赤野井湾

バス釣りの怖い話

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116霊視中毒 :2014/04/26(土)02:51:36 ID:X8b641zrI
私はバサー。
バス釣りに行くときはいつも友人とレンタルバスボート借りて琵琶湖で釣りしてるのですが、レンタル料金もバカにならずもう一人誰か誘って負担を減らそうってことになりました。
それで友人の紹介でA君が一緒に行く事になりました。しかしこのA君はいわゆる見える人らしいのです。
妙な不安と期待が入り交じり微妙な気持ちになりましたがとにかくメンバーは確定しました。

バス釣り当日、暗いうちから集合して車で琵琶湖を目指します。
今回ご一緒していただいたA君はなかなかハイテンションな人で、道中はA君の今まで見た霊の話で賑わっておりました。
話が弾む道中というものは時間が短く感じられるもので何も障害もなく無事琵琶湖に到着いたしました。
レンタルボート屋について手続きを済ませいよいよ出航でございます。
朝のヒンヤリとした空気も心地よく一路ポイントへ疾走する私たちのバスボート、思えばこの頃よりA君の異変は始まっていたのかもしれません。

最初のポイントに付いてA君の様子があきらかにおかしくなっております。
これはまるで何かに怯えているような・・それでいて焦っているような・・
「どうかしたの?」
たまらず友人がたずねます。
「うんちょっと・・いやなんでもない・・」
よく見ればA君は異常な発汗を・・それに息も荒いようです。
風邪でもひいたのかなぁ・・とも思いましたがまだ釣り始めて幾ばくも経っておらず流石に引き返す気にはなれません。
続けて次のポイントの赤野井付近にボートを進めます。
その間にもA君の様子はどんどんおかしくなり目がギラギラしてきました。
そして赤野井のポイントについて今まさに第一投をしようとしたときです。
「うわああああああああ!悪霊がいるうううううううう!」
突然A君が叫びました。
え?とA君を見る友人と私。
「く、来るなああああああああ!」
A君、竿をブンブン振り回しだしました。これは危ない!
「ちょ、落ち着け!落ち着けって!」
いくらバスボートとは言えこんな暴れられては危険です。友人がA君を押さえ込みました。
「お、おまえの全身にも悪霊が!うわわわっ!き、消え去れ!!」
えええ?と自分の袖やら腹やらを見渡す友人、A君が悪霊が憑いていると思われる場所を必死ではたきます。
もうどうしてわからない私・・とりあえずレンタルボート屋に戻ります。

 
117霊視中毒 :2014/04/26(土)02:52:11 ID:X8b641zrI
一度陸に上がってレンタルボート屋のトイレに吐きに行くA君。
「なあ、あの子いつもあんな感じなのか?」
「いやぁ、こんなん初めてだわ。いったい何が見えてたんだろう・・」
そんな雑談しているうちにA君が戻ってまいりました。だいぶ落ち着いたようです。
「すみません、迷惑おかけしましたがもう大丈夫だと思います」
「本当に?無理そうならもう切り上げてもいいよ」(嘘です、本当は釣りしたいです)
「いやもう本当に大丈夫、それに日も上がってきたから霊とかいなくなってますよ」
「あ、そう、じゃあ再出発しましょうか」(よかったー!)
再びバスボートは湖面を疾走し今度は浮き御堂付近へ。
付いてから「あ、しまった」と思いました。このポイントだとまたなんか見えるかもしれない。そんな雰囲気が浮き御堂には漂っています。というか今の気分がそう思わせてしまうのでしょうか。
おそるおそるA君を見ると・・鼻歌を歌いながら上機嫌で釣りしてました。
日が高くなったせいか、悪霊とやらは出てこなくなったようです。
その後は何も問題は無く夕方まで釣りして終了です。

帰りの道中にてA君に聞いてみました。
「ねえねえ、朝の悪霊ってどんな感じだったの?」
A君は真顔になって話はじめます。
「恐らく溺死者の地縛霊だと思います。半分溶けた顔でニヤニヤしながら近づいてきましたよ、本当怖かった・・」
え、そんなやばそうな奴だったのか!?
「そ、それじゃ俺の体に憑いてたやつは?」友人も聞きます。
「あれは本当にやばいぞ、おそらく蟲怪ってやつだろうな」
「マジかい、どんな感じのやつなんだ?」
「え、そうだな・・例えるならエロアニメに出てくる女除霊士を襲ってるような蟲かな」真顔で説明するA君です。
「え、いや、その例えわからんし・・つーかお前そんなアニメ見てんのかよw」
地縛霊や蟲怪が本当に見えていたのか、存在していたのかは確認のしようがありませんが、ただ一つ確信を持っていえることはA君は決して嘘を付いていないということです。
あの怯えと慌てようは決して演技では有りません。
見える人というのは本当に大変なようでございます。

118霊視中毒 :2014/04/26(土)02:52:41 ID:X8b641zrI
ところで、今回の話には体験談にしてはオチがございます。

暫くしてから友人とバス釣りプランを立てていたときのこと・・
「んじゃA君にまた連絡入れといてよ」
そう友人に言うと妙にこわばった顔をして言いました。
「あいつは誘えない」
「え、なんで?この前にことなら全然気にしてないぜ?」
怪訝な顔を浮かべて友人に訴えかける私。
何しろ交通費&レンタルボート料金をワリカンするのですから貧乏な私としては何が何でも誘いたいところです。
理由を問いつめると。
「・・・った・・」
え?なに?
「・・だから・・捕まった」
は?どゆこと?
「だからー、覚せい剤所持で捕まったんだって!」
へ?・・え?・・ええええええ!!!???
「あいつシャブ中だったんだよ、霊が見える人じゃなくて覚せい剤が切れて幻覚見える人だったんだ」
な、なんですとー!でもしかし、それだと全て納得できます。
一度上陸してトイレに吐きにいったのは実は覚せい剤を打っていたのです!どうりで・・
「で、彼は今どうしてるの?」
「会社クビになって留置所の中」
「長くなりそうなの?」
「強い幻覚を見えるくらいの中毒者だから長いんじゃないかなぁ・・」
「う~む・・」
A君がどうやって覚せい剤と巡り会いのめり込んでいったのかは全くわかりません。
普通の会社員のA君がなぜどうして・・謎です。

今回の経験から案外見える人というのは何らかの薬物中毒者なのかもしれません。
もしくは自前の脳内麻薬で見えちゃうのかもしれませんね。
なんにせよ「見える人」と遭遇しちゃった場合はご注意ください。そのうちあなたも「見える人」の仲間入りしているかも・・



おわり