2022年06月11日
開目抄講義（９） 難信難解
※法華経の流通分たる涅槃経には、「末代濁世に謗法の者は十方の地のごとし正法の者は爪上の土のごとしと」説かれています。これをどう考えたらよいのかというと、日本国の諸人は爪の上の土なのか、日蓮は十方の土なのかとよく考えなさい。
開目抄講義（９） 難信難解
[本文]
華厳経には先後の経なければ仏語相違なしなにに・つけてか大疑いで来べき、大集経・大品経・金光明経・阿弥陀経等は諸小乗経の二乗を弾呵せんがために十方に浄土をとき凡夫・菩薩を欣慕せしめ二乗を・わずらはす、小乗経と諸大乗経と一分の相違あるゆへに或は十方に仏現じ給ひ或は十方より大菩薩をつかはし或は十方世界にも此の経をとくよしをしめし或は十方より諸仏あつまり給う或は釈尊・舌を三千に・をほひ或は諸仏の舌をいだす・よしをとかせ給う、此ひとえに諸小乗経の十方世界・唯有一仏と・とかせ給いしをもひを・やぶるなるべし、法華経のごとくに先後の諸大乗経と相違・出来して舎利弗等の諸の声聞・大菩薩・人天等に将非魔作仏と・をもはれさせ給う大事にはあらず、而るを華厳・法相・三論・真言・念仏等の翳眼の輩・彼彼の経経と法華経とは同じと・うちをもへるは・つたなき眼なるべし。
[講義]
華厳経にはそれに先立つ経がないので仏語に相違がありません。したがって、華厳経について大疑を持つ必要もありません。
大集経・大品経・金光明経・阿弥陀経などは諸の小乗経の二乗を弾呵（しかる）ために十方に浄土があると説き、凡夫・菩薩を欣慕（きんぼ）せしめ二乗の連中を惑わしたのです。
小乗経と諸の大乗経と一分の相違あって、或は十方に仏があらわれ、或は十方より大菩薩をつかはし、或は十方世界にも此の経を説く理由をしめし、或は十方より諸仏があつまったのです。或は釈尊は、舌を三千世界にとどかせ、或は諸仏の舌を出させました。その理由を説明したのです。
これはひとえに諸の小乗経の十方世界に唯一仏有りと説いた、その思いを破るためなのです。法華経のごとくに先後の諸の大乗経と相違が出来て舎利弗等の諸の声聞・大菩薩・人天等に将非魔作仏と（譬喩品第三）思はれるような大事ではなく、而るを華厳・法相・三論・真言・念仏等の翳眼（かすりめ）の輩・彼彼の経経と法華経とは同じと思うのはつたなき眼だからなのです。
[本文]
但在世は四十余年をすてて法華経につき候ものもや・ありけん、仏滅後に此の経文を開見して信受せんこと・かたかるべし、先ず一つには爾前の経経は多言なり法華経は一言なり爾前の経経は多経なり此の経は一経なり彼彼の経経は多年なり此の経は八年なり、仏は大妄語の人・永く信ずべからず不信の上に信を立てば爾前の経経は信ずる事もありなん法華経は永く信ずべからず、当世も法華経をば皆信じたるやうなれども法華経にては・なきなり、其の故は法華経と大日経と法華経と華厳経と法華経と阿弥陀経と一なるやうを・とく人をば悦んで帰依し別別なるなんど申す人をば用いずたとい用ゆれども本意なき事とをもへり。日蓮云く日本に仏法わたりて・すでに七百余年・但伝教大師・一人計り法華経をよめりと申すをば諸人これを用いず、但し法華経に云く「若し須弥を接つて他方の無数の仏土に擲置かんも亦未だ為難しとせず、乃至若し仏滅後に悪世中に於て能く此の経を説かん是れ則ち為難し」等云云、日蓮が強義・経文に普合せり法華経の流通たる涅槃経に末代濁世に謗法の者は十方の地のごとし正法の者は爪上の土のごとしと・とかれて候は・いかんがし候べき、日本の諸人は爪上の土か日蓮は十方の土かよくよく思惟あるべし、賢王の世には道理かつべし愚主の世に非道・先をすべし、聖人の世に法華経の実義顕るべし等と心うべし、此の法門は迹門と爾前と相対して 爾前の強きやうに・をぼゆもし爾前つよるならば舎利弗永不成仏の者なるべし・いかんが・なげかせ給うらん。
[講義]
釈尊が生きておられたときには、四十余年も釈尊の説法を聞き、法華経を説かれたとき、すんなりと法華経を信じたものも少しはいたことでしょう。しかし釈尊の滅後に、この経文を開見して信受できないものはほとんどだったのです。
先ず法華経以前の教えはその圧倒的な量があります。法華経の教えは妙法蓮華経の一言だけです。しかも四十余年にわたる説法ですので、ものすごい量があります。釈尊が法華経を説かれたのはわずか８年なのです。
外道のいうように「仏は嘘つきであり、大妄語の人である」、ゆえに信じてはならない、と思ってもそれでも信じたいというならば法華経以前の教えは何とか信ずることはできるでしょう。しかし法華経だけは信ずることができないのです。
今の世でも「法華経を信じている」などという人はいますが、それは法華経を信じていることにならないのです。なぜかというと「法華経と大日経と、法華経と華厳経、法華経と阿弥陀経は同じものです」などと説く人を信じて、法華経とこれらの経は違うという人を信じないのです。たとえその人の言を信じたといってもそれは本心からの信ではないのです。日蓮は、この問題をこのように考えます。
仏法が日本に渡ってから、７００年経ちますが、法華経を真に読んだのは、伝教大師ただ一人なのです。しかるに諸人は、これを認めようとしないのです。法華経をみると「ヒマラヤをあちこちの仏土に移し変えるのも難しいこととは思わない、しかし仏滅後に悪世のなかでこの経を説くのは難しいのです」日蓮がいっていることは経文に符合しているのです。
法華経の流通分たる涅槃経には、「末代濁世に謗法の者は十方の地のごとし正法の者は爪上の土のごとしと」説かれています。これをどう考えたらよいのかというと、日本国の諸人は爪の上の土なのか、日蓮は十方の土なのかとよく考えなさい。
賢王の時代には、道理を先にして物事はすすみます。聖人の世では法華経の真実が現れるのです。しかし、この法華経は迹門と本門に別れ、迹門と本門も相対しますが、法華経以前（爾前）と迹門を相対するならば、爾前がよいと考えるならば舎利弗は永久に成仏しないとなるのです。これは悲しいことです。
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この記事へのコメント
1. Posted by M 2022年06月11日 00:31
＞法華経は迹門と本門に別れ、迹門と本門も相対しますが、法華経以前（爾前）と迹門を相対するならば、爾前がよいと考えるならば舎利弗は永久に成仏しない
自分勝手な解釈では、信仰にはならない、ということですね。
自分勝手な解釈では、信仰にはならない、ということですね。
2. Posted by 大田 2022年06月11日 11:41
今日のご講義拝読しました。
お釈迦様は悟られた時、インドではバラモン教が主で仏教を分かる人はいなかったので、分かり易く四諦を説いて、十二因縁を説かれたのです。
人それぞれに分かるように説かれたので、経典は莫大な数になりました。
今私は博士に学んでいるので、爾前の教えは法華経が理解できる様になる為の前勉強と言うか準備段階。
法華経を学ぶ事が出来ようになって一つ一つ教えて頂いて、真実の教えを学ぶのですが、分からない事を教えて頂くので理解ができない。
理解ができないと高慢な人間はお釈迦様を嘘つきだと言うのです。
高慢な人間は自分が第一です。自分の分からない事をいう人間は皆嘘つきだと言うのです。私も経験があります。
でも難信難解ですが信じる事ができれば分かるようになるのです。
信じる事が出来るか出来ないかが大きな問題です。
高慢にならず、ただただ信じて博士のご講義を受講していけば分かる時が来ると思います。
博士 ありがとうございます。
さえ子先生 ありがとうございます。
お釈迦様は悟られた時、インドではバラモン教が主で仏教を分かる人はいなかったので、分かり易く四諦を説いて、十二因縁を説かれたのです。
人それぞれに分かるように説かれたので、経典は莫大な数になりました。
今私は博士に学んでいるので、爾前の教えは法華経が理解できる様になる為の前勉強と言うか準備段階。
法華経を学ぶ事が出来ようになって一つ一つ教えて頂いて、真実の教えを学ぶのですが、分からない事を教えて頂くので理解ができない。
理解ができないと高慢な人間はお釈迦様を嘘つきだと言うのです。
高慢な人間は自分が第一です。自分の分からない事をいう人間は皆嘘つきだと言うのです。私も経験があります。
でも難信難解ですが信じる事ができれば分かるようになるのです。
信じる事が出来るか出来ないかが大きな問題です。
高慢にならず、ただただ信じて博士のご講義を受講していけば分かる時が来ると思います。
博士 ありがとうございます。
さえ子先生 ありがとうございます。
3. Posted by ドバコくん 2022年06月11日 11:45
・「たとえその人の言を信じたといってもそれは本心からの信ではないのです」
日蓮大聖人様の開目抄より本当の比較思想を学び、無疑曰信となっていくことが南無妙法蓮華経の信仰だと思いました。
・「末代濁世に謗法の者は十方の地のごとし正法の者は爪上の土のごとし」
2021/1/13御講義
「７０億の人間は仏を見ず知らず、名前も知らず、そのまま死んでいくのです。
その中のほんのわずかな針の穴のような、わずかな人が「仏様に会いたい」と思い、
「仏様が何を説いたのか知りたい」と思って法華経を読もうとするのです。
それが僕の法華経講義を聞いている人達です」
この教えを思い出しました。
仏様に会いたいと心から思う人は「謗法の者」にならないと思いました。
日蓮大聖人様の開目抄より本当の比較思想を学び、無疑曰信となっていくことが南無妙法蓮華経の信仰だと思いました。
・「末代濁世に謗法の者は十方の地のごとし正法の者は爪上の土のごとし」
2021/1/13御講義
「７０億の人間は仏を見ず知らず、名前も知らず、そのまま死んでいくのです。
その中のほんのわずかな針の穴のような、わずかな人が「仏様に会いたい」と思い、
「仏様が何を説いたのか知りたい」と思って法華経を読もうとするのです。
それが僕の法華経講義を聞いている人達です」
この教えを思い出しました。
仏様に会いたいと心から思う人は「謗法の者」にならないと思いました。
4. Posted by トワ 2022年06月11日 13:24
講義していただきいつもありがとうございます。
法華経の流通分たる涅槃経には謗法の者には十法の地のごとし、正法の者には、爪の上のごとし。
仏様は道理そのものの存在名のですから､法華経を信仰していても筋道や正当性、物事のそうあるべきことが教祖の取捨選択によって間違って仕舞えばそれについていく人々もおなじみちへ行って終うのです。
(しこうが新皮質のうのそばにきていたならばきっとかんがさえて判ると思えます？。
法華経の流通分たる涅槃経には謗法の者には十法の地のごとし、正法の者には、爪の上のごとし。
仏様は道理そのものの存在名のですから､法華経を信仰していても筋道や正当性、物事のそうあるべきことが教祖の取捨選択によって間違って仕舞えばそれについていく人々もおなじみちへ行って終うのです。
(しこうが新皮質のうのそばにきていたならばきっとかんがさえて判ると思えます？。
5. Posted by うっちゃん 2022年06月11日 15:32
仏様に会いたいです！
6. Posted by 国民 2022年06月11日 15:41
本日、以前折伏した学会員から「ガンで入院する」とメールがありました。
邪教では重病の宿命は逃れられません。
まずは親子で脱会するよう伝えました。
邪教では重病の宿命は逃れられません。
まずは親子で脱会するよう伝えました。
7. Posted by うち 2022年06月11日 19:12
中杉博士、「開目抄講義（９） 難信難解」の御講義をありがとうございます。
＞ 華厳・法相・三論・真言・念仏等の翳眼（かすりめ）の輩・彼彼の経経と法華経とは同じと思うのはつたなき眼だからなのです。
法華経は、それ以外の経典とは違うことを学ばせていただきました。
日蓮大聖人様の御教え、中杉博士の御教え、正法である法華経を信受し、勇猛精進してまいります。
＞ 華厳・法相・三論・真言・念仏等の翳眼（かすりめ）の輩・彼彼の経経と法華経とは同じと思うのはつたなき眼だからなのです。
法華経は、それ以外の経典とは違うことを学ばせていただきました。
日蓮大聖人様の御教え、中杉博士の御教え、正法である法華経を信受し、勇猛精進してまいります。
8. Posted by 愛子 2022年06月11日 19:35
中杉博士、本日もご講義有難うございます。
＞法華経は迹門と本門に別れ、迹門と本門も相対
法華経以前（爾前）と迹門を相対するならば、爾前がよいと考えるならば舎利弗は永久に成仏しない
法華経、日蓮大聖人様の教えを自分たちの都合よく勝手に解釈する学会、顕正会に騙され、多くの宗教的、政治的に無知な人々が騙され、教団、寺院の奴隷にされ、ガンなど重病、家庭的不幸、経済苦などあとを絶ちません。
「爾前がよいと考える」など、自分勝手な解釈をするのは邪教であり、邪教では不幸になるばかりでなく、やがて必ず地獄にいくことになるのですから、正しい教えを信じることがどれほど重要であるかよくわかります。
＞法華経は迹門と本門に別れ、迹門と本門も相対
法華経以前（爾前）と迹門を相対するならば、爾前がよいと考えるならば舎利弗は永久に成仏しない
法華経、日蓮大聖人様の教えを自分たちの都合よく勝手に解釈する学会、顕正会に騙され、多くの宗教的、政治的に無知な人々が騙され、教団、寺院の奴隷にされ、ガンなど重病、家庭的不幸、経済苦などあとを絶ちません。
「爾前がよいと考える」など、自分勝手な解釈をするのは邪教であり、邪教では不幸になるばかりでなく、やがて必ず地獄にいくことになるのですから、正しい教えを信じることがどれほど重要であるかよくわかります。
9. Posted by believer 2022年06月11日 21:36
御講義ありがとうございます。「正法の者は爪上の土のごとし」
入信時から私にとって不変の基本的指針です。
難信難解故、皆脱落するのだと思います。
他に理由があろうが全て因果倶時ですからただただ正法のみ信じていくだけです。
10. Posted by マリー 2022年06月11日 22:29
法華経の流通分たる涅槃経には、「末代濁世に謗法の者は十方の地のごとし正法の者は爪上の土のごとしと」説かれています。
末法には正法の者は爪の中の土の様なものです。
末法には正法の者は爪の中の土の様なものです。
11. Posted by 青山 2022年06月13日 11:49
御講義有難うございます今の世でも「法華経を信じている」などという人はいますが、「法華経と大日経と、法華経と華厳経、法華経と阿弥陀経は同じものです」などと説く人を信じている人が多いのだと思いました。
