2019年12月22日

『生きている大日本帝国』言霊(ことだま)

18
※戦国時代に関東一円を治めた北条家には、「早雲寺殿廿一箇条」という家訓が伝わっています。その一条に次のようにあります。「上下万民に対し、一言半句にても虚言を申べからず、かりそめにも有のままたるべし、そらこと言つくればくせになりて、せせらるる也、人にやがて見かぎらるべし、人に糺され申ては、一期の恥と心得べきなり」

『生きている大日本帝国』

言霊(ことだま)

 我が国は昔から、「言葉が生きている」という思想があります。それを「言霊(ことだま)」と呼びます。「言葉は神である」という意味です。災いが起きてくる時、地震を鎮める時、歌を献じて大自然と接触しようとしたのが和歌の始まりです。和歌は外国にはなく日本独自のものです。言霊が根底にある日本人は、和歌を作り続け、和歌とともに生きてきました。皇室行事でも一番大事なことは和歌を詠み上げることで、教養の第一位にあげられることも和歌を作る能力です。
 言霊とは字のごとく、「言葉は神」ということです。そうすると、うそは許されません。事実とちがうことを言葉にするのは、言霊とは正反対の関係になります。その言霊を大事にしてきた日本人は、うそを嫌ってきました。例えば、戦国時代に関東一円を治めた北条家には、「早雲寺殿廿一箇条」という家訓が伝わっています。その一条に次のようにあります。
 「上下万民に対し、一言半句にても虚言を申べからず、かりそめにも有のままたるべし、そらこと言つくればくせになりて、せせらるる也、人にやがて見かぎらるべし、人に糺され申ては、一期の恥と心得べきなり」(上下万民すべての人々に対して、一言半句たりともうそをいうようなことがあってはならぬ。いかなる場合でも、ありのままに申しのべることが大切である。うそをいっていると、それが習慣となって、ついには信用をも失ってしまい、物笑いの種となるのである。己れが言った言葉に信が置けず、他人から聞きただされるようになっては、一生の恥と考えて、かりそめにもうそは言わぬように心掛けなくてはならぬ)
 中味のないうそなど、だれでもいくらでも話せます。そしてうそならば、人はなんにでもなれます。ノーベル賞学者でも、大資産家でも、皇室の血筋を引くでも、極悪人でも、どんな話でも作ることができます。そして、時には人をだませるかもしれません。有栖川宮詐欺事件(二〇〇三年)というものがあり、「私は有栖川宮家の御落胤だ」と騙(かた)ってお金を騙し取ろうとしたこともありました。
 しかし、そのような言葉を発していると、その人は中身がなくなってしまいます。その人から言霊の響きが失われ、言葉の意味が消失してしまうのです。そして、「あいつはうそつきだ」とレッテルを貼られてしまったら、その人間はだれからも信用されなくなってしまいます。そして、本当に生活に困ることになり「助けてくれませんか?」とだれかにすがっても、「おまえはうそつきだろ」と、だれにも相手にされません。そのように、「うそつき」と言われるようになったら、人間のくずです。くずと関わりを持とうとする人はいません。くずと一緒に人生を歩めば損をするばかりだとわかりきっているからです。そこで昔から「うそつきは泥棒の始まり」と、よく言ったものです。
 三島由紀夫は『行動学入門』(文春文庫)で、陽明学を基にしながら、言行一致の思想を展開しました。ああだ、こうだと議論していても、埒が明きません。黙って行動することこそが肝要です。正直で、素直ではったりもかまさない、泣いたりわめかない、黙って行動するのです。それが日本精神です。その精神が今でも日本精神として日本人の中に生きています。
 薩摩では、「義(ぎ)を言うな!」という言葉があります。薩摩には郷中(ごうちゅう)という制度がありました。地域の武家の青少年は一軒の家に集められて、共同生活をしながら、徹底的に教育されるのです。西郷隆盛がその長をしていた時、みんなから慕われていたそうです。そこで屁理屈をこねると、「義を言うな!」と叱り飛ばされます。「グチャグチャいう前に、行動で示せ!」、これが薩摩の教えです。
 生麦事件(一八六二年)の時もそうでした。薩摩の行列が東海道を進んでいた時に、その前を英国人が馬に乗って通り過ぎたのです。それに怒った藩士が走っていって、いきなり斬り殺しました。「殿様の前を通る無礼者がいたら、ただちに行動しろ!」ということが、薩摩藩士には徹底されていたのです。討論する以前に行動なのです。
 薩摩の示現流(じげんりゅう)にも、同じ思想が息づいています。江戸時代、武士は袴に着替えて道場に稽古に行っていたものですが、薩摩はちがいました。野良着でいいのです。敵がいつどこから襲ってくるかわかりません。その時に、袴にはきかえている余裕などあるはずがありません。家中にいればそのままの格好で、野良仕事の最中ならばその格好で、敵と対戦しなければなりません。これが示現流の考え方です。
 こうして、日本人は言葉を大切にし、うそつきを軽蔑してきました。そのため日本人は信用できると、世界中から尊敬されています。ところが困ったことに、日本の政治家と官僚はうそばかりついています。予算の編成もうそ、放射能の計測もうそ、原子力と火力発電所の関係もうそ、すべてうそです。自民党、公明党、民主党が共同で消費税を上げることを決議しました。ところが、民主党はそもそも「社会保障と税の一体改革」を行うと宣言したはずです。議員定数・歳費削減や公務員総人件費削減、そして抜本的な行政改革など自ら身を切る改革を実施したうえで、高齢者福祉や医療や貧しい人を助けるために消費税を上げるという建前です。自民党も、消費税のアップ分はすべて社会福祉に回すと宣言したはずです。
 ところが、五%から八%に上げた分の税収五兆円のうち、社会福祉に回されたのはわずか五〇〇〇億円です。そのうえ、議員定数はそのまま、公務員の給料が引き下げられたという話は聞いたことがありません。民主も自民も、大うそつきです。そのうえ自民党は、解釈改憲で自衛隊の集団的自衛権を実現しようとしています。つまりは、憲法にまでもうそをつかせようとしているのです。日本国民のだれがそんなことを望んでいますか? TPP法案でも、すでにアメリカとの密約がなされたとささやかれています。それをいま発表したら大騒ぎになるので、公表していないのです。
 うそをつかないところから日本精神は始まっているのです。政府や政治家のようにうそばかりついていると、大日本帝国は危殆に瀕することになるでしょう。そのためにも、われわれがうそをつかない精神を堅持し、大日本帝国を守っていかなければならないのです。

★★★事務局よりお知らせ★★★

アメーバブログで、「中杉 弘の徒然日記」
好評連載中です!!
     ↓
http://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi


人気blogランキング、よろしくね!
  ↓↓↓


         コメントは、ここにお書きください↓↓↓

nakasugi_h at 00:00│Comments(4)clip!


この記事へのコメント

1. Posted by 愛子   2019年12月22日 01:03
中杉博士、本日もご講義ありがとうございます。

>自民党は、解釈改憲で自衛隊の集団的自衛権を実現しようとしています
つまりは、憲法にまでもうそをつかせようとしている

昔から、「理屈と膏薬はどこにでもつく」と言われ、法律も解釈によっては無実の人を有罪にすることもできます。

以前より博士が教えられている通り、日本国憲法自体が、日本人の手によるものではない占領基本法と言う「虚構」の上にあり、【この「虚構の憲法」の上にこのような「虚構」を重ねるのであれば、日本に未来はない】、国民皆がこの事実を知るべきであると思います。

2. Posted by 行合84   2019年12月22日 07:28
中杉先生ブログ拝見いたしました。日本国は昔から言霊(神の言葉)が、幸あう国でした、和歌や短歌や俳句などの中に、言霊が溢れております。こんな言の葉の国は世界広しといえども他にはありません。実に繊細で美しい響きを持っております。言い換えると、噓をつかない民族であると思います。今の日本国を悪くしてきたのは、戦後のどさくさで日本国人に、背乗りして来た在日朝鮮人やその他の帰化人たちです、彼らは平気で噓をつきます(怒)。中杉先生のご先祖様であります北条早雲殿のお言葉、家訓が心に響きます。中国やロシアや韓国や北が日本国を虎視眈々と狙っています!本物の正直日本国民たちよ、虚構の憲法を脱ぎ捨てて、真に独立国家として、改めて、アメリカ合衆国と連合を組むべきであると、僕は、思います。中杉先生講義ありがとうございました。
3. Posted by 弥生   2019年12月23日 01:03
>憲法にまでもうそをつかせようとしている

日本国憲法と言う虚構の憲法に、さらに虚構を重ねようとしている、このようなご指摘をされたのは、博士が初めてです。
4. Posted by 愛子   2019年12月25日 22:15
中杉博士、本日もご講義ありがとうございます。

>3
>法で成り立っているわけではないから、若くて美しい芸能人でも年を取れば生活保護を受けて、ブクブクに太り死んでいく

「そこまで入って一つの命」と、このように教えられているのは博士だけです

おっしゃる通りです。

学会は「選挙活動が仏道修行」、顕正会は「御書講義不要」と邪教になった最大の原因は、以前より博士が教えられている通り、「国家観」、「全体観」がない、「生命、仏教を全体からとらえられない」からですが、その原因はそれぞれの中心者が日本の歴史を学ばず皇室を尊敬せず、反省心なく四悪道のままであることを隠す、つまり嘘をついていることから各教団の迷走が始まったのではないでしょうか。

現在、日本国は日本人の手によるものでない占領基本法、つまり「虚構の憲法」の上にあることから諸問題を抱え、さらにそこからまた問題が発生、先日のご講義『生きている大日本帝国』言霊(ことだま)【2019年12月22日】にもある通り「自民党は、解釈改憲で自衛隊の集団的自衛権を実現しようとしています。つまりは、憲法にまでもうそをつかせようとしている」虚構の上に虚構を重ねようとしていることと同じ構造ではないかと思いました。

国家観、全体観なき宗教・思想はなく、このことを正しく博士より学んでいきましょう。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔