2017年07月21日
人間の探究 ８１３ 法華経講義第一回 無量義経序分 １
※法華経
人間の探究 ８１３ 法華経講義第一回 無量義経序分 １
今から法華経講義を始めます。無量義経三品・法華経二十八品・仏説観普賢菩薩行法経一品からなる法華経部はまことに膨大な経典です。
わが国には比較的早く法華経は入ってきました。平安時代には仏教といえば法華経だと思われていました。それと同時にほかの仏教も入ってきていたので、「法華経が一番優れている」という考え方はなかったのです。
この「法華経とは何か？」というと、お釈迦様一代の教えの集大成です。すべてを網羅してお釈迦様が説きたかったのは、妙法蓮華経です。だから法華経にはすべて「妙法蓮華経」と書いてあります。
これは面白い話ですが阿弥陀経も一時、法華経の中に入っていたのです。釈迦の集大成ですから、阿弥陀経も「妙法蓮華経」とつければ中身も変わってしまい、根本がわかっているから、それでよかったのです。それがわからないと法華経はわかりません。
法華経で一番言いたいことは「妙法蓮華経」だけなのです。お釈迦様の一生を見てもわかりますが、様々な教えを説いてきました。結局、「何が説きたかったのか？」という、８０年のご生涯で「妙法蓮華経」ということを説きたかったのです。
それがわからないと本文を読んでも何が何だかわかりません。経典とは後世の弟子がまとめたのです。お釈迦様は竹林に衆生を集めてご説法されたときもありました。或いは岩の上で説法されたこともあったのです。山の頂上で説法されたこともあったのです。
弟子が集まって「お釈迦様がこのようなことを言っていた」ということを思い出して、集大成したのが経典です。８万６千巻と言われる仏教の経典がそのようにしてできていったのです。
では「経典はウソなのか？」というと、そうではなくすべて本当です。しかし、言いたいことがたくさんあるわけではなく一つです。それが「妙法蓮華経」ということなのです。
「お釈迦様の教えとは何ですか？」と質問されたら、その答えは「妙法蓮華経」です。この妙法蓮華経の経典は、お釈迦様が一番大事なことを直接語られたということが中心になっています。菩薩がでてきたという話はたくさんありますが、あとは枝葉末節なことです。それを抑えないといけません。
日蓮大聖人様も最初、「何が正しいのか？」と悩んだのです。様々な経典があります。最初に修行されたのは、千葉県の清澄寺です。お師匠さんは念仏の坊さんです。阿弥陀経を習ったのです。まだまだ仏教はあります。すべての仏教を見るためには、日本国中のお寺をまわって歩かないと８万６千巻の経典は見ることはできません。
当時、仏教が流行って堂塔伽藍は１０万社以上あったのです。「仏教のお寺が１０万社以上もあるのに、なぜ災難が起きているのか？」と日蓮大聖人様は疑問に思われたのです。仏教が流行った国は仏の世であるから、災難・飢饉・疫病・地震・戦争がないはずです。
それにもかかわらず日本国中で災難・飢饉・疫病・地震・戦争が流行り、「旅客来りて嘆いて曰く近年より近日に至るまで天変地夭・飢饉疫癘・遍く天下に満ち広く地上に迸る牛馬巷に斃れ骸骨路に充てり死を招くの輩既に大半に超え悲まざるの族敢て一人も無し」と、立正安国論に書いてある通りです。お経を唱えたり、祈祷したり、様々な行法をやっても災いが起きるのです。なぜなのでしょう。
このことを明らかにすることが「仏家（ぶっけ）一大事の因縁」であると考えられて、日蓮大聖人様は日本全国のお寺をまわられたのです。お寺には五重塔がありますが、五重塔には経典が入っているのです。修行僧がお寺に行くと五重塔にこもって、すべての経典を読んだのです。
当時は今と違って経典は巻物ですから二十八巻の巻物はリュックサックにも入りません。どうするのかというと暗記するしかありません。昔から仏教では暗記力をよくする修行の方法があり、それを「求聞持聡明法（ぐもんじそうめいほう）」といいます。
日蓮大聖人様もこれを修行されて「求聞持聡明法の極意を体得した」とご自分で言われています。そのような意味で「自分は真言密教の第２７代の教祖である」と言われています。求聞持聡明法とは、見たものがすべて頭に焼き付いてしまうのです。
最近でもニューヨークの上空からパッと見て、すべてそれが再現できる人がいます。アメリカの黒人ですが、ヘリコプターでニューヨークの上空を飛び、アトリエに帰ると忠実にそれが再現できるのです。ビルの窓が何個あったのかわかるのです。その人は事故で頭を打ってしまい、それから天才になってしまったのです。そのような人は大勢います。
頭を殴られてから音楽が聞こえてくるようになったとか、ピアノが急に弾けるようになったとか、頭を殴られて数学がすべて解けるようになった人もいます。人間の頭脳は不思議なのです。求聞持聡明法は、それとも関連しているのかもしれません。１回見ただけでどんな経典もスラスラと頭に入ってしまうのです。
小室直樹先生がそうだったのです。民進党の渡辺恒三が高校時代の同級生で「小室君には驚いたよ。何しろ英語の本を１回読むと全部頭に入ってしまうのだよ。こんな人間は見たことがない」と言っていました。それと原理が同じです。頭に何冊でも入ってしまうの
です。
経典は持ち歩けないので頭に入れるしかありません。それができれば身一つでどこにでも行けます。日蓮大聖人様は法華経の真実を確かめて、修行して、最終的には南無妙法蓮華経という境地に到達したのです。
日蓮大聖人様は貞観政要を盛んに講義で使われたので、「貞観政要が手元にないと細かい指導ができない」と言われていました。「手元にないと指導ができない」と言われているのですから、貞観政要は頭に入っていなかったのです。
法華経の話に帰ると、法華経とは様々な弟子が集まって書いた戯曲です。すごいお話であり、よくできたお話です。その中には哲理も仏法の原理も何もかも入っています。仏教は、この法華経さえあれば他の教えは一切いりません。
もう一つわかっていかなければいけないことは、「法華経とは何を説いたものか？」ということです。それは、無分別法を説いたのです。一般の人は「分別法を説いた」と思っていますが、そうではありません。仏教は無分別法です。世間の法は分別法ですから頭を使って考えます。
仏教とは無分別の法です。だから「財産を持つな」というのです。財産やお金をもっていると、財産が心配になり無分別の境地ではなくなります。何もなければ、それだけで無分別です。仏教は脱社会の法です。その点をきちんと押さえていかないと仏教の理解は難しいのです。
必ず法華経を説く前に無量義経があり、無量義経は「無量の義は一法より生じる」と読むのです。「無量の義とは何か？」というと、あらゆるもののことです。山・川・草・木・人間など、あらゆるものに名前がついています。これを無量義というのです。無量義とは名前をつけたということです。山も川も草も木も、様々な名前をつけらた無量です。無量ですから、いくらでも名前はつけられるのです。無量に名前がつけられているのですが、その根本のものは、ただ一法です。ということが、「無量義は一法より生じる」ということです。
法華経の教義に入る前に無量義経三品があるということは、この無量義について考えるのです。ここでは妙法蓮華経とは言っていません。無量義というものがあり、それを極めることが仏教の入口です。無量義経は法華経に入って勉強していくための序品です。
何を間違えないようにするのかというと無量義です。無量義は一法から出てきます。妙法蓮華経もそうです。妙法蓮華経が働いて様々なものが出てきますが、それは無量です。妙法蓮華経は一法です。
この一法についていきなり説くのではなくて、「無量義は一法より生じる」と言っておいて、勉強させて無量義をよく理解させたうえで妙法蓮華経に入っていこうということが無量義経三部経のおかれている立場です。そのように理解しないと無量義経は全然わかりません。
さて、無量義経徳行品第一の最初には「如是我聞（にょぜがもん）」と書いてあります。仏弟子たちが「お釈迦様がこのように言われました」と書くことが如是我聞です。如是我聞の反対を我聞如是といいます。「私がお釈迦様の説法を聞きました」というのが我聞如是（がもんにょぜ）です。
如是我聞とは、「お釈迦様の説法を私が聞きましたが、わからないところもそのまま書きました」ということです。自分がわかるところだけを書いたら我聞如是です。如是我聞は自分がわからないところも「お釈迦様はこのようにお説きになられました。それをそのまま書きました」というのが如是我聞ですから、如是我聞と我聞如是は違います。
僕の弟子になっても如是我聞で聞かない限りは絶対に成長しません。僕が言ったことを自分の考えで翻訳して聞いているならば、何の成長もしません。それは我聞如是です。「中杉先生はこういったけれども、それはこうだな」というのは、自分がそのように思ったのでありそれは貴方の考えです。僕が言いたいことはそうではないかもしれません。師匠の言いたいことをとらえていくのですから、経典は如是我聞で勉強していかないといけません。
無量義経徳行品第一「是の如きを我聞きき。一時、仏、王舎城・耆闍崛山の中に住したまい、大比丘衆万二千人と倶なりき。菩薩摩訶薩八万人あり。天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩�羅伽あり。諸の比丘・比丘尼及び優婆塞・優婆夷も倶なり。大転輪王・小転輪王・金輪・銀輪・諸輪の王・国王・王子・国臣・国民・国士・国女・国大長者、各眷属百千万数にして自ら圍遶せると、仏所に来詣して頭面に足を礼し、遶ること百千�して、香を焼き華を散じ、種々に供養すること已って、退いて一面に坐す。」
大比丘衆万二千人がともにいたのです。
いろんな人が出てきます。「天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩�羅伽」が、がでてきます。僕も説法してすぐにわかりましたが、説法を聞きにくるのは、「乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩�羅伽」の化け物や怪獣です。
僕の周りに集まってきたのは、ホモ・詐欺師・人妻狙いなど、そんな連中が集まってきたのです。まさに経典どおりです。優秀な人たちが法を求めて聞いているのではありません。ホモや詐欺師が聞いているのです。まさに「緊那羅・摩�羅伽」です。
中には「大転輪王・小転輪王・金輪・銀輪・諸輪の王・国王・王子・国臣・国民・国士・国女・国大長」などのよい衆生もいますが何しろ、ヘンテコリンな奴が大勢集まってきて、前列にそのような怪獣や化け物が並んでいるのです。
後ろのほうに「大転輪王・小転輪王」などすごい人が並んでいるのです。聞いてもらいたい人は後ろのほうにいて、前にいる奴らは化け物です。僕は「なるほどな、法華経の通りだな」ということを体験しました。
「これから仏教を説きます」と言われて「はい、わかりました。教えてください」などという素直な人は誰もいません。頭の中では「あの女をどのようにひっかけようか」「先生をだまして金を借りよう」など、そんな連中ばかりがズラズラと集まってくるのです。
昔、正理会も道場生をとっていましたが、夜になると殴り合いです。一人悪い奴がいたのです。自衛隊帰りの渡辺が「オカマの４８手」という本を読んでいたのです。それを読んで道場生に対して「ボクシングを教えてやる。防具をつけろ」とつけさせてみんなボカボカに殴って朝になるとみんな顔がはれていたのです。
朝、僕が道場に行って「どうしたのだ？」と聞くと「転んだのです」というのです。ところが毎日違う道場生が転んでいたのです。夜になると渡辺がボカボカと殴って金をとったり脅かしたり、オカマの４８手の相手にしていたのです。そいつは自衛隊帰りの朝鮮人で滑川と２人で逐電してツカサウィークリーマンションで同棲を始めたのです。
僕の道場には、そんなキチガイが集まってきたのです。法華経に何のゆかりもない奴らです。僕はこれを体験しました。無量義経を読むと、釈迦の説法に「国王・王子」など、よい人たちも集まってきたのです。
「仏所に来詣して頭面に足を礼し」昔は立っている仏さまに対して、おみ足をいただいたのです。地面に頭をつけておみ足をいただくのです。それが当時の儀式です。それでこれから説法が始まることについて用意をするのです。まあ、今日はここまでです。
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この記事へのコメント
1. Posted by うっちゃん四兄弟 2017年07月21日 02:19
博士のブログランキングただいま３位！
博士の「徒然日記」ブログランキングただいま２７位に上昇！！
みんなありがとう！！
これからもみんなで「異体同心」で正しいことを伝えていこう！！
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2. Posted by 神田美代子 2017年07月21日 12:47
>ヘンテコリンな奴が大勢集まってきて、前列にそのような怪獣や化け物が並んでいるのです。私も古い道場の頃からお世話になって来たので、本当に色んな人達が出入りしていたのを覚えています。
私は二階建ての小さな道場の時代に偶然法華経の勉強会に出会い、それがきっかけで色々と教えていただきました。今でも出会えて本当に良かったと嬉しく思っています。
3. Posted by 主任教授 さえこ 2017年07月21日 13:45
今日の講義「法華経講義第一回 無量義経序分 １」拝読しました。今日から講義が始まり。大変ワクワクして読んでいます。
無量義経の位置がよくわかりました。
無量の義がわからなければ先には進めません。
無量の義を理解してから、本編の南無妙法蓮華経に入っていくという流れだとわかりました。
無量義経の講義から、「如是我聞」の姿勢で聞かなけばいけません。
そこに集まった衆生はキンナラ・マゴラガのような怪獣や妖怪です！
まさに中杉博士が道場を開いた頃、キンナラ・マゴラガのような妖怪や怪獣が大勢集まってきました。
中杉博士は身をもって法華経を体験されています。
法華経とは知識を教わるのではなく体で体験してわかっていくのだとわかります。
中杉博士、これからの講義をよろしくお願いいたします！
4. Posted by 一国民 2017年07月21日 15:04
>後ろのほうに「大転輪王・小転輪王」などすごい人
聞いてもらいたい人は後ろのほうにいて、前にいる奴らは化け物
今年に入り、「徒然日記」のコメント欄には、あの苫米地さん、宮脇淳子先生、宮崎正弘さんなど、著名な方も投稿されています。
聞いてもらいたい人は後ろのほうにいて、前にいる奴らは化け物
今年に入り、「徒然日記」のコメント欄には、あの苫米地さん、宮脇淳子先生、宮崎正弘さんなど、著名な方も投稿されています。
5. Posted by 一読者会員 2017年07月21日 19:25
「無量の義は一法より生じる」
無量に名前がつけられているのですが、その根本のものは、ただ一つです。
無量義というものがあり、それを極めることが仏教の入口です。
法華経講義ありがとうございます。
無量義経のタイトルの意味をあまり考えたことはありませんでしたが、その深い意義を少し理解出来たと思います。
無量に名前がつけられているのですが、その根本のものは、ただ一つです。
無量義というものがあり、それを極めることが仏教の入口です。
法華経講義ありがとうございます。
無量義経のタイトルの意味をあまり考えたことはありませんでしたが、その深い意義を少し理解出来たと思います。
6. Posted by 参照数 2017年07月21日 19:31
ただいま１０２９
7. Posted by 地方会員 2017年07月21日 19:32
凄いご講義が始まると思いました！
8. Posted by 副主任教授C.Sasaki 2017年07月23日 15:18
中杉博士、本日もご講義有難うございます。
＞聞いてもらいたい人は後ろのほうにいて、前にいる奴らは化け物
「なるほどな、法華経の通りだな」ということを体験
現在もS学会員、統一教会などが悪意のあるコメントを続けていますが、徒然日記のコメント欄には、著名な方々も投稿され、ランキングも上昇しています。
＞「無量義は一法より生じる」
「如是我聞（にょぜがもん）」
弟子になっても如是我聞で聞かない限りは絶対に成長しません
自分の考えで翻訳して聞いているならば、何の成長もしません
それは我聞如是
諸学問と違い、仏教とは「仏様の智慧の学び」であり、「如是我聞」でないと、「仏様の智慧」を頂くことはできず、学会のように「世界を救うには政治権力を握ることだ！」と仏教とは無関係の選挙活動を仏道修行だと言い、現在は仏教ではない、単なる政治団体になっていますが、政権与党になり、権力の座に安住し、誰からも厳しく指導されることのない学会幹部は、その大きな誤りに気付いていません。
それを正されるのが、本来の後継者・石田次男先生の弟子である博士であり、この時期に博士が法華経講義をスタートされるのは、不思議な仏縁であると思います。
＞聞いてもらいたい人は後ろのほうにいて、前にいる奴らは化け物
「なるほどな、法華経の通りだな」ということを体験
現在もS学会員、統一教会などが悪意のあるコメントを続けていますが、徒然日記のコメント欄には、著名な方々も投稿され、ランキングも上昇しています。
＞「無量義は一法より生じる」
「如是我聞（にょぜがもん）」
弟子になっても如是我聞で聞かない限りは絶対に成長しません
自分の考えで翻訳して聞いているならば、何の成長もしません
それは我聞如是
諸学問と違い、仏教とは「仏様の智慧の学び」であり、「如是我聞」でないと、「仏様の智慧」を頂くことはできず、学会のように「世界を救うには政治権力を握ることだ！」と仏教とは無関係の選挙活動を仏道修行だと言い、現在は仏教ではない、単なる政治団体になっていますが、政権与党になり、権力の座に安住し、誰からも厳しく指導されることのない学会幹部は、その大きな誤りに気付いていません。
それを正されるのが、本来の後継者・石田次男先生の弟子である博士であり、この時期に博士が法華経講義をスタートされるのは、不思議な仏縁であると思います。
9. Posted by 中年羊 2017年07月24日 16:46
次回、楽しみです。10. Posted by マリー 2017年07月24日 18:41
我聞如是ではなく如是我聞で学ばなければ成長できません。
11. Posted by すみれ 2017年07月25日 07:45
御講義ありがとうございます。無量義というものがあり、それを極めることが仏教の入口ということを知りました。
12. Posted by 青山 2017年07月25日 18:33
御講義ありがとうございますあらゆるものに名前がついていてこれを無量義といわれるとありますが、無量義のもとになるものはどこにあるのでしょうか？
