風邪もよくなり外出して散策することが多くなりました。しかし、どうも体の動きが鈍くすぐに息切れがして風邪がまだ直っていないのかと考えてしまいます。しかし、ふと当たり前のことに気が付きました。標高3700mのラパスの街を歩いているのです。

私は富士山に登ったことがありません。高い山にも縁がありませんから、高い所に行くのは飛行機に乗る時ぐらいです。

それが今は富士山よりも高いとところで生活しているのですから、高山病のかすかな症状が出てもおかしくないのです。ただ、飛行機で降り立ってしまったのでその自覚がないだけです。

それを忘れて、体力が落ちて老化現象がいよいよ激しくなったかと考えてしまします。そこには今まで何度も取り上げた情念がこっそり罠を仕掛けているのです。日常生活の憂鬱な思いを「悲しい情念の罠」と形容してきましたが、情念の仕組みをよく理解していると思っているのに、また引っ掛かってしまいました。

情念は至る場面で生活感覚に影響を与えているのです。

劇画などを読んでいると、主人公が恋や野心、復讐といった典型的な情念以外を持たないように描かれているなと感じます。それが面白さでもあるのでしょう。スーパーマンには鬱陶しい顔は似合わないのです。


医者から貰った抗生物質7日分を昨日、飲み終わりました。すなわち、食事や買い物に出かける以外はラパスの町を見学することもできません。新築のビルの窓から、峻厳な山と崖に囲まれた町を見て、よくこんなところに来たものだと変なことを考えています。

しかし、第二次世界大戦以前にこの国に出稼ぎにきた日本人がいたのです。ネットで調べたところ、ペルーに出稼ぎに行き、そこでの過酷な労働条件を嫌ってボリビアに来たそうです。

大戦後は政府主導の移民政策、あるいは棄民政策で、多くの家族がここにやって来ています。現在の安倍内閣もよく嘘を付きますが、当時の政府も大嘘を付いて人を集め、「犬も通わぬ」僻地の密林地帯に連れて行ったそうです。

それでも、移民たちの訴えで政府も重い腰を上げて調査団を派遣したのですが、あまりに不便で現地に入ることなく報告書をまとめたそうです。調査団は自分の身の安全と出世だけを考えたのでしょうか。

そのような困難にもめげず、移民たちは協同組合を立ち上げ紆余曲折はあったものの、現在はボリビアで最も成功した農業組合になっているとのことです。教育熱心な親のお陰で、二世、三世はボリビア社会で着実に指導的な地位に着いているそうです。
 日系人に関しては以下のサイトの論文が参考になります。
「https://www.b.kobe-u.ac.jp/paper/2010_22.pdf」

 
スーパーで買う米や卵、野菜などが日系人によって生産されているのかもしれないと思って食べています。

さて、日本では民泊を規制する法律が615日から施行されて、現行の民泊が極端に減りそうです。自分の家の一部を貸す場合は、家主は1日1時間以上、留守にしてはいけないのだそうで、宿泊客を泥棒とでも思っているのでしょうか。

独立した住居を貸す場合でも、近隣の住民の同意等、こまごまとした書類を提出しなければならないそうです。多分、消防あたりが安全の大義名分のもと、細かいことを言うのでしょう。

私達が1年以上も間、世界各国を旅することが出来るのは民泊のお陰なのです。アメリカあたりは、税金等の支払いを要求されますが、大した金額ではありません。

旅で会う人たちは、日本には行きたいけれど物価が高いので無理だとよく言います。でも、日本は食費は安く、宿さえ民泊を使えば旅行しやすいと話していたのですが、これからはそう言えなくなります。

唐突かもしれませんが、日本の電子関連の事業の失敗が頭に浮かびました。アジアでも中南米でも、スマホはほとんどサムスンです。サムスンは電気製品でも活躍しています。ヨーロッパでは定番のドラム式洗濯機は、時代遅れの「舶来信仰」のためか日本ではバカ高いのですが、サムスンは5万から10万円程で売っています。

日本の市場だけを近視眼的に見る、ガラパゴス現象でしょう。国際性があるのは自動車産業ぐらいですか。

オランダのハイネケンというビールをご存知の方も多いと思います。ヨーロッパはもちろん、アジアでもアメリカ大陸でもどこでも売っています。別に日本のキリンや朝日、サントリーのビールと比べてよりおいしいという訳ではありません。日本の各社が日本の市場にだけ注目して過当競争している間に、オランダ人は世界戦略を立てたのでしょう。もはやブランドとして確立しているのです、ビールがもう売れないなどと嘆いていないで世界の市場に目を向けるべきです。世界では安いビールは圧倒的なシェア―を誇っています。


65日夜、ラパスの宿に無事入って、疲れを取るために早めに寝ました。しかし、翌朝は二人とも風の症状です。特に私のほうが病気度が高かったようですが、一日寝ていれば直ると思って静かにしていたところ、体調は良くなりません。

ついに7日、保険会社に連絡して二人で病院に行くことになりました。

病院の最初の処置が二人とも酸素呼吸だったのに少し驚きました。ラパスは標高3600mにある都市ですから、飛行機でいきなり富士山よりも高い所、空気の薄い所に来たわけです。風邪と戦う体力を養うために、体を慣らす必要があるのでしょう。

私は左の肺に少し痛みがあり、熱もあったので肺炎を心配していました。医者の指示でレントゲンを撮りました。特に異常がないが、気管支に腫れがあるということで抗生物質と風邪薬、解熱剤を処方されました。家内も同じような薬を処方されましたが、薬局で薬代は603.80ボリビアーノ(約9660円、以下ボリビアーノはBと記します)でした。保険で払い戻されるとはいえ、かなりの金額だと思いました。

さて翌日は体調も少し改善したので、買い物に出かけました。これが災いしたのか、また風邪がぶり返しました。その後、4日ほど辛抱強く宿で養生しています。窓から眺めるアンデス山脈の雪山がまぶしいほど美しいラパスの町ですが、散策はもう少し後になるでしょう。

ラパスに着いて早くも1週間です。ここでの滞在は2週間の予定です。滞在型の旅のいい所は何事も急がないことです。療養も旅の一コマです。


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