2019年12月01日

『生きている大日本帝国』アメリカとの関係

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※正力松太郎のコードネーム(スパイ名)は、「podam」(我、通報す)」というものでした。
 正力松太郎は東京帝大法学部卒業後内務省に入り、警視庁警務部長にまで昇進しましたが、虎の門事件(一九二三年)の責任を取り辞職します。その後、経営難の読売新聞社を買い取って社長に就任し、以後、政財界に大きな影響力を持ちました。

『生きている大日本帝国』

アメリカとの関係

 日本がポツダム宣言受諾後、マッカーサーをはじめとする占領軍が日本を支配するようになりました。彼らは、日本のあらゆるところにメスを入れ、日本の統制を強化しようとしました。手始めが「軍国主義的」とみなされた出版物の没収です。西尾幹二先生は、それを「焚書」だと批判しています。そして、「日本が正しい」とか「この戦争は負けたのではない」と主張する日本人は徹底的に排除されました。そして、日本を骨抜きにするさまざまな宣伝工作がGHQによってなされました。それを江藤淳は、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と呼んでいます。
 一方、占領軍の撤退後もアメリカに協力する人材の養成に力を入れています。その親分がこれまでにも出てきましたが、岸信介、児玉誉士夫、笹川良一というA級戦犯として収監されていた人たちです。岸には官僚と政治を牛耳れるよう、選挙資金の援助をしました。児玉誉士夫にも、フィクサーとして裏からアメリカを支えるよう、多額の資金を与えています。岸内閣時の六〇年安保闘争では、児玉がヤクザ・右翼を使って反対運動をつぶしにかかりました。船舶振興会の笹川良一には、実業界を牛耳らせました。
 GHQがこのような地ならしをしてから、一九五二(昭和二七)年、日本の主権が回復します。そこでアメリカは、今度はCIA(中央情報局)を日本に送り込んできました。CIAは、世界中でアメリカの利益になるよう工作しています。映画『ミッション:インポッシブル』でトム・クルーズの演じているのがCIA工作員の役です。
 有馬哲夫氏の『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」』(新潮社)によると、CIAへの協力者となったのは、児玉誉士夫、正力松太郎などです。正力松太郎もA級戦犯だったのですが、不起訴と引き換えにアメリカへの協力を約束したのです。正力のコードネーム(スパイ名)は、「podam」(我、通報す)」というものでした。
 正力松太郎は東京帝大法学部卒業後内務省に入り、警視庁警務部長にまで昇進しましたが、虎の門事件(一九二三年)の責任を取り辞職します。その後、経営難の読売新聞社を買い取って社長に就任し、以後、政財界に大きな影響力を持ちました。戦後、衆議院議員となり、さらには首相を目指します。そこでアメリカは、正力がアメリカに都合よく活動するように援助します。その目玉が日本での原子力発電所の建設でした。
 もう一人、原発建設に積極的だった政治家がいます。中曽根康弘です。中曽根も東大学法学部出身で内務省に入ります。そこで戦争となり、中曽根は海軍に入ります。終戦後、内務省にもどりますが、やがて政界に転進します。そしてアメリカの意を呈した行動をとるのですが、正力にしろ、中曽根にしろ、そして岸にしろ、愛国者ではあったのです。CIAから金は引き出し、CIAの指示を聞いたふりをしつつ、一番肝心な点で「日本がどのようにしたら有利になれるか?」ということを考えていたのです。CIAを手玉に取り、肝心なところで背負い投げをくわせるのです。
 日本は第二次大戦で、原爆に負けました。それで、「どうしても原爆を造れるようにしたい」と、正力や中曽根は考えました。しかし、原爆の開発に手を出せるような状況にはありません。そこで、原発を稼動させて、原爆の元になるプルトニウムを生産しようとしたのです。原発建設には田中角栄も絡んでいました。
 福島第一原発の事故後(二〇一一年)、「中曽根の野郎、原発を五四基も造りがやって!」と庶民は怒ります。そのうえ、一基も原発が稼動しなくても、電気は足りています。産業としての原発は無意味であることは明らかです。
ところが、これは国土防衛上のプルトニウム製造工場だと思えばよいのです。もし、日本の原子炉を爆発させれば、世界中は放射能の海になってしまいます。気がついてみたら、「日本をどこも攻撃できない」ということになっていたのです。しかも、「一万発分のプルトニウムを持っている」という時代がきてしまいました。これが、大日本帝国の原爆後の日本なのです。


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この記事へのコメント

1. Posted by 弥生   2019年12月01日 01:06
>正力にしろ、中曽根にしろ、そして岸にしろ、愛国者ではあった
CIAから金は引き出し、CIAの指示を聞いたふりをしつつ、一番肝心な点で「日本がどのようにしたら有利になれるか?」ということを考えていた
CIAを手玉に取り、肝心なところで背負い投げ

あの吉田茂元首相も、アメリカから朝鮮戦争に出兵要請されると、「平和憲法があるから出来ない!」と「肝心なところで背負い投げ」していたと博士のブログで学びました。

政治にはこのような「手法」が必要だと思いました。
2. Posted by 行合84   2019年12月01日 07:26
中杉先生ブログ拝見いたしました。戦後日本には、大物官僚や大物政治家達が闊歩していたのですね。僕は、先日に101歳でお亡くなりになりました中曾根康弘さんと、軽井沢の星野温泉のお風呂で二回ほど、お見かけした事があります、もう30年ほど昔の話ですが、一緒にいった義兄が、彼の背中を流し、話をしていました。ただ普通の人という感じでした。戦後の日本に大きく絡んでいた政治家の一人です。安倍総理のおじいさんの岸信介や児玉與志夫や笹川良一等々、が、裏では米国とつるんだり、離れたりしていたのですね。大物政治家や大物官僚が戦後日本を、米国とタッグを組んで虚構の日本を作って来たのです。これからの日本国に必要なことは、アメリカ合衆国の奴隷からの脱出です!どうすればよいのか?それは、一言でいうと、GHQ憲法、即ち、虚構の憲法を即時撤廃して、2800年の天皇陛下の歴史、即ち、自然法に戻すことだと思います。中杉先生講義ありがとうございました。
3. Posted by Vega   2019年12月02日 01:21
先日、亡くなった中曽根元首相が登場、タイムリー過ぎます!

ご生前の発言は、博士が教えられている通りであると感じました。
4. Posted by 青山   2019年12月03日 11:46
5 御講義有難うございます

愛国心は非常に大事であり持つべきだと思いますが、現代は薄皮の愛国心の政治家が多い事には憤りを感じます。

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