会長のご挨拶
10月27日奈良ホテルにおいて、中山獣医科病院創業50周年記念並びに
中山正成会長、律子様勇退祝賀会を開催していただきました。
中山獣医科病院で苦楽を共にした皆様が90名ほど集まっていただきました。こんなに多く参加していただいたこと大変嬉しく思います。また、多くのお祝いの言葉と励ましの言葉そして慰労の言葉を頂き感激しております。
思い起こせば、50年前、私は若干26歳、独身でした。思い切って借金を背負って開業したのがつい先日のように今でも思います。
日々の仕事をこなしていくのが精一杯でしたが大好きな動物を治療していく楽しさは私の大きな力となっていったと思います。インターン時代と同じく、24時間365日いつでも診察することにしました。幸い多くの犬猫が来院し応援していただくフアンも増えていきました。
開業して1年もたたないうちに、目いっぱい忙しくなって困っていたところ、先輩や後輩が訪ねてきてくれて、ビールを飲みながら話しているうちにそのままスタッフとして働いてくれるようになり、以来常に複数のスタッフを抱えての病院体制が整っていきました。
仕入れ先の薬屋さんは、支払いはお金が出来た時いただきますのでと言ってくれます。また消耗品の仕入れ先も年末支払いで良いと、今では信じられないような有難い時代でした。そのためお金に余裕ができて、借金は7年で返済のところ5年で返済することができました。すぐにまた借りてくださいと言って来てくれました。
私は初めからスタッフに支えられてきましたので、プライドもあり、若者には愛情をもって真剣に向き合えたと思います。治療の困難な症例や珍しい症例に出会うと何とかしたいという思いが強く、その分野で高名な先生のところに出かけて教えを受けたり、できる限りの成果を出す、チャンスを広げていけたと思います。
海外からの著名な先生方が講義のため来日されれば、奈良での接待役をかって出て、直接色んな指導、刺激を受けることができたのも、大きな前進だったと思います。
そのような中、奈良医大に通い医学博士を取得し、また私の運命的な出会いともいえる椎間板ヘルニアに対する、手術、考察は超音波であったり、コンドロイチナーゼABCであったり、さらに脊髄空洞症であったり脊髄疾患に深くのめりこんでいきました。それにスタッフが答えてくれて、おかげで遠方からの患者様も来てくれるようになり、中山獣医科病院も少しは名の通った病院になることができたようです。
皆さんがいたからこそ出来たことで感謝の気持ちでいっぱいです。中山獣医科病院のプライドは皆様のプライドです。こんな優秀なスタッフが集まってきた病院は他にはないと、本当に自負しています。
中山獣医科病院には、耕太郎の経営力のもとに田中院長を軸に患者に寄り添い、やはりチームワークが素晴らしいと言われる病院になるよう、さらに精進し発展されるよう祈っています。
さて、私はここ数年体調を崩し手術も数回受けましたが、現在は酒もやめ(赤ワインだけはOK)体調も回復し、この夏にはスペイン旅行にも行ってまいりました。現在は、おおせつかわれば、洗濯からいろんな部品の修理と何でもやらせていただいております。中々、大槻君のような出来栄えにはなりませんがね。いまは、映画鑑賞、美術館、博物館めぐり、旅行、妻と二人で予定を立て楽しんでおります。どんなことも、これからも、まだまだ人生を学べる機会は嬉しいものです。
今後、動物病院の向かう方向は色々むつかしい事もあろうかと思いますが、皆さんにとってしんどくても楽しめる生き方が大切なような気がします。
みなさまありがとう。
2024年11月吉日
特別講演を氏政雄揮先生にお願い致しました。
先生は北海道大学卒業の獣医師・獣医学修士で、
大手製薬会社勤務を経て、アームズ(株) 代表取締役 、EBMトレーディングジャパン(株) 取締役をされています。
今回、50周年祝賀会のために「小動物医療の50年と近未来」というタイトルで講演していただきました。動物用医薬品の専門家としての興味あるお話を聞くことができました。