2020年08月

2020年08月21日

Facebook離れとSNS疲れ


 人生とは、人との関係性を生きることかもしれない。最近、急速にいろんなジャンルの人たちと会うようになって、めちゃくちゃ勉強させてもらっている。ぼくたちの会社にインターンに来てくれる人が、先月から倍増して6人になった。その中に17歳の現役高校生がいて、ぼくが時代遅れになりつつあることを気づかせてくれた。いまの高校生は、Facebookどころか、LINEすら使わないのだ。

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↑衝撃の事実を次々に発表するインターン生
(マクドのハッピーセット大好き)


 ちょっとまえ、バリバリ系の経営者が部下に「おまえ今どきFacebookやってないて、なに考えてんねん」と厳しく指導するところに遭遇した。しかし5年後から10年後、時代のメインプレイヤーはFacebookをやってない。いま調べてみると、ぼくのFacebookの友だちで、20代以下は10%に満たない。大学生に聞くと、大人がFacebookしかやってないから仕方なく登録し、高校生では40人クラスで1人くらいしかFacebookユーザーはいないという。

 しかも高校生に至っては、LINEを使うこともなくなっているらしい。学校からの連絡網に使われるくらいで、専ら、SnapchatかインスタのDM、グループチャットを使う。情報収集もインスタ、コミュニティづくりもインスタだ。

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↑イベントのあと、抹茶ティラミスを食べに行くというインターン生とのグループ「マッティラ」


 一方で、SNS疲れも顕著だ。いまの高校生・大学生はリテラシーも高いので、SNSで発信することの怖さも知っている。スマホ離れが始まり、ほとんど電話しか使っていない人もいるらしい。電話でアポを取って、大切なことは会って話す。便利すぎる世界で生きるのは大変だと口にする人もいる。

 ぼくたちはSNSで人をみることが多くなった。それはその人の一部でしかないのに、あたかも全部であるかのように錯覚してしまうことがある。人の価値を数字で決められるはずがないのに、いいねやフォロワーの数で価値が決められることもある。そんなロクでもないところでモヤモヤしている人がいたら、SNSの世界から肌で感じられるリアルな世界へ連れて行きたい。一緒にアフリカで乾杯したい。



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nakasu_toshiharu at 06:22|PermalinkComments(0) 創業 

2020年08月17日

なぜエウェ族のコミュニティは強いのか


 アフリカ大陸はデカい。南北の長さは8,000kmくらいあって、それは日本からウクライナくらいまでの距離に匹敵する。国は50以上あるし、民族は少なくとも3,000以上いる。

 日本人とウクライナ人が違っているように、もっといえば、京都府民と滋賀県民が違っているように、さらにいえば、京都市民と宇治市民が違っていたり、ぼくとアナタが違っていたりするように、「アフリカ」は想像を遥かにこえる多様性がある。だからもちろん、アフリカ全部のことを語ることはできないのだが、それでも、日本とアフリカ大陸を何度か往復しながら2つの地域を見てきたからこそ、気づいたことがある。

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 エウェ族は、トーゴを中心にガーナとベナンの一部にまたがって住まう民族だ。ぼくはいま、紆余曲折あって、エウェ族と京都の職人文化を掛け合わせた事業を展開している。エウェ族には、京都の西陣織のような織物や、高度に発展した染物の文化がある。遠く離れたアフリカ大陸と日本(京都)をつなぐポテンシャルがあると思った。それでぼくは、京都に本店をおき、トーゴのパリメというエウェ族のメッカとも言えるまちに現地法人を構え、広義のアパレル業を営んでいる。

 京都とアフリカ地域におけるコロナの影響には、大きな違いがあった。つい数か月前まで、京都はインバウンド需要を狙ったビジネスが最盛期で、錦市場あたりは外国人観光客で歩けないほどだった。それが今回のことで、そういう層をターゲットにしていた企業は壊滅的なダメージを受けている。いまは持続化給付金や緊急融資でつないでいるが、元金返済がはじまる2~3年後にはどうなるかわからない。事実としていえるのは、ここ数年で築き上げてきた経済は、予想以上に脆かったということだと思う。

 一方で、現地法人をおくトーゴ共和国・パリメ地域は、驚くほどに変化がなかった。確かに、マルシェでマスクの着用が義務づけられたり、夜間の外出禁止令が出されたりした。首都のロメは比較的、経済ボリュームが大きいので、とくにサービス業はダメージが大きかったと聞く。しかし、ぼくたちの会社がある界隈では、京都(あるいは日本)ほど、大きな影響はなかったという。現地スタッフをはじめ、友だちとWhatsAppというLINEみたいなアプリでやり取りしている限り、ほとんど普段と変わらない生活を送っている。

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 このことは、これからの地域コミュニティの在り方を示唆しているように思えた。より大きく、より早く、より稼げるほうにシフトしてきた結果として生まれた歪み。等身大で、効率的ではないかもしれないが、それなりに生きていけるだけのリソースが循環している豊かさ。明らかに、アフリカ的コミュニティに学ぶところがある。アフリカと京都の2つの地域のコントラストは、ぼくたちに大切な何かを教えてくれている。

 何度でもいうが、ぼくたちの生活は経済的なことだけでは語りきれない。文化的なことや、ときに感情的なことを含めて、ぐちゃぐちゃのグラデーションを生きている。うまく言葉にできない、目に見えない、数値化できないものに、今こそ価値を見出すときだと思う。経済がストップしただけで生活がストップしてしまうよりも、経済がストップしても、それなりに生きていけるコミュニティのほうがいい。そうした血の通った関係性のうえに暮らしがあれば、もうすこし生きやすくなるかもしれないと、エウェ族のコミュニティに触れて思った。

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nakasu_toshiharu at 07:24|PermalinkComments(0) 創業 

2020年08月13日

京都、アフリカ、わたし、きみ


 京都・四条河原町にある「GOOD NATURE STATION」で、『Go to Togo 一着の服を旅してつくる』出版記念企画を開催した。上質すぎる空間と、泥くさく、諦めのわるいぼくたちがコラボした。密を避けて、ソーシャルディスタンス。そのような状況で、価値があると信じられるものをどうやって届けるか。絶賛、脳みそフル稼働中である。

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 今回のイベントもまた、ナイストライだった。アクションを起こすと、やはり素敵な人に出会える。イベントのサポートをしてくださったコンダクターの嶋田さんは、かなりクレイジーだ。最近ぼくが伝えたいと思うことランキング1位は「いろんな生き方があっていい」ということなのだが、嶋田さんは目ん玉が飛び出るほど縦横無尽にキャリアを歩まれている。そんな方だったから、編集の嶋田くん(ダブル嶋田!!!)も交えた3人のトークセッションは、なかなかに味わい深かった。

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↑全体のトーンが報道ステーション


 またこのトークセッションではインスタグラム経由で申し込みをいただいた方との新たな出会いもあって最高だった。併せて開催した染め職人ワークショップも、夏休み中の小学生や学校の先生、大学生、サラリーマン、経営者たちがミックスされてる感じとか、ワイワイお祭りみたいな感じ、その場のクリエイションを楽しむ感じが、グルーヴ感があってよかった。なにより、これまで経験のなかったことをかたちにできたのが、ぼくのなかで最大の評価ポイントだ。

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 たとえ小さくとも、かたちにすることで見えることがある。その結果から考えたほうが、なにもせずに考えるよりも解像度は高い。そこから次なるアクションが決まることもある。そのアクションの連鎖が、どこかでなにかと繋がって、予想しない展開に発展することがある。気づけば、一人では到達できないところまで行けたりする。

 そのときに大切なことは、自分自身の体験として、どう捉えるかということだ。かたちにしてみたことを踏まえて、自分はどう思ったか。その感覚を頼りに、知恵をしぼる。体験と思考の往復をとおして出来上がっていくものに、価値を届けるヒントが隠されている。そんな気がしている。

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nakasu_toshiharu at 08:20|PermalinkComments(0) 創業