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日常以上オカルト未満

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630: 名無しさん@おーぷん 2015/12/23(水)18:50:35 ID:oYe
ちょっとだけ長いから二つにわけて

もうだいぶ前、小さな会社で“らしきもの”を見た話。
年末の忘年会に行くまで事務所で珍しくまったりしていたときのこと。

その日の忘年会は会社の人間だけでなく、事務職の女性社員の友達が来るという話だった。
その友達は社長の娘で、どうも女性社員はその社長の娘の伝手で入社していたようだった。
大掃除もとうに終わり、俺は何もすることもなく事務所の机でぼーとしていた。外はすでにだいぶ暗かったと思う。
事務所は一階建てのプレハブ造りで、出入り口のガラス戸の向こうはすぐ駐車場だった。
駐車場の一番手前には社長の車が陣取っていた。新車か中古か知らないが買って間もない白いセダンで結構な高級車だった。
ずっとぼーとしていた俺はどんなタイミングだったかは覚えてないが、薄暗がりのなか、事務所の明りに浮かぶ社長の白い車に振り向いていた。ふと見たのかもしれない。
車の後部座席には女の人が座っているのが見えた。事務所の扉のガラスの向こう、おそらく閉まっているはずの車の窓硝子越しに。
俺はてっきり女性社員の友達でもある社長の娘が待っているんだろう思った。
おそらくは二度ほどは確認して見て、はっきり、髪の長い若い女の人だと判別がついたからだ。
でもその横顔はすごく寂しげでじっと前を見ていた。
俺はどうしたんだろう?なんで事務所に入って来ないのかな?と思っていた。外は車の中でも寒いはず。
ひょっとしたらエンジンが掛っているのか。そんなことを考えていたと思う。でも別段気にしなかった。
だけどその後、どれくらい経ってかは覚えがないが事務所の電話が鳴った。
事務の女性社員が電話に出て親しそうに喋っていた。繊細は覚えてないが電話を切るとその子は社長に言ったんだ。
「○○子、来れなくなったって」話からして女性社員の友人であることは間違いない。
○○子は車に居るはずだから、俺はひょっとしてまだほかに誰か来るのかとも思った。でも、○○子という名前は以前から社長の娘の名前と知っていたから俺は、じゃあ後ろの白い車の中に居るのは誰よと振り向いたんだ。だけどもう外は暗くなっていて、事務所からの明りにも車の中の様子は何も見えなかった。でもよくよく考えると社長の車の後部ガラスは黒いがフィルムが貼られていて、昼でも後部座席に座っている人など見えるはずがないものだった。一気に混乱した。
外は寒くて窓を開けて待っているわけはないと確信していたから。
俺はその女性社員に思わず「○○さんって車の中で待ってたんじゃないの?」ってようなことを聞いた。

631: 名無しさん@おーぷん 2015/12/23(水)18:53:03 ID:oYe
(続き)
だけど女性社員は何を言っているのって顔であっさり否定した。でも俺は食い下がるように聞いてみた。
○○さんが待っていた、というより誰か座って居たよと。だけどやはり女性社員はそんなことあるわけがないときっぱりと否定してきた。
確かに考えてみれば、社長に人を待たせていたような様子などまったくなかった。社長の予定をほとんど把握していた女性社員もそう思っていただろう。車で誰かを待たせていると考えるのは不自然すぎた。
だがそう思いながらも、確かに人が居た、と俺は自分の目を疑えない。でもあえて車まで行って確かめはしなかった。
正直恐怖からでもあったが、実はだけど、一度その白い車は会社を出てどこか用足しに行っていたからだ。
短い時間だったがずっと駐車場にあったわけではないから、だからどこかに女の人を送って行ったのかと思ったりもしたからだ。そんなことが理由で確かめには行かなかったが、だけどはっきりとクリアな頭で少なくとも二度は女の人の姿を見ていて、何者かは絶対に後部座席に居たことには確信があった。だから俺は女性社員にしつこく、本当に車の中で女の人を見たんだと言い張っていた。否定され続けても同じことを何度も真顔で言っていたと思う。
最初は笑っていた女性社員だったが、そのうちあきれたように「まあ何か居ても不思議はないけどね。あの車買ったばかりのときから色々トラブルが起きてたから」とそんなようなことを語った。あきれたようにだが、少しばかり引っかかるところがあるような感じだった。

このときにはたいした落ちのない話だが、俺は忘年会会場に行くとき、その社長の車に乗っていくことになってしまった。事務所を出るときには車は直視できず、車を回り込んで初めて、相変わらずガラスに黒いフィルムが貼られていることを確認した。黒いガラスになぜ人の姿が見えたのかと改めて恐怖を感じながら助手席に乗り込んだときには、やはり後部座席は見れなかった。それでもちらりとだけ後部座席の様子が視界の片隅に捉えられてしまっていた。
でも赤茶っぽいシートの色だけが感覚的に見えていただけだから、そのときそこには誰も居なかったのだろうと思いたい。

昔の話で何も気にするようなことのない出来事だが、あれは間違いなくこの目で見たもので、今は見たことを後悔している。
はっきりと理由は書けないが、あれを見なければのちの人生が変わっていたかなあと。