきました。
現場となったアフガニスタン東部はイスラム過激派の活動が活発な地域で、最近では反政府武装勢力タリバンに加え、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織が台頭し、治安が悪化していました。

ペシャワール会 中村さんは命に別状なし 運転手は死亡確認
福岡市のNGO「ペシャワール会」によりますと、中村哲さんは現地時間の4日午前、事務所を出て作業現場に車で向かっている途中、銃撃されたということです。
中村さんは右胸を撃たれて、病院に運ばれ、集中治療室で治療を受けているということですが、命に別状はないとしています。
一方で、一緒に乗っていた運転手は死亡が確認されたということです。
このほか中村さんの車を警護していた別の車の状況については詳しいことは分かっていないということです。
ペシャワール会は現地の事務所と連絡をとるなどして詳しい状況を確認しています。

アフガニスタン大使館 情報の確認進める
日本にあるアフガニスタン大使館によりますと、中村哲さんが銃撃されたことについて本国からの情報が入っておらず、情報の確認を進めているということです。
アフガニスタン大使館によりますと中村さんはアフガニスタン政府から名誉国民と認められたことからビザの申請は必要なく、現地で自由に活動することが許されているということです。

中村さん アフガニスタン政府から名誉国民に認定
中村哲さんはアフガニスタンで農地の再生などに取り組んでいる福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表の医師です。
福岡市出身で35年前、パキスタンのペシャワルに赴任したことをきっかけに、パキスタンと隣国のアフガニスタンで医療支援を行ってきました。
16年前からは干ばつで苦しむアフガニスタンの人たちを助けようと用水路の整備など、農地の再生にも取り組んできました。
こうした活動が評価され、中村さんはアフガニスタン政府から名誉国民に認定され、ことし10月、市民証が授与されました。
アフガニスタンで外国人が名誉国民として認められるのは初めてで、中村さんはビザなどがなくても現地で活動を行うことができるということです。

過去にも支援活動中に犠牲者
ペシャワール会では過去、アフガニスタンでの支援活動中に犠牲者が出ています。
2008年8月、アフガニスタンで農業支援を行っていた静岡県出身の伊藤和也さんが東部のナンガルハル州を車で走っていたところ武装グループに誘拐され、翌日、遺体で見つかりました。
伊藤さんは干ばつに苦しむ現地で、用水路の整備やサツマイモなどの栽培指導に取り組んでいました。

フランスの看護学校の学生のドキュメンタリー映画に感動

images近くの2つの大学の看護学部で、ずっと、講義を担当させてもらっていますが、講義の中で、先日、名古屋で観てきた映画を紹介してきました。

映画「人生、ただいま修行中」
https://longride.jp/tadaima/

フランスの看護学校で学ぶ看護学生を追いかけたドキュメンタリー映画ですが、始まって15分で涙がでてきました。
なにかを感じ取って変化し、成長する姿をみると、感動してしまうのです。涙もろくなってきたんだな。

教育の仕事も同じだなあ、と、思いながら、スクリーンに映し出される、悩み苦しみながら成長していくフランスの看護学生たちの姿をみていました。

ぜひ、たくさんの看護学生たちにもみてもらいたい、と、思いました。

東京消防庁が蘇生措置中止や搬送中止を導入へ 自宅で看取り

Red Cross超高齢者社会になり、自宅でみとる、ということを政府も後押ししていることもあるのですが、実際に自宅で患者が亡くなったときの対応について、法整備が置き去りになっているように思っています。

「異状死体」の問題も関わってきているので、救急隊としても、悩ましいことなのだろう、と、思います。


NHKのニュースサイトから


「蘇生望まず」相次ぎ 蘇生や搬送中止可能へ 東京消防庁が研修

高齢の患者が自宅などで心肺停止になった際、救急隊が駆けつけても家族が「自宅でみとりたい」と蘇生を望まないケースが相次いでいることから、東京消防庁は蘇生や搬送を中止できる仕組みを12月から導入することになり、27日、救急隊員への研修会が行われました。

研修会には現場で活動にあたっている消防署の救急隊員など、およそ200人が参加しました。
東京消防庁では自宅などで心肺停止になった高齢の患者について、「自宅でみとりたい」と家族が蘇生を望まない場合、救急隊がかかりつけ医の指示を受けて蘇生や搬送を中止できる仕組みを来月16日から導入します。
訓練は、すい臓がんの90歳の男性が自宅で心肺停止になり、家族が蘇生を望まないという想定で行われ、救急隊員は、かかりつけ医も事前に本人の意思を確認しているかや、あらかじめ蘇生しないことを想定していた症状と現在の症状が一致しているかなど確認していました。
東京消防庁の緒方毅救急管理課長は「人生の最期の迎え方について、家族で話し合う習慣はまだまだ定着しておらず、関係機関と連携してこの動きを促すとともに、新たな仕組みについて広く知ってもらうよう周知していきたい」と話していました。

ベルギーのパラリンピック陸上選手が安楽死 脊髄疾患の激痛で

heart新聞記事からは、どのような脊髄疾患なのかわかりませんが、パラリンピックの陸上の選手だったそうです。

安楽死の許可は、10年ぐらい前にもらっていた、という報道もありました。



河北新報から


ベルギーの元パラ選手が安楽死 リオ、ロンドンで金銀銅

 パラリンピックの車いす陸上女子メダリストで、脊髄疾患で痛みに苦しみ、安楽死の希望を公表していたベルギーのマリーケ・フェルフールトさん(40)が死を決断し、同国東部の自宅で22日、医師の投薬を受けて亡くなった。関係者が共同通信に明らかにした。

 2016年のリオデジャネイロ大会での記者会見では「(安楽死の)許可証がなければ自殺していた」「安楽死は殺人ではない。より長く生きるためのものだ」と訴え、タブーなき議論を呼び掛けていた。
 ロンドン大会で金と銀、リオ大会で銀と銅のメダルを獲得。症状は次第に悪化していた。
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