15歳の闘いは終わった

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勉強嫌い。
いや
嫌いなんてもんじゃない!
拒否、拒絶!!

塾に通わない子は
小学校6年でとうとう誰もいなくなった。
奴を除いては・・
それを
唯一自慢してる奴だった!!


知識はなくとも
よーく知恵の働く子で
私を悩ませた。


空間認知や
外形をとらえるのが苦手で
小3の時まで
マルや四角、三角がとらえられなかった。
算数だけでなく
漢字を覚えること、書くことに
本当に苦労した。

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そんな彼が受験にスイッチが入ったのが
中3に上がったころ・・

将来の夢を明確にした。

国際弁護士。


ひとり親の私を法律上でしっかり守る! と決めてくれたらしい・・ コミュニケーションが大好きな奴の
得意教科は英語。


大苦手な数学をどれくらい英語力でカバーできるかが
勝負の決め手になっていた。


初めての塾。
初めての塾合宿。

朝5時に銃弾の音で起こされ(アプリらしい・・笑)
三度の食事は15分以内で食べる。
もちろん、勉強する手を休めない。
入浴中も
往復のバス移動中も勉強・・

これがどうやら奴にハマったらしく
学ぶことの楽しさと素晴らしさを
体得したらしい。笑

やればやるほど、
今までの点が線になっていく。

スルスル、ツルツルっと
繋がる瞬間が
快感でたまらなかったという。
まるで
ゲームのように勉強することが楽しくてしかない。
そんなことを言っていた。

ここでMVI賞をとった。
この頃から
本当に学力がどんどん上がってきていた。

15年間、勉強もスポーツも趣味も
彼女も・・
何も夢中になれるものがなかった奴だけど

彼は見つけた!!
自分が夢中になれるものを!!

それが
高校受験だった。


1週間に100時間以上。
1日13時間以上は勉強した。


ゴールを設定した。

W高校絶対合格と。

数年前なら
雲の上の上の存在だったけど、
(ほぼ無縁)
手が届くようなところまで
彼は追い込んできたし、
塾講師も合格圏内だと
太鼓判を押してくれての受験だった。


無我夢中で闘った。


受験日・・

どの受験生も必死で
その姿に感動したらしい。

15歳の闘いのステージ。

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1教科終わって
自分のふがいなさに
発狂して叫び会場を出させられてしまう子。

机やロッカーを殴って
器物破損と負傷を追ってしまう子。

明らかに発熱して、試験官から
休みなさい
と指示があっても
泣いてもそこにしがみついて
意地でもペンを離さなかった子。

試験官が試験前にかけてくれた言葉
「よくここまで頑張ってきたね。
そして、今日は、君たちの人生の本気の勝負の日。
私も命がけで今日この日を守りぬきます。」
の声に試験会場で多くの子が涙を流したこと。

塾の講師たちがそれぞれの塾生に
エールを送るため
学校の正門の場所取り合戦を朝5時から
喧嘩状態でしていたこと。笑 子どもも大人もみんな必死で
この場にのぞんだのです。


試験が終わって
「やり切った。あとはすべて受け入れる。悔いはない」
と奴。

結果・・・

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本当に行きたかった
目指していたW高校はダメでした・・


悔いはないとは言っても
相当ショックは大きかったようで
発表の帰り道、
河川敷によって
吠えてきたそうです。
陰で男泣きも・・
 

それでも共に闘い抜いた友人の
勝利を心から願っていたので
奴の底力をみたようです。

この子の強さはここにある。
この気持ちは
次への橋渡しとなると
確信した。
 

「落ちたからこそ価値がある」


奴がふと吐いたこの一言。

それに
はっとした。

そうなのかもしれない・・・

欲しいものがすぐに手に入ったら
価値が薄くなる。

生みの苦しみがあってこその
喜びなんだな〜


「俺はこの高校に入りたかったわけじゃない
(えっ?そうなの??笑)
努力した結果の成功体験が欲しかった。
3年間かけて
ココを必ず超える!!
必ず超えてやるよ!!」

意気揚々として私に伝えた奴。
 
大好きな受験がまたできる!!
なんだかイキイキ元気になってる!


若いやつの回復力は早い!! 

桜はまだ咲きません。
つぼみだけど、
そのつぼみは、
柔らかく 
ほころび始めている。


「やばっ! 東大受験まであと1070日を切った!
早く勉強しないと!!!」

奴は新たな目標を設定した。
PCにはこんなリミッターが設定されいた


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受験発表のその日から
奴の次の闘いが始まった。

立ち止まってなどいない。

もう奴には東大しか見えてない。
それが
奴のいいところ。


今朝
16日ぶりに在校している
中学校に登校した。

開口一番

「すみませんでした!!!」

と言って頭を下げるそうだ・・

いままで生意気な事ばかりいって
反発していたらしい。

落ちたからこそ見えたモノ。

第一志望校に落ちて
よかったと
私は思えてる。

私と奴の受験は
ココからスタートする。
本当の受験は今この時から始まるんだと思った。


奴がここにいる。
それだけで奇跡。


・・・つぼみは柔らかく微笑んでいる
             仲美子

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