Namuraya Thinking Space

― 日々、考え続ける ― シンプルで、しなやかに ― 

今回は格言ではないが、普段から意識している重要なフレーズを紹介したい。いわゆる「メタ認知」と呼ばれるものだ。私がこの言葉を知ったのは2009年に故平尾誠二さんの講演会を聞きに行ったとき。事前に読んだ『人は誰もがリーダーである』という本に出てきたのだ。「小学生の頃から私は、”自分のことを見ている、もうひとりの自分”がいることが不思議でならなかった。ある現象を見ている私を、もうひとりの私が同じように見ているのである」とのこと。

作家の村上春樹さんも同じようなことを言っていた記憶がある。小説を書くときにもう一人の自分と対話をしているとのこと。過去のブログを検索したが、そのものズバリの表現は見つからなかったが、「井戸を掘る作業」というのが、これに当たるのだろう。

私自身は、そんな天才ではないし、メタ認知について専門的に学習した訳ではない。しかしながら、日常、ふと口にしてしまった言葉やしてしまった行為に対して、あれはよくなかったのではないか、相手はどう感じただろうかと、反省することが多い。以前は、くよくよと思い悩んでいるだけだったのだが、メタ認知という言葉を知ってからは、自分と相手との対話を振り返るときに、第三者の自分を思い描き、「彼」に自分自身の言動をチェックしてもらうような感じで、振り返りを行っている。

そんな中で反省すべき課題として挙がってくるのは毎回同じ。「調子に乗って余計なことを言ってしまった」「相手の気持ちの本音の部分を理解せずに上辺だけで対応してしまった」「相手に嫌われたり嫌な奴だと思われるのを恐れて言うべきことを言えずに調子を合わせてしまった」。。。

己を知ること。自分の長所と短所をわきまえること。そのためには、自分を客観的に見ること。客観的に見るために「もう一人の自分」を持つこと。

自分、というと一人の存在だが、人間社会で生きていく上では、他人との関係性がとても重要。その自分と他人との関係を、冷静に客観的に見ることで、きちんとして人間関係を築ければよいなぁと思う。ここでいう「きちんとした」の意味は、お互いがお互いを尊重し合い、言いたいことは主張しつつも、相手の意見も受け入れる状態のことである。

とはいえ人間は弱いもの。なかなか自分自身では気付けないことが多いので、苦言を呈してくれる友人を持つことが重要なのであろう。

過去の記事を修正して、【まとめ】カテゴリーに追加した。ブログのサブタイトルにしている、「日々、考え続ける」「シンプルで、しなやかに」という言葉の解説。(過去記事の修正なので、新しいエントリーとはしない。ちょっとしたこだわりである)

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さて、今日の言葉は「能力はすぐに変わらないが、意識はすぐにでも変えられる」である。オリジナルは元サッカー選手の中田英寿さんの言葉。

「技術を一日で上げることは難しい。こつこつと練習するしかないからです。でも、容易ではないけれど、意識はすぐにでも変えられる。変われば、効果が表れるのも早い」というコメントが日経新聞で紹介されており、なるほどと得心したのを覚えている。

ビジネスパーソンにとっての技術を「能力」と読み替えて、表題のような言葉に作り直したのだ。

しかしながら最近は、「意識」というものを変えるためには、「自分は変わるんだ」とか「自分を変えるんだ」とかいう、さらに大きな意識(意思と言った方が適切だろうか)が必要だと感じるようになった。

意識が先か行動が先かといえば、意識しなければ行動は生まれないので、当然意識が先なのだが、意外と行動を変える方が簡単なのではないかと思い始めたのだ。たとえば人と話をするのが苦手な人の場合、コミュニケーションをついついメールに頼りがちになってしまうが、1日3人以上とFace to Faceで会話しようと心がければ、やがて直接対話への抵抗感も和らいでいくであろう。それを、オープンなコミュニケーションを心がけようと、頭の中だけで考えて意識だけしていても実行に移せなければ意味がない。

自分を変えられる人というのは、もともと意識が高く、自己変革能力を持っている人。こんな人はまれである。そのような特別ではない(私を含めて)普通の人は、ちょっとした行動を変えて、それを継続していくことが大切ではなかろうか。本を読んでよいと思った行動を実行に移してみる、上司や先輩から注意されて直すべきだとおもった箇所をちょっとした行動で修正していく、というように具体的なかつできるだけ簡単な行動に移してみるのだ。

最初は半信半疑でよい、1日1回でよいので、自分で決めた行動を愚直に続けてみる。「1日1回冗談を言おう」「1日5分だけ書類整理をしよう」「1日1回だけ自分から話しかけよう」 何でもよいので自分が苦手なこと、自分が出来ていないと思うことを、行動によって修正していくのだ。

そういった意味で、今回のタイトルは「能力はすぐに変わらないが、行動はすぐにでも変えられる」の方が正しいのかもしれない。明日からやろうではなく、今すぐやろう。そう思って具体的な行動に移せるかどうか。決めるのは自分自身である。

まずは戦闘シーンから夢が始まった。凶暴なエイリアンが2匹。消防ホースのようなもので、水をかけて立ち向かう私。1匹を水圧で追いやると、もう1匹が迫ってくる。小柄なのだが鋭い牙を持っており、咬まれたら致命傷になりそうである。悪戦苦闘ののち、最後はホースを口に突っ込み、水でエイリアンを破裂させて勝利。なんだかグロテスクな夢。

その後、上司?が私の戦闘の功績をねぎらって、寿司をごちそうになることに。なぜか舞台は上海。そこからバスに乗って寿司屋へ向かう。ねぎらいのはずが、私一人だ。食事代を後から精算するらしい。肝心の寿司を食べるシーンは出てこず、食事を終えるとすぐに上司から事務所へ戻れとの電話が入る。随分急いでいるようなので、タクシーで事務所へ向かう。

どうやら事務所は大きなビルの一角にあるらしく、タクシーをビルに横付けし、事務所へ向かう。なんと上司が1階のロビーで待ち構えているではないか。そんなに重要な仕事なのか? エイリアンをやっつけたばかりなのに。

私をつかまえた上司はいきなり「昼飯時にタクシーはまずいだろう。他の社員に示しがつかない」と小言が始まる。私は、いやいや急いでいたので、しかもタクシー代は自腹です、と抵抗。なぜか、バス代が190円、タクシー代が3240円という細かな数字をくっきりと覚えている。

いつも以上に支離滅裂な夢でした。。。

◇1569 『基本ビジネス思考法45』 >嶋田毅/ダイヤモンド社

『MBA100の基本』と合わせて購入したもの。個人的にはこちらの方がよい本だと感じた。思考法について書かれた本は多いが、このような網羅的なものは筆者が言う通り今まで存在しなかったかもしれない。

私が個人的に、思考法的な本が好きなので、本書で取り上げられている45の思考法については、ほとんどが一度はどこかで聞いたことがある知識だった。唯一知らなかったのが「全体思考」である。かなり難しい概念なので、一言で説明するのは難しいが、本書を引用しながら、記載してみよう。

「全体をあるがままに見、その急所となるポイントを押さえ、対策を講じるという考え方。カリスマ経営者などが得意とする発想法。組織は生き物と言われる通り、組織にも感情に近いものがある。これは切り分けて分析できるものではない。全体思考で重視されるのは、分析ではなく、本質をえぐり出す直観。これが全体思考の強みでもあり弱みでもある。なぜ弱みかというと、直観というものは教えたり、学習したりすることが極めて難しいから」

山本真司さんの『実力派たちの成長戦略』で説明されているとのことなので、一度こちらを読んでみたい。

さて、本書の使い方としては、全体を通読し、自分が知らない思考法や身につけたいと思う思考法をスクリーニングするのが一番よいのではなかろうか。網羅性を意識して45もの思考法を取り上げているため、残念ながらと言おうか当然ながらと言うべきか、1つ1つの思考法に割かれる解説には限りがある。自分が何を知らないかを理解し、何を身につけるべきかを考えて、足りない部分は専門書で補えばよいであろう。

最後に、哲学的思考と歴史的思考の効用がうまくまとまっていると感じたので、そちらを引用しておきたい。

哲学的思考の効用
・道徳・倫理の考え方を意思決定に活用できる。
・「知らない」ことを恐れずにすむ。
・正解のない問いについて考えることで思考力が強化される。また人間には限界があることを確認できる。
・人間という生き物の本質を確認できる。
・科学的なものの見方を、意味的なものの見方によって補完できる。
・善く生きることのヒントを得られる。
・「そもそも」の議論を効果的に進めることができるようになる。
・理論を通じて思考実験を効果的に行うことができる。
・矛盾や不条理に対する心の準備ができる。

歴史的思考の効用
・人間と言う動物の本性(特に愚かさ)を知ることができる。
・同じ失敗を避けることができる。
・世の中で起きている出来事の背景を知ることができる。
・過去の成功例に学ぶことで問題解決のヒントを得ることができる。
・未来に対する感性や洞察力を高められる。
・他の思考法(複眼思考、「Why」思考、本質思考、全体思考、システム思考など)を磨く練習台となる。
・ダイバーシティーが重要な時代に多様な価値観を知ることができる。
・先人の努力の上にいまの自分があることを知ることで、自分を鼓舞すると同時に、未来世代に対する責任や自覚を持てる。
・自分のアイデンティティを強く持てるようになる。




【目次】

1章 クリティカル・シンキング基礎編
2章 問題発見編
3章 問題解決編
4章 クリエーション編
5章 ビジネス実務編
6章 哲学・歴史編
7章 自己啓発編

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4月〜5月は英語学習、しかも苦手だった文法学習に特化しようと考えている。これまでも英語の学習はコツコツと続けてきていたが、どうにも英文法だけは苦手意識が強く、嫌いだから勉強しない、結果としてスコアが伸びない、という悪循環を繰り返してきていた。

もともと英文法など多少分からなくても、自分の意図が相手に伝わればいい、という感覚で英語を学習してきていたのだが、当然ながら、ブロークン・イングリッシュよりも正確で丁寧な英語の方がよいに決まっている。ブロークンで、文法が出鱈目でよければ、何とかコミュニケーションは図れるレベルになってきたので、もう一段上を目指したいと思った次第。

金フレで有名なTEX加藤さんの『新TOEICテスト 文法問題 でる1000問』という問題集を購入したので、まずはこの問題集を3回くらいは回したいと思っている。多くの方が言っていることであり、私自身USCPAの受験の時に感じたことだが、問題集は1冊を徹底的にやり込むこと。中途半端な知識をたくさん持っているより、確実な知識を少しずつでも増やしていくほうが、結局は近道。

一方で、正直なところ、今更まだTOEICの学習をするのか、という思いも抱いているのだが、だからこそ短期集中で英文法の重要部分をマスターし、後はコミュニケーションの強化へと軸足を移していきたい。という訳で、4月〜5月は読書は控えめに、ブログも覚書を中心に雑感を書いていく程度に留めたい。

〇1568 『代表的日本人』 >内村鑑三/岩波文庫

縄文アソシエイツの古田さんが薦めていた本。古田さんの本を読んだ直後に購入したのだが、なぜか日蓮上人のところでいつも挫折してしまい、読み進められないでいた。今回三度目の正直でようやく読了。

もともとは内村鑑三が日本の偉人を海外にも知ってもらおうと英文で書いたもの。この本をケネディ大統領が読んでおり、上杉鷹山のことを日本で最も尊敬する政治家として挙げた話は有名である。

本書では西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人という5人が取り上げられている。このうち、西郷隆盛と上杉鷹山については、別の本などでも読んだことがあり、ある程度の予備知識があった。二宮尊徳と日蓮上人は歴史の教科書で習って名前を知っている程度であり、その実績・功績については、本書で初めて知ったといってもよいであろう。特に二宮尊徳については、薪を背負って読書をする尊徳像が小学校にもあったのに、その功績についてはほとんど知らなかった。(今なら歩きスマホは注意される対象だが、当時は本を読みながら歩くのは勤勉の象徴だったのだ)

しかしながら、中江藤樹については、本書で初めて知った人物。私の出身地である近江の人であるにもかかわらず、知らなかったというのは恥ずかしい限り。中江藤樹記念館なるものがあるそうなので、帰省の折には立ち寄ってみたいものである。

平易な語り口で書かれているので、引用するのが難しいが、作中に西郷や中江本人の言葉が引用されている箇所があったので、その部分を抜き書きしておきたい。

西郷隆盛

・人の成功は自分に克つにあり、失敗は自分を愛するにある。八分どおり成功していながら、残り二分のところで失敗する人が多いのはなぜか。それは成功がみえるとともに自己愛が生じ、つつしみが消え、楽を望み、仕事を厭うから、失敗するのである。

・命も要らず、名も要らず、位も要らず、金も要らず、という人こそもっとも扱いにくい人である。だが、このような人こそ、人生の困難を共にすることのできる人物である。またこのような人こそ、国家に偉大な貢献をすることのできる人物である。

・機会には二種ある。求めずに訪れる機会と我々の作る機会とである。世間でふつうにいう機会は前者である。しかし真の機会は、辞世に応じて理にかなって我々の行動するときに訪れるものである。大事なときには、機会は我々が作り出さなければならない。

中江藤樹

・人はだれでも悪名を嫌い、名声を好む。小善が積もらなければ名はあらわれないが、小人は小善のことを考えない。だが君子は、日々自分に訪れる小善をゆるがせにしない。大善も出会えば行う。ただ求めようとしないだけである。大善は少なく小善は多い。大善は名声をもたらすが小善は徳をもたらす。世の人は、名を好むために大善を求める。しかしながら名のためになされるならば、いかなる大善も小さくなる。君子は多くの小善から徳をもたらす。実に徳にまさる善事はない。徳はあらゆる大善の源である。

・「学者」とは、徳によって与えられる名であって、学識によるのではない。学識は学才であって、生まれつきその才能をもつ人が、学者になることは困難ではない。しかし、いかに学識に秀でていても、徳を欠くなら学者ではない。学識があるだけではただの人である。無学の人でも徳を具えた人は、ただの人ではない。学識はないが学者である。

・道と法とは別である。一方を他方とみなすことが多いが、それは誤っている。法は、時により、中国の聖賢によっても変わる。わが国に移されればなおさらである。しかし道は、永遠の始めから生じたものである。徳の名に先立って、道は知られていた。人間の出現する前に、宇宙は道をもっていた。人が消滅し、天地がたとえ無に帰した後でも、それは残りつづける。しかし法は、時代の必要にかなうように作られたものである。時と所が変わり、聖人の法も世に合わなくなると、道のもとをそこなう。




【目次】

1 西郷隆盛―新日本の創設者
2 上杉鷹山―封建領主
3 二宮尊徳―農民聖者
4 中江藤樹―村の先生
5 日蓮上人―仏僧

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遅ればせながら、Kindleのホワイトペーパーを購入。キャンペーン中だったので4000円引き。Kindleについては、今までもiPhoneやiPadのアプリで使用していたので、電子書籍に対しての抵抗感はなかったが、わざわざ専用機を買う必要があるかどうか、長い間迷っていたのだ。4月は誕生日ということもあり、自分へのご褒美として購入。

ビジネス書は、線を引きながら読んだり、気になるページまで戻って読んだりするので、電子書籍には馴染まないと感じている。今後、指で線を引けたり、簡単に前のページに戻れるような機能が出てくれば考えるが、まぁしばらくビジネス書は紙の本で読むであろう。

よって、主な目的は小説のためなのだが、最近は小説を読む機会が随分と減ったので、専用機を買うかどうか迷っていたのだ。そんな私の背中を押したのは、英語の小説を読むという目的があったから。電子書籍で英語を読むことの最大のメリットは、英単語の意味をすぐに調べられること。知らない英単語を指でクリックするだけで、その意味がポップアップ表示されるのだ。

辞書機能だけならiPhoneやiPadにも搭載されているのだが、やはり長時間の読書には不向き。特に最近目の疲れが激しくなったので、紙と変わらないホワイトペーパーは素晴らしいと感じている。フォントの大きさが自由に調整できるのもうれしい。小さな文字をいらいらしながら読むよりも(もしや老眼の兆候か?)、大きな文字でサクサク読む方が楽しいに決まっている。また、充電がほとんど不要だというのもうれしい。購入して10日ほど経つが、まだ1回しか充電していない。

気を付けなければならないのは、電子書籍ではコンテンツを所有するわけではないということ。コンテンツの利用権を購入しているだけなので、仮にAmazonが倒産してその運営がどこにも引き継がれなかったら、購入した利用権が使用できない=本が読めなくなる可能性があるのだ。よって、 重要な書籍は、きちんと紙の本を所有しておきたい。

◇1567 『MBA100の基本』 >嶋田毅/東洋経済

見開き2ページ(ときどき4ページ)に1つのテーマというシンプルな構成。読みやすそうだったので、買ってみたのだが、内容的にはさらりと読めるもの。正直、少し物足りなかった。

1つ1つのテーマを区切って読むことができるので、トイレ本にしてしまった。ちょっとトイレに行ったついでに、1〜2テーマ読むという感じ。それでも1カ月程度で読めてしまった。

たまにこういった網羅的な本(本書が本当に網羅的かどうかは今ひとつ分からないが)で、知識の棚卸をするのは有用なこと。読んで分からなかったテーマがあれば、それを深堀できる専門書を読めばよいのだ。

大半は既知の情報だったが、気になるキーワードがあったので、抜き書きしておきたい。

・最大多数の最大幸福。

・「分解」 分ける・解きほぐすと、分かる・解る。

・Saying、Doing、Being。

・対立あればこその深みである。妙味である。

・人間はインセンティブの奴隷。バランスを欠いたインセンティブは意図せざる行為を生み出すことがある。

・数字の背景にある人間の意思や行動に思いを馳せながら仮説を立て、それを検証する姿勢が大事。

・「ない数字」はBest Estimateで作り出せ。

・PDCAはあらゆるフレームワークを包含する。

・早く行きたいなら一人で行け。遠くへ行きたいなら皆で行け。

・人を説得する時は、感情・規範・利得の3つを意識せよ。




【目次】

論理思考―説得力を高める
問題解決―望ましい状況を手に入れる
経営戦略―よき戦略なくして長期的な繁栄はない
マーケティング―効果的にキャッシュを得る
リーダーシップ―人が動いてくれなければ、どんな仕事も実現できない
組織―いい仕組みが競争力を向上させる
定量分析―数字を使って意思決定をし、人を動かす
アカウンティング―会社の数字を正しく読みとる
ファイナンス―企業価値の最大化を図る
新事業創造―企業存続の道であり、経済成長の源
交渉・説得・会議―コミュニケーションによって生まれる価値

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少し前のブログに書いた通り、自分の好きな言葉や自分が今まで学んだことを振り返っていきたい。何度も読み返すことを前提にした、ストック中のストック・エントリーである。

それゆえ、今後書き直すことも前提にした構成にしていきたいので、まずは今日付けのブログとしてエントリーしつつ、重要箇所を【まとめ】というタグをつけたエントリーに複写しておく。今後、加筆修正するのは、【まとめ】エントリーの方とする。また、読み返すことを前提とするので、まとめの方は、長くても1000文字以内に留めるようにする。

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初めてこの言葉に出会ったのは、USCPAの学習をしていた2004年の頃。当時、企業会計(FARE)を教わっていた杉浦先生の本に書いてあった言葉だ。先生ご自身が意志と行動の塊のような方で、何度か飲みに連れて行ってもらったりした際に聞いたアメリカでの武勇伝なども懐かしい思い出。

いい言葉だなと思ったので、当時のブログにも書き、会社で使用している手帳にも書き留めたりしているうちに、座右の銘のような存在になっていった。自分の意志が行動につながり、それが習慣となり、やがて人格や運命にまで波及していく。その連鎖の関係が面白いと感じたのと、「運命」という不思議な言葉に魅了されたから、好きになった言葉。

杉浦先生のオリジナルではないとのことだったので、Webで調べてみたところ、ヒンズー教の教えであるという説や、アンリ・フレデリック・アミエルの言葉、ウィリアム・ジェームズの言葉という説があったりする。他にもガンジーの言葉だとか、マーガレット・サッチャーの言葉だとか説は様々。特定の誰かが言ったのではないというのも、気に入っている。(元プロ野球選手の松井秀喜さんの座右の銘でもあるそうだ)

ちなみに「創り・磨き・拓く」というのは私のオリジナル。特定の人の言葉ではないということなので、自分なりにかっこいいと思う言葉にモディファイしてしまった。もう10年以上も手帳が新しくなる度に書き直している言葉なのだが、私なりの解釈をしてみたい。

まず「意志」。すべての物事につながるパワーだと思う。どんなことでも、まずは想いがなければ始まらない。その意志があってこそ、「行動」が生まれる。頭の中で考えているだけではなく、実行に移すことが大切。その行動も一過性のものでは意味がない。行動は続けてこそ価値がある。行動を継続することを「習慣」という。

たとえ本来の性格が暗くとも、笑うことを心掛け、それを習慣にしていれば、その人の性格まで明るく変える力を持つであろう。つまり習慣が「人格」を創るのである。そして、その人格にふさわしい習慣をさらに継続することで、人格は磨かれるのである。自分が理想とするよき人格に近づこうと努力することが、やがては「運命」を拓くであろう。

ここには、まずは熱く想うこと、そして行動することの重要性、それを継続することの重要性が述べられている。また、人として品格を磨くこと、素直で正直な人生を生きることが大切だということも含まれている。そんな人にこそ、運のよい人生が待っているのであろう。小さなことが自分の運命を大きく変えるという、ポジティブな言葉。いつもパワーをもらっている大切な言葉である。

◇1566 『王道経営−勝ち残る企業だけがやっていること』 >新将命/ダイヤモンド社

「王道経営」というタイトルに惹かれて購入。もちろん「覇道」ではなく「王道」という意味である。数々の企業の社長や副社長を歴任してきた新さんの集大成とも言える本であろう。そのため、言いたいことを言いつくしている感があるとともに、とにかくいろんなことが詰め込まれている構成で、整理されているようには感じなかった。まぁこの手の本は、理路整然としているよりも、熱を感じさせる方がよいのであろう。

一点残念なのが、「私利滅裂」「継栄者」など、駄洒落的なキーワードが散見されたこと。こういった造語は、時に新鮮で耳にすっと入ってくるものだが、あまりにも多いとマンネリ化し、どれが大事かが分からなくなってしまう。全体の出来栄えからすれば些細なことではあるが、気になったので書き残しておくことに。(こういった感想が後々の記憶のトリガーになることもあるのだ)

それでは気になった箇所を要約して引用。

・経営の原理原則を理解していて、かつ、それを継続的に実行している企業は、世の中の2%程度しかない。

・「不易流行」(松尾芭蕉) 「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」 不変の原則を守りつつ、変えるべき時は勇気をもって変えなければならないということ。

・「金をのこすは下、事業をのこすは中、人をのこすは上」(後藤新平の遺言)

・経営者は風で、社員は草という喩えがある。草は風の吹く方向になびく。風が吹き続けていないと、草は思い思いの方向へ勝手に伸びようとする。風はたまに吹くのではなく、吹き続けていることが肝心なのだ。

・王道の経営者品格には4つの能力が必要。(1)経営リテラシー、(2)リーダーシップ、(3)革新力、(4)倫理観。

・黒田官兵衛が興した福岡藩では、「異見会」というものを設けていた。これは家臣が藩主に耳の痛いことを言う会、物申す会である。(ただし、決定はあくまでも藩主が行う) これにより、福岡藩は幕末まで続く長寿藩となった。

・GHANGE(変化)の「G」の文字に隠れている「T」は、Threat(怖れ)である。これを取り除くとCHANGEはCHANCE(機会)になる。

・「元本は配当を生み、原理原則は利益を生む」(英国のことわざ) Principal yields dividend. Principle yields Profit.




【目次】

序章 15分に1社が姿を消す国で勝ち残る企業を創るために
第1章 王道経営の道は経営者から始まる“経営者品質”
第2章 勇将の下に弱卒なし“社員品質”
第3章 優れた商品・サービスは社員の誇りとやりがいでつくられる“商品・サービス品質”
第4章 顧客満足を超えた顧客感動を目指せ“顧客・社会満足品質”
第5章 生きた利益には得と徳がある“業績品質”
第6章 株主が経営者品質をさらに押し上げる“株主満足品質”

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私は新興宗教の勧誘係。水を神と崇める宗教で、一定の修行やお布施をすると、250mlの水(聖水のようなものか)がもらえる。信者は自宅に水瓶を買っておき、いただいた水をそこへ溜めていく。水瓶がいっぱいになると幸福が訪れるという教え。しかしながら、修行を通じて水をいただくのは難しく、みんながお布施に頼っている状態。要は態の良い金集めである。。。

私自身は勧誘係なので、信者を一人増やすごとに水がいただける。私の自宅にも水瓶があり、、、ある日それがいっぱいになると、、、

突然の天変地異。大きな地震が起こり、棚などが倒れてくる。水瓶を守ろうとするが間に合わず、水瓶は割れてしまう。聖水を浴びてしまった私は、石になってしまった。地震がおさまった後に訪れる静寂。その中で身動きできず石像になってしまった私。。。

北朝鮮の状況が緊張している中、こんな夢を見るとちょっと気持ち悪いなぁ。。。

〇1565 『人を動かす人になれ!』 >永守重信/三笠書房

永守さんの著書だが、未読だったので購入。発行日を確認すると1998年のもの。最近は、日本電産も働き方改革で残業ゼロを目指すと宣言しているが、本書が書かれたのは、まだ永守さんが時間だけが大手に勝てるリソースだと考えていたころのもの。よって、一部には現在の労働環境にそぐわない記述もあるが、20年近く前の本であることを差し引いて考える必要がある。それ以外は、現在でも通用するような内容となっている。

学校で教えるリーダーシップではなく、現場・実体験に裏打ちされた強烈なリーダーシップ。直属の部下になったら大変なのだろうが、こういった社長のもとで働けば、自分の能力を最大限に伸ばすことができるのではなかろうか。厳しい中にも、部下を是が非でも成長させたいという深い愛情と、会社を何としてもよくしたいという強烈な熱意を感じた。

すべてを永守さんの通りにはできないし、する必要もない。本書から得られる経験値を疑似体験し、自分の立場に置き換えて、その考え方を学べばよいのではなかろうか。時々読み返したくなる本であった。(読み返す前提なので、引用は無し)



【目次】

序章 「一番以外はビリと同じ」と考えろ!
1章 「人を動かすのがうまい人」のこのやり方
2章 指示の出し方―何をどう話すか
3章 叱り方、褒め方1―人を動かすこのノウハウ
4章 可能性を秘めた人間を見抜く、育てる
5章 女性、中途採用―相手によって手法を変えろ!
6章 叱り方、褒め方2―“部下”を動かすこのルール
7章 理屈で人は動かない!だから―
8章 リーダーの敵は、妥協である
9章 組織を動かす人が絶対知らなければならない「考え方」
10章 1回でダメなら、20回続けよ

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先日、ブロックチェーンに関する本を読み終えて、ふと考えたことがある。資源(リソース)というと、よく言われるのがヒト・モノ・カネであるが、これに情報が加わり、さらには時間を加える人もいる。このヒト・モノ・カネ・情報・時間という5つの資源を、グローバリゼーションとITがどのように変えてきた、あるいは、変えていくかを考えてみたのだ。

グローバリゼーションの象徴はインターネットだが、1990年代にインターネットが爆発的に普及する前に、すでにグローバリゼーションの兆しは現れていたと言えよう。その革命的な仕組みは「コンテナ」である。『コンテナ物語』という抜群に面白い本に書かれているのだが、1950年代にマルコム・マクリーンという運送業者が考え付いた陸海一括輸送ができるコンテナという仕組みは、世界の物流を大きく変えた。コンテナ船は1970年代以降に急速に普及し、これにより、人件費の安い国でモノを作るという行為が当たり前になったのだ。

それまでは、原材料を他国へ運び、そこで加工して、また他国から輸入する、という行為は物流費用が割高で成り立たなかった。しかしながら、コンテナの発明・発展により、海外との輸送が非常に安価になり、このような加工貿易でも採算が取れるようになったのだ。これにより、中国の来料加工に代表されるような加工貿易が発展し(よく考えれば日本もそうだ)、労働集約型の製造業は、人件費の安いところでモノづくりを行うように世の中が変化した。

次に変わったのは情報の流れであろう。これは言うまでもなくインターネットの登場によって劇的に変化した。電子メール(e メール)を日常で使用するようになったが、今ではわざわざ電子メールだのeメールだのと言わなくなったことが、その浸透度合いを如実に表しているであろう。

また、1990年代はインターネット時代が幕を開けたとはいえ、その回線スピードはまだまだ遅く、画像を送信するだけでもかなりの時間がかかっていたが、それが今ではギガバイト級のスピードで情報をやり取りできるようになった。これにより、動画などの送信も容易になっている。また、インターネットを使用したIP電話などは、通信コストをも激減させた。スカイプやラインなどを使用すれば、定額のインターネット使用料だけで、世界中の誰とでも会話ができるようになったのだ。

このインターネットの広がりに拍車をかけたのがスマホ(スマートフォン)の広がりである。新興国でも安価なモデルのスマホが普及し、多くの人々がインターネットに接続できるようになった。無線で接続することのできるスマホの方が、インフラ整備が必要な有線回線よりも普及が早いのは考えてみれば当然のことなのだが、これほどの勢いで広がるとは一昔前では想像もできなかった。

さて、多くの新興国の人々がインターネットに触れることができるようになり、次なる変化が生じている。インターネットを使用してできる仕事が、人件費の安い新興国へ流出するようになったのだ。その最たるものがコールセンターであろう。例えばインドでは、英語ができるというアドバンテージを活かして、欧米諸国のコールセンターを請け負っている。これもインターネットにより安価な通話料があるからこそ実現できているのだ。この他にも、単純なインプット業務などがインド・中国といった新興国へとどんどん出ていった。これは労働力、つまりヒトのグローバリゼーションと呼べるであろう。

また、インターネットを使って物理的な移動を伴わずにグローバリゼーションが進む一方、LCCという格安航空により物理的なヒトの移動も安価に行えるようになっている。さらには、EUのシェンゲン協定を始めとする入国審査の緩和やビザなし入国の導入など、国と国とを移動する手間(=コスト)も減少してきている。(最近はテロ対策で緩和から規制へと動きが逆行している感もあるが)

さて、ここまでモノ・情報・ヒトについて話をしてきたが、情報に話を戻そう。インターネットの普及により、従来は有形の媒体を介して販売されていた「コンテンツ」が、情報としてインターネットで売買されるようになってきている。最たるものは音楽であろう。アップル社の考案したi-tunesは、CDという媒体を駆逐してしまったといっても過言ではない。回線速度の向上により、音楽だけでなく映像も同じ流れに乗っている。また、本についても、電子書籍が随分と一般的になってきており、今後その数は増加していくであろう。

コンテンツ以外にも、銀行・保険・証券など、いわゆるカネに関するビジネスも電子化が進んでいる分野である。しかしながら、カネという我々の大事な資産を扱う業界においては、従来は不安定でセキュリティに課題のあるインターネットを、高いコストをかけて安全性を高めて使用していたというのが実情である。しかしながら、このセキュリティとコストという相反する課題と一気に解決する技術が確立されつつある。これが今回のエントリーのきっかけとなったブロックチェーン技術である。

ブロックチェーンの仕組みについては、『ブロックチェーン革命』に詳細の説明を譲るが、端的にその特徴を説明すると、次の4つが挙げられる。(1)記録が公開されること、(2)分散的な仕組みで運用され、管理者が存在しないこと、(3)そのため、運営コストが低く、システムがダウンしないこと、(4)事業主体である組織を信頼する必要がないこと。

これにより、カネに関するネット取引がさらに安価で便利になることが予想される。特に、これまで国際送金には高額の手数料がかかっていたが、海外に出稼ぎに出ている人たちが母国へ送金する際に、ブロックチェーン技術に乗った安価な送金方法を選ぶのは自明の理であろう。また、利便性を求める人が、仮想通貨をメイン通貨として使用する流れも、将来的には止められないと考えられる。

さて、最後に残った資源は「時間」なのだが、その前に「モノ」に戻りたい。というのも、モノづくりに関する3つの大きな革命が起こりつつあるからである。1つ目は3Dプリンターであり、図面情報さえあればプリンター1台でモノづくりができてしまうという画期的な装置である。たとえばフィギュアの完成品を買うのではなく、フィギュアの図面情報と材料により、自宅でモノづくりができてしまうのだ。これにより、材料さえあれば、即日配達どころか、即時使用が可能になる。Amazonで紙の本を頼んで翌日配送されるのと、電子書籍をダウンロードして即時に読み始められることとの差だと考えればよいであろう。

3Dプリンターは 、個人用だけでなく産業用とでも徐々に広がりつつある。まだまだスピード面で大量生産にはかなわないが、試作用途では、随分と一般的になってきているのだ。また、1年に数点しか需要がないような保守用の部品などは、現品で保有するのではなく、図面と材料だけ持っておけば、必要なときに3Dプリンターで印刷して出荷できてしまう。今後は、印刷速度の向上により、多品種小ロットの生産を担っていく装置になるであろう。

もう1つの革命はロボットである。ファナックやKUKAといったロボットメーカーの開発はすさまじく、多品種小ロットの生産に対応できるロボットが次々に開発されている。電気自動車で有名になったテスラは、大量のロボットを導入し、そのプログラムを入れ替えるだけで、異なる車種を組み立てることができる製造ラインを保有している。これが究極的に進めば、受注生産も可能になるであろう。

この2つの革命が本格的に普及すると、労働集約型の製造というものは大半が機械に置き換わることになる。そうなると、人件費の安い新興国へ進出する意味はなくなり、地産地消型の生産が主要になるであろう。こうなると、大事なのは人件費の安さではなく、そこにマーケットがあるか、つまり消費者層・購買者層にいかに近づくかが勝負の分かれ目となる。

3つ目の革命はIoTである。Internet of Things(=モノのインターネット)と呼ばれるものであり、あらゆるものをネットでつなごうという発想である。分かりやすい例では、自動販売機をインターネットに接続しておけば、飲料の補給や釣り銭の補給などを自動的に知らせてくれることができ、人がわざわざまだ十分にジュースが残っている自動販売機を1つ1つ点検して回る必要がなくなるのである。こういったネット接続を、たとえば水道管に取り付けたり、飛行機のエンジンに取り付けたりして、稼働状況などをモニタリングしようという技術である。

さて、長いエントリーも終わりに近づいてきた。最後に「時間」について述べたい。インターネットの普及により、例えば電子メールで情報が瞬時に送れるようになったり、電子取引によって瞬時に注文が確定したりできるようになってきた。従来の紙での仕事から考えると、生産性は格段に向上したと言えよう。この生産性向上こそが、時間の概念を変えることになるのだ。

次に起こったのが、時差を利用した生産性の向上である。つまり、アメリカから夕方、インドにインプット作業を依頼しておくと、アメリカの夜間=インドの日中にその作業を完了させ、アメリカの翌朝には完了したデータが届いているという仕組みである。これなど、時間を買っているようなものである。

また、個人の生活でも生産性が重視されるようになってきている。『自分の時間を取り戻そう』では、現代社会をAmazonで自宅に居ながら買い物ができたり、Uberでタクシーの待ち時間を減らしたりと、生産性重視型社会に移行しつつあると喝破している。日本でも「働き方改革」なる言葉が新聞を賑わわせているが、これは時間が非常に重要な資産であることが再認識されつつあるという証左であろう。

今後は人工知能の発達により、従来はホワイトカラーの仕事だった多くの業務が、機械に置き換わっていくことであろう。人間が時間をかけて実行していたことを、機械に代行してもらう世界である。人工知能というと、シンギュラリティ理論が独り歩きして、人間の仕事を奪うかのように騒がれているが、私個人としては、人工知能はあくまでも道具であり、前述の3Dプリンターやロボットと同じように、人間の補助を任せればよいと思う。

機械にできることは機械に任せて、時間を買うまたは有効に使うことを考えていけばよいであろう。一方で、機械に簡単に代替されないような、人間にしかできないスキルを磨くことも重要である。ライバルは新興国の人々であり、人工知能である、という危機感と、人工知能など道具として使いこなせばよい、という楽観的な観念を両方持っておくべきだと考える。

参考図書
『コンテナ物語』 
『ブロックチェーン革命』
『メイカーズ』
『自分の時間を取り戻そう』 
『人工知能は人間を超えるか』

◇1564 『考え方』 >稲盛和夫/大和書房

稲盛さんの新著。知っている内容が多いことは承知のうえで購入。この手の本は私にとってのサプリメントのようなもの。最近、少し精神的に疲れ気味かなと感じていたので、こういった前向きになれる本はありがたい。

今日は写経のように、心を浄らかにして、引用を行いたい。

・「新しき計画の成就はただ不屈 不撓の一心にあり。さらばひたむきにただ想え、気高く、強く、一筋に。よしや、かりに人生行路の中途、滔々たる運命の濁流に投げ込まれるとも、また不幸病魔のとりことなることありとも、夢にも悶ゆうrことなかれ、怖るることなかれ」 中村天風氏の言葉。

・挑戦的で独創的な仕事ほど、粘りに粘り、努力を重ねていかなければ、達成できないはずです。粘りに粘ってやり抜くことができるのは、心の底から「できる」と信じているからです。心の中に「必ずできる」という信念があるからこそ、長期間にわたり力強く粘り続け、障害を乗り越えていく闘志が心の奥底から沸々とと湧いてくるのです。

・ぶつぶつと文句を言っている間は、何をやっても本当にうまくいきませんでしたが、研究に打ち込み始めると、次から次へと素晴らしい研究成果が出始めました。すると上司から褒められ、さらには役員までもが若い私に声をかけてくれるようになり、仕事が面白くなってきました。それを励みに一層努力を重ね、また高い評価を受けるというように、この時から私の人生の「好循環」が始まりました。

・困難や逆境と言うものをネガティブにとらえ、悲嘆にくれるのではなく、志をより堅固にしてくれる格好の機会ととらえて、敢然と立ち向かうことが大切です。

・(人口膝関節が悪徳商法だとマスコミに叩かれたときの円福寺・西片老師の言葉)「それは稲盛さん、生きている証拠です。生きているから、そういう困難に遭遇するのです。死んでしまったら、そんな困難にも遭遇しません。生きている証拠ですよ。前世か現世か知らないけれども、それは過去にあなたが積んできた業が、今結果となって出てきたものです。確かに今は災難に遭われ、たいへんかもしれません。しかし、あなたがつくった業が結果となって出てきたということは、その業が消えたことになります。業が消えたのだから、考えようによっては嬉しいことではありませんか。命がなくなるようなことであれば困りますが、新聞雑誌に悪く書かれた程度で済むなら、嬉しいことではありませんか。むしろお祝いすべきです」

・どうすれば、良い心を開花させられるのでしょうか。ほとんどの人は心の大切さに気づかず、心を立派にしようなどということに関心を持ちません。しかし、まずは「心を高めなければならない」「心を美しくしなければならない」と思わなければなりません。我々はは煩悩や、欲にまみれた人間ですから、なかなかそうはなれません。けれども、「心を高めなければならない」と思い、努力する人間でなければなりません。ともすれば利己で満たされがちな心を高めよう、浄めようと、自分自身で努力をしている人は、いわば修行をしているようなものだと思います。かくいう私とて、まだまだ不完全な人間です。「あなたの心はどれほど浄められていますか」と問われれば、答えるのも恥ずかしいぐらいです。すきあらば悪さをする、自分の欲望を満たそうとする、そんな普通の人間です。しかし、だからこそ、今よりは人間が悪くならないようにしようと努めています。そうしようと努力していると、心の中に「お前はどうか」と、私自身を責める、もう一人の自分が出てきます。その葛藤のなかで私自身を少しでも高めていく。この反省を通して、少しでも心を高めることこそが人生なのだと思います。

・リーダーにとって必要な事は、そのような人間のあるべき姿を示した素晴らしい「哲学」を繰り返し学び、それを理性で理解するだけではなく、常に理性の中に押しとどめておけるように努力することです。そうすることで、自分がもともと持っている「性格」の歪みや欠点を修正し、新しい「人格」、言うならば「第二の人格」をつくりあげることができます。つまり、素晴らしい「哲学」を繰り返し学び、自らの血肉としていくことにより初めて、「人格」を高め、それを維持することができます。




【目次】

一 大きな志を持つこと──気高く、素晴らしい夢を描き、追い続ける
二 常に前向きであること──明るい心には、必ず幸運が宿る
三 努力を惜しまないこと──頑張ることをあきらめない人に、真の充足感は訪れる
四 誠実であること──正しいことを正しいままに追究する
五 創意を凝こらすこと──昨日よりは今日、今日よりは明日、明日よりは明後日と改良改善する
六 挫折にへこたれないこと──災難は天が与える素晴らしい贈り物
七 心が純粋であること──行動の成功は、その心の美しさによる
八 謙虚であること──自らを愛する心を抑える
九 世のため、人のために行動すること──自己犠牲をいとわず相手に尽くす

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文房具好きなのはこのブログでも何度か書いてきたが、最近は定番の筆記具が決まっており、さほど目移りすることはなくなった。あえて言うなら、社外の方と打ち合わせをするときに使っていても恥ずかしくないような高級ボールペンが欲しいところだが、高級だからといって書き味がよいとは限らず、難しいところ。

ちなみに、あまりたくさんの筆記具を使うのは好きではないので、通常使用しているのは、次の3種類のみ。
(1)ユニボール・シグノ(青)0.7mm ゲルインクボールペン (三菱鉛筆)
(2)フリクションボール・ノック式 (赤)0.7mm (パイロット)
(3)ラインマーカー (オレンジ色)(無印良品)
この中で、フリクションボールのみ、ビジネスタイプのシルバーのペン軸を使用している。

さて、そんな中、これは定番を入れ替えるときがきたか、と思わせるペンが現れた。シグノの新シリーズで「セルロースナノファイバー配合」というもの。とにかく書き味がなめらからしい。Amazonで取り寄せようかとも思ったが、筆記具はやはり試し書きをしてから購入したい。

セルロースナノファイバーとは、近年世界的に注目を集めている日本発の新素材。紙などの原料と同じパルプをナノサイズまで細かくほぐした植物由来の新素材で、「日本再興戦略」における林業の成長産業化の1つとしても位置づけられており、研究開発が推進されている、とのこと。

近所の文房具売り場に行くたびに探してみるのだが、なかなか見つからない。ようやく見つけたと思ったら黒しか置いていない。といった紆余曲折を経て、ようやくお目当ての0.7mm青色をゲット。試し書きしてみた限りでは、書き心地はよい。

さっそく家に帰って、英語の学習用に使用してみたのだが。。。結論として、書き味は非常になめらかなのだが、なめらかゆえに、恐らく文字が多少細くてもよいと考えたのであろうか、今使っている0.7mmよりも細く感じてしまう。個人的にはある程度の太さがある方が好みなので、ちょっと残念。結果として、定番の入れ替えは実現せず。

まぁ長い時間をかけてようやく絞り込んだ3本なので、そうそう簡単に入れ替えは起こらないのだろうが、期待していただけに残念であった。。。

◇1563 『経営幹部・仕事の哲学−世界最高リーダーシップ育成機関が教える』 >田口力/日本能率協会マネジメントセンター

タイトルの中の「仕事の哲学」という言葉に惹かれて買ったのだが、結果として、私にとっては既知の情報が多かった。それでも、さすがにGEで経営幹部の研修に携わっただけあり、その実績がにじみ出ている良書と言えるのではないだろうか。

いつものように、気になったページの端を折りながら読み進めたのだが、たくさんの箇所に折り目を付けてしまった。そして、いつものようにその部分を引用しようと思い、キーボードを打ち始めたのだが、打ち終わった後の原稿を見てみると、「自分が共感した箇所=すでに知っている知識」に対して、ページを折っていることに気づいた。

本書で初めて得た知識や考え方は何だろうか。そう突き詰めていくと、次の1点に集約されると思い至った。よって、今日はせっかく多くの文書を書き写したのだが、それはいったん削除し、1か所だけを引用することにしておきたい。

GEのCEOであるジェフ・イメルト氏は、自分がCEOになって以来、自分が学んだ最も大切な事はコンテクスト(文脈)である。それは、企業がいかにして世界に適応し、そしてそれにどのように答えていくかということである」と述べている。

コンテクスチュアル・インテリジェンスは、コンピテンシー・モデルの違いによって全体像把握能力、パターン認識能力、あるいはシステム思考能力などといった言われ方をしている。コンテクスチュアル・インテリジェンスを身に付けることで、上級リーダーとして求められる経営構想力やそのベースとなる先見性や洞察力が磨かれることになる。

コンテクスチュアル・インテリジェンスとは、「既に存在する環境、あるいはこれから生じる環境を作り出す事情・状況や出来事から何かを学び取る高度に発達した能力」であり、「そうした事実(状況や出来事)を効果的に適応して、将来の展望を立てたり斬新な洞察を得たり、あるいは新しいアイディアを見出したりできる能力」のこと。

つまり、単に文脈を読み解くだけではなく、そこで得られた学びを適用して、例えば戦略的な仮説を立てるといった具体的なアクションに落とし込めるかどうかが肝要。そのための3つのスキルは以下の通り。

第1がが文脈を感じること。文脈を掴み取ろうとする環境や一連の話について、自分の目に映る以上の何かが、その裏側には潜んでいるに違いないと思えるかどうかが鍵。

第2が文脈を図式化すること。文脈を形成していると思われる要因を特定し、その要因同士を結びつけてそれぞれの関係性を見える化できるかどうかがポイントになる。

第3が文脈をまとめ上げること。文脈を構成する要因を特定して、その相関関係を見える化できたら、次は周囲を巻き込む形で文脈についても読み上げるスキルが求められる。


本に書かれていることをそのまま要約して引用すると上述のようになるのだが、これでは少し分かりにくい。私なりに理解した内容を付記しておこう(間違っていたら申し訳なし)

まず「コンテクスト」とは、本書では文脈と訳されているが、もう少し深堀りすると、前後関係・背景などのことである。日本は「ハイ・コンテクスト」な社会と言われているが、これは「阿吽の呼吸」などと呼ばれる文化に通じる。つまり空気を読んだり、相手の気持ちを忖度することを前提としたコミュニケーションである。

多様性が重視される昨今、ハイ・コンテクストなコミュニケーションでは、誤解が生じる可能性があるため、明確に発言することが求められている。しかしながら一方で、「言葉では現わせない何ものか」も非常に重要であり、それをここでは「文脈」と呼んでいる。明確に言葉にしていく一方で、言葉にならない文脈をもきちんと捉え、意識していくことが、これからは重要になってくる。

日本企業はグローバル化に向けて、ハイ・コンテクストな状況から抜け出そうともがいているが、GEのようなグローバル企業は、コンテクスト重視に戻ろうとしているということであろうか。ただし、GEが目指しているコンテクスチュアル・インテリジェンスは、日本企業が座しているハイ・コンテクストな環境とは全く異なることを理解しておかなければならないだろう。

さて、この他にたくさんの箇所を書き写し、それを削除したと書いたが、全部削除するのはもったいないので、一部だけ記載しておくことにする。

・英語にすると組織文化は「コーポレート・カルチャー」、組織風土は「コーポレート・クライメイト」になる。クライメイトは風土と言うよりは「気候」である。気候は電気や温度、湿度、風速など数値化できるものである。

・ビジネスで起こっている物事は、そこに関わる要因の掛け算の結果であり、足し算の結果ではない。

・私が様々な業界の優れた人と接して思う事は、その人たちの影の部分を知ってもなお、尊敬できる人が真の人間力を持っているのではないかということだ。

・相手が言ったことを返すと言うのをリフレクションと言うが、これを行うためには相手の言っていることに全神経を集中すると言うことを習慣づけることが必要になる。




【目次】

第1章 日本企業の問題
第2章 優れた経営幹部になるには
第3章 組織開発の観点を持つ
第4章 組織文化を理解し、刷新する
第5章 エグゼクティブ・プレゼンスを備える
第6章 真の経営幹部になる要素
第7章 エグゼクティブ・リーダーシップを高める

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私はマトリクスで考えるのが好きで、よく2つの軸の組み合わせを頭に思い描く。今日、ふと考えたのは、仕事をする上での「分かる」と「動く」の関係。つまり、上司がその仕事の内容を分かっているか、それに対してどう動くか。まずは、マトリクスを描いてみよう。


 動  く動かない
分かる
分からない


Aの象限は上司が仕事を分かっていて、かつ自分で動くというタイプ。一見よさそうに見えるが、これでは部下が育たない。部下として優秀だった人ほど、このタイプに陥りがち。自分で動くのも大切だが、部下を信頼しチームで仕事をする方がもっと重要だということに気づかなければならない。

Bの象限は仕事を分かっているが自分では動かないタイプ。つまり部下に仕事を任せるのである。しかしながら、きちんと仕事の内容を理解しているので、いざという時は自分でも動ける。私が考える理想的なタイプである。

Cの象限は仕事のことを分かっていないくせに、動いてしまう上司。これが一番手に負えないのではなかろうか。分からないならじっとしててくれ、と思うのが部下の常だが、こういう上司に限って、あらぬ方向に突っ走ってしまう。

Dの象限は分からない・動かない、という何もしないタイプ。しっかりと部下に任せてくれるのであれば、Cよりはマシである。しかしながら、このタイプにありがちなのが、仕事が分からないため重要な情報が部下に降りていかない、というパターン。何が重要で何が不要かも判断できない状態であり、これでは部下からも信頼されない。

◇1562 『指揮官と参謀−コンビの研究』 >半藤一利/文春文庫

太平洋戦争における軍人たちの物語。歴史というのは事象にだけ焦点を当てているとなかなか頭に入ってこない。実は手元に『失敗の本質』なる本があるのだが、特に前半は事象の解説が続くため、何度も挫折していまだに読了できていない。世界史が苦手なのも、事象を羅列した本を読んできたからではなかろうか。

一方本書では、事象でなく人物に焦点を当てている。それが故に歴史が立体的に頭に入ってくる。また、「コンビの研究」というサブタイトルの通り、軍人を1人ではなく、2人で取り上げている。上司と部下の組み合わせが、組織の成果を左右するのでは、という仮説に基づいて書かれた本である。非常にユニークな視点であり、興味深い内容であった。

筆者である半藤さんの言葉を引用してみよう。「(指揮官と参謀のそれぞれのタイプの組み合わせに加えて)人間相互の性格、俗にいうウマが合う合わぬが加わり、派閥の要素が影響し、生まれながらの環境的なものが響き合い反撥し合う。コンビ如何によって発せられるものは千変万化としかいいようがないかもしれない」

敵が外にいるにもかかわらず、陸軍と海軍がいがみあったり、陸軍の中で出世争いや足の引っ張り合いをしたり、とお粗末な状況が浮き彫りにされている。また、ハンモック番号と呼ばれる人事序列「軍令承行令」という悪弊もときおり顔を出す。これは、人物よりも成績、現在の実力よりも過去の軍歴を重んじるシステムであり、有事であるにも関わらず、このような序列にこだわり、不可思議な人事がまかり通っていたのだ。

そもそもこのハンモック番号制度は、薩長派閥が強かった明治時代の情実人事をなくすためにシステム化されたものだそうだが、平時ならまだしも戦時下において、何にこだわっているのか、と言いたくなってしまう。しかしながら、ふと振り返ると、自分たちも社内で営業と製造や管理部門がいがみ合っていたり、同じ部門の中で足の引っ張り合いをしてはいないだろうか。グローバル化が進み、けっして平時とは言えない競争激化の時代において、従来通りの年功序列にこだわってはいないだろうか、と自問自答してしまった。

最後に文中に登場するイギリス司令官モンゴメリー大将の言葉を引用して締めくくりたい。「リーダーシップとは、人を共通の目的に団結する能力と意志であり、人に信頼の念を起こさせる人格の力である。それに敷衍して、自分がなにをせねばならぬかを知り、それを断行する決断力をもつこと、そのさいに、自分に協力する将兵に信頼されるようでなければならない。とくに協力して共通の目的を達成しようとするとき、相互信頼がなくて、どうして成功をかちえようか」



【目次】

板垣征四郎と石原莞爾
永田鉄山と小畑敏四郎
河辺正三と牟田口廉也
服部卓四郎と辻政信
岡敬純と石川信吾
永野修身と杉山元
山本五十六と黒島亀人
南雲忠一と草鹿龍之介
東条英機と嶋田繁太郎
小沢治三郎と栗田健男
山下奉文と武藤章
牛島満と長勇
米内光政と井上成美
天皇と大元帥

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両親と金毘羅さんのお参りに来ている。車でふもとまで来ており、ここから徒歩で階段を登っていくようだ。愛犬も連れてきているのだが、係の人から犬は駄目と言われてしまった。仕方なく車に残していくことに。

時期は夏。日差しが暑い。車の窓を少し開けて、車内が暑くなり過ぎないようにと調整するが、窓を開けたくらいでは涼しくならない。これでは犬が熱射病になってしまうだろう。

エンジンを掛けっぱなしにして冷房を付けていこうと考えるが、そうすると鍵が閉められない。父親から早くしろとせかされる。後から追いかけるからと先に行ってもらう。

どうしようかなと困っていると、ふもとの商店街から背の低い老人が現れた。何やら手に黒い板を4枚持っている。「犬を車に残して置かなければならないのでお困りなんでしょう。この日差しだから大変ですね。この黒い板は防熱効率が非常によくて、さらに車内に溜まった熱気も外に逃がしてくれる優れものです。4枚で1万円でどうでしょう?」

1万円は高いなぁと呟くと、いきなり5千円にまけてくれた。それならと購入すると、どこからともなく男性が4人現れて、それぞれがドアに黒い板を装着していく。非常に手際よく。

本当に効果があるのかな。お金はいいけど、効果がなかったら犬が弱ってしまうのでは、などと考えているうちに目が覚めた。

〇1561 『ブロックチェーン革命−分散自律型社会の出現』 >野口悠紀雄/日本経済新聞出版社

これはすごい本に出会った。最近読んだIoTやディープラーニングの本が期待外れだったので、逆に期待をせずに読み始めたのだが、早くも今年一番の本だったのではないかと思うほど。ビットコインについては、過去に一度、日経ビジネスの記事を熟読してまとめたことがあり、その際にブロックチェーンの大まかな仕組みも理解していたつもりだったが、本書を読んでより理解を深めることができた。

まず、「はじめに」で述べられている、次の文章が印象的だったので引用しておきたい。

インターネットは社会を変え、経済をリードする主役の交代をもたらした。しかし、当初予想されたように社会がフラット化することはなく、少数の大企業が世界を支配するようになった。なぜこうなったのか? 最も本質的な理由は、インターネットの世界では、何が正しいデータ化を確かめることが容易でなかったために、小組織や個人が信頼を確立することができなかったからだと、私は思う。組織が大きいことが人々の信頼の基礎になったのだ。ところが、ブロックチェーンは、組織に頼らずに、何が正しいかを立証することを可能とした。それが実現することにより、社会が大きく変わる。

この後、本文へと続いていくのだが、ビジネスパーソンであれば、少なくとも序章と第1章だけは読んでおくべきだと思う。第2章以下は、今起こっている事例などが紹介されているが、こういった事例は最先端の分野ではどんどん新しいものが出てくるので、ブロックチェーンを理解した上で、普段から新聞記事などを気にかけていればよいであろう。もし余力があれば第9章・第10章も読んでおけばよい。第9章では、DAOと呼ばれる組織が紹介されている。DAOについては、恥ずかしながら本書で初めて知った。

それでは序章と第1章を中心に、私なりに理解したブロックチェーンについての説明を記録しておきたい。

・ブロックチェーンはtrustless systemと呼ばれることがあるが、これは「信頼できないシステム」という意味ではなく、「個人や組織を信頼しなくても安心して取引ができるシステム」という意味。trustless trust system という言葉の方がより正確だ。

・インターネットは、本質的に「安いけれども信頼はできない」通信システムだった。だから、それを持ち入れ経済的価値を送れないとは当然のこと。高いコストをかけて無理やり送っていたというのが実情。

・これまでのインターネットが「情報のインターネット」だったのに対して、ブロックチェーンは「経済的価値のインターネット」と言われている。これはブロックチェーンにより、送金・決済が可能になったから。

・IoTでは、センサーから得られる情報をクラウドに送信し、そこで中央集権的に情報をコントロールするものだが、従来のインターネットを使用していては、セキュリティの問題があり、低コストで情報を送ることができない。IoTの普及には、ブロックチェーン技術の応用が不可欠である。

・ブロックチェーンとは、公開分散台帳だ。誰もが参加できるコンピューターの集まり(P2P)によって運営され、公開される。データの改竄ができないように、PoW(Proof of Work)という仕組みが導入される。これにより、組織の信頼に頼らずに、信頼できる事業を運営できる。

・ブロックチェーンの特徴は次の4点。(1)記録が公開されること、(2)分散的な仕組みで運用され、管理者が存在しないこと、(3)そのため、運営コストが低く、システムがダウンしないこと、(4)事業主体である組織を信頼する必要がないこと。

・ハッシュ関数:ある方向に計算するのは簡単だが、逆方向に計算するのは著しく難しい関数のことを「一方向関数」という。ハッシュ関数も一方向関数の一種。ハッシュ関数の特徴としては(1)元のデータを変えれば、まったく異なるハッシュが出力される。(2)ハッシュが分かっても、それを作り出す元の数をアルゴリズム計算で見出すことはできない。この特徴を生かして、データに鍵をかけていくのがブロックチェーンの技術である。

・ハッシュ関数で守られたブロックチェーンで不正を犯すためには、膨大な労力が必要となる。ブロックチェーンのシステムは、信頼に基づいて構築されたシステムではないが、不正行為をすると損になる仕組みになっている。性善説にもとづいて人々が悪事を働かないことを期待するシステムではなく、仮に人々の性が悪であってもなおかつ機能するシステムのである。

・ブロックチェーンに書き込まれているのは改竄されていない記録、つまり正しい記録である。このため、管理者や組織を信頼する必要がなくなった。これをtrustless system(信頼が不要なシステム)と呼ぶ。

・ブロックチェーンを用いれば、組織を信頼することなしに真正性を保証できるため、インターネットの世界で経済的な価値を送れる。たとえば通貨を送ることができる。

・ブロックチェーンは多数のコンピューターに守られているため、攻撃に対して強靭である。たとえ1つのコンピューターが攻撃されダウンしても、他のコンピューターに記録が残っている。それらのすべてが同時に破壊されない限り、システムは動き続ける。(=ゼロ・ダウンタイム)

・上述したのは「パブリック・ブロックチェーン」と呼ばれるもの。これに対して銀行などが発行する「プライベート・ブロックチェーン」というものがある。これは分散型ではなく銀行のサーバなど中央集権的であり、本来の意味のブロックチェーンとは異なる概念である。




【目次】

ブロックチェーンが地殻変動を引き起こす
ブロックチェーン革命の到来
ブロックチェーンの応用(1)ビットコインの成長
ブロックチェーンの応用(2)銀行も導入
ブロックチェーンの応用(3)証券業に革命的変化
在来技術型のフィンテックとその限界
ブロックチェーンは通貨と金融をどう変えるか
ブロックチェーンの応用(4)事実の証明
ブロックチェーンの応用(5)IoT
分散型自律組織や分散市場がすでに誕生
分散型自律組織はいかなる未来を作るか
われわれは、どのような社会を実現できるか

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ブログを始めてから14年、エントリーした記事は2800件を超えた。私は情報をフローとストックに分けて管理する必要があると考えており、このブログには記録するに値する内容、つまりストック情報のみを蓄積してきたつもりである。しかしながら、1年前の記事であっても古くなり陳腐化してしまった記事がある一方、10年前の記事であっても普遍的であり今でも有用な情報もある。

原価計算の世界では固定費と変動費の分解が非常に重要であるが、ここでいう固定費も、長い目で見ると変動費として考えることができる。つまり、例えば固定資産は1年以上の耐用年数があるものが対象であり、そこから発生する減価償却費は固定費の最たるものであるが、これとて10年単位で考えると、製造設備などは老朽化し買い替える必要が出てくるので、変動費と言えなくもない。おなじように、情報も長い目で見ると、ストックだと思っていた情報がフロー化することがあるのではないか、と考えたのだ。

ストック=蓄積しておく価値のある情報、と書いたが、つまりは蓄積しておいていつでも参照できる状態にしておくこと、場合によっては、何度も読み返し記憶に定着させることが肝要になってくる。にもかかわらず、これだけ膨大な情報量を蓄積してしまっていると、本当に大事なものは何かが見えなくなってしまう。

本当に重要な情報を区分して蓄積しておく「場所」を確保する必要がある。ブログでそれを実現しようとすると、新しいカテゴリーを作成することが有効であろう。また、ブログというのは日記のようなもので、通常であれば一度書いたものを書き直すことは少ない。(よほどの誤字脱字や、明らかに誤った情報でない限り) しかしながら、この蓄積カテゴリーにエントリーする記事は、常にアップデートすることを前提として書いていく。例えば会計の知識(新しい基準が出たら見直さなければならない)、例えば国際情勢(日々目まぐるしく変わる情勢を定期的にアップデートしておきたい)などなど。

この準備のために、記憶にとどめておきたいと思った言葉を「言葉」というカテゴリーを設けて区分した。また、今まで自分が主体的に考えたことを「思考」というカテゴリーに区分。これを元ネタにして、まとめ記事を作成していきたい。また、ここには「自分の好きな言葉」「今まで学習した会計知識・実務知識」「国際情勢とそれに関する歴史的背景」「仕事の基本動作」などを記載していきたい。

 ▼

。。。とここまで書いて、何となく妙な気分に。似たようなことを以前にも考えたことがあるのではなかろうか。こんな時、ブログは便利である。ストック、フロー、といったキーワードを入れて検索すると、簡単に見つけることができた。「神様エントリー」と称して、2010年(7年前!)にほとんど同じ内容を記載している。しかもカテゴリーの新設という発想まで同じ。

しかしながら、考えるだけ考えて実行に移せていない。情報や知識を自分なりに咀嚼してまとめるというのは、意外に大変なのだ。しかしながら、このまとめるという作業は今の私には必須のもの。今まで何でもかんでも大きなバケツに放り込むように蓄積してきた知識だが、使えなければ意味がない。使うためには咀嚼し、整理し、記憶に定着させる必要がある。

今日で45歳。そろそろ重い腰を上げなければ。。。

◇1560 『カルロス・ゴーンの経営論−グローバル・リーダーシップ講座』 >公益財団法人日産財団/日本経済新聞出版社

経理論と言いつつ、サブタイトルにあるリーダーシップに関する記述が多い。ちょうどリーダーシップについて思い悩んでいたことがあり、よいタイミングで手に取ることができた本。ときどきこういった本との素敵な出会いに巡り合う。たまたまなのか、意識しているから気になるテーマが目に飛び込んでくるのか。

この手の本を読むときは、ページの端を折ったり、赤ペンで線を引いたりするのだが、今回はわざわざ、手書きでメモを取った箇所がある。自分なりに要約しているがそのメモ書きにはこう書き記した。

「思慮深く考え、大胆に決断し、丁寧に行動する」

それでは、その他の赤ペン箇所を要約して引用。

・リーダーにとって継続的に結果を出すことが重要である。

・経営者としてのスタイルを使い分ける一方で、伝いたいメッセージが一貫していることも重要。

・マネジメントとは、脳で知りながら、同時に心で理解し、勘を働かせるもの。

・日本社会におけるリーダーに求められるもの=常識が作り出す波に逆らう力

・リーダーは周囲の人たちから認められてはじめてなれるもの。「自分はリーダーとしてやっていく」などと考えるべきではない。

・リーダーであるには、人々と心を通い合わせる必要がある。

・様々な状況において繰り返し結果を出してこそ、周囲の人たちからリーダーと認められるようになる。

・常に自分が正直に感じたことや、信念として抱いていることに沿った判断や行動をとることで、一貫性が高く保たれる。

・熟慮することと正直であることが、判断や行動の一貫性を作る。一貫性があるからこそ、リーダーシップは維持される。

・リーダーは、問題の影響が生じる前に、その問題の存在をすでに認識している。

・それまでの計画から離れ、いま一度、将来のことを見つめ直すこと。

・社内にすでにある変革のタネや解決策を具体化してあげるのがリーダーの役割。

・自ら強い信念を持ち、その決断をもとに周囲の人を納得させ、そして実行させる。そして、期待できる成果をあらかじめ明確に用意しておく。

・怒り狂っている時はポーカーフェイスを保つ。

・リスクの存在をきちんと認識したうえで、「この会社にとって、これは絶対に必要なことだ」という思いをもって、計画を立てる。

・限界にきわめて近い目標を設定するためには、その組織のことを本当によく知っていなければならない。

・部下には安全策を取り続けるのではなく、自分たちが慣れた目標の領域から抜け出してもらわなければならない。

・何の理由も説明もしないで、計画の変更をしてはならない。理由を説明しないと、人々は最悪の事態を想像し始める。

・リーダーの役割は、問題を発掘することよりも、問題解決の優先順位をつけること。

・リーダーとは、たとえ会社が厳しい状態になっても、メンバーに高いモチベーションのまま嫌なことをもやらせることができる能力を持った人。

・リーダーシップは成功や勝利につながるものでなければならない。しかし、成功や勝利を得るためには、リーダーは厳しい意思決定を下す能力が求められる。他の人が嫌うような決定を下す能力が求められる。

・やる気のある人には、そのやる気を邪魔しないことが大事。

・「学ぶ」ということの本質は、「心構えとしてこうあるべきだ」ということを知るのではなく、「やってみた感覚としてこうあるべきだ」ということを知ること。

・相手に「あなたは良い仕事を十分にしていない。あなたならもっと良い仕事ができるはずだ」と伝えることは、本当は相手を助けること。厳しい評価の内容を伝えず、その場での相手との関係を良好に保とうとすることは、痛みをどうにか散らして忘れようとするのと同じ。厳しい評価となった根本の原因を相手に伝え、その原因の解消を図ろうとしなければ、真の問題解決には至らない。

・リーダーシップとは、自分から誇示していくものではなく、自分と関わる人々によって見出されるもの。

・逆風が吹くとそれをどうチャンスに変えようかとアドレナリンが出る。

・意思決定が思慮深いながらも大胆であり、その背後には揺るぎない本質と大義が常に存在する。そして経営手法はきわめて基本に忠実である。

・考え抜くことと、大胆な行動をとることは、矛盾めいた関係性にみえて、互いが補完するかたちで連動できる。

・意思決定を発表した後は再び思慮深くなる。丁寧あるいは慎重になる。

・「本質と大義」 本質とは「普遍的に大切なこと」、大義とは「企業としてあるいは人間として踏み行うべき、社会にとって最も大切な道」

・ゴーンは人間の本質を知り尽くしたうえで物事を判断している。

・ゴーンのPDCAは、Pに5%、Dに95%の力を入れて社員を動かし、CとAについては自らトップダウンで行っていくというスタイルをとっている。現場に任せつつも、トップ自らがCし、次なるAを考える。

・基本に忠実なので「次」が分かりやすい。

・物事がうまくいかない予兆や嫌な感じを感じたら、すぐに動くこと。何もしないで様子見していると失敗することが多い。

・リーダーは課題解決人でなければならない。

・継続的な成長を狙う組織には、すでに持っている知識に改良を重ねて活用する(exploitation)組織学習と、知の範囲を広げるために新しい知識を探索する(exploration)組織学習の両方が必要。

・ゴーンは相矛盾するように見える2つの事柄を、1つの複雑系システムとして遂行している。こうしたアプローチは「両利きの経営(ambidextrous organization)」と呼ばれる。

・20世紀と21世紀のグローバル戦略のパラダイムシフトのひとつに「Either or 戦略」から「Both and 戦略」への転換がある。これはAかBかではなく、AもBも1つとして処理する組織能力のこと。




【目次】

I 国境を越え、世界を、未来を見つめる
―グローバル・リーダーとは

II リーダーは完璧であるべきなのか?
―変革のリーダーシップ、意思決定

III 目的地を示す
―中長期的な目標を示し、同時に短期的問題を解決する
(現場の把握、ビジョン、目標設定)

IV 既成概念を疑い、異文化を取り込み、組織を活性化する
―ダイバーシティ、モチベーション

V ミドルマネジャーのリーダーシップと後継育成

VI カルロス・ゴーンは日産の何を変えたのか

VII レジリエント・リーダーシップ
―有事にこそ問われる危機管理、レジリエンス

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今日の夢はやけにリアルで、目覚めた後も鮮明に覚えているものだった。

とあるマンションに住んでいる私。なぜか一人暮らし。毎日仕事に通うのだが、職業は靴職人で、上野の老舗靴屋で働いている。住んでいるマンションは上野から数駅離れたところで、電車通勤している。

ある日、仕事が終わって家に帰ると、何か違和感を感じる。誰かがいるような。気持ち悪くなり、クローゼットなどもすべて開けてみるが、誰もいない。1週間に1回程度、そんな違和感を感じる日が続く。

ある日、携帯電話を部屋に忘れてきたのを職場についてから気づき、それほど忙しくない日だったので、部屋に取りに帰ることにした。扉を開け、部屋にはいると見知らぬ女性が私のベッドに座ってポテトチップスを食べているではないか。誰だお前は、と問い詰めても一向に気にしない様子で、ポテトチップスを食べ続けている。

怖くなったので警察を呼び、連行してもらった。後ほど警察から電話があり、どこかで私のマンションの合鍵を手に入れて、時々忍び込んでスリルを味わっていたという。

警察からの電話を切った瞬間に目が覚めたのだが、何とも気持ちの悪い夢。昨日は、飲み会で少し酒を飲んでから寝たせいだろうか。こういう気持ち悪い夢は勘弁してほしいなぁ。

◇1559 『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA』 >三木雄信/ダイヤモンド社

最近、ひどいタイトルの本が多いように感じる。本離れが進む中、少しでも売れる本を出版しようという出版社の意向が強いのであろうが、私が筆者なら絶対にこんなタイトルは嫌だなぁ。。。

と、本来ならタイトルを見ただけで敬遠してしまいそうなのだが、最近PDCAに凝っており、ソフトバンクで実践していたノウハウであれば、と興味を持って購入したもの。

さて本書はPDCAを謳っており、確かにその通りの構成なのだが、私としては「方法論の本」だと理解した。本書のエッセンスを一言でいうならば「目標を達成するために、すべての方法を同時に高速に試していく」というもの。

これを読んで、私の以前の上司から、「やるべきこと、やれることをすべてやったのか」としつこく聞かれていたことを思い出した。つまり、ダメかもしれない、可能性は低いかもしれないことであっても、選択肢として選びうるなら試してみる、ダメならダメでバツを付ければよい、試しもしないやってもみないうちから、選択肢から外すな、ということ。

ソフトバンクでは、これを「同時に」やってのけているそうで、これは凄いことである。確かに1つ1つ検証していたのでは時間がかかってしまう。スピードが勝負の今の環境では、最強の法則と言えるかもしれない。

一応PDCAの本なので、それらしい項目を列挙しておこう。

・ソフトバンクのPDCA
 P:「目標へのこだわり」が異常に強い
 D:目標を達成するために、「ありとあらゆる方法」を試している
 C:「数字で厳密に」試した方法を検証している
 A:「常にいい方法」がないかと探っている

・高速PDCA
 (1)思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する
 (2)1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する
 (3)目標も結果も、数字で管理する

・ソフトバンクでは社員全員が数字を理解し、自分の仕事の改善に役立てなければいけない。孫社長は「数字を理解するにはフォースを使え」とよく言っていた。常に数字を意識し、その裏にある意味や背景を分析し、次の数字を予想する。その鍛錬を日々重ねていると、数字を理解する勘所が身に付く。この勘所のことを「フォース」と表現している。




【目次】

序章 なぜ高速PDCAなら超スピードで仕事が片づくのか?
第1章 高速PDCAを動かす8ステップ
第2章 月間、週間ではなく「毎日」の目標を設定する―高速PDCAの「P」
第3章 一つひとつではなく、「同時にすべての手段」を試す―高速PDCAの「D」
第4章 結果は「数字」で厳密に検証する―高速PDCAの「C」
第5章 「いちばんいい方法」だけを磨き上げる―高速PDCAの「A」
第6章 「人の力」を借りて、もっと速くなる

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この2カ月ほどで、約2年程度撮りためたままになっていたカンブリア宮殿を一気に視聴した。途中で500回スペシャルなどもあったわけだが、約10年も続いている長寿番組だ。そこには、村上龍が追い求める「普遍的な経営の法則」の存在があると思う。結論から言うと、普遍的な法則などというものは無く、だからこそ追及が終わらない。結果として番組は続いていく。

それにしても500社以上の経営者との対談の蓄積は相当なものであろう。私が一番最初に見たのは放送開始当初、第5回目にあたる北尾吉孝氏の回だ。ちょうどライブドアによるニッポン放送株買収問題の際、「ホワイトナイト」として表舞台に現れたタイミング。カンブリア宮殿という番組ではなく、北尾さんに興味を抱いて見たのだと思う。

中国駐在中の5年間は、ほとんど日本のテレビ番組を見ることができなかったのでブランクはあるが、それでも500回のうちの半分以上は見ているだろう。また経営者のコメントをまとめた本も出ており、そちらも読んでいるので、大半の討議を見たり読んだりしてきたことになる。

出口治明さんがよくおっしゃる「本・人・旅」から学べという言葉。人、というのはもちろん、同僚だったり社外の友人だったり、ときには何かのきっかけで出会う一期一会の人だったりする訳だが、見方を変えれば、カンブリア宮殿のような番組で経営者が語っていることを聞くというのも「人」にあたる。(ちなみに、もう1つの私の好きな番組「未来世紀ジパング」は「旅」に該当するだろうか)

生身の人間に直接会って、質問などをぶつけながら会うのももちろん重要だが、普通であれば決して会うことができない人の言葉を、テレビを通してとはいえ、直接聞ける機会というのは非常に貴重だと思う。

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さて、話題を戻そう。カンブリア宮殿のテーマは「普遍的な経営の法則」の追求だと思っているのだが、私自身、長いあいだ多くの経営者の言葉を聞いて、何かを見出せたであろうか。以下、私自身が多くの経営者に共通する言葉だと思ったことを、書き留めておきたい。

・「伝統」を守ることは大切だが、そのためには「革新」が必要。何も変わらないと、伝統は廃れていってしまう。

・地方復興、災害支援、新興国支援などは、ボランティアでは長続きしない。収益を生むビジネスモデルが確立して初めて、本当の支援が可能になる。

・困難から逃げてはいけない。努力は継続しなくてはいけない。

・従来、職人技のように「見て盗め」と教えられてきたものを、分かりやすく分解して若い人たちに伝えていく。


なんだかもっとたくさんあったような気がするのだが、繰り返し語られている共通項というと、こういったことであろうか。それほど経営は複雑で共通項が少ないとも言えるし、一方で、究極まで突き詰めるとこのくらいシンプルなもの、とも言えるのかもしれない。

◇1558 『ご冗談でしょう、ファインマンさん』 >ファインマン/岩波現代文庫

ノーベル物理学賞を受賞した教授のエッセイ。いろんなところで名著として紹介されており、随分前に購入していたのだが、物理学教授という肩書に躊躇してなかなか読み進めることができなかった。いつまでも積読にしておくべきではないと思い、もし難しければ読まなければいいと、挑んでみたところ、これがなんとすらすら読めるではないか。物理学の専門的な話はほとんど出てこず、平易な語り口で日常感じたことなどが綴られていく。

実は読むのに抵抗を感じていたもう一つの理由が、ファインマン氏が原子爆弾の開発に関わっていたという点。やはり日本人として、核兵器を開発した当事者の話など聞きたくない、と感じていたのだ。しかしながら、ファインマン氏自身がどの程度原子爆弾に関わっていたかは不明。また、日本にも旅行されたことがあり、日本に対して好意を持ってくださっていることが伝わってきた。それを知っただけでも読む価値があったかもしれない。

エッセイなので、さらりと流し読みをしておけばよいようなエピソードも盛りだくさんなのだが、そんな中でも、ちょっとした気付きをもらえた箇所があったので、そのエッセンスを引用しておきたい。

・知識というものは丸暗記しただけでは役に立たない。その本質を理解し、使いこなさなければ意味がない。

・異質な知識が混じり合うこと、たとえば数学の議論に物理学の知識を持ち込むことなどによって、新たな発想が生まれる。




【目次】

ふるさとファー・ロッカウェイからMITまで
プリンストン時代
ファインマンと原爆と軍隊
コーネルからキャルテクへブラジルの香りをこめて
ある物理学者の世界

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「魂を揺さぶられるような感動」とはこのことを言うのではなかろうか。

とにかく見ていて、ただただ感嘆・感動。涙は出なかった。本当に感動したときには、涙を通り越したものが入り込んでくるんだと思った。

詳細は下記の番組ホームページからの引用をご一読いただきたい。普段は概要しか引用しないのだが、今回は詳細説明まで載せることにした。

自分の時間の半分をベトナムでの無償治療に充てる行為そのものも素晴らしいが、さらに先を見据えて、自分がいなくなっても動く仕組み、残る仕組みを考えているところが素晴らしい。日本での活動の展開、現地での医師の教育、現地の富裕層をターゲットにした資金作りなどなど。

「人は人を助けることで幸せを感じることができる」

今の自分がとても小さく感じられてしまった。

(今日のエントリーは文章になっていないが、こんな断片的な感情の記録の方が、ふさわしいと思ったので、このままアップすることにした)



【番組ホームページより】

白内障や、糖尿病の合併症など、誰もが罹りうる「目」に関わる深刻な病気は多い。そのままにしておくと失明の危機もある。そんな眼科手術で、世界でもトップレベルの腕を持つドクターがいる。彼の名は服部匡志。どこの病院にも属さず、フリーで日本各地の病院を渡り歩き、数多くの手術をこなして回る。そんな服部は、月の半分を日本で稼ぎ、半分はベトナムに渡って貧しい人々を無償で治療している。「一人でも多くの人の目に再び光を感じさせてあげたい」。その一心で14年に渡って救ってきた人は、日本とベトナム合わせて3万5千人を超えた。現代の「リアル・赤ひげ先生」、その感動の奮闘記をお送りする。

無償でベトナムの人々を救う…現代の“赤ひげ”先生

年齢とともに誰にでもなる可能性がある“白内障”。目のレンズにあたる水晶体が濁ってしまい、目が見えにくくなる。手術をすれば治るが、いま地方では眼科医不足が深刻化。常駐の医者がいない病院も珍しくない。そんな地方の患者を助けるべく、全国を飛び回るフリーの眼科医・服部。“神の手”を持つと評される服部は、症状が進んだ患者でも通常より短い時間で手術。長野の病院で取材した時は、2日間で30人以上を超える患者の目を回復させてみせた。さらに服部は糖尿病などで、目の網膜に膜が張ってしまうという難しい手術も得意とする。この分野では世界レベルとも言われる腕を持ち、これまで失明の危機にあった患者も数多く救ってきた。そんな服部は、月の半分を日本で稼ぎ、半分はベトナムに渡る。そこで貧しい人に無償で治療や手術を施しているのだ。これまで14年間で救ってきた貧しい患者は1万6千人以上に上る。そして今回のベトナム訪問でも、子供の頃からほとんど目が見えないという中年の女性が最後の望みを託して服部の元にやってきた。診察したところ、かなりの重症。「自分の子供の顔も見たことがないんです。見てみたい…」。それを聞いた服部は手術を決意。もちろん無償だ。難手術の末、無事女性の目は回復の方向へ。子供との感動の対面も果たした。「患者は家族」をモットーに、服部はきょうも日本とベトナムで多くの人々を救い続けている。

「患者は家族」 医師・服部が目指すもの…

服部が医師を志したのは高校生のころ。末期ガンで父を亡くしたことだった。病院の対応に疑問を持った服部は、「真に患者のために患者の立場で行動できる医者になろう」と決意したという。一から勉強しなおし、4浪の末、医学部に進学。努力を重ね、眼科医となった服部は、病院の勤務医となり順調なスタートを切った。転機は2001年。学会で出会ったベトナム人医師から貧しい人々を助けて欲しいと懇願されたのだ。最初は3か月のつもりでベトナムにわたった服部は、手術のお金が払えずそのまま多くの人が失明するという現状を目の当たりにし、日本の病院を辞め、無償でベトナムの人々を治す活動を始めたのだ。 そんな服部は今、持続可能な医療システムを作ろうとしている。ベトナムに高度の医療ができる眼科病院を設立。そこではお金のある人からは正当な治療費をもらい、それを貧しい人への無償の医療に回そうというのだ。「僕がいなくても人々を救う仕組みを確立したい」。服部の挑戦はまた新たなステージに入った。

人を助ける“志”の和を広げたい…

これまでたった1人で活動してきた服部。今、力を入れるのが人材育成だ。志を同じくする日本各地の病院の医師たちを直接指導。自分のノウハウを惜しみなく伝授しているのだ。「自分と同じ技術を持った医師が2人いれば2倍、4人いれば4倍の患者を救える」と語る。こうして今では20人を超える伝承者たちが育ってきた。その中からは、服部と一緒にベトナムで無償医療に加わる医師も出てきた。さらに服部はベトナムに、高校生たちをボランティアとして連れて行っている。自らも医師を志した多感な時代に、人を助ける現場を見て数多くのことを学んでもらいたい、という考えからだ。「人間は人を助けるようにできている」服部イズムは着実に多くの人に受け継がれ始めている。

◇1557 『トコトンやさしいコストダウンの本』 >岡田貞夫/日刊工業新聞社

工場でのコストダウンについて書かれた本。昨年の4月から工場勤務となり原価計算を担当しているのだが、最近の原価計算はITシステム化が進んでおり、経理での手作業というのはほとんど発生しない。いわゆる「決算を上げる」作業、つまり決算整理の仕訳を投入するような仕事は少なく、むしろ出てきた結果を分析する方が重要な仕事になっている。

そんな中、原価低減の進捗状況を確認するのも経理の重要な仕事。具体的にどのような原価低減の手法があるのかと興味を持ったので、購入してみたのが本書。他にもコストダウンに関しては数冊読んでみたが、本書が一番分かりやすかった。しかも、製造工程だけでなく、物流やアフターサービスに関するコストダウンについても言及されており、幅広く網羅的な構成となっている。

(現場でどのようなことが実施されているのかを参考として知っておこうと思って読んだ本なので、まとめの引用などは割愛)



【目次】

第1章 コストダウン活動による利益確保
第2章 開発・設計へのアプローチ
第3章 生産準備で対処すべきこと
第4章 コストダウンの実力が現れる製造工程
第5章 コストを保証する検査と出荷
第6章 差がつく物流・サービス・顧客対応
第7章 トータルコストダウン活動へのレベルアップ

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日本ポリグルといえば、水の浄化剤で著名な会社。以前、別のテレビ番組でも紹介されていたし、日経ビジネスでもその記事を読んだ記憶がある。今回、改めてカンブリア宮殿で取り上げられているのを視聴したが、感動は変わらない。

バングラデシュやソマリアなど現地の様子を撮影したビデオは、以前見たものと同じなのだろう、見覚えがあるものだった。今回、改めてすごいなぁと思ったのは、きれいな水を新興国の貧困層へ届けるという使命を、ビジネスだととらえて実行している点。

小田さんがおっしゃっていたのだが、これをボランティアでやろうとすると息切れするとのこと。同じようなことを村上龍もしょっちゅう言っているので、目新しい響きはないが、こういった実際のビジネスを目の当たりにすると、説得力が増すというもの。

現地でも自分たちだけでなく、現地の人たちが生活基盤を築けるようにと、水に関するビジネスを立ち上げ、雇用を増やしている。まさに「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」の実践版だ。

また、今回は浄化剤の進化版も紹介されていた。黒色のポリグルで、水に入れると不純物が沈殿するのは以前と同じ。しかしながら、この沈殿物が黒くなり、なんと磁石にくっつくのだ。従来の浄化剤に鉄分を加えたとのこと。これにより、河川や湖などを浄化し、不純物を磁石で取り除くことができる。

小田さん曰く、「おもいやりや道徳心が強いことが日本人の一番の強み」。何だか、胸に染み入る言葉であった。



【番組ホームページより】

地球上で安全な水を利用できない人は10億人に及ぶという。そんな世界の貧困地域に足を運んでは、汚れた水を安全な飲み水に変える中小企業経営者がいる。日本ポリグルの小田兼利だ。独自に開発した粉末を泥水に入れてかき混ぜれば、きれいな水になる...。その魔法のような水質浄化剤で、バングラデシュ、インド、タンザニア、ソマリアなどに次々と給水設備を建設。さらには現地の住民による運営システムを構築するところまで手掛けている。今後広がりを見せるといわれるBOP=貧困地域向けビジネスの成功事例として、国内外から大きな注目を集めている。大阪の中小企業が、いかに世界で注目される存在になったのか?その足跡とともに、さらなる挑戦を追う。

◇1556 『google流資料作成術』 >コール・ヌッスバウマー・ナフリック/日本実業出版社

本書もグーグルという名前に釣られて購入。ディープラーニングの本の隣に並んでいたので、一緒に買ってしまったのだ。感想としては可もなく不可もなくといったところであろうか。資料作成術といいつつも、大半がグラフの作り方に関するもの。ビジュアルをふんだんに使い、分かりやすく解説されているが、デザインには人の好みもあるので、すべてのグラフが素晴らしいとは感じられなかった。

本書のポイントをひとことで言うならば「グラフを作成する際は、できるだけシンプルなデザインにし、何が言いたいのかを明確にすること。グラフにメッセージ性を持たせること」であろうか。世の中にはごちゃごちゃと見づらいグラフが多いことを指摘しており、「認知的負荷」を最小限に抑えることが重要と述べている。

そのためにはエクセルなどでグラフを作成する際にも、標準機能をそのまま使うのではなく、枠線・メモリなど不要なものはどんどん削除していくこと。また色使いも重要であり、筆者は通常のグラフはグレーの濃さを変えて表現し、重要なところには青色を使用しているとのこと。また赤を使う時は原色ではなくあずき色のような色を使用するそうだ。

滝グラフ(ウォーターホールグラフ)や、スロープグラフなども紹介されており、普通の棒グラフや折れ線グラフしか知らない人にとっては一読の価値があるのではなかろうか。ちなみに、ビジネスシーンでは円グラフはあまり多用すべきではないとのこと。円グラフの代わりに、横向きの棒グラフを使うのが筆者のお薦めだそうだ。



【目次】

第1章 コンテキストを理解する
第2章 相手に伝わりやすい表現を選ぶ
第3章 不必要な要素を取りのぞく
第4章 相手の注意をひきつける
第5章 デザイナーのように考える
第6章 モデルケースを分解する
第7章 ストーリーを伝える
第8章 さあ、全体をまとめよう
第9章 ケーススタディ
第10章 最後に

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