2012年02月09日

日経ビジネス[2012.02.06]”裸管”の汚職を防げるか

 「裸体官員」という言葉を初めて聞いたのは2年ほど前のことだろうか。中国人の同僚と雑談をしていて出てきた言葉。その時、同僚は、お金やコネがある役人は、家族を海外に住ませることができる。その役人が、自分一人でリスクを負い、収賄などで蓄財し、海外に送金する。万が一、本人が捕まっても家族に害が及ばないようリスクヘッジしている、と説明してくれた。

 2012年1月4日、広東省の共産党委員会の全体会議で「配偶者や子弟が海外に居住している党幹部は、原則として党組織のトップや、重要かつ敏感な部門のリーダーに就任できない」と決められたとの記事。中国が汚職社会であることは有名だが、こういった記事が日本のメディアに掲載されるというのは、よほど注目されているということであろうか。アジアのほかの国にもあることだし、日本だってあまり大きな顔はできない。

 役人だけでなく、病院なども腐敗の温床と化しているようだ。そもそも中国では医者の給料がさほど高くなく、付け届けや薬品会社などからのキックバックを副収入にしているそうである。

 しかるべき地位の人にはしかるべき報酬を与えるというのが教科書的な解決策であろう。仕事の重要性に見合わない安い報酬では、やる気もでないし、別の手段に走ってしまうというのは、分からなくはない。しかしながら、人間の欲望にはキリが無く、たとえ報酬を上げたとしても、根絶するのは難しいであろう。少しでも減らすためには厳罰しかないと思う。

 一方で、清廉潔癖だが政治力のない人と、清濁併せ呑む辣腕政治家のどちらを選ぶか、という究極の選択もある。今の日本を見ていると、多少癖があっても日本をぐいぐいとリードした、田中角栄のような政治家が必要なのかもしれないとも感じる。

 何だか取り留めのない感想になってしまったが、私の考えとして、基本的に汚職は徹底的に排除すべき。しかしながら、そうは言ってもという世界があることをキチンと認識しつつ、人の心理をしっかりと理解しながら物事を進めないと、特に新興国でのビジネスは難しい、というもの。何だか歯切れが悪いなぁ。。。

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2012年02月07日

1001 『挫折力』

◇1001 『挫折力−一流になれる50の思考・行動術』 >冨山和彦/PHPビジネス新書

 一度講演を聴講してから、冨山氏のファンに。コンサルタント出身ながら、現場重視型の地に足の付いた経営論には大いに共感する。その講演会で私が発した質問に対し「赤字の子会社や海外の現地法人など、とにかく修羅場になりそうな場所を経験しなさい」との回答をいただいた。その念願が叶って、今、こうして上海の地にいるわけである。

 期待値が大きかったので、本書に関しては少し期待はずれの感あり。特に前半部分は、前著の繰り返しとなる部分が多くて残念。しかしながら、後半から冨山節が加速していく。ご本人が「平成日本版『君主論』みたいな」とおっしゃっている通り、組織内の権力闘争など、どろどろした部分にまで踏み込んで、挫折にどうやって打ち克っていくかを事例を交えながら書いていらっしゃる。

 さて、本書を読んで痛烈に感じたのは「経営には、時には冷徹な切るという判断が必要になる」ということ。経営は撤退が一番難しいとはよく聞く話だが、挫折を知らない日本的経営者は、特にそれが苦手だと指摘する。結果として、本来の「切る」べきタイミングから大きく遅れての経営判断となり、大きな痛みを伴うことになってしまう。

 選択と集中が叫ばれて久しく、不採算事業からの撤退がセオリーであることは、誰しもが理解していること。しかしながら、現実的に事業撤退となると、工場閉鎖などで職を失う人が出てきたり、社内的にはスケープゴートが必要になったり、とネガティブなアクションが必要になる。これを嫌って先送りする日本的経営者がいかに多いかを筆者は指摘している。

 いい人ではなく、有事の際に体を張れるような人物、そうでなければ、今のような波乱に満ちた経済環境でのかじ取りは難しいという。そのためにも、挫折を知り、修羅場で胆力を磨くことが大切だ、というのが本書の主旨である。

 それでは気になった部分を抜粋。

・大久保(利通)のケースにかぎらず、「組織のために、あなたには死んでもらいます」といえるかどうか、そこが有事のリーダーには問われる。相手が共同体の外にいるならまだやりやすいが、仲間を殺そうとするとき、人はどうしてもためらいが生まれる。いい人であったはずの自分像を放棄しなければならないし、友情も捨てなければならない。その人との機能までの良き思い出をすべて放棄することは、自分を否定することにもつながりかねない。それだけの覚悟があるかどうかだ。

・留学で学んだことには、面白いことも、そうでないこともあった。競争戦略やマーケティング論、組織論は、正直ほとんどが訳に立たない、つまらない内容だった。一方、金融学と経済学は、きちんとした学問ということもあり、面白かった。

・彼らには意外な脆さがある。それは、「間違いを恐れる」こと、そして「嫌われたくない」という思いが年を追うごとに高まっていくということだ。

・弱小集団の将あるいは中間管理職としてさまざまな悲哀を味わうことで、権力、責任そして人間社会の本質が見えてくる。

・「昼寝」も「がむしゃらに働く」のも、いずれもその心境はいわば「無心」である。その瞬間、いろいろな煩悩とか、後悔とかの雑念は吹き飛んでいる。なにせ挫折して失うモノは何もない状態だから、雑念が吹き飛んだあと、あなたの五感は、きっと透明で世の中をありのままに洞察できるようになっているはずだ。

・あなたがリーダー役の場合、物事には失敗が付き物であり、いかなる場合も撤退ありうべしという前提で、退路と撤退のロジスティクスを秘かに準備しておくことは、リーダーとしての必須の責任である。

・負け戦に直面している困難な状況における世の中の決断は、失敗による焦りや問題状況からくるストレスから解放されたいあまりに拙速に失敗してしまうケース、逆に決断する勇気がないという理由だけで不合理な先送りをするケースのどちらかが大半だ。わかりやすい例でいうと、国境紛争や宗教対立、あるいは海外で訴訟を受けている状況などは、日本人のリーダーは全社の誤りにはまる場合が多い。逆に組織内部の血が流れるとか、内部の利害対立が深刻な問題については、後者の過誤が起きやすい。的確なタイミングで果敢に決断する能力とともに、先送りすべきものは平然と先送って紛争状態を放置できる人や組織は、挫折や敗北に強い。

・古くから人間観に関して、性善説か、性悪説かという議論がある。しかし、厳しい状況にあってほとんどの人間が剥き出しにするのは「性において弱い」という本性だ。そう、「性弱説」に立って人間を見つめるのが私は正しいと思う。

・人間の為すこと、人間関係の泥沼の裏には、善悪一如のからくりがあることがわかると、人間にかかわる嫌な話、負の側面も、よりポジティブに、建設的に考えることができるようになる。逆に、「善良」「正義」「倫理」とかの美しい言葉に対しもっと懐疑的になる。悪徳の中の善良を見る視点、善良の中の悪徳を見る視点、この両方を身につけると、人の世は突然、立体的で、カラフルで、面白いものに見え始める。

・相手をどこまで信用できるかは二つの変数からなっていると考えている。一つは「その人物が人間的にどこまで信用できるか」、もう一つは「その人の置かれた立場がどこまで信用できるか」である。

・部下と自分の「時間」という、人生でもっとも貴重な資源の配分権は、ほとんどが課長の裁量の中にあるのだ。「会社の利益」「課の利益」「課員それぞれの利益」の共通集合を見出す最大の鍵は、この時間の使い方、使わせ方にある場合がほとんど。このことは、部長になり、役員になり、社長になっても同じだ。

・文殊の知恵も三人まで。「三人寄れば文殊の知恵」は、ふつう複数の人の知恵を持ち寄ることの効能をいっていることになっている。しかし、たくさんの知恵を集めるなら十人でも百人でもいいところを、「三人」に限定したところにこそ、まさに古人の「知恵」があると思う。

・文学、哲学、歴史学、政治学そして経営学、いずれの分野でも長年にわたり読みつがれているものには、物事の本質、人間性の核心に近いことが書かれている。するとその原理原則を踏まえつつも、現実の解は、自らが苦心惨憺してひねり出した手づくりの処方箋しか正解たりえないことがわかってくる。

・同じ歴史物を読むなら、「心理戦」として読むことだ。そのほうが、ずっと参考になる。お金や権力がどこでどう使われ、それに対して誰がどう対応したか。


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2012年02月06日

書評の評価

 ミステリー中心の読書から、ビジネス書中心に切り換えた頃から、これでいいのかなと考え始めていたのが、私がつけている書評の評価の意味。非常に感銘を受けたものには◎、よかったものには○、普通だなと思ったら△、今ひとつだと×、と評価させていただいていた。

 ミステリーを読んでいる時には、この評価でもよかったように思う。時には好き嫌いで評価することもあるが、フィクションであれば好き嫌いが出るのは当たり前だから。

 しかしながら、ビジネス書に対してこれでいいのかな、というのが最近の感覚。特に「△」というと、私としては「普通」なのだが、一般的に見ると「今ひとつ」と受け取られてしまうのではないか、と感じてみたり。

 どんな内容であれ、本を一冊書くというのは大変な作業。その著書に敬意を示す意味でも、安易に△だとか、×だとかいう評価記号を付けるべきではなかったなと反省。若気の至りだが、一度はじめてしまった基準を変えるのもどうかと思い、ずっとそのままになっていた。

 とはいえ、自分がよかったと思う本の書評は、抜粋していることもあり、何度も読み返したりする。まったく、個人的な評価の足跡が残らないというのも、わかりづらい。そこで、1000冊突破を機に、◎と○の評価のみを残し、普通や今ひとつのものは、無印に、いや無印だとバランスが悪いので◇と表記させていただくことにします。

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2012年02月05日

カンブリア宮殿:ミカヅキモモコ社長・物河昭

 今日は箇条書きのメモで。

・女性向けの300円均一ショップ。大手キャラクターメーカーのアウトレット商品を安く仕入れて売るシステム。

・女性社員が95%の会社。女性のマーケティングセンスを目の当たりにしてから、任せる経営に切り替え。

・アルバイト→契約社員→正社員、というステップアップ。

・社長のモットー=「立場が人を作る」 アルバイトにも店長を任せる。

・仕入れ価格は150円に統一。高くても安くてもいけない。これは値段交渉ではなく「300円で売れる商品を直感的に見抜く」ことに集中させるため。

 すごいなと思ったのは、仕入れ価格の統一である。普通であれば、バイヤーの仕事の重要な一部を構成する価格交渉。これをバッサリと省いてしまうというのは、なかなか出来ることではない。不要なものを削る経営の、よきお手本であろう。

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2012年02月04日

1000 『カラマーゾフの兄弟』

◎1000 『カラマーゾフの兄弟』 >ドストエフスキー/光文社古典新訳文庫

 背表紙あらすじ:【第1巻】父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが…。

 【第2巻】ゾシマの言葉にしたがって、アリョーシャは父の家に出かける。父と長男ミーチャとの確執は、激しさを増していくようだ。イリューシャとの出会い、スネギリョフ大尉の家で目にしたものなど、アリョーシャの心はさまざまに揺れ動き、イワンの「大審問官」で究極の衝撃を受ける。

 【第3巻】ゾシマの死に呆然とするアリョーシャ。しかし長老の遺体には、信じられない異変が起こる。いっぽう、第2巻で〈消えて〉いたミーチャは、そのころ自分の恥辱をそそぐための金策に走り回っていた。そして、ついに恐れていた事態が。父フョードルが殺された! 犯人は誰なのか?

 【第4巻】11月初め。フョードル殺害犯として逮捕されたミーチャのまわりで、さまざまな人々が動きだす。アリョーシャと少年たちは病気の友だちを見舞い、イワンはスメルジャコフと会って事件の「真相」を究明しようとする。そして裁判で下された驚愕の判決。ロシアの民衆の真意とは何か!

 ついに1000冊目。宣言どおり『カラマーゾフの兄弟』を読了。元旦から読み始めたので約1ヶ月をかけて読み通したことになる。とはいうものの、最初はなかなか物語の世界に入り込むことができず、エンジンがかかり出したのは第3巻から。3、4巻はベトナム旅行中に読了した。(主に寒かったハロン湾の船の中で。。。)

 本書を購入したきっかけはとある雑誌の記事。智の巨匠、立花隆氏が雑誌のコラムで取り上げていて、今までの謎が氷解したとコメントしていたのを読み、取り寄せたもの。しかしながら、全5巻というヴォリュームに圧倒され、なかなか手を出せないでいたのだ。

 実は今回の書評は、第5巻のエピローグまでを読んで書いている。別巻として収録されているエピローグだが、この第5巻には、「解題」として、訳者である亀山郁夫氏の解説が付されている。まずはこの解説を読む前に、自分なりの感想を書いておきたいと思ったもの。一部には、亀山氏の訳に対しての批判もあるようだが、物語に集中し、率直な感想を述べておきたい。

 まず驚かされたのは物語の構成である。特に第2巻では、2番目の兄・イワンが語る「大審問官」、アリョーシャが語る「ゾシマ長老の一代記」と作中作が散りばめられている。作中作と言えば私の頭にすぐに浮かんでくるのが筒井康隆の『驚愕の荒野』 これを読んだ時にはそのぶっ飛んだ構成に驚かされたが、今回は、さらにぶっ飛んだ構成の作品が、今から100年以上も前に上梓されていたことに、ただただ驚いた。

 冗長とも言えるこの作中作。個人的にはこの部分をなかなか読み進めることができず、随分と苦労したのだが、筆写の宗教観、哲学観を如実に表わしている非常に重要な箇所でもある。残念ながらロシア宗教に対する知識がほとんど無いため、正直よく理解できない部分も多かったのだが「神は存在するのか」という根源的な問いを発しており、宗教に対する自分なりの考えをしっかりと持った後で、もう一度読み直してみたいと思わせられた。

 第3巻以降からは、3兄弟の性格や行動が丹念に書き込まれ、かつ、父殺しというミステリー的要素も加わってくるため、読書スピードは加速していく。読みこなすのが難しい第2巻だが、ぜひ諦めず読了していただきたい。その先には素晴らしい世界が待っている。

 さて、本書に関しては、哲学書、宗教書、ミステリー、恋愛小説という、さまざまな側面から読み込むことができるのであろうが、私が一番着目したのは「人間の二面性」について。以前から、人間の持つ両極端な二面性について興味を持っており、何度も引用して恐縮だが、フィッツジェラルドの「第一級の知性とは、両極端の考え方を、同時に併せ持ち、かつそれらを正常に機能させることのできる人間である」という言葉を追求してみたいと考えている。

 その象徴的なシーンとして、イッポリート検事のセリフを抜粋してみよう。

「わたしは、まさにこのことが言いたかったのです。つまり彼のような人間は、あらゆる両極端をいっしょくたにできるし、ふたつの深みを同時に眺めることができるのです。それはすなわち、頭上にたかだかとひろがる理想の深みであり、眼下に大きく口を開けた、悪臭ふんぷんたる底なしの深みです。

 ここで思い起こしていただきたいのは、ラキーチン氏が述べられた卓抜な意見です。彼はカラマーゾフ一家を、深くまぢかに見てこられた若い観察者ですが、『あのようなけじめのない奔放な気質にとっては、卑しい堕落の感覚が、気高い高潔さの感覚とおなじくらいに必要不可欠なもの』と述べておられます。これは真実です。まさにそうした気質にとっては、この不自然なまぜこぜが、いつもたえず必要とされるのです。ふたつの深み、ふたつの底なしですよ。みなさん。まったく同時に、なのです。それがなければ彼は不幸であり、その存在は不十分なものとなるのです。彼は極端です。母なるロシアの大地のように広大です。彼はすべてろ呑みこみ、そのすべてと折り合いをつけていけるのです!」

 ここでの彼とはドミートリー(ミーチャ)のことだが、この両極端性は、イワンにもアリョーシャにも現れているし、他のサブキャラクターにも垣間見える。

 人間、だれしも二面性を持つものであるが、物語の中ではついつい単一的なキャラクターになりがちである。に対して、本書は脇役に至るまで丁寧に人間性を書き込んだ名作と言えるであろう。

 『カラマーゾフの兄弟』については、亀山氏の新訳の他に、原卓也訳・新潮文庫全3巻、米川正夫訳・岩波文庫全4巻が入手可能。次回は、違った訳でこの壮大なる物語を味わってみたいものである。2000冊目の目標にでもしようか。。。

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2012年02月03日

プロフェッショナル・仕事の流儀:松本人志

 松本人志氏の笑いに対する姿勢や思いには、頭が下がる。私自身は、テレビが好きではないので、あまり彼の番組を見たことがない。むしろ著書などで、お笑いに対する姿勢を読んだ程度。とはいえ、関西で生まれ育ち、子供の頃からお笑いが日常であった身からすると、彼の笑いのレベルが、高いというよりも、突き抜けていることはよく理解できる。まさに次元が違う、のである。

 笑いがシュール過ぎて「松本の笑いは難しい」とまで言われる男。しかしながら、自分はあくまでも芸人であり、芸術家になってはいけないと、自らを戒める。

 彼の生き様を書き連ねてみよう。

・笑いは生き物

・現場、空気感、鮮度が大事

・笑いは七並べ、最後のカードをどこで出すかを考える

・過去の笑いを捨て続ける

・面白い人と面白くない人は表裏一体

・笑いの裏には悲しみがある

・笑いのすべてをやりつくす

・プロフェッショナルとは、素人に圧倒的な力の差を見せ付けられる人

 一番意外に感じたのは、古典的な笑いに対する造詣が深いところ。落語や藤原寛美などの笑いもしっかりと研究しているという。独自の世界観からくるシュールな笑いだとおもっていたのだが、基本はきちんと押さえているということであろう。まるで、ピカソのように。「過去の笑いを捨て続ける」というポリシー。これはとてつもなく、しんどい作業である。自己否定の繰り返し。これができるからこそ、20年近く、笑いのトップの座に座り続けることができるのであろう。視聴者に阿ることなく、難解と言われようと、究極の笑いを追及してもらいたいなぁ。

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2012年02月02日

越南旅行(ミーソン)

 5日目はミーソン遺跡へ。こちらも世界遺産だが、遺跡というだけあって8世紀から13世紀の建造物が草木に埋もれて静かに残っている。チャンパ王国の聖地だった場所だとのこと。

 遺跡の多くはベトナム戦争の際に基地として使用されていたため、多くがアメリカ軍の空爆で破壊されてしまっている。それでも現存しているものの保存状態は素晴らしく、遺跡の壁から緑の草が鮮やかに吹き出しており、そのコントラストが美しい。

 ホイアンからはバスで1時間半。半日のバス・ツアーに参加してのだが、今回は大半が中国人だった。春節は家族で過ごすのが主流と聞いていたが、だんだん中国も変わりつつあるということであろうか。私も子供の頃は正月は親戚一同が集る場だったが、大学生になる頃には帰省もしなくなり、親戚同士も面倒だからと一同に会することはなくなっていった。これと同じことが起きているということであろう。

 ミーソンからホイアンに戻り、少し休憩してから空港へ。この日の夜便でハノイに戻り、翌朝、上海へ。振り返ってみると、移動が多くバタバタとした旅行であったが、久しぶりに温暖な土地を訪れ、大いにリフレッシュできた。

 また、言葉が通じない不安を久しぶりに味わったのも、いい意味でよかったと思う。中国での生活ももうすぐ5年。少し気が緩んで来ているので、新しい場所で不安を感じるのは大切なこと。気を引き締めつつ、また休み明けから頑張ろう。

【ミーソン遺跡】
ベトナム7


ベトナム8


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2012年02月01日

越南旅行(ホイアン)

 3日目、ハロン湾からハノイに帰り、そのまま飛行機でホイアンへ。ホイアンに空港はないので、ダナンという街を経由。夜9時半の便でホテルに辿り着いたのは12時近く。ちゃんと車が迎えに来るか、ホテルにチェックインできるかと、いろいろ不安だったが、すべてスムースに進んだ。

 4日目は、こちらも世界遺産に登録されているホイアンの街並みをぶらぶらと歩いて見物。中国にゆかりの深い建物が多く、孔子廟、関公廟(関羽廟)、福建会館など、まさに中国風の建築物だらけ。ベトナムに来て中国風の仏閣を見るというのも不思議な感じ。門には漢字が描かれており、文化伝来の面白さを感じる。

 この街は日本人との関係もあり、街中には日本橋(来遠橋)と呼ばれる橋が残されている。当時の日本人が地震にも耐えられるようにと頑丈につくった橋。1593年建造とのことで、日本は鎖国前。この橋の東側が日本人町、西側が中国人町となっていたとか。

 ホイアンの思い出の一つは美味しい食事。ホイアン名物といえばカオ・ラウ、ホワイト・ローズ、揚げワンタンの3つ。地元でも評判のチュンバック(Trung Bac)という店に行き、3つとも注文。カオ・ラウは日本の伊勢うどんがルーツの麺。あっさりしたきし麺風のヌードル。ホワイト・ローズは餃子のような食べ物。半透明の皮が開いているさまが白いバラのように見えるからと名づけられたもの。揚げワンタンも旨く、大満足。妻と二人でたらふく食べて1200円程度。旨くて安い。いやぁ堪能堪能。

 ホイアンは、ハノイの気候と打って変わって汗ばむほど。天気にも恵まれ、のんびりと街めぐり。中心地は半日もあれば十分に回りきることができる。食事も旨く、歴史を感じることもできる。お勧めの観光スポットである。

【ホイアンの街並み】
ベトナム6


【孔子廟】
ベトナム4


【日本橋】
ベトナム5


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2012年01月31日

越南旅行(ハロン湾)

 初日は上海からハノイへの移動のみ。2日目はバスでハロン湾へと向かう。ここは世界遺産に指定されているのだが、海沿いに奇岩が広がる不思議な風景。「海の桂林」とも呼ばれているそうである。

 この海の桂林を船で過ごすというのが今回のツアー。我々は「Golden Lotus 号」に乗り込み、ここで一泊。同じバスに乗り合わせた観光客とともに、同じ船に乗り込む。ほとんどが欧米人でアジアからは私達とシンガポール在住のインド人のみ。船の上では、インド人のご夫婦と仲良くなれた。

 話を聞いていくと、他の欧米の方も香港在住であったり、中国の珠海在住であったり。春節で長期休暇が取りやすいのと、中国からだと比較的近いのとが、主な理由であろうが、それにしても中国のプレゼンスが高まっているのを感じさせる一面であった。

 ツアーにはさまざまなイベントが盛り込まれており、近くの鍾乳洞見学、海水浴、カヌー、船での小島めぐりなど。ただし、思っていた以上に寒く、結局鍾乳洞見学のみに参加し、他のイベントはパス。まだ2日目なので風邪をひいてしまっては元も子もない。

 船では、デッキから眺める景色が優雅である。また個室の窓からも風景を楽しむことができ、なかなか乙なもの。もう少し気候が暖かければ最高だったであろう。いかんせん寒くて、部屋で布団をかぶってうずくまっていた。残念。

 ハノイからはバスで片道4時間。バイクが多くてバスもスピードが出せず、少しいらいらしながら進んでいく。妻としてはもう少しリゾート気分を味わえるのではと期待していたそうで、いつもの中国国内旅行と変わらんやん、と突っ込まれてしまう。

【ハロン湾】
ベトナム1


【ティエンクン洞】
ベトナム2


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2012年01月30日

越南旅行

 春節は8連休。中国国内は混むので海外へ。今年は、まだ行ったことのないベトナムを選んでみた。しかしながら、春節のツアーは値が張る。かといって団体ツアーはあまり好きではないので、とりあえず航空チケットだけ予約して、現地の旅行会社にアレンジしてもらうことにした。

 お願いしたのは友人に紹介してもらったThe Sinh Touristという旅行会社。ハロン湾、ホイアン、ミーソンといった世界遺産を観光するツアーをアレンジ。e-mailでやりとりしながら、ホテル、ベトナム国内の航空券、さらにはタクシーを手配してもらった。メールしてから、2日後くらいに返事が返ってくるというスローペースながら、まずまずの対応。きちんと英語も通じるし、旅程の変更などにも柔軟に対応してくれたので、なかなかの好印象である。

 自分としては、こんなものかと安心していたところ、妻に確認してもらうと、現地での待ち合わせ時間や場所など、細かな部分が詰め切れていない。確かに、ホテルのピックアップの時間などやり取りした記憶がない。もっときちんとしておかないと、言葉が通じないかもしれないよと脅され、現地についてからいろいろと電話で確認する破目になってしまった。ちょっと反省。

 結局、前の日に翌日の日程を電話で確認しながら(旅程全体を確認しようとするとNo Problemと返されてしまい、確認できなかったのである)何とかトラブルもなく無事帰還。要所要所では英語が通じたので何とかなったが、やはり言葉が通じないというのは不便。改めてコミュニケーションの大切さを噛み締める思いであった。

 さて、各所の感想は別に記載することにして、ベトナム全体の感想を。今回訪れたのはハノイとホイアンという街。ハノイは活気付いていたが、まだまだ発展の可能性を感じさせる街。その際、いつもついつい気にしてしまうのがファストフードなどの進出具合。今回は、KFCを発見した。中国の地方都市だと、KFC→マクドナルド→スターバックスの順で、経済の発展段階が分かるように感じているのだが、この指標からすると、これからまだまだ発展の余地があると言えそうである。まぁ外資のファストフードがあるかないかで発展度を決めるのも、固定観念が強いかもしれないが。

 通貨はベトナム・ドン。桁が大きいので、貨幣価値に慣れるのに時間がかかった。日本円対ドンだと、1円=267ドン。ざっくり250ドンとすると、ドンのゼロを3つ取って、4を掛けると日本円になる。つまり、100,000ドンは400円程度ということ。今回は、手持ちの日本円を持って行って現地で両替しようと思っていたのだが、1万円札しかなく、しかも到着したときに空港の両替所がすべてクローズ。ホテルで両替できると聞いていたのに、1万円分のドンはないと言われ、非常に心細い思いをした。とりあえず小額をクレジットカードでキャッシングし、当座をしのぐ。やはり海外で現金がないというのは、本当に心もとない。

 街中にはシクロと呼ばれる客が前方に座り、運転手が後ろでペダルを漕ぐ自転車のような乗り物が闊歩している。しかしながら、ガイドブックでは乗客が事故にあいやすく、運転手が助かるという非常に危険な乗り物として紹介されていたので、断念。自動車も増えてはいるがまだまだバイク社会。そのバイクの運転も荒く交通事故は頻発しているそうである。

 最後に言葉について。こんにちははシン・チャオ、ありがとうはカム・オン。声調が6つあるとのこと。私が購入したガイドブックには、日本語と似ていると記載されていた。例えば注意はチュイ、衣服はイフック、管理はクァンリ、などなど。ただ、私にとっては、むしろ中国語に似ているのではと感じられた。中国語だと、注意はチューイ、衣服はイーフ、管理はクァンリィ、である。まぁ日本語にせよベトナム語にせよ、ルーツは漢字文化という証左である。

 現在、ベトナム語はアルファベット表記化されており、漢字の意味が分かる人はほとんどいないとのこと。それでも、古い仏閣などには、まだまだ漢字が残されている。また、春節中に訪問したこともあり、いたるところに「福」の字を書いた赤い紙が貼られていた。一方、簡単な英語であれば街中の小さな商店でも十分に通じる。コミュニケーション能力は日本人よりずっと上だと感じた。

 そうそう、今回のエントリー・タイトルの越南というのは、中国語でベトナムのこと。また今回訪れたハノイは「河内」、ホイアンは「会安」と書くそうである。ちなみにホーチミンは、旧名サイゴン。これは「柴棍」と書くとのこと。

 ざっくりとベトナムの印象を列挙してみた。印象的だったのは、道の真ん中でUターンしようとしている車に出会ったとき、運転手が「This is Vietnam」とつぶやいたこと。中国ではよく見る光景なのだが。。。

【ハノイの街並み】
ベトナム3


【田園風景を車窓から】
ベトナム9


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2012年01月23日

2012春節

 今日は旧正月の大晦日。私が中国に赴任してからは、規制が厳しくなり、花火や爆竹は控えめだったそうだが、今年は強烈だった。家の前でも花火と爆竹が鳴り響き、轟音が炸裂。ベランダで見物していると、20メートルほど目の前で花火が。爆竹の赤い残骸が風に待って飛んでくる。見る見る間に煙が充満し、大迫力。

 火災の危険があるからということで、取締りが強化されていたのだが、今年は随分と緩い感じがする。爆竹の音を聞き、煙の匂いを嗅ぐと、正月だなという感じになるから不思議。日本だと除夜の鐘の音を聞くようなものだろうか。

 ベランダからのショットを数枚。新年快楽、大吉大利、万事如意、恭喜発財。

春節


春節2


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2012年01月21日

脳みそを卸金で削るような。。。

 久しぶりに疲れた〜

 上海に転勤してからは、部下に委譲できる仕事はできるだけ委譲し、管理レベルのアップ、効率化の推進、教育プログラムの作成など、将来に役立つような仕事に取り組むよう心がけてきた。シンセン勤務の時に比べると時間的には、かなり余裕ができ、深夜残業や休日出勤は随分と少なくなった。

 しかしながら、春節前のこの二週間は、久しぶりにバタバタと忙しく、疲れきったという感覚。中国の経済環境を分析した上で、2012年度の方針を考えたり、今後予想されるリスクを想定して、弁護士と打ち合わせを行ったり。忘年会や新年会も続いたせいもあるだろう。

 自分で自分の仕事内容を意識的に変えてきたこともあり、とにかく考えながら進める仕事が多い。一日中頭を使い続けていると、夕方5時ごろには急に甘いものが食べたくなったり、濃いコーヒーが飲みたくなったり。

 最近はブログに自分の精神状態は、できる限り書かないようにしている。というのも、ブログに書いたところで解決するわけでもなく、何だか自分に言い訳しているように感じるから。

 にもかかわらず、このようなエントリーをしているのは、こういったしんどい時の経験というのは、貴重だと思うから。一度、究極的な状態を経験すると、次に同じような状況に陥った時に耐性ができていて、比較的簡単にその局面を乗り越えられるようになる。

 今日の帰り、会社のエレベーターを下りながら、ふと、脳みそが大根おろしになったように感じた。そう、卸金でごりごりと削られているような。そんな想像をした途端、耳の奥から脳みそを削る音が聞こえてきそうで怖くなってしまった。

 明日から春節。春節中は中国国内は混むので、いつも海外に行くことにしている。今年はベトナムへ。しばらくIT機器から離れてみようと思うので、ブログもしばらくお休み。

 それでは皆様、新年快楽、明年見!

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2012年01月20日

カンブリア宮殿:スーパーホテル会長・山本梁介

 日本への出張の際に、ネットで格安ホテルを検索してたどり着き、宿泊したのがスーパーホテル。ちょうど1年ほど前の話である。実際に泊まってみて、鍵がないことにびっくり。また、普通のビジネスホテルだと思っていたのだが、思った以上に部屋の雰囲気がよく、落ち着いてゆっくり眠ることができたのを思い出す。

 今回、カンブリア宮殿に登場していてびっくりしたのだが、なるほど、と思わせる合理的な経営である。番組では「引き算の経営」と言われていたが、当たり前だと思っていた余計なものを削ぎ落とすと、こういったシンプルな仕組みが出来上がるのであろう。「削ぎ落とす」という視点は、異業種でも参考になるだろう。以下、その例を抜粋しておこう。

・チェックアウトなし。(チェックアウト時の精算が不要になるようにしてある)
・部屋に電話無し、飲み物無し(精算が不要となるように)
・部屋の鍵なし。暗証番号で入室可能(これも精算が不要となるように)
・従業員は他のホテルの半分。深夜のフロントなし。
・レストラン無し、宴会場無し。

 一方で、快適な睡眠については、こだわりを見せている。マーケティングの結果、利用客であるビジネスパーソンの大半は、仕事を終え、食事を終え、ホテルには寝に帰るだけ、という人が多い。であれば、ぐっすり眠れるようにしようというのが、狙いである。

 防音にこだわり、室内は図書館よりも静か。壁には防音剤を入れ、冷蔵庫は防音設計。また数種類の枕を選べるというこだわりよう。「削ぎ落とし」と快適な睡眠という「一点突破」。見事な経営方針である。

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2012年01月19日

プロフェッショナル・仕事の流儀:本田圭祐

 この番組を見るまであまり存在を知らなかった選手。テレビは普段からほとんど見ず、中国に来てからはさらに疎くなってしまった。サッカーも中田選手が引退してからはほとんど見ておらず、へぇこんな選手がいるんだと驚き。非常にポジティブな考え方に感心しつつ、共感を覚えた。

・膝の怪我をした際、これは逆にチャンスだと考えた。なぜなら、今までは目の前の試合のことで頭が一杯だったのが、はじめて長期的な視点、遠い試合に向けて、自分を作り直せると思ったから。

・走りはさほど早くない。しかし、毎日走るための訓練、スピードを上げるためのトレーニングを行っている。これは通常の練習に加えて、プラス・アルファのトレーニングとして行っている。走るスピードは、すぐに効果が出るものではないが、毎日、他の選手が休んでいる時にトレーニングを重ねていけば、0.1秒でも早くなれるかもしれない。ピッチでの0.1秒というのは、大きな差になってくる。

・谷が無ければ山の喜びが感じられない。谷に転げ落ちて這い上がるという新しい発見、新しい喜びがある。

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2012年01月18日

日経エレクトロニクス[2012.01.09]中国リスク攻略・原料依存を超えて

 まずは一部を要約して引用。

・日本メーカーの「6重苦」 1.円高、2.他国と比べて高い法人税率、3.製造業への労働者の派遣規制、4.自由貿易協定への傘下の遅れ、5.温室効果ガスの排出規制、6.震災後の電力不足。

・中国は世界のレアアースの約97%、天然黒鉛の約73%、蛍石の約55%を生産する。

・17元素からなるレアアースは、ネオジム(Nd)やジスプロシウム(Dy)がモータ向けネオジム磁石、ランタン(La)やガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)がレンズ向け光学ガラス、ユーロピウム(Eu)やテルビウム(Tb)などが蛍光灯やLED向けの原料として、セリウム(Ce)はガラスの研磨剤として使用される。

・中国はレアアースの輸出規制を鉱山の環境汚染を名目に推進してきたが、現在は「日本メーカーの中国誘致が目的」だとはっきりと口にするようになった。

・日本メーカーの取るべき道は2つに分かれる。1.中国に進出し現地生産に踏み切る、2.日本に留まり対策技術を開発。

・中国に競合がいない日本の部品・部材メーカーは、中国進出を目指すべき。政府からの要求も少なく、合弁会社設立を求められることもないからだ。

・中国進出時の懸念材料は技術流出。工場設立時に、工場の設計図を当局に提出しなければならず、この段階で技術流出が起こる可能性も否めない。

・レアアースの鉱山からは複数の元素が取れるが、一部の元素について代替が進んだり、少量で済むようになると、同時に生産される、他の「代替が利きにくい元素」で元を取ろうと、価格に上乗せが行われる可能性があるという。

 2011年はレアアースの高騰で、私の勤務先も多少の影響を受けた。特に磁石関係は原料費の高騰が著しく、価格面で相当に苦労した。中国のレアアースに限らず、日本の震災、タイの洪水など、一極集中のリスクがクローズアップされた一年だったように感じる。

 「選択と集中」というのはよく聞く言葉だが、「選択と分散」が必要な時代なのかもしれない。戦力の逐次投入、戦力の分散投入はセオリーからするとタブーであるが、もはやこういった常識すら通用しないほど、世界は様変わりしてきているということであろうか。

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2012年01月17日

日経ビジネスの中国関連記事

 昨日、日経ビジネスの中国関連の記事を読んでいて、あれっと思った。中国の人名や地名など固有名詞の上に、カタカナで中国語の読み仮名が振ってあるのだ。いわゆる「普通語」読みで。

 なぜか今までは、中国語読みをする固有名詞は非常に少なかった。すっと思い起こせるのは上海(シャンハイ)くらいだろうか。北京も中国語読みでは「ベイジン」となる。毛沢東は「モウタクトウ」であり、日本人は誰も「マオツォートン」とは発音しない。韓国の固有名詞はハングル読みをするのに、なぜだろうかと、ずっと不思議であった。

 ただでさえ難しい中国語であるが、中国語を無理やり日本語読みしてしまう弊害は結構大きいと思う。初歩的な会話を進める上で、名詞というのは非常に重要。この重要なコミュニケーション・ツールを、無理やりの日本語読みが奪っているといっても過言ではなかろう。

 筆談が可能なシチュエーションであれば何とかなるが、常に紙やペンを携帯している訳でもなく、口頭でのやり取りが必要な場合、たとえカタカナ読みであっても、中国語読みができれば、少しはコミュニケーションが成立するかもしれない。

 そういった意味で、ささいなことかもしれないが、中国の固有名詞に中国語読みが付記されるというのは、非常によいことだと感じた次第。日本においても、それだけ中国のプレゼンスが高まってきたという証左であろうか。

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2012年01月16日

ビジネスパーソンの基礎トレーニング

 一流のスポーツ選手は基礎トレーニングを怠らないという。野球のイチロー選手、サッカーの中田元選手、などが基礎トレーニングを黙々と続けている(いた)というのは、有名な話。将棋の棋士である羽生名人も、詰め将棋がトレーニングのようなものだと言い、毎日続けているとのこと。

 私自身、大学までは結構本格的にスポーツに取り組んでいたので、基礎トレーニングの重要性は重々認識している。社会人になってからも、ビジネスパーソンにとって、何かトレーニングが必要なのではないかと、ずっと考え続けてきた。

 なかなか適切な解が見出せないでいたのだが、例えば「毎日勉強を続けること」「毎日読書を続けること」などが、基礎トレーニングに該当するのではないか、というのがおぼろげながら頭にあった。しかしながら、何か違う、とずっともやもやしていたのである。

 最近になって、漸くそれなりに納得のいく解に辿り着くことができた。それは「日々、考え続けること」である。なぁんだ、という気もしないでもないが、大事なことはシンプルなものである。勉強もしかり、読書もしかり、これらは「考える」為の、糧である。また、考えることは、仕事をしながらでも行うことができる。というよりも、仕事をしながらも考えなければならない。

 スポーツの基礎トレーニングと似ているのは、1日や2日やらなくても問題は生じないが、ずっとやらないと明らかにレベルが下がってしまうという点。急に考えろ、と言われてもよい思考などできはしない。やはり「日々、考える」である。

 そのために意識すべきことが3つあると感じている。

 1つ目は、思考の時間を取ること。忙しく仕事に追われているだけではよい思考はできない。時にはじっくりと考える時間も必要である。忙しければ忙しいほど、実は考える時間を作らなければならないかもしれない。前向きな仕事、先を読んだ仕事、など、よい仕事をするためには考えることが大事である。

 2つ目は、思考を表現すること。できれば文章で。私の場合、このブログが一つの思考の場になっている。文章にすることで、自分の考えがしっかりとまとまっていく。もやもやしている感覚的なことや、概念的なことを、うまく文章で表現できた時は、非常にうれしい。また、他の方が自分が言いたかったことを見事に文章にしているのを見ると、これが言いたかったんだと納得するとともに、少し悔しかったりもする。

 3つ目は、自分と異なる意見・考えに出会ったときに、拒否反応を起こさないこと。反対意見に与したり、同意したりする必要はないが、意見は意見として聞くこと。自分と同じ意見、耳ざわりのいい意見だけを聞いていたのでは、発展はないし、なによりも思考に広がりや深さがなくなってしまう。

 そんな訳で、ブログのサブタイトルは「日々、考え続ける。」 ちょっとした思い付きなども、ブログで取り上げることで、意外に深く考えることができたりするものである。ツイッターなどのつぶやき系もよいが、それなりにまとまった文章を書くというのは、非常に重要なトレーニングだと思うのである。

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2012年01月15日

第一線の方々と

 いわゆる元旦から春節(旧正月)に向けてというのは、中国では新年会と呼ぶべきか忘年会と呼ぶべきか微妙である。まぁ、名目はさておき、飲み会が続いている。先日、中国ビジネスの第一線で活躍されているお二方と、それぞれご一緒する機会があった。

 月曜日はシンセン駐在時に知り合った弁護士の高田先生。NNAという情報媒体に労務管理や通関管理の記事を連載されている方。上海に転勤になってからは初めてお会いするので、もう1年半ぶりくらいだろうか。旧交を温めつつ、懐かしい話や、お互いの将来の話などを語り合う。私のほうが仕事が立て込んでいて、2時間に満たない食事会だったが、非常に前向きなパワーをいただいた。先生曰く、執筆活動をしてはどうかとのこと。本を書くという行為には憧れはあり、そのうちそのうちと思っているうちに、どんどん時間だけが経っていってしまっている。これは2012年の目標にするかなぁ。

 火曜日は、水野真澄氏。丸紅から独立して、水野コンサルタントを設立された中国コンサルの第一人者。飲み会であるにもかかわらず、実務で困っていることを質問攻めにしてしまった。後半は独立の際の苦労話などもお伺いし、散会。以前も書いたことだが、質問に対して即答が返って来るのがありがたい。しかも、その件は以前同じような事例があり、当局に確認しました、という回答なので安心できる。まぁ当局の回答もころころ変わったりするので、慎重に進めなければならないのだが。

 お二人に共通しているのは、自分の知識をビジネスにしているという点。私自身は管理部門所属で、社内では営業部門の相談相手になったりもする。しかしながらあくまでもコスト・センターであり、彼らのように自らの知識でカネを稼ぐ、というスタイルには少し憧れる。もちろんプロである以上、普段から知識の収集に努められており、なかなか真似のできることでないことは百も承知なのだが。

 いずれにせよ、こういった第一線の方々とお会いすると、自分がまだまだだと思い知らされる。これも成長のための一歩。また、明日から、いや今日から頑張ろう。

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2012年01月14日

カンブリア宮殿:万協製薬社長・松浦信男

 阪神大震災を経験した杉浦社長が、従業員に必要とされる企業にしようと、熱く語る姿に胸を打たれた。「万協製薬が必要だ」というのが、地震の時に一番聞きたかった言葉だという。「16年前は僕だけの万協製薬、今はみんなの万協製薬」という言葉に、静かだが深い感動を覚えた。

 企業戦略としても的を得ている。神戸での復帰が難しく、三重県で再起したのだが、従来作成していた痔の薬だけでは事業が立ち行かず、「医薬品のOEM」という道を模索する。杉浦氏曰く、レンタルビデオの仕組みを真似たとのこと。医薬品の製造に必要な設備をレンタルビデオに見立て、高価なものをわざわざ買わなくても、皆で共有できればいい。製造設備=ビデオは、万協製薬が準備し、各メーカーに共有し利用してもらう。

 また受身のOEMではなく、攻めも積極的に行っている。つまり、自分たちでオリジナルの医薬品を開発し、製薬メーカーに相手先のブランドで発売してもらったり、ドラッグストアの自社ブランドにしてもらったり。その際、薬のチューブや容器の大きさを統一しておき、一つのラインで複数の製品が製造可能になっている。

 さらには急な生産にいつでも対応できるよう、あえて工場の稼働率は30%程度に抑えているという。戦略あってのことだが、なかなか勇気のいる経営手法である。

 「続けていくことが経営者の務め。社長が諦めてしまったら全てが終わってしまう」 震災というとてつもない大きな壁を乗り越え、成功を勝ち取った杉浦氏だからこそ言える言葉であり、ずしりと重い一言である。

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2012年01月13日

JMM:2012年、日本経済にとって、もっとも重要な課題は?

 メルマガを読み始める前に、まずは自分なりに課題を考えてみた。列挙してみよう。

・財政赤字の克服と国債の削減。歳入増加については、消費税他の増税措置の検討、歳出削減については、支出内容の再見直しと公務員の効率化。

・少子高齢化社会への対応。福祉面の充実とモラルハザードを起こさないようなセーフティネットの確立。労働者不足に対しては移民の受け入れ検討。特に介護分野にて。

・震災後の東北地域の復旧と原子力発電対応。原子力については足元の問題対応と、長期的なエネルギー施策。

・経済面における日本のプレゼンス低下を防ぐ施策の実施。法人税の低減と規制緩和、労働力の流動性向上。

 寄稿家の皆さんのコメントを読むと、やはり国債の問題と原発の問題が大きくクローズアップされていた。また、デフレの解消も一般論では過大なのであろうが、個人的には解消すべきものかどうか今ひとつしっくり来ていないので、列挙しなかった。

 他にも課題は山積みなのであろうが、こういった問題が複合的に絡み合っており、身動きが取れなくなってしまっているのが今の日本ではなかろうか。身動きが取れないから、動かない。つまりは問題の先送りである。

 大きな問題に直面した時は、その問題を小さなものに分解していく。そうしてから、1つ1つ潰していく。この繰り返しでしか課題の解決の糸口はつかめないであろう。

 想定もしていなかった面白い回答は、真壁昭夫氏の「2012年、わが国にとって最も重要なポイントは、わが国企業の経営者がリスク回避的な“縮み思考”から脱却できるか否かだと考えます」というもの。ちょうど、日経ビジネスの三菱商事社長・小林健氏のインタビュー記事を読んだばかりで、リスクに対する考え方を変えるべき時なのだなぁと改めて思った。示唆に富む内容なので、全文を引用させていただく。

 ▼

 1990年代初頭、バブル崩壊以降の“失われた20年”の間、わが国企業の多くは不良債権の処理や過剰設備・過剰債務のストック調整にエネルギーを費やしてきました。その影響もあり、企業経営者は“羹に懲りてなますを吹く”=リスク回避的な行動を選択する度合いが高まっているように思います。時に、そうした行動は、あまりにリスク回避的な姿勢が強かったこともあり、ビジネスチャンスを逃すこともあったでしょう。それでは、ビジネスの成長性を実現することは難しいと思います。

 そろそろ、わが国企業もリスクを適正に評価して、そこから生み出されるビジネスチャンスにチャレンジすることが必要だと思います。リスクを適正に評価することによって、相応の期待収益を獲得できる案件を見つけ出すことも可能になるはずです。そろそろ、“失われた20年”から抜け出て、新しい時代を作り出すぐらいの発想の転換が必要だと思います。

 何故、来年にそうした期待を持つかというと、足元の世界経済の状況をみると、わが国経済にとってそれなりに有利な条件があるからです。まず、欧米先進国、特にユーロ圏諸国は“不動産バブル”等の後始末にエネルギーをとられている最中です。一方、わが国の経済は、“失われた20年”の間に、不良債権処理などのストック調整を済ませており、欧米企業よりも相対的に身軽に動けるメリットがあります。

 しかも、わが国は、これから世界経済の成長の中心になると期待される東アジア諸国とは地理的に近く、今後、それらの国で必要となるインフラ投資の技術やノウハウを保有しています。具体的には、道路や港湾施設、発電所の建設や新幹線網の整備などの技術は、充分に新興国の需要に対応できるはずです。

 また、アジアなどの新興国の所得水準が上昇すると、わが国企業の得意とする、アッパーミドルからハイエンドのプロダクト群に対する需要は拡大することが予想されます。既に、わが国企業が作る化粧品や一部の生活用品に対する需要の増加傾向は鮮明化しており、新興国向けの販売状況は、飽和状態の国内市場と比較するとかなり高い伸び率を示しています。それら有利な条件を上手く使うことができれば、わが国企業にとって大きなビジネスチャンスに発展する可能性は十分に考えられます。

 問題は、そうした潜在的なビジネスチャンスをどうやって活かすかです。まず必要なことは、潜んでいるビジネスチャンスを見つけ出すことです。ビジネスチャンスを見つけるためには、過度にリスク回避的スタンスでは難しいと思います。むやみにリスクに怖気づくのではなく、冷静かつ客観的にリスクを分析し、ある局面ではリスクを取って収益拡大を狙うことも必要でしょう。バブル崩壊後の“縮み志向”の考え方を転換して、収益機会を広げる発想を持つことが必要だと思います。

 90年代のバブル崩壊後、われわれ国民も企業経営者同様に、色々なことに真正面から対峙することを避けてきたのではないでしょうか。それが、今、社会保障制度の行き詰まりや財政状況の悪化などの問題につながったと思います。もう既に、これらの問題を放置しておける状況ではなくなっています。企業も国民も、ここらで覚悟を決めて問題から逃げずに正面から対峙して、解決策を真剣に検討すべき段階に来ていると思います。2012年は、それを現実にすべき年だと思います。


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