2009年12月01日
PRESIDENT 2009.09.14 財務3表一体 「決算書」の読み方
営業・投資・財務キャッシュフローがそれぞれ、+(プラス)か−(マイナス)かで、次の8つのパターンに分類される。
1. 営業+ 投資+ 財務+
「現金収集型」 大型の投資案件を抱えている可能性も
営業活動で稼いだうえ、借り入れもしているため財務活動もプラス。この場合、設備投資のため現金を集めている可能性も。
2. 営業+ 投資+ 財務−
「堅実立て直し型」 財務体質を改善中か?
営業活動でキャッシュを生みながら、投資活動で手元の固定資産も売却。財務活動では借金を返済している。筋肉質の財務体質を構築中か。
3. 営業+ 投資− 財務+
「順調成長型」 典型的な優等生パターン
営業活動で設けたキャッシュのほかに借り入れも行い、投資活動を積極的に行っている。典型的な優良企業のパターンだ。
4. 営業+ 投資− 財務−
「積極運営型」 稼いだ金で積極投資の野心家
本業で稼いだ現金で、借金を返済するとともに、投資活動には積極的。手元に潤沢な資金があることがうかがえる。
5. 営業− 投資+ 財務+
「悪循環型」 このままいくと倒産!
調子の悪い会社の典型。営業活動のマイナスを借入金などの財務活動で穴埋めし、土地なども売らなければならないため投資活動もプラスに。
6. 営業− 投資+ 財務−
「その場しのぎ型」 手元の資産でなんとかやりくり
手元の資産売却で、本業の損を埋めるとともに、借金の返済を行っている。このままだと、そのうち手元に資産がなくなる。
7. 営業− 投資− 財務+
「ギャンブラー型」 向こう見ずな冒険家
営業で儲けていないのに、借り入れまでして、積極的に投資活動を行っている。将来的に賞賛の見込みがあるのか、もしくは無謀なのか。
8. 営業− 投資− 財務−
「キャッシュ潤沢型」 手持ちの現金で苦境を凌ぐ
営業活動で稼いでいないのに、借入金を返済し、投資活動も行っている。手元にそれなりのボリュームの現金があるのだろう。
1. 営業+ 投資+ 財務+
「現金収集型」 大型の投資案件を抱えている可能性も
営業活動で稼いだうえ、借り入れもしているため財務活動もプラス。この場合、設備投資のため現金を集めている可能性も。
2. 営業+ 投資+ 財務−
「堅実立て直し型」 財務体質を改善中か?
営業活動でキャッシュを生みながら、投資活動で手元の固定資産も売却。財務活動では借金を返済している。筋肉質の財務体質を構築中か。
3. 営業+ 投資− 財務+
「順調成長型」 典型的な優等生パターン
営業活動で設けたキャッシュのほかに借り入れも行い、投資活動を積極的に行っている。典型的な優良企業のパターンだ。
4. 営業+ 投資− 財務−
「積極運営型」 稼いだ金で積極投資の野心家
本業で稼いだ現金で、借金を返済するとともに、投資活動には積極的。手元に潤沢な資金があることがうかがえる。
5. 営業− 投資+ 財務+
「悪循環型」 このままいくと倒産!
調子の悪い会社の典型。営業活動のマイナスを借入金などの財務活動で穴埋めし、土地なども売らなければならないため投資活動もプラスに。
6. 営業− 投資+ 財務−
「その場しのぎ型」 手元の資産でなんとかやりくり
手元の資産売却で、本業の損を埋めるとともに、借金の返済を行っている。このままだと、そのうち手元に資産がなくなる。
7. 営業− 投資− 財務+
「ギャンブラー型」 向こう見ずな冒険家
営業で儲けていないのに、借り入れまでして、積極的に投資活動を行っている。将来的に賞賛の見込みがあるのか、もしくは無謀なのか。
8. 営業− 投資− 財務−
「キャッシュ潤沢型」 手持ちの現金で苦境を凌ぐ
営業活動で稼いでいないのに、借入金を返済し、投資活動も行っている。手元にそれなりのボリュームの現金があるのだろう。
2009年11月30日
『ビジネス中国語キーワード600』
△0788 『ビジネス中国語キーワード600−滞在生活から接待・商談まで』 >塚本慶一/語研
最近、中国語のテキストを選ぶ際についつい見てしまう点が2つある。一つは「よろしくお願いします」という意味の「請多関照」があるかないか、そしてトイレのことを「厠所」と言っているかどうか、である。
一つ目の「請多関照」であるが、中国人はほとんど使わない。初対面でも「ニーハオ」でOKである。敢えて言うならば「幸会」という言葉が、「お会いできて光栄です」という意味で使われるようである。もう一つの「厠所」 これもあまり使わないらしく、レストランで若い女性の従業員に「厠所」はどこか、と聞いたら笑われてしまった。「洗手間」ということが多い。「厠所」は日本語で言うと「便所」という直接的な表現で、「お手洗い」という丁寧な言葉に直すと「洗手間」になる。また、これは私個人のイメージだが、「厠所」は水洗ではないトイレのような感じを受ける。
前置きが長くなってしまったが、要は「請多関照」と「厠所」という表記のあるテキストは、少し古かったり、日本人向けにあまり実用的ではない中国語が書かれている恐れがあると、疑ってしまうのである。
本書はこの2点とも記載されており、この点だけ見ると要注意。この他にも「この場をお借りして御礼申し上げます」といった中国人が実際に言うのかな?と感じるようなセリフもある。
と、最初に悪い点を書いてしまったが、ビジネスシーンで使用する単語が600以上取り上げられており、単語集という意味では有用であろう。特に、「価格」「経済」といった個人的に発音が苦手だった単語も、いろいろな例文で何度も出てくるので、付属CDを聞いていると、自然に耳に残りそうである。
以上を踏まえて、良い点・悪い点を挙げておこう。
<良い点>
・ビジネスに直結した単語が選出されており、重要な語については例文中で何度も使用されている。
<悪い点>
・表現がやや古い、または日本的で若干不自然に感じられる。
・例文にはピンインが付されているが、漢字と対応していない。(漢字の文章とピンインとが別々に記載されているため、印刷上ずれてしまっている。このため、個別の漢字の発音が知りたいときに、少し混乱する)

最近、中国語のテキストを選ぶ際についつい見てしまう点が2つある。一つは「よろしくお願いします」という意味の「請多関照」があるかないか、そしてトイレのことを「厠所」と言っているかどうか、である。
一つ目の「請多関照」であるが、中国人はほとんど使わない。初対面でも「ニーハオ」でOKである。敢えて言うならば「幸会」という言葉が、「お会いできて光栄です」という意味で使われるようである。もう一つの「厠所」 これもあまり使わないらしく、レストランで若い女性の従業員に「厠所」はどこか、と聞いたら笑われてしまった。「洗手間」ということが多い。「厠所」は日本語で言うと「便所」という直接的な表現で、「お手洗い」という丁寧な言葉に直すと「洗手間」になる。また、これは私個人のイメージだが、「厠所」は水洗ではないトイレのような感じを受ける。
前置きが長くなってしまったが、要は「請多関照」と「厠所」という表記のあるテキストは、少し古かったり、日本人向けにあまり実用的ではない中国語が書かれている恐れがあると、疑ってしまうのである。
本書はこの2点とも記載されており、この点だけ見ると要注意。この他にも「この場をお借りして御礼申し上げます」といった中国人が実際に言うのかな?と感じるようなセリフもある。
と、最初に悪い点を書いてしまったが、ビジネスシーンで使用する単語が600以上取り上げられており、単語集という意味では有用であろう。特に、「価格」「経済」といった個人的に発音が苦手だった単語も、いろいろな例文で何度も出てくるので、付属CDを聞いていると、自然に耳に残りそうである。
以上を踏まえて、良い点・悪い点を挙げておこう。
<良い点>
・ビジネスに直結した単語が選出されており、重要な語については例文中で何度も使用されている。
<悪い点>
・表現がやや古い、または日本的で若干不自然に感じられる。
・例文にはピンインが付されているが、漢字と対応していない。(漢字の文章とピンインとが別々に記載されているため、印刷上ずれてしまっている。このため、個別の漢字の発音が知りたいときに、少し混乱する)

2009年11月29日
インドの実態 「ヴァルナ・ジャーティ制」
インドに2年間駐在されていた方と、話をする機会を得た。読み始めた『フラット化する世界』で、インドのIT産業のことが鮮明な筆致で描かれていたので、現実はどうなのかと尋ねてみたところ、次のような解を得た。何事も自分で見てみないと分からないのであろうと、インドを覗いてみたくなった。
さて、氏曰く、インドのいわゆるカースト制度は、現地では「ヴァルナ・ジャーティ制」と呼ばれているとのこと。このうち「ヴァルナ」というのがいわゆる、4段階とか5段階とかの階級制度である。一方「ジャーティ」というのは、職業を区別したものであり、こちらは2000だとか、3000種類あるといわれているそうである。
このヴァルナとジャーティがマトリクスのように折り重なっているのがインドの階級制度の実態だそうである。ちなみに、インドの憲法上はカースト制度からなる差別階級を認めておらず、原則自由なのだが、インドの8割を占めるヒンドゥー教の教えに階級制度があるため、現実的にこの制度を廃止するのは困難だそうだ。また、ヒンドゥー教では輪廻転生を信じており、来世でひとつ上の階級に登る為には、現世で、上の階級の人に尽くしなさい、という教えがあるそうで、こういった背景から、反体制的な動きは起こりにくいのだそうだ。
さて、肝心のIT産業だが、前述の「ジャーティ」にIT産業は当てはまらないとのこと。つまり、つい最近生まれたばかりの産業である為、エアーポケットのように、区分されない領域となってしまったのである。よって、ヴァルナでは下の方の階級の若者達が、こぞってジャーティで区分されないIT産業に集中したとのこと。
こんな背景があるとは、まったく知らなかった。宗教は大事だが、あまりにも貧困を強いるような制度は現代社会にそぐわないように感じる。国を挙げて何とかしないと、せっかくの発展がどこかで頭打ちにならないだろうか。インドの発展を思うがゆえに心配になってしまう。
さて、氏曰く、インドのいわゆるカースト制度は、現地では「ヴァルナ・ジャーティ制」と呼ばれているとのこと。このうち「ヴァルナ」というのがいわゆる、4段階とか5段階とかの階級制度である。一方「ジャーティ」というのは、職業を区別したものであり、こちらは2000だとか、3000種類あるといわれているそうである。
このヴァルナとジャーティがマトリクスのように折り重なっているのがインドの階級制度の実態だそうである。ちなみに、インドの憲法上はカースト制度からなる差別階級を認めておらず、原則自由なのだが、インドの8割を占めるヒンドゥー教の教えに階級制度があるため、現実的にこの制度を廃止するのは困難だそうだ。また、ヒンドゥー教では輪廻転生を信じており、来世でひとつ上の階級に登る為には、現世で、上の階級の人に尽くしなさい、という教えがあるそうで、こういった背景から、反体制的な動きは起こりにくいのだそうだ。
さて、肝心のIT産業だが、前述の「ジャーティ」にIT産業は当てはまらないとのこと。つまり、つい最近生まれたばかりの産業である為、エアーポケットのように、区分されない領域となってしまったのである。よって、ヴァルナでは下の方の階級の若者達が、こぞってジャーティで区分されないIT産業に集中したとのこと。
こんな背景があるとは、まったく知らなかった。宗教は大事だが、あまりにも貧困を強いるような制度は現代社会にそぐわないように感じる。国を挙げて何とかしないと、せっかくの発展がどこかで頭打ちにならないだろうか。インドの発展を思うがゆえに心配になってしまう。
2009年11月28日
香港の印刷工場見学
先日、香港の某印刷会社を見学してきた。香港における製造業では、印刷業が企業数・就業者数とも第一位とのこと。これは、香港から他の業種の製造業がなくなり、中国へシフトしていることを物語っている。これ以外の主な製造業は、紡織製品、食品、金属製品、アパレルなどである。
印刷業についても、一部は中国へシフトしているが、規制の問題から印刷できないものがあり、香港での印刷需要が残っているそうである。分かりやすい例で言えばポルノ雑誌などがこれにあたるであろう。では、中国側では何を印刷しているかというと、紐綴じで手間のかかる高価な本や、飛び出す絵本やクリスマスカードといった手作業が必要なものなど、労働集約型の印刷が盛んだそうである。ものによっては、印刷を香港で行い、その後の装丁をシンセンで行うといった分業体制も敷いているとのこと。
高価な装丁の本は、中国から欧米への輸出が多く、米国向けが3分の1、欧州向けが3分の1、といった割合で、船便で郵送しても間に合うように、早い段階から計画的に印刷されるそうである。輸送費などのコストを差し引いても、圧倒的に中国で印刷する方がコスト面で優れているとのこと。
実際の工場は、大半がオートメーション化されており、凄い勢いで印刷され、裁断され、仕分けされて、糊付けされて、とあっという間に雑誌など本の体裁になっていく。雑誌に関しては、まさに消費、いや浪費の極致といった感がある。それでなくても広告など内容とは直接関係のない部分が多いと感じる雑誌であるが、それらが山積みにされている姿を見ると、少しばかり、資源の無駄遣いのように感じてしまう。工場の中ではそんなこと口にできなかったけれど。
こういった雑誌の山を見ると、この中に、本当に必要な情報がどれほどあるのかと考えてしまう。大衆向けだから、ある程度最小公倍数的な情報を詰め込む必要があるわけで、個々人にとっては、購入した雑誌のうち、半分だとか3分の1だとかを読めば、あとは捨ててしまうというパターンが多いのではなかろうか。今後、Web形式の情報コンテンツが益々充実してくると、雑誌は姿を消す運命にあるかもしれない。優良なコンテンツであれば、有料で販売することも可能であろう。必要な部分だけ切り売りすることにより、消費者にとっては格安で情報が入手でき、提供者の方も「印刷」や「配送」といった、大きなコストが削減できる。紙資源を省力できるので、環境にも優しいといえよう。
とはいえ、世の中から本が消えてなくなるのはまだまだ先のこと。見学先の工場は、次世代の印刷業に向けて邁進されていた。また、経営者の方々も非常に高い意識を持っていらして、好感が持てた。非常に有意義な時間であった。
【工場内に積まれた雑誌の山】

印刷業についても、一部は中国へシフトしているが、規制の問題から印刷できないものがあり、香港での印刷需要が残っているそうである。分かりやすい例で言えばポルノ雑誌などがこれにあたるであろう。では、中国側では何を印刷しているかというと、紐綴じで手間のかかる高価な本や、飛び出す絵本やクリスマスカードといった手作業が必要なものなど、労働集約型の印刷が盛んだそうである。ものによっては、印刷を香港で行い、その後の装丁をシンセンで行うといった分業体制も敷いているとのこと。
高価な装丁の本は、中国から欧米への輸出が多く、米国向けが3分の1、欧州向けが3分の1、といった割合で、船便で郵送しても間に合うように、早い段階から計画的に印刷されるそうである。輸送費などのコストを差し引いても、圧倒的に中国で印刷する方がコスト面で優れているとのこと。
実際の工場は、大半がオートメーション化されており、凄い勢いで印刷され、裁断され、仕分けされて、糊付けされて、とあっという間に雑誌など本の体裁になっていく。雑誌に関しては、まさに消費、いや浪費の極致といった感がある。それでなくても広告など内容とは直接関係のない部分が多いと感じる雑誌であるが、それらが山積みにされている姿を見ると、少しばかり、資源の無駄遣いのように感じてしまう。工場の中ではそんなこと口にできなかったけれど。
こういった雑誌の山を見ると、この中に、本当に必要な情報がどれほどあるのかと考えてしまう。大衆向けだから、ある程度最小公倍数的な情報を詰め込む必要があるわけで、個々人にとっては、購入した雑誌のうち、半分だとか3分の1だとかを読めば、あとは捨ててしまうというパターンが多いのではなかろうか。今後、Web形式の情報コンテンツが益々充実してくると、雑誌は姿を消す運命にあるかもしれない。優良なコンテンツであれば、有料で販売することも可能であろう。必要な部分だけ切り売りすることにより、消費者にとっては格安で情報が入手でき、提供者の方も「印刷」や「配送」といった、大きなコストが削減できる。紙資源を省力できるので、環境にも優しいといえよう。
とはいえ、世の中から本が消えてなくなるのはまだまだ先のこと。見学先の工場は、次世代の印刷業に向けて邁進されていた。また、経営者の方々も非常に高い意識を持っていらして、好感が持てた。非常に有意義な時間であった。
【工場内に積まれた雑誌の山】
2009年11月27日
『中国語ワードチェック』
△0787 『中国語ワードチェック−重要動詞・形容詞をおぼえよう』 >徐迎新・竹島毅/駿河台出版社
以前紹介した『中国社会事情を知って鍛える−中級中国語』は、かなり良いテキストだと思うのだが、難点が2つ。一つはもともとが新聞などに記載された原稿で、書き言葉であるため、話し言葉としては少々表現が堅い点。もう一つは、内容が、特に使用されている単語が難しく、なかなか達成感を得られない点である。
こちらは継続しつつ、少しレベルを落として、もう一冊テキストをこなそうと探している最中である。そんな中、香港の書店でよさそうだと思って手にとって見たのが本書である。簡単に良い点・悪い点を挙げておこう。
<良い点>
・動詞・形容詞の中から使用頻度の高い単語158語を抜き出して、例文をそれぞれ6個以上付している。
・例文が多いため、動詞・形容詞のもつニュアンスをつかみやすい。
・例文のレベルが高く、語法や文法、言い回しの勉強にもなる。
・ピンインが振られており、カタカナ表記はない。
<悪い点>
・日本語訳が別紙になっている。例文のレベルが高いため、なかには意味が分らない文もあり、別冊を見るのは面倒。
・対象が動詞・形容詞に限られているため、名詞については、別途学習する必要がある。
・付属CDの音声がやや遅い。
ちなみに、個人的にはこういったスタイルの例文を羅列するものよりも、『中国社会事情を知って鍛える−中級中国語』のように、ある程度まとまった文章のスタイルの方が好みである。これは人それぞれであろうが、本書のようなテキストで、単語本来の持つイメージや語法をしっかりと学ぶというのは有効なように感じる。

以前紹介した『中国社会事情を知って鍛える−中級中国語』は、かなり良いテキストだと思うのだが、難点が2つ。一つはもともとが新聞などに記載された原稿で、書き言葉であるため、話し言葉としては少々表現が堅い点。もう一つは、内容が、特に使用されている単語が難しく、なかなか達成感を得られない点である。
こちらは継続しつつ、少しレベルを落として、もう一冊テキストをこなそうと探している最中である。そんな中、香港の書店でよさそうだと思って手にとって見たのが本書である。簡単に良い点・悪い点を挙げておこう。
<良い点>
・動詞・形容詞の中から使用頻度の高い単語158語を抜き出して、例文をそれぞれ6個以上付している。
・例文が多いため、動詞・形容詞のもつニュアンスをつかみやすい。
・例文のレベルが高く、語法や文法、言い回しの勉強にもなる。
・ピンインが振られており、カタカナ表記はない。
<悪い点>
・日本語訳が別紙になっている。例文のレベルが高いため、なかには意味が分らない文もあり、別冊を見るのは面倒。
・対象が動詞・形容詞に限られているため、名詞については、別途学習する必要がある。
・付属CDの音声がやや遅い。
ちなみに、個人的にはこういったスタイルの例文を羅列するものよりも、『中国社会事情を知って鍛える−中級中国語』のように、ある程度まとまった文章のスタイルの方が好みである。これは人それぞれであろうが、本書のようなテキストで、単語本来の持つイメージや語法をしっかりと学ぶというのは有効なように感じる。

2009年11月26日
PRESIDENT 2009.11.02 激務トップ直伝! わが手帳の使い方
この季節になると特集されるのが手帳。もうすぐ年末だなぁと思わせられる記事であり、PRESIDENTだけでなく、多くの雑誌で特集されているであろう。
今回面白かったのは、日本マクドナルド・原田泳幸社長と、スクウェア・エニックス・和田洋一社長の手帳術。
まず原田氏だが、必ず1日2時間の空白を作るようにしているとのこと。「経営者としての判断を誤らないためには、ひとりになって仕事の中味を一つひとつ検証したり、整理したりする時間が不可欠だから」とのことだが、これは見習うべき点であろう。現状、1日2時間は難しいが、1週間に2〜3時間は少なくとも確保したいところ。
また、社員に対しても残業を禁止したとのこと。オンとオフとのけじめがクレージーな発想を生む、というのは、まさにワーク・ライフバランスである。氏曰く「社員が長時間労働に耐えることで製品のコスト競争力を上げるというのは、戦後の復興期の政策です。これからの日本企業はインテレクチュアル・プロパティー(知的財産)やクリエーティビティーで差別化を図っていかなければなりません。労働時間を延ばすというのは明らかに時代に逆行しています」とのこと。
全社一丸で残業ゼロに取り組んでいると、資料の1ページ目から読み上げるような会議や、パワーポイントにワープロの文章を貼り付けて読ませるといったプレゼンテーションは自然と減り、その分生産性は高まってきた、とのこと。仕事は時間ではない、質とスピードだ、というのは、改めて聞いても耳の痛い言葉である。
さて、もう一人・和田社長のスケジュール管理は非常にユニーク。とても興味深い内容であるし、要約するとニュアンスが損なわれそうなので、思い切って全文抜粋してみたい。「究極の手帳は指」だそうである。
社長になってからは、秘書が毎朝PCから打ち出してくれるA4のスケジュール表一枚だけを持ち歩いている。
もちろん、手帳を持っていた時期はあった。生まれて初めて手にした手帳は、中学生のときに貰った学生用の手帳だ。左側に一週間分のカレンダーがあり、右側がメモ欄になっているありふれたものである。社会人になるまで、このタイプの手帳をずっと使い続けていた。
しかし、野村證券に入社してから、どうしてもこのタイプの手帳では物足りなくなってきた。右側のメモ欄のボリュームが、書き留めたい内容に比べて、少なすぎたり多すぎたりして、自由度が低い。
そこで、入社数年目にカレンダーとメモ帳を分離した。カレンダーは、見開きで一か月分のペラペラのもの。メモ帳は無地のいわゆる”落書き帳”。一時期、このコンビを携えて仕事をしていた。
ところが、カレンダーはともかくとして、落書き帳に不満が募ってきた。私は生来、なるべくものを持ち歩きたくない人間で、書き留めたアイデアも、必要がなくなったら捨ててしまいたい。だが、綴じてある落書き帳を破ると、破った跡が見苦しい。
私は落書き帳をやめて、ペラペラのカレンダーとA4の白い紙一枚だけを持ち歩くようになった。ついには、A4の紙すら持たなくなった。なぜなら、オフィスには必ずコピー機があるので、A4の紙を携行しなくても、必要ならばトレーから取ってくればよいと気づいたからだ。
そして現在では、冒頭述べたように、A4のスケジュール表一枚だけを持ち歩いている。備忘にもこの紙が一枚あれば十分だし、思いついたアイデアは裏に書けばいい。私の手帳遍歴の再集計が、このスケジュール表一枚というわけである。
さて、自分の手帳が最終的に現在の形を取ることになった理由を考えてみると、それはメモにある。私がメモ用紙に求める機能を突き詰めた結果、この形にたどり着いたといっていい。
まず、アイデアを考えるためのメモ用紙は、罫線が入っていないほうがいい。なぜなら、罫線があると、アイデアが罫線に束縛される気がするからである。
たとえば、ある課題を解決するアイデアを生み出さねばならない場面を想定してみよう。重要性の高い論点が一つ。重要性の低い論点が三つ。これを罫線の入ったメモ用紙に一行ずつ書き入れると、重要性の低い論点が三行の幅を取ることになる。結果、重要性の高い論点よりも視覚的に”重く”見えてしまう。本来なら、最も重要な論点こそ大きく書くべきだが、罫線の束縛を受けて、軽重が逆転してしまうのである。
アイデアを書き留める際、あるいは自分のアイデアを他社に伝える際には、なるべく絵や図表で表現した方がいいと私は考えている。視覚は言語感覚に比べるとはるかに生理的なものだから、ウソや曖昧さの紛れ込む余地が少ない。逆にいえば、言葉で表現すると、論点が曖昧になりがちなのである。
とりわけ冗長な言葉は、論点を不明瞭にしてしまう。たとえば伝言ゲームを考えるとわかりやすい。ここに一つの名刺入れがある。これを、「革製で、黒くて、重さが約20グラムで…」といくら言葉を尽くして表現しても、イメージは正確には伝わらない。伝言ゲームの何人目かになれば、まったく違うイメージが伝達されてしまうことになるだろう。
アイデアを考えるのも、それを伝達するのも、極力、絵で描くべきであり、やむをえず言葉を使う場合は、なるべく簡潔なほうがいい。「黒」という一言なら、末端まで正確に伝わるだろう。
翻っていえば、私がA4一枚にたどり着いた理由は、社長としての意思を社員に正確に伝達するためでもある。自分のアイデアや意思は、純粋な結晶体にまで純化しなければ、組織の末端までに正確に浸透させることはできない。そのためには、罫線の入っていない白い紙に絵を描くのがベスト、と考えている。
もう一点、メモ用紙で重要なのは、日付とバインドされていないことである。先ほど、カレンダーとメモ帳を分離したと述べたが、それには、メモ帳と日付を分離するという意味合いもあったのだ。
なぜ、メモは日付とバインドされていてはいけないのか? アイデアが日付に縛り付けられるからである。
たとえば、カレンダーとメモ欄がバインドされている手帳の、8月31日の週のメモ欄に、あるアイデアを書き込んだとしよう。そのアイデアを、翌週、つまり9月7日の週に見る。すると、そのアイデアは先週思いついたアイデア、つまり”古いアイデア”に見えてしまうのだ。アイデアの中味はまったく変わっていないのに、日付とバインドされているがゆえに序列がついてしまう。
過去のアイデアを手帳に記録しておくのもよくない。先週のアイデアをリファインして、今週新しいアイデアにたどり着いたとする。このとき、過去のアイデアが手帳に残っていると、「先週はこう考えていたのに…」と、思考が過去に引きずられてしまう。
日付とバインドされることで、アイデアは不要な序列をつけられ、不要な束縛を受けてしまい、純度が落ちてしまう。
私はA4の紙に書き留めたアイデアをそのままの形で保存しておく。新しいアイデアが浮かんだら、古いアイデアは紙ごと捨てて、きれいに忘れてしまう。そうすることで、常にアイデアの鮮度を保つようにしているのである。
手帳を持ち歩かないと、大切なことを忘れてしまうという人もいるだろう。私は社外の人と会食をして有意義な話を聞いたときなどには、論点の数を指に記憶させるようにしている。
論点が3つあったら、テーブルの下で指を三本折る。そして、指を三本折ったことだけを記憶しておく。話の内容は忘れてしまっても、論点がいくつあったかを記憶しておけば、後になって復元が可能だからだ。オフィスに戻ってから、親指、人差し指、中指、というように順を追って思い出していけば、容易に内容を復元できる。
怖いのは、「忘れてはいけないことがある、ということ自体を忘れてしまうこと」である。記憶を回復させるキッカケさえ仕込んでおけば、この不安を回避できる。そういう意味で、私の究極の手帳は指、ということになるかもしれない。
今回面白かったのは、日本マクドナルド・原田泳幸社長と、スクウェア・エニックス・和田洋一社長の手帳術。
まず原田氏だが、必ず1日2時間の空白を作るようにしているとのこと。「経営者としての判断を誤らないためには、ひとりになって仕事の中味を一つひとつ検証したり、整理したりする時間が不可欠だから」とのことだが、これは見習うべき点であろう。現状、1日2時間は難しいが、1週間に2〜3時間は少なくとも確保したいところ。
また、社員に対しても残業を禁止したとのこと。オンとオフとのけじめがクレージーな発想を生む、というのは、まさにワーク・ライフバランスである。氏曰く「社員が長時間労働に耐えることで製品のコスト競争力を上げるというのは、戦後の復興期の政策です。これからの日本企業はインテレクチュアル・プロパティー(知的財産)やクリエーティビティーで差別化を図っていかなければなりません。労働時間を延ばすというのは明らかに時代に逆行しています」とのこと。
全社一丸で残業ゼロに取り組んでいると、資料の1ページ目から読み上げるような会議や、パワーポイントにワープロの文章を貼り付けて読ませるといったプレゼンテーションは自然と減り、その分生産性は高まってきた、とのこと。仕事は時間ではない、質とスピードだ、というのは、改めて聞いても耳の痛い言葉である。
さて、もう一人・和田社長のスケジュール管理は非常にユニーク。とても興味深い内容であるし、要約するとニュアンスが損なわれそうなので、思い切って全文抜粋してみたい。「究極の手帳は指」だそうである。
社長になってからは、秘書が毎朝PCから打ち出してくれるA4のスケジュール表一枚だけを持ち歩いている。
もちろん、手帳を持っていた時期はあった。生まれて初めて手にした手帳は、中学生のときに貰った学生用の手帳だ。左側に一週間分のカレンダーがあり、右側がメモ欄になっているありふれたものである。社会人になるまで、このタイプの手帳をずっと使い続けていた。
しかし、野村證券に入社してから、どうしてもこのタイプの手帳では物足りなくなってきた。右側のメモ欄のボリュームが、書き留めたい内容に比べて、少なすぎたり多すぎたりして、自由度が低い。
そこで、入社数年目にカレンダーとメモ帳を分離した。カレンダーは、見開きで一か月分のペラペラのもの。メモ帳は無地のいわゆる”落書き帳”。一時期、このコンビを携えて仕事をしていた。
ところが、カレンダーはともかくとして、落書き帳に不満が募ってきた。私は生来、なるべくものを持ち歩きたくない人間で、書き留めたアイデアも、必要がなくなったら捨ててしまいたい。だが、綴じてある落書き帳を破ると、破った跡が見苦しい。
私は落書き帳をやめて、ペラペラのカレンダーとA4の白い紙一枚だけを持ち歩くようになった。ついには、A4の紙すら持たなくなった。なぜなら、オフィスには必ずコピー機があるので、A4の紙を携行しなくても、必要ならばトレーから取ってくればよいと気づいたからだ。
そして現在では、冒頭述べたように、A4のスケジュール表一枚だけを持ち歩いている。備忘にもこの紙が一枚あれば十分だし、思いついたアイデアは裏に書けばいい。私の手帳遍歴の再集計が、このスケジュール表一枚というわけである。
さて、自分の手帳が最終的に現在の形を取ることになった理由を考えてみると、それはメモにある。私がメモ用紙に求める機能を突き詰めた結果、この形にたどり着いたといっていい。
まず、アイデアを考えるためのメモ用紙は、罫線が入っていないほうがいい。なぜなら、罫線があると、アイデアが罫線に束縛される気がするからである。
たとえば、ある課題を解決するアイデアを生み出さねばならない場面を想定してみよう。重要性の高い論点が一つ。重要性の低い論点が三つ。これを罫線の入ったメモ用紙に一行ずつ書き入れると、重要性の低い論点が三行の幅を取ることになる。結果、重要性の高い論点よりも視覚的に”重く”見えてしまう。本来なら、最も重要な論点こそ大きく書くべきだが、罫線の束縛を受けて、軽重が逆転してしまうのである。
アイデアを書き留める際、あるいは自分のアイデアを他社に伝える際には、なるべく絵や図表で表現した方がいいと私は考えている。視覚は言語感覚に比べるとはるかに生理的なものだから、ウソや曖昧さの紛れ込む余地が少ない。逆にいえば、言葉で表現すると、論点が曖昧になりがちなのである。
とりわけ冗長な言葉は、論点を不明瞭にしてしまう。たとえば伝言ゲームを考えるとわかりやすい。ここに一つの名刺入れがある。これを、「革製で、黒くて、重さが約20グラムで…」といくら言葉を尽くして表現しても、イメージは正確には伝わらない。伝言ゲームの何人目かになれば、まったく違うイメージが伝達されてしまうことになるだろう。
アイデアを考えるのも、それを伝達するのも、極力、絵で描くべきであり、やむをえず言葉を使う場合は、なるべく簡潔なほうがいい。「黒」という一言なら、末端まで正確に伝わるだろう。
翻っていえば、私がA4一枚にたどり着いた理由は、社長としての意思を社員に正確に伝達するためでもある。自分のアイデアや意思は、純粋な結晶体にまで純化しなければ、組織の末端までに正確に浸透させることはできない。そのためには、罫線の入っていない白い紙に絵を描くのがベスト、と考えている。
もう一点、メモ用紙で重要なのは、日付とバインドされていないことである。先ほど、カレンダーとメモ帳を分離したと述べたが、それには、メモ帳と日付を分離するという意味合いもあったのだ。
なぜ、メモは日付とバインドされていてはいけないのか? アイデアが日付に縛り付けられるからである。
たとえば、カレンダーとメモ欄がバインドされている手帳の、8月31日の週のメモ欄に、あるアイデアを書き込んだとしよう。そのアイデアを、翌週、つまり9月7日の週に見る。すると、そのアイデアは先週思いついたアイデア、つまり”古いアイデア”に見えてしまうのだ。アイデアの中味はまったく変わっていないのに、日付とバインドされているがゆえに序列がついてしまう。
過去のアイデアを手帳に記録しておくのもよくない。先週のアイデアをリファインして、今週新しいアイデアにたどり着いたとする。このとき、過去のアイデアが手帳に残っていると、「先週はこう考えていたのに…」と、思考が過去に引きずられてしまう。
日付とバインドされることで、アイデアは不要な序列をつけられ、不要な束縛を受けてしまい、純度が落ちてしまう。
私はA4の紙に書き留めたアイデアをそのままの形で保存しておく。新しいアイデアが浮かんだら、古いアイデアは紙ごと捨てて、きれいに忘れてしまう。そうすることで、常にアイデアの鮮度を保つようにしているのである。
手帳を持ち歩かないと、大切なことを忘れてしまうという人もいるだろう。私は社外の人と会食をして有意義な話を聞いたときなどには、論点の数を指に記憶させるようにしている。
論点が3つあったら、テーブルの下で指を三本折る。そして、指を三本折ったことだけを記憶しておく。話の内容は忘れてしまっても、論点がいくつあったかを記憶しておけば、後になって復元が可能だからだ。オフィスに戻ってから、親指、人差し指、中指、というように順を追って思い出していけば、容易に内容を復元できる。
怖いのは、「忘れてはいけないことがある、ということ自体を忘れてしまうこと」である。記憶を回復させるキッカケさえ仕込んでおけば、この不安を回避できる。そういう意味で、私の究極の手帳は指、ということになるかもしれない。
2009年11月25日
JMMを読んでの感想(郵政民営化のどこを見直せばいいのか)
金井伸郎氏が「統廃合で金融を扱う局が近くになくなり、タクシーで貯金を下ろしに通う高齢者もいる」と抜粋している。このような記事を見ると、先日考察した居住区の集約化というのも、ゆめゆめ非現実的ではないように感じてしまう。
一方で、現金そのものを自宅に届ける、という昔ながらのサービス(ATMの発達で今はあまり見られなくなったのではなかろうか)を復活させるというのも面白いなと思った。この際、銀行や郵便局がその役割を担うのではなく、ヤマト運輸やFedexといった郵送業者がロジスティクスの一貫としてサービス提供すれば効率的ではなかろうか。(そういえば、郵便局はもともと金融機関ではなく物流業務が中心だったなぁ)
一方で、現金そのものを自宅に届ける、という昔ながらのサービス(ATMの発達で今はあまり見られなくなったのではなかろうか)を復活させるというのも面白いなと思った。この際、銀行や郵便局がその役割を担うのではなく、ヤマト運輸やFedexといった郵送業者がロジスティクスの一貫としてサービス提供すれば効率的ではなかろうか。(そういえば、郵便局はもともと金融機関ではなく物流業務が中心だったなぁ)
2009年11月24日
『6時に帰るチーム術』
○0786 『6時に帰るチーム術−なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか?』 >小室淑恵/日本能率協会マネジメントセンター
講演会の際に、ご本人から直接推薦していただいた本。かなり力を入れて書きました、という言葉の通り、なかなかの力作である。チームとして仕事を進め、仕事を効率化、合理化していくノウハウが散りばめられている。
一番効果的かなと感じたのが朝メールと夜メール。筆者が指摘している通り、ITの発達でホワイトカラーの各人の仕事というのは見えにくくなってきている。パソコンに向かってキーボードを叩いていれば、それが私用メールであっても判別しづらい。また、欧米型のパーテーションで区切られた形のオフィスであれば、なおさら誰が何をしているかが分かりづらくなるであろう。
早速導入してみようかと考えたのだが、文化の異なる中国のスタッフに、いきなり毎日メールでの報告を求めるのは性急かもしれないと考え、まずは週報の形で実行することにした。仕事の改善を目的とし、日々の仕事の記録を取ることにより、合理化できるものがないかを皆で相談しようと、呼びかけてみたのである。
まだ開始して2週間だが、この人はこんな仕事をしていたのか、と目から鱗が落ちる思い。自分が把握していなかった仕事も結構あり、中身を聞いているとなかなかおもしろい。
また、関連する仕事を持っているスタッフを3〜4人集めて、この週報をもとにスモール・ミーティングも開催することにした。ミーティングを開いてみると、今まで私に相談したくてもできなかった、いろいろなことが出てくるではないか。自分一人が忙しくしていて、いかに部下に気を回せていなかったかを目の当たりにし、ショックを受けてしまった。反省、反省。
私から少しアドバイスをするだけで、随分と効率が上がりそうなものもあるし、中には、何でそんな仕事をやっているの?というものもある。不要な仕事が前任者からの引継でそのまま残っている、という悪例である。
また仕事に余裕がある部下と、忙しい部下とが非常に明確に分かるので、仕事の分担を考え直す際の参考にもなりそう。さらには、半年に一回の賞与査定などの際に、こういった記録があると有効である。仕事の成果というと、どうしても査定の直近のものに目がいきがちであるが、こうした記録を取っておくことにより、公平な査定が可能になりそうである。
最初は抵抗があるかと思っていたが、私が話を聞く場を持ったことにより、週報を書く手間が相殺されたようで、今のところ不満の声は聞こえてこない。しばらく続けてみて、軌道に乗ったら、本書で紹介されている他の手法も試してみたい。
すべてを一気に実行するのは難しいが、自分に、あるいは自分の職場に適すると思った項目から、少しずつ導入していけばよいのではなかろうか。あくまでも目的は仕事の効率化・合理化である。本書の手法をそのまま取り入れる必要はなく、むしろ自社にあった形にモディファイして、スタッフが働きやすい環境を作ることが筆者の願いでもあろう。

講演会の際に、ご本人から直接推薦していただいた本。かなり力を入れて書きました、という言葉の通り、なかなかの力作である。チームとして仕事を進め、仕事を効率化、合理化していくノウハウが散りばめられている。
一番効果的かなと感じたのが朝メールと夜メール。筆者が指摘している通り、ITの発達でホワイトカラーの各人の仕事というのは見えにくくなってきている。パソコンに向かってキーボードを叩いていれば、それが私用メールであっても判別しづらい。また、欧米型のパーテーションで区切られた形のオフィスであれば、なおさら誰が何をしているかが分かりづらくなるであろう。
早速導入してみようかと考えたのだが、文化の異なる中国のスタッフに、いきなり毎日メールでの報告を求めるのは性急かもしれないと考え、まずは週報の形で実行することにした。仕事の改善を目的とし、日々の仕事の記録を取ることにより、合理化できるものがないかを皆で相談しようと、呼びかけてみたのである。
まだ開始して2週間だが、この人はこんな仕事をしていたのか、と目から鱗が落ちる思い。自分が把握していなかった仕事も結構あり、中身を聞いているとなかなかおもしろい。
また、関連する仕事を持っているスタッフを3〜4人集めて、この週報をもとにスモール・ミーティングも開催することにした。ミーティングを開いてみると、今まで私に相談したくてもできなかった、いろいろなことが出てくるではないか。自分一人が忙しくしていて、いかに部下に気を回せていなかったかを目の当たりにし、ショックを受けてしまった。反省、反省。
私から少しアドバイスをするだけで、随分と効率が上がりそうなものもあるし、中には、何でそんな仕事をやっているの?というものもある。不要な仕事が前任者からの引継でそのまま残っている、という悪例である。
また仕事に余裕がある部下と、忙しい部下とが非常に明確に分かるので、仕事の分担を考え直す際の参考にもなりそう。さらには、半年に一回の賞与査定などの際に、こういった記録があると有効である。仕事の成果というと、どうしても査定の直近のものに目がいきがちであるが、こうした記録を取っておくことにより、公平な査定が可能になりそうである。
最初は抵抗があるかと思っていたが、私が話を聞く場を持ったことにより、週報を書く手間が相殺されたようで、今のところ不満の声は聞こえてこない。しばらく続けてみて、軌道に乗ったら、本書で紹介されている他の手法も試してみたい。
すべてを一気に実行するのは難しいが、自分に、あるいは自分の職場に適すると思った項目から、少しずつ導入していけばよいのではなかろうか。あくまでも目的は仕事の効率化・合理化である。本書の手法をそのまま取り入れる必要はなく、むしろ自社にあった形にモディファイして、スタッフが働きやすい環境を作ることが筆者の願いでもあろう。

2009年11月23日
PRESIDENT 2009.11.02 経営者たちの四十代:永守重信・日本電産社長
起業した際に「日本電産を、どのような会社にしていくか。明快に決めていた。総合型の大企業はも、もう古い。インテルやマイクロソフトのように、何かに特化したニッチ型の大企業にする。核は「回って動くもの」。すなわちモーター類を中心に、その部品や素材、応用品に集中することだ。M&Aの対象も、そうした分野に絞る」と決めていたとのこと。
これは従来の日本企業にはあまりなかった発想ではなかろうか。これから生き残っていく為には、経営トップがこういった明快な考えを抱いていないといけないと思わせられる一文であった。
これは従来の日本企業にはあまりなかった発想ではなかろうか。これから生き残っていく為には、経営トップがこういった明快な考えを抱いていないといけないと思わせられる一文であった。
2009年11月22日
JMMを読んでの感想(公共事業の見直し・中止の判断基準とは?)
まず菊地正俊氏が指摘している、「狭い日本に98もの空港がある」とう事実にびっくりした。各都道府県に平均2つずつあるという計算になろうか。一方で国際空港が不便だというのは、どうかんがえてもおかしいし、税金の無駄遣いとしか思えない。一方で老朽化した橋梁や下水道などがなかなか整備されないでいるというのは、いかがなものであろうか。
さて、これを踏まえて真壁昭夫氏の指摘「公共事業に代わる所得移転の仕組みを提示されないと、多くの地方住民からは強い反対意見が出ることが予想されます」という点について、考察してみたい。これは、いわゆる道路工事などの公共投資をもってして、地方の景気対策を行ってきたことに対するコメントであろう。これらの景気対策の結果として、98もの空港が出来てしまったという点は否めない。
「公共事業に代わる所得移転」という言葉だが、これを道路などといった物理的なものではなく、ITを活用し、地方への所得移転が可能なサービス雇用の創出というのはできないものであろうか。例えば東京都で発生するサービス業務を地方のどなたかに依頼する。社会保険庁の年金問題の解決など、ITを使用すれば何とかなりそうなものを対象とするイメージである。もっと言うと、アメリカにおけるサービス業務の一部をインドで行っているように、大都市におけるサービス業務を地方で展開するようなことを、国が中心となって行えないかということである。要するに、役務の地方への分散。
これとは反対に、以前、小飼弾氏の著書で知った、過疎化した村から一斉に引き上げてきて、どこかの都市に集約して居住するという案も考えられる。こちらは地方からの居住の集約と言えるであろうか。「一斉に」というのがポイントで、各村などで培われた人間関係をそのまま持ち込むことができるし、単純に住む場所を変えるだけである。もちろんその土地土地への思いいれも大きいであろうが、土地からも人間関係からも切り離されてしまうよりは、抵抗感が少ないのではないかと考える次第。
これによって、病院、学校、道路、介護センタなどのインフラが、ある一定の地域に集約できるし、集約すれば働き手も増えるかもしれない。私の住んでいる近くの香港などは、東京の半分の面積の土地に、東京の半分の人口が集約している。これにより交通機関は非常に機能的に配備されているし、病院・学校なども、整備が行き届いていると感じられる。人が住むところに関して、「選択と集中」という言葉を使うのは不適切かもしれないが、日本が抱えている問題を直視すれば、どちらが重要かという問題になりえよう。もちろん住居を自由に決める権利は残るので、不便を覚悟の上で、昔の土地に住み続けることは誰も妨げない。
これによって、合理化され、削減できたコストは、将来に向けた投資に活用する。使われなくなった空港のサンク・コストは考えず、新しい国際空港への投資を増加する。(例えば羽田空港の更なる活用) 過疎が進んだ村の診療所を廃止し、集約された地方の病院の施設を更に拡充する。
また、日本はエネルギー問題も抱えているが、居住区を集約することによって使われなくなった広大な道路に太陽発電の設備を敷き詰めるというアイデアはいかがだろうか。「コンクリートから人へ」という理念を掲げるのであれば、ぜひとも、斬新な発想で大鉈を振るって欲しいものである。
いずれにせよ、今の日本を維持する為の費用と、将来発展する為の費用、という2つの局面から物事を見て欲しい、というのが一納税者としての意見である。
さて、これを踏まえて真壁昭夫氏の指摘「公共事業に代わる所得移転の仕組みを提示されないと、多くの地方住民からは強い反対意見が出ることが予想されます」という点について、考察してみたい。これは、いわゆる道路工事などの公共投資をもってして、地方の景気対策を行ってきたことに対するコメントであろう。これらの景気対策の結果として、98もの空港が出来てしまったという点は否めない。
「公共事業に代わる所得移転」という言葉だが、これを道路などといった物理的なものではなく、ITを活用し、地方への所得移転が可能なサービス雇用の創出というのはできないものであろうか。例えば東京都で発生するサービス業務を地方のどなたかに依頼する。社会保険庁の年金問題の解決など、ITを使用すれば何とかなりそうなものを対象とするイメージである。もっと言うと、アメリカにおけるサービス業務の一部をインドで行っているように、大都市におけるサービス業務を地方で展開するようなことを、国が中心となって行えないかということである。要するに、役務の地方への分散。
これとは反対に、以前、小飼弾氏の著書で知った、過疎化した村から一斉に引き上げてきて、どこかの都市に集約して居住するという案も考えられる。こちらは地方からの居住の集約と言えるであろうか。「一斉に」というのがポイントで、各村などで培われた人間関係をそのまま持ち込むことができるし、単純に住む場所を変えるだけである。もちろんその土地土地への思いいれも大きいであろうが、土地からも人間関係からも切り離されてしまうよりは、抵抗感が少ないのではないかと考える次第。
これによって、病院、学校、道路、介護センタなどのインフラが、ある一定の地域に集約できるし、集約すれば働き手も増えるかもしれない。私の住んでいる近くの香港などは、東京の半分の面積の土地に、東京の半分の人口が集約している。これにより交通機関は非常に機能的に配備されているし、病院・学校なども、整備が行き届いていると感じられる。人が住むところに関して、「選択と集中」という言葉を使うのは不適切かもしれないが、日本が抱えている問題を直視すれば、どちらが重要かという問題になりえよう。もちろん住居を自由に決める権利は残るので、不便を覚悟の上で、昔の土地に住み続けることは誰も妨げない。
これによって、合理化され、削減できたコストは、将来に向けた投資に活用する。使われなくなった空港のサンク・コストは考えず、新しい国際空港への投資を増加する。(例えば羽田空港の更なる活用) 過疎が進んだ村の診療所を廃止し、集約された地方の病院の施設を更に拡充する。
また、日本はエネルギー問題も抱えているが、居住区を集約することによって使われなくなった広大な道路に太陽発電の設備を敷き詰めるというアイデアはいかがだろうか。「コンクリートから人へ」という理念を掲げるのであれば、ぜひとも、斬新な発想で大鉈を振るって欲しいものである。
いずれにせよ、今の日本を維持する為の費用と、将来発展する為の費用、という2つの局面から物事を見て欲しい、というのが一納税者としての意見である。
2009年11月21日
『1Q84』
○0785 『1Q84』 >村上春樹/新潮社
ネットで取り寄せを依頼していたのだが、重版待ちでなかなか手元に届かず、かなりじらされてしまった。大半の書籍は頼んでから1〜2週間で手元に届くので、1ヶ月近く待たされると気になって仕方がなくなる。
評価としては◎をつけようか、○にしようかかなり迷ったのだが、筆者の力量を考慮して、あえて○とした。このような二重世界の物語としては、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の方が上だと思うし、恋愛小説としてみれば「国境の西」の方がよいと思えるから。
とはいえ、やはり並の作家ではない。異常とも言える世界観を、独特の筆致で鮮やかに描き出している。特に、比喩表現は冴え渡る一方で、よくこんな表現が思いつくなぁと感心するものばかり。最初に物語の骨格を作り、後で比喩表現を付け加えたりしているのだろうか? 自分にはとてもできそうにない表現である。
本書を読んでいて思いついた発想が一つ。雷鳴のシーンで、光がなく、音だけの雷の場面が描かれている。この音を天太と青豆の二人が聞くのだが、片方は光のない雷の音だけを聞き、片方は音のない雷鳴だけを見る、というシーンの方が意味深だったように感じた。
村上春樹というと、俗っぽいところがなく、洗練されて、時代に左右されないイメージがある。しかしながら、今回の作品は、読んでいて2つのことを連想してしまった。ひとつは言うまでもなく、オウム真理強の一連の事件である。時代は大きく異なるが、筆者がアンダーグラウンドというノンフィクションを書いているところから、この事件に大きく影響されていると感じられる。「アンダーグラウンド」は未読ながら手元にある。今まで何となく手を出せなかったのだが、これをきっかけに、読んでみようかな。
もう一つは「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した綿矢りさの存在である。17歳の少女がベストセラー作品を書いてしまうという点からの連想であるが、実はゴーストライター(リライター)がいた、というのには、何となく筆者の皮肉を感じる。
この「空気さなぎ」という作品が、物語にもう一段の厚みを加えていることは間違いなかろう。そもそも1984年と1Q84年という、パラレルではないにせよ、二重の別世界が描かれている上に、「空気さなぎ」が存在する、もう一つの世界が層を織りなしている。作中作というと、軽く聞こえるかもしれないが、3つの世界が深く折り重なっている印象をあたえている。
さらに連想を深めたのが天吾が数学を専攻していたという点。『博士の愛した数式』や『容疑者Xの献身』などで、数学者を主要人物に据えた作品がヒットしているが、本書でも「数学」が有効に使われている。天吾にとっては「数学は天吾に有効な逃避の手段を与えてくれた」ものであり、「数式の世界に逃げ込むことによって、現実というやっかいな檻を抜け出すことができた。頭の中のスイッチをオンにさえすれば、自分がそちらの世界に苦もなく移行できるという事実に、小さい頃から気づいていた」のである。
ネーミングも素晴らしい。1984という特別な年を「Q」というアルファベットを使用して一言で言い表している。簡単そうで、なかなか出てこない発想。オーソインウェルズの「1984」も未読なので読んでみたくなった。
村上春樹の作品を読んだ後は、シンプルな生活にあこがれてしまう。丁寧にサンドウィッチを留作り、丁寧に歯を磨き、丁寧にシャツにアイロンをかけるような生活。生活しているといろいろな物が蓄積されているが、本当に必要な物がどれほどあるだろうか。いろんなわずらわしい物とモノを、全部投げ捨てしまいたくなる、そんな麻薬的な魅力も持った作品である。
それでは印象に残った寓話的・比喩的な箇所を抜粋しておこう。
・どんなに才能に恵まれていても腹一杯飯を食えるとは限らないが、優れた勘が具わっていれば食いっぱぐれる心配はない。
・何かに見えないというのは決して悪いことじゃない。つまりまだ枠にはまっていないということだからね。
・メニューにせよ男にせよ、ほかの何にせよ、私たちは自分で選んでいるような気になっているけど、実は何も選んでいないのかもしれない。それは最初からあらかじめ決まっていることで、ただ選んでいるふりをしているだけかもしれない。自由意志なんて、ただの思い込みかもしれない。ときどきそう思うよ。
・誰かを心から愛することができれば、それがどんなひどい相手であっても、あっちが自分を好きになってくれなかったとしても、少なくとも人生は地獄ではない。たとえいくぶん薄暗かったとしても。
・爪を見ていると、自分という存在がほんの束の間の、危ういものでしかないという思いが強くなった。爪のかたちひとつとっても、自分で決めたものではない。誰かが勝手に決めて、私はそれを黙って受領したに過ぎない。好むと好まざるとにかかわらず。いったい誰が私の爪のかたちをこんな風にしようと決めたのだろう。
・世界というのはね、青豆さん、ひとつの記憶とその反対側の記憶との果てしない闘いなんだよ。
・僕は誰かを嫌ったり、憎んだり、恨んだりして生きていくことに疲れたんです。誰をも愛せないで生きていくことにも疲れました。僕には一人の友達もいない。ただの一人もです。そしてなによりも、自分自身を愛することすらできない。なぜ自分自身を愛することができないのか? それは他者を愛することができないからです。人は誰かを愛することによって、そして誰かから愛されることによって、それらの行為を通して自分自身を愛する方法を知るのです。

ネットで取り寄せを依頼していたのだが、重版待ちでなかなか手元に届かず、かなりじらされてしまった。大半の書籍は頼んでから1〜2週間で手元に届くので、1ヶ月近く待たされると気になって仕方がなくなる。
評価としては◎をつけようか、○にしようかかなり迷ったのだが、筆者の力量を考慮して、あえて○とした。このような二重世界の物語としては、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の方が上だと思うし、恋愛小説としてみれば「国境の西」の方がよいと思えるから。
とはいえ、やはり並の作家ではない。異常とも言える世界観を、独特の筆致で鮮やかに描き出している。特に、比喩表現は冴え渡る一方で、よくこんな表現が思いつくなぁと感心するものばかり。最初に物語の骨格を作り、後で比喩表現を付け加えたりしているのだろうか? 自分にはとてもできそうにない表現である。
本書を読んでいて思いついた発想が一つ。雷鳴のシーンで、光がなく、音だけの雷の場面が描かれている。この音を天太と青豆の二人が聞くのだが、片方は光のない雷の音だけを聞き、片方は音のない雷鳴だけを見る、というシーンの方が意味深だったように感じた。
村上春樹というと、俗っぽいところがなく、洗練されて、時代に左右されないイメージがある。しかしながら、今回の作品は、読んでいて2つのことを連想してしまった。ひとつは言うまでもなく、オウム真理強の一連の事件である。時代は大きく異なるが、筆者がアンダーグラウンドというノンフィクションを書いているところから、この事件に大きく影響されていると感じられる。「アンダーグラウンド」は未読ながら手元にある。今まで何となく手を出せなかったのだが、これをきっかけに、読んでみようかな。
もう一つは「蹴りたい背中」で芥川賞を受賞した綿矢りさの存在である。17歳の少女がベストセラー作品を書いてしまうという点からの連想であるが、実はゴーストライター(リライター)がいた、というのには、何となく筆者の皮肉を感じる。
この「空気さなぎ」という作品が、物語にもう一段の厚みを加えていることは間違いなかろう。そもそも1984年と1Q84年という、パラレルではないにせよ、二重の別世界が描かれている上に、「空気さなぎ」が存在する、もう一つの世界が層を織りなしている。作中作というと、軽く聞こえるかもしれないが、3つの世界が深く折り重なっている印象をあたえている。
さらに連想を深めたのが天吾が数学を専攻していたという点。『博士の愛した数式』や『容疑者Xの献身』などで、数学者を主要人物に据えた作品がヒットしているが、本書でも「数学」が有効に使われている。天吾にとっては「数学は天吾に有効な逃避の手段を与えてくれた」ものであり、「数式の世界に逃げ込むことによって、現実というやっかいな檻を抜け出すことができた。頭の中のスイッチをオンにさえすれば、自分がそちらの世界に苦もなく移行できるという事実に、小さい頃から気づいていた」のである。
ネーミングも素晴らしい。1984という特別な年を「Q」というアルファベットを使用して一言で言い表している。簡単そうで、なかなか出てこない発想。オーソインウェルズの「1984」も未読なので読んでみたくなった。
村上春樹の作品を読んだ後は、シンプルな生活にあこがれてしまう。丁寧にサンドウィッチを留作り、丁寧に歯を磨き、丁寧にシャツにアイロンをかけるような生活。生活しているといろいろな物が蓄積されているが、本当に必要な物がどれほどあるだろうか。いろんなわずらわしい物とモノを、全部投げ捨てしまいたくなる、そんな麻薬的な魅力も持った作品である。
それでは印象に残った寓話的・比喩的な箇所を抜粋しておこう。
・どんなに才能に恵まれていても腹一杯飯を食えるとは限らないが、優れた勘が具わっていれば食いっぱぐれる心配はない。
・何かに見えないというのは決して悪いことじゃない。つまりまだ枠にはまっていないということだからね。
・メニューにせよ男にせよ、ほかの何にせよ、私たちは自分で選んでいるような気になっているけど、実は何も選んでいないのかもしれない。それは最初からあらかじめ決まっていることで、ただ選んでいるふりをしているだけかもしれない。自由意志なんて、ただの思い込みかもしれない。ときどきそう思うよ。
・誰かを心から愛することができれば、それがどんなひどい相手であっても、あっちが自分を好きになってくれなかったとしても、少なくとも人生は地獄ではない。たとえいくぶん薄暗かったとしても。
・爪を見ていると、自分という存在がほんの束の間の、危ういものでしかないという思いが強くなった。爪のかたちひとつとっても、自分で決めたものではない。誰かが勝手に決めて、私はそれを黙って受領したに過ぎない。好むと好まざるとにかかわらず。いったい誰が私の爪のかたちをこんな風にしようと決めたのだろう。
・世界というのはね、青豆さん、ひとつの記憶とその反対側の記憶との果てしない闘いなんだよ。
・僕は誰かを嫌ったり、憎んだり、恨んだりして生きていくことに疲れたんです。誰をも愛せないで生きていくことにも疲れました。僕には一人の友達もいない。ただの一人もです。そしてなによりも、自分自身を愛することすらできない。なぜ自分自身を愛することができないのか? それは他者を愛することができないからです。人は誰かを愛することによって、そして誰かから愛されることによって、それらの行為を通して自分自身を愛する方法を知るのです。

2009年11月20日
PRESIDENT 2009.10.05 10分野 役立つ、定番&最新ガイド100
同じPRESIDENTからもう一件。「読むべき本」の紹介である。一番興味を持ったのはSBI-HD・CEO・北尾吉孝氏が推薦する10冊。特に上位5冊は手にとって見たい内容。リーダーシップという項目で紹介されているが、半分が組織論であるのが面白い。
・『いかに生くべきか』 >安岡正篤
・『修身教授録』 >森信三
・『仕事の哲学』 >P・F・ドラッカー
・『企業戦略論』 >ジェイ・B・バーニー
・『戦略グループ経営』 >伊藤良二・須藤実和
この他、各界の識者が推薦する本を合計100冊取り上げた特集。興味を持ったものだけピックアップしておこう。
・『グローバリゼーションの時代』 >ヘルムート・シュミット
・『ストラテジック・マインド』 >大前研一
・『イノベーションの本質』 >野中郁次郎・勝見明
・『企業価値評価』 >本田桂子
・『失敗の本質』 >野中郁次郎
・『生物と無生物の間』 >福岡伸一
・『仕事の報酬とは何か』 >田坂広志
・『経営の行動指針−土光語録』 >土光敏夫
・『いかに生くべきか』 >安岡正篤
・『修身教授録』 >森信三
・『仕事の哲学』 >P・F・ドラッカー
・『企業戦略論』 >ジェイ・B・バーニー
・『戦略グループ経営』 >伊藤良二・須藤実和
この他、各界の識者が推薦する本を合計100冊取り上げた特集。興味を持ったものだけピックアップしておこう。
・『グローバリゼーションの時代』 >ヘルムート・シュミット
・『ストラテジック・マインド』 >大前研一
・『イノベーションの本質』 >野中郁次郎・勝見明
・『企業価値評価』 >本田桂子
・『失敗の本質』 >野中郁次郎
・『生物と無生物の間』 >福岡伸一
・『仕事の報酬とは何か』 >田坂広志
・『経営の行動指針−土光語録』 >土光敏夫
2009年11月19日
PRESIDENT 2009.10.05 先が見えない時代、正しい結論を導く5つのカギ
久しぶりに雑誌からの抜粋。最近は定期購読をPRESIDENT一冊に絞ってしまったので、特集が今ひとつだと、ついつい読み飛ばしてしまう。今回は興味深い記事がいくつかあったので、記録しておきたい。
まずは加護野忠男氏(神戸大学大学院経営学研究科教授)による経営時論。経営者が基幹技術の戦略的選択を行う際の、判断根拠を論じたもの。以前、あるメーカーのCTOに話を聞いたとき、決断の根拠が「気合です」という答えが帰ってきたそうである。「気合い」というと、何だか曖昧なものに感じるが、経営者が考え抜いた上での直観であれば、説得力が出てくるという。
■経営者の直感的選択への確信を支えるもの
1.ひたすら考えること
2.能動的戦略観:未来は予測できないが、創ることはできるという思想
3.現場の確かな実行力への信頼
4.現場の柔軟な実行力、戦略を柔軟に実行できる対応力
5.経営者の知性あるいは教養
クラレの創業者、大原孫三郎氏は、10人の役員のうち、一人か二人しか賛成しないときが物事を成し遂げる好機であり、過半数が賛成するようになったら手遅れで、大多数が賛成するときにはとっくの昔に手遅れになっていると語っておられる。
以前、ある上司に判断と決断の違いについて説明を受けたことを思い出した。彼曰く「判断とは十分なデータに基づいて下す決定のこと。決断とはデータが不十分ななかで果敢に行うもの。判断であれば、誰でも出来る。経営者は決断を行うべき」 この言葉を聞いた当時の私にとっては、非常に新鮮な意見だったので、今でもよく覚えている。なかなか示唆に富む意見である。
まずは加護野忠男氏(神戸大学大学院経営学研究科教授)による経営時論。経営者が基幹技術の戦略的選択を行う際の、判断根拠を論じたもの。以前、あるメーカーのCTOに話を聞いたとき、決断の根拠が「気合です」という答えが帰ってきたそうである。「気合い」というと、何だか曖昧なものに感じるが、経営者が考え抜いた上での直観であれば、説得力が出てくるという。
■経営者の直感的選択への確信を支えるもの
1.ひたすら考えること
2.能動的戦略観:未来は予測できないが、創ることはできるという思想
3.現場の確かな実行力への信頼
4.現場の柔軟な実行力、戦略を柔軟に実行できる対応力
5.経営者の知性あるいは教養
クラレの創業者、大原孫三郎氏は、10人の役員のうち、一人か二人しか賛成しないときが物事を成し遂げる好機であり、過半数が賛成するようになったら手遅れで、大多数が賛成するときにはとっくの昔に手遅れになっていると語っておられる。
以前、ある上司に判断と決断の違いについて説明を受けたことを思い出した。彼曰く「判断とは十分なデータに基づいて下す決定のこと。決断とはデータが不十分ななかで果敢に行うもの。判断であれば、誰でも出来る。経営者は決断を行うべき」 この言葉を聞いた当時の私にとっては、非常に新鮮な意見だったので、今でもよく覚えている。なかなか示唆に富む意見である。
2009年11月18日
『空気を読むな、本を読め。』
△0784 『空気を読むな、本を読め。』 >小飼弾/イースト・プレス
小飼氏曰く、ノンフィクションを読むには目次が重要とのこと。正直、今まで目次については、重要だと思いつつ、あまり重視してこなかった。ざっと眺めることはするけれど、じっくりと読み込んでから読書をするというスタイルではなかった。氏曰く、良い目次は羅針盤のような役割を果たし、付箋すら不要になるとのこと。うーん、これからノンフィクションについては、目次も抜粋しておこうか。
というわけで、とりあえず、本書の目次を。
はじめに
1章 本を読め。人生は変わる
人生の8割は遊べ
不況だからこそ本を読め
テレビを見るな!
新聞は紙くず同然
あなたはホントに忙しいのか?
女よりも情報に飢えるべし
情報で溜まったクソを排泄せよ!
本は衰退していない
2章 本を読め。答えは見つかる
ファミコンよりも本は魅力的
本は水である
読書は「天才」への最短コース
空気を読むとバカになる
現代をサバイブする本
「古典」は入りやすいし、おもしろい
人生を変える“難解本”の読み方
読書を血肉化する方法
3章 「手」で読め。そして「脳」で読め
まず本は「手」で消化せよ
ノンフィクションは構造を読め!
ノンフィクションは「早く」読め!
フィクションの読書とは旅である
読んだら「外」に出す
「外」に出すテクニック
本に付箋を貼るな!
人間ならば「脳」で読め
「停止ボタン」を押すな!
1時間で10冊読む超読書法
4章 本を読んだら、「自分」を読め
クソ本を踏むのも一興
ひきこもって本を読め
「読書しりとり」のススメ
6冊読めば、世界がわかる
クソ本は青汁だ
クソ本が売れる理由
右翼のバイブルは『資本論』
ケチをつけながら読め
5章 本は安く買え。そして高く飛べ
安い本で肩ならしをしろ
ハードカバーはいい迷惑だ
本棚は下着よりもセクシー!?
お金よりも本を浪費せよ
大前提! 本は“商品”である
フィクションは文庫がいい
フィクションの「不都合な真実」
フィクションのダイバーシティ
本の表紙は嘘をつく
6章 エロ本も読め。創造力を養え
「全米が抜いた!?」
キャッチコピーはエロ本にまかせろ
エロには「溺死」の危険性が!
官能小説で養う「創造力」
7章 マンガを読めば「世界」がわかる
マンガの2つの「穴」
出版社の手口におちいるな
ひとつの作品に囲い込まれるな
ハマる作品は自分で選べ
「資料価値」を見逃すな!
おわりに
小飼弾が選ぶ最強の100冊+1
次に気になった箇所を要約してみよう。
・時間があるときこそ、古典に手を出すべき。 『わが友マキアヴェッリ』 塩野七生著、など。
・節約すべきはお金よりも、時間。テレビを見ない生活を。
・テレビや新聞などプッシュ型のメディア情報はすべて捨ててしまおう。
・本を読み終えたら、メモ書き程度でよいので記録を残す。
・本の内容を一度アウトプットし、ほとんどの部分を意識的になくす。
・ブックサーフィン(=読書しりとり) 参考文献をリンクさせて読み進む。
・「6次の隔たり」自分の知り合いを6人以上紹介すると、世界中の人にたどり着けるという仮説。参考文献も6冊読めば、世界が分かる。
・読書の前後で自分がどれだけ変わったか。「本を読んだら自分を読む」という確認作業を。
ついでに、「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」も抜粋。
弾言
99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方
生物と無生物のあいだ
ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ
アフターマン
疑似科学入門
クォーク
性転換する魚たち
宇宙旅行はエレベーターで
地球温暖化の予測は「正しい」か?
地球と一緒に頭も冷やせ!
宇宙創世
銃・病原菌・鉄
インターネット
天才! 成功する人々の法則
戦争における「人殺し」の心理学
唯脳論
貧困のない世界を創る
この世でいちばん大事な「カネ」の話
ナニワ金融道
サルまん
ご冗談でしょう、ファインマンさん
日本語が亡びるとき
「おろかもの」の正義論
議論のルールブック
ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学
高校生のための文章読本
数学入門
経済物理学の発見
予想どおりに不合理
Longman Dictionary of Contemporary English
理科年表
「社会を変える」を仕事にする
不透明な時代を見抜く「統計思考力」
はじめての課長の教科書
仕事するのにオフィスはいらない
Godel, Escher, Bach
コードの世界
死刑
そして殺人者は野に放たれる
日本という方法―おもかげ・うつろいの文化
単純な脳、複雑な「私」
ビジネスで失敗する人の10の法則
ラクをしないと成果は出ない
ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質
仏教は心の科学
物理と数学の不思議な関係―遠くて近い二つの「科学」
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」
脱「ひとり勝ち」文明論
不完全性定理―数学的体系のあゆみ
聖書
ドグラ・マグラ
家畜人ヤプー
かってに改蔵
アフター0
寄生獣
未来の二つの顔
マイナス・ゼロ
ディアスポラ
ブラッド・ミュージック
Accelerando
漂流教室
Palepoli
銀河ヒッチハイク・ガイド
リングワールド
導きの星
ハーモニー
太陽の簒奪者
ΑΩ
新世界より
破裂
チーム・バチスタの栄光
終りなき戦い
火の鳥
クロスファイア
この世界の片隅に
地球へ...
えの素
Contact
神罰
ドラゴンボール
決壊
ガープの世界
銀河英雄伝説
ハイペリオン四部作
アイの物語
となりのお姉さん
デビルマン
イティハーサ
「敵は海賊」シリーズ
あなたの魂に安らぎあれ
グリーン・レクイエム
果てしなき流れの果に
声の網
七瀬三部作
たったひとつの冴えたやり方
竜の卵
遥かなる地球の歌
銀河帝国興亡史
異星の客
どうでもいいけれど、本書は弾さんを見習って一気に読了。約30分で読み、約30分かけてブログの記事を作成。こんなもんかな?

小飼氏曰く、ノンフィクションを読むには目次が重要とのこと。正直、今まで目次については、重要だと思いつつ、あまり重視してこなかった。ざっと眺めることはするけれど、じっくりと読み込んでから読書をするというスタイルではなかった。氏曰く、良い目次は羅針盤のような役割を果たし、付箋すら不要になるとのこと。うーん、これからノンフィクションについては、目次も抜粋しておこうか。
というわけで、とりあえず、本書の目次を。
はじめに
1章 本を読め。人生は変わる
人生の8割は遊べ
不況だからこそ本を読め
テレビを見るな!
新聞は紙くず同然
あなたはホントに忙しいのか?
女よりも情報に飢えるべし
情報で溜まったクソを排泄せよ!
本は衰退していない
2章 本を読め。答えは見つかる
ファミコンよりも本は魅力的
本は水である
読書は「天才」への最短コース
空気を読むとバカになる
現代をサバイブする本
「古典」は入りやすいし、おもしろい
人生を変える“難解本”の読み方
読書を血肉化する方法
3章 「手」で読め。そして「脳」で読め
まず本は「手」で消化せよ
ノンフィクションは構造を読め!
ノンフィクションは「早く」読め!
フィクションの読書とは旅である
読んだら「外」に出す
「外」に出すテクニック
本に付箋を貼るな!
人間ならば「脳」で読め
「停止ボタン」を押すな!
1時間で10冊読む超読書法
4章 本を読んだら、「自分」を読め
クソ本を踏むのも一興
ひきこもって本を読め
「読書しりとり」のススメ
6冊読めば、世界がわかる
クソ本は青汁だ
クソ本が売れる理由
右翼のバイブルは『資本論』
ケチをつけながら読め
5章 本は安く買え。そして高く飛べ
安い本で肩ならしをしろ
ハードカバーはいい迷惑だ
本棚は下着よりもセクシー!?
お金よりも本を浪費せよ
大前提! 本は“商品”である
フィクションは文庫がいい
フィクションの「不都合な真実」
フィクションのダイバーシティ
本の表紙は嘘をつく
6章 エロ本も読め。創造力を養え
「全米が抜いた!?」
キャッチコピーはエロ本にまかせろ
エロには「溺死」の危険性が!
官能小説で養う「創造力」
7章 マンガを読めば「世界」がわかる
マンガの2つの「穴」
出版社の手口におちいるな
ひとつの作品に囲い込まれるな
ハマる作品は自分で選べ
「資料価値」を見逃すな!
おわりに
小飼弾が選ぶ最強の100冊+1
次に気になった箇所を要約してみよう。
・時間があるときこそ、古典に手を出すべき。 『わが友マキアヴェッリ』 塩野七生著、など。
・節約すべきはお金よりも、時間。テレビを見ない生活を。
・テレビや新聞などプッシュ型のメディア情報はすべて捨ててしまおう。
・本を読み終えたら、メモ書き程度でよいので記録を残す。
・本の内容を一度アウトプットし、ほとんどの部分を意識的になくす。
・ブックサーフィン(=読書しりとり) 参考文献をリンクさせて読み進む。
・「6次の隔たり」自分の知り合いを6人以上紹介すると、世界中の人にたどり着けるという仮説。参考文献も6冊読めば、世界が分かる。
・読書の前後で自分がどれだけ変わったか。「本を読んだら自分を読む」という確認作業を。
ついでに、「小飼弾が選ぶ最強の100冊+1」も抜粋。
弾言
99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方
生物と無生物のあいだ
ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ
アフターマン
疑似科学入門
クォーク
性転換する魚たち
宇宙旅行はエレベーターで
地球温暖化の予測は「正しい」か?
地球と一緒に頭も冷やせ!
宇宙創世
銃・病原菌・鉄
インターネット
天才! 成功する人々の法則
戦争における「人殺し」の心理学
唯脳論
貧困のない世界を創る
この世でいちばん大事な「カネ」の話
ナニワ金融道
サルまん
ご冗談でしょう、ファインマンさん
日本語が亡びるとき
「おろかもの」の正義論
議論のルールブック
ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学
高校生のための文章読本
数学入門
経済物理学の発見
予想どおりに不合理
Longman Dictionary of Contemporary English
理科年表
「社会を変える」を仕事にする
不透明な時代を見抜く「統計思考力」
はじめての課長の教科書
仕事するのにオフィスはいらない
Godel, Escher, Bach
コードの世界
死刑
そして殺人者は野に放たれる
日本という方法―おもかげ・うつろいの文化
単純な脳、複雑な「私」
ビジネスで失敗する人の10の法則
ラクをしないと成果は出ない
ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質
仏教は心の科学
物理と数学の不思議な関係―遠くて近い二つの「科学」
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」
脱「ひとり勝ち」文明論
不完全性定理―数学的体系のあゆみ
聖書
ドグラ・マグラ
家畜人ヤプー
かってに改蔵
アフター0
寄生獣
未来の二つの顔
マイナス・ゼロ
ディアスポラ
ブラッド・ミュージック
Accelerando
漂流教室
Palepoli
銀河ヒッチハイク・ガイド
リングワールド
導きの星
ハーモニー
太陽の簒奪者
ΑΩ
新世界より
破裂
チーム・バチスタの栄光
終りなき戦い
火の鳥
クロスファイア
この世界の片隅に
地球へ...
えの素
Contact
神罰
ドラゴンボール
決壊
ガープの世界
銀河英雄伝説
ハイペリオン四部作
アイの物語
となりのお姉さん
デビルマン
イティハーサ
「敵は海賊」シリーズ
あなたの魂に安らぎあれ
グリーン・レクイエム
果てしなき流れの果に
声の網
七瀬三部作
たったひとつの冴えたやり方
竜の卵
遥かなる地球の歌
銀河帝国興亡史
異星の客
どうでもいいけれど、本書は弾さんを見習って一気に読了。約30分で読み、約30分かけてブログの記事を作成。こんなもんかな?

2009年11月17日
中国法令:会社法
会社法というと範囲が広いので、会社設立にあたっての小ネタを紹介しておきたい。
・会社設立時のオフィス賃借:中国では、会社設立の前に、オフィスの賃借が必要となる。賃貸借契約が無いと設立が認められないのである。これはペーパーカンパニーの乱立を防ぐためであろうか。また、借りる場所によって用途が限られている場合があるので、「房地産権証」という書類で、商業用として使用可能かどうかを確認しておく必要がある。
ちなみに、賃借しようとしている物件が、変な担保になっていないか、なども確認しておくことをお薦めする。不動産業者が推薦する物件を選び、いざ契約、という段になって、訴訟の担保になっていたのが判明した経験があるので。
・経営範囲:経営範囲とは会社定款上に記載する、会社が業として行うものの範囲のことである。定款に記載後、審査認可機関である商務部が確認し、審査認可証書に記載される。その後、登記機関である工商局がこれを確定し、営業許可証に記載することになる。経営範囲については、記載されていない行為を行うと違法となってしまうため、できるだけ「広く、浅く、抽象的に、たくさん」記載するのが、テクニックである。
・企業名称:中国企業は、名称についてまで規制を受ける。法律上、原則として、1.行政区画、2.屋号、3.業種、4.組織形態、を順次構成しなければならない。つまり「苗村屋(上海)貿易有限公司」といった具合である。また、企業名称中に「中国」、「中華」などの文字を使用するのにも規制があり、例えば資本金が5000万人民元(7億5千万円相当)以上といった条件が設けられている。笑い話だが、日本の「中国銀行」が中国では名称を認めてもらえなかった、などという話を聞いたことがある。(中国銀行のホームページでは、ちゃんと「中国銀行上海駐在員事務所」になっている。駐在員事務所はOKなのかな?)
・会社設立時のオフィス賃借:中国では、会社設立の前に、オフィスの賃借が必要となる。賃貸借契約が無いと設立が認められないのである。これはペーパーカンパニーの乱立を防ぐためであろうか。また、借りる場所によって用途が限られている場合があるので、「房地産権証」という書類で、商業用として使用可能かどうかを確認しておく必要がある。
ちなみに、賃借しようとしている物件が、変な担保になっていないか、なども確認しておくことをお薦めする。不動産業者が推薦する物件を選び、いざ契約、という段になって、訴訟の担保になっていたのが判明した経験があるので。
・経営範囲:経営範囲とは会社定款上に記載する、会社が業として行うものの範囲のことである。定款に記載後、審査認可機関である商務部が確認し、審査認可証書に記載される。その後、登記機関である工商局がこれを確定し、営業許可証に記載することになる。経営範囲については、記載されていない行為を行うと違法となってしまうため、できるだけ「広く、浅く、抽象的に、たくさん」記載するのが、テクニックである。
・企業名称:中国企業は、名称についてまで規制を受ける。法律上、原則として、1.行政区画、2.屋号、3.業種、4.組織形態、を順次構成しなければならない。つまり「苗村屋(上海)貿易有限公司」といった具合である。また、企業名称中に「中国」、「中華」などの文字を使用するのにも規制があり、例えば資本金が5000万人民元(7億5千万円相当)以上といった条件が設けられている。笑い話だが、日本の「中国銀行」が中国では名称を認めてもらえなかった、などという話を聞いたことがある。(中国銀行のホームページでは、ちゃんと「中国銀行上海駐在員事務所」になっている。駐在員事務所はOKなのかな?)
2009年11月16日
中国法令:固定資産購入に関する増値税課税の変更
【ポイント】
・従来は固定資産購入時の増値税が仕入控除の対象外であった → 2009年1月1日より仕入税額控除の対象に変更。
・これにより、従来認められていた、設備輸入時の免税制度が廃止となった。(設備を使用して生産した製品を国内販売する際に、増値税収入が発生するため、仕入控除すれば、実質増値税相当が企業負担にならない為)
・一方、国内販売を前提としない来料加工廠などにおいては、実質、コスト増の要因となる。
古いテキストを読むと、中国の増値税制度の大きな問題点の一つとして、固定資産の仕入控除が不可能、という点が指摘されている。今回の改正は、この矛盾を解決するものであり、金融危機下の発令ということを考慮すると、一種の設備投資刺激策と言えるかもしれない。
しかしながら、ポイントにも書いた通り、国内販売を前提としない、つまり増値税収入が発生しない形態の企業にとっては、控除する対象が無く、実質的なコスト増になってしまうのである。この点については、何らかの折衷案が出されるのではないかと期待していたのだが、どうもそのような動きはなさそうである。来料加工といった付加価値の少ないビジネスに対する規制という見方もできよう。
またここで「来料加工」という新しい言葉が出てきてしまった。これも中国独特、特に華南地域の特徴的なビジネス・モデルである。詳細はまた別途、説明することにしよう。法令シリーズは、なかなか終わりが見えないなぁ。
・従来は固定資産購入時の増値税が仕入控除の対象外であった → 2009年1月1日より仕入税額控除の対象に変更。
・これにより、従来認められていた、設備輸入時の免税制度が廃止となった。(設備を使用して生産した製品を国内販売する際に、増値税収入が発生するため、仕入控除すれば、実質増値税相当が企業負担にならない為)
・一方、国内販売を前提としない来料加工廠などにおいては、実質、コスト増の要因となる。
古いテキストを読むと、中国の増値税制度の大きな問題点の一つとして、固定資産の仕入控除が不可能、という点が指摘されている。今回の改正は、この矛盾を解決するものであり、金融危機下の発令ということを考慮すると、一種の設備投資刺激策と言えるかもしれない。
しかしながら、ポイントにも書いた通り、国内販売を前提としない、つまり増値税収入が発生しない形態の企業にとっては、控除する対象が無く、実質的なコスト増になってしまうのである。この点については、何らかの折衷案が出されるのではないかと期待していたのだが、どうもそのような動きはなさそうである。来料加工といった付加価値の少ないビジネスに対する規制という見方もできよう。
またここで「来料加工」という新しい言葉が出てきてしまった。これも中国独特、特に華南地域の特徴的なビジネス・モデルである。詳細はまた別途、説明することにしよう。法令シリーズは、なかなか終わりが見えないなぁ。
2009年11月13日
中国法令:増値税と発票
【ポイント】
・増値税とは付加価値税であり、日本の消費税と似ている。(似ているが、細かい部分で大きく異なる)
・販売に際しては、「発票(ファーピャオ)」と呼ばれるインボイス(請求書兼領収証と言えばよいであろうか)が交付される。中国はインボイス方式を採用しているため、この発票がないと仕入額控除を受けられない。
・税率は17%。
インボイス方式、というものが、日本と全く異なるので、赴任当初は随分と戸惑った。インボイス方式とは、企業としてコストを支払を行った際のインボイスを保管しておき、それを元に税務申告を行う方式のこと。つまり増値税の税額控除の際に、発票と呼ばれるインボイスが無ければ、税額控除が出来ない、もっというと企業所得税の損金算入もできないのである。
この発票は「一般納税人資格」と呼ばれる資格を有していないと発行できない。「発行できない」というと奇異に聞こえるかも知れないが、日本のように文房具屋に領収証が売っているのとは訳が違う。政府が白紙の発票を企業に販売し、企業はその白紙の発票に印刷して会社印を押し、正式な発票とするのである。一般納税人資格を獲得するためには年間課税売上額が180万人民元以上なければならない、などの条件がある。また、資格を獲得したとしても、政府から購入できる発票の枚数に制限があったり、桁数に制限があったりする。
(例えば一回に50枚の発票しか購入できず、5桁までの金額しか記入できないとなると、50枚×99,999RMBで最高でも約5百万RMB相当の発票しか発行できないということになる。発票は白紙のものをすべて使い切った後出ないと追加購入できない)
インボイス方式というのはなんとも面倒だと思っていたが、ヨーロッパでは一般的だというのを、今回のブログを書いていて知った。一番のメリットは、消費税率を使い分けることが出来るという点。なるほど、一枚一枚インボイス上に消費税額が記載されていれば、複数税率にも耐えられるわけである。一つ賢くなった気分。
・増値税とは付加価値税であり、日本の消費税と似ている。(似ているが、細かい部分で大きく異なる)
・販売に際しては、「発票(ファーピャオ)」と呼ばれるインボイス(請求書兼領収証と言えばよいであろうか)が交付される。中国はインボイス方式を採用しているため、この発票がないと仕入額控除を受けられない。
・税率は17%。
インボイス方式、というものが、日本と全く異なるので、赴任当初は随分と戸惑った。インボイス方式とは、企業としてコストを支払を行った際のインボイスを保管しておき、それを元に税務申告を行う方式のこと。つまり増値税の税額控除の際に、発票と呼ばれるインボイスが無ければ、税額控除が出来ない、もっというと企業所得税の損金算入もできないのである。
この発票は「一般納税人資格」と呼ばれる資格を有していないと発行できない。「発行できない」というと奇異に聞こえるかも知れないが、日本のように文房具屋に領収証が売っているのとは訳が違う。政府が白紙の発票を企業に販売し、企業はその白紙の発票に印刷して会社印を押し、正式な発票とするのである。一般納税人資格を獲得するためには年間課税売上額が180万人民元以上なければならない、などの条件がある。また、資格を獲得したとしても、政府から購入できる発票の枚数に制限があったり、桁数に制限があったりする。
(例えば一回に50枚の発票しか購入できず、5桁までの金額しか記入できないとなると、50枚×99,999RMBで最高でも約5百万RMB相当の発票しか発行できないということになる。発票は白紙のものをすべて使い切った後出ないと追加購入できない)
インボイス方式というのはなんとも面倒だと思っていたが、ヨーロッパでは一般的だというのを、今回のブログを書いていて知った。一番のメリットは、消費税率を使い分けることが出来るという点。なるほど、一枚一枚インボイス上に消費税額が記載されていれば、複数税率にも耐えられるわけである。一つ賢くなった気分。
2009年11月12日
中国法令:移転価格に関する文書化
【ポイント】
・関連会社との取引額が一定の基準に達した企業は、その関連会社間取引の価格設定の妥当性を証明する為にレポートを作成しなければならない。
・免除される要件:1.関連会社との売買取引(仕入金額と販売金額の合計)が2億人民元以下で、かつ、その他の関連取引金額が4千万人民元以下であること。2.関連会社取引が事前確認の実施範囲に含まれる場合、3.外資持分が50%以下で、かつ国内の関連者とのみ関連取引が発生している場合。
移転価格とP/Eというのは、貿易会社にとっては頭の痛い問題。いつ、どこから、調査が入るか分からない。企業としては粛々と準備しておくだけである。やましいところはないつもりだが、価格設定の方法など、難癖をつけようと思えば何とでもなるので、いかに合理的な答えを用意しておくか、がポイントであろう。
ここでいうレポートは、毎年翌年の5月末までに作成しておかなければならない。税務申告時に当局へ提出する義務はないが、税務局より要請があった場合には20日以内に提出する必要がある。20日で作成できる内容ではないので、期限までにきちんと準備しておく必要があるということ。
内容は本文と付属書類で構成される。本文では企業の組織構成、関連取引状況、移転価格決定方法などを述べ、付属書類には機能リスク分析表や関連取引財務状況分析表などを添付する。移転価格決定方法には、独立価格比準法、再販売価格基準法、原価加算法、などなど舌をかみそうな手法があるのだが、どのような手法で価格決定を行っているかを明確にしなければならないということである。(詳細は他の説明書に譲りたい)
ざっくりと噛み砕いて言うと、「親会社との資本関係はxxxで、役割分担とリスク分担はxxx、また移転価格決定においてはxxxという手法を使用しており、当社の価格設定(ひいては獲得利益)は適正です」と宣言するのである。価格あるいは利益が適正かどうかを、同業他社比較なども行いながら実施する必要があるので、会計事務所など専門家の力を借りる必要がでてくる。役割分担やリスク分析なども骨の折れる作業。結構、大変なのである。。。
・関連会社との取引額が一定の基準に達した企業は、その関連会社間取引の価格設定の妥当性を証明する為にレポートを作成しなければならない。
・免除される要件:1.関連会社との売買取引(仕入金額と販売金額の合計)が2億人民元以下で、かつ、その他の関連取引金額が4千万人民元以下であること。2.関連会社取引が事前確認の実施範囲に含まれる場合、3.外資持分が50%以下で、かつ国内の関連者とのみ関連取引が発生している場合。
移転価格とP/Eというのは、貿易会社にとっては頭の痛い問題。いつ、どこから、調査が入るか分からない。企業としては粛々と準備しておくだけである。やましいところはないつもりだが、価格設定の方法など、難癖をつけようと思えば何とでもなるので、いかに合理的な答えを用意しておくか、がポイントであろう。
ここでいうレポートは、毎年翌年の5月末までに作成しておかなければならない。税務申告時に当局へ提出する義務はないが、税務局より要請があった場合には20日以内に提出する必要がある。20日で作成できる内容ではないので、期限までにきちんと準備しておく必要があるということ。
内容は本文と付属書類で構成される。本文では企業の組織構成、関連取引状況、移転価格決定方法などを述べ、付属書類には機能リスク分析表や関連取引財務状況分析表などを添付する。移転価格決定方法には、独立価格比準法、再販売価格基準法、原価加算法、などなど舌をかみそうな手法があるのだが、どのような手法で価格決定を行っているかを明確にしなければならないということである。(詳細は他の説明書に譲りたい)
ざっくりと噛み砕いて言うと、「親会社との資本関係はxxxで、役割分担とリスク分担はxxx、また移転価格決定においてはxxxという手法を使用しており、当社の価格設定(ひいては獲得利益)は適正です」と宣言するのである。価格あるいは利益が適正かどうかを、同業他社比較なども行いながら実施する必要があるので、会計事務所など専門家の力を借りる必要がでてくる。役割分担やリスク分析なども骨の折れる作業。結構、大変なのである。。。
2009年11月11日
『中国人のビジネス・ルール 兵法三十六計』
△0783 『中国人のビジネス・ルール 兵法三十六計』 >梁増美/ディスカバー・トゥエンティワン
少し中国の古典も読んでみようかと、とっつきやすそうな本書を手にとって見た。うーん、初心者にはよいのかもしれないが、少々物足りない。具体例をふんだんに混ぜており、分かりやすいのだが、古典の持つ重みが失われてしまっている感は否めない。とはいえ、こういったもので、最初の敷居を低くしてもらい、本格的に読み始めることができれば、それはそれで、価値のあることだろう。
第一章では、なぜ中国人がビジネスに兵法をよく使うか、が記載されている。抜粋してみよう。
1.ビジネスは戦争だと考えている
2.儒教的活を守る為に戦うことが必要とされている
3.相手よりも常に有利な位置に立ちたがる
4.商人は人をだますものだという意識がある
5.熾烈な権力闘争の中で生き残る必要がある
6.兵法の使い手であった毛沢東の影響が大きい
7.孫氏兵法は官僚教育に採用されている
文中には、中国企業に日本企業がだまされたような事例が沢山出てくるが、最近も引き続き発生しているのだろうか?まだまだ、未整備な点は多いとはいえ、WTO加盟あたりを契機に、中国も良い方向に変わりつつあるように感じる。もちろん油断してはいけないが、あまり警戒ばかりしていても信頼関係が構築できない。この辺りの匙下限が難しいところであろう。
一番興味深かったのは、中国人は「外人」に対して、このような計を使うのであり、味方、つまり「自己人」になってしまえば、兵法を使う相手ではなくなってしまう、という点。なるほど、まさにその通り。結局、信頼関係を作って、しっかりと理解しあうことが一番大切なのであろう。
兵法36計の名称を抜粋しておく。
01. 瞞天過海:まんてんかかい:世間をだましてうまく逃げる
02. 囲魏救趙:いぎきゅうちょう:真の目的を遂げるために別の場所を攻める
03. 借刀殺人:しゃくとうさつじん:自分では手を下さず,他人にやらせる
04. 以逸徒労:いいつたいろう:こちらは休んで敵が疲れるのを待つ
05. 趁火打劫:ちんかだきょう:敵の機器につけ込んで攻撃する
06. 声東撃西:せいとうげきせい:別の場所で声をあげて敵をひきつけ,不意をつく
07. 無中生有:むちゅうしょうゆう:何かをでっちあげる
08. 暗渡陳倉:あんとちんそう:敵の目を別の場所に向けて,ひそかに目的地に行く
09. 隔岸観火:かくがんかんか:敵の内紛を傍観して自滅を待つ
10. 笑裏蔵刀:しょうりぞうとう:笑いながら近づいて敵を油断させ,倒す
11. 李代桃僵:りだいとうきょう:より大きな犠牲のために何かを犠牲にする
12. 順手牽羊:じゅんしゅけんよう:目の前のチャンスを逃がさない
13. 打草驚蛇:だそうきょうだ:敵に警告を発して脅かす
14. 借屍還魂:しゃくしかんこん:古いものを利用して新しいものを作る
15. 調虎離山:ちょうこりざん:敵を不慣れな環境に誘い出して攻める
16. 欲擒姑縦:よくきんこしょう:敵をとらえたいときはわざといったん逃がす
17. 抛磚引玉:ほうせんいんぎょく:つまらない物を出して貴重な物を引き出す
18. 擒賊擒王:きんぞくきんおう:敵をとらえるには,まずその指導者を捕らえる
19. 釜底抽薪:ふていちゅうしん:敵の勢いを削ぐ
20. 混水模魚:こんすいぼぎょ:敵を混乱させ,それに乗じて攻撃する
21. 金蝉脱殻:きんせんだっかく:自分の陣地をもぬけのからにして脱出する
22. 関門捉賊:かんもんそくぞく:敵を閉じ込めて捕らえる
23. 遠交近攻:えんこうきんこう:遠い国と結んで近くの国を攻める
24. 仮道伐カク(カクは将の右側に虎):かどうばっかく:他に行くように見せかけて目的地を攻める
25. 偸梁換柱:とうりょうかんちゅう:ひそかに敵の力を奪う
26. 指桑罵槐:しそうばかい:別の者を批判して,間接的に敵を批判する
27. 仮痴不癲:かちふてん:ものを知らないふりをして相手を油断させる
28. 上屋抽梯:じょうおくちゅうてい:敵を進ませ,退路を断ってしまう
29. 樹上開花:じゅじょうかいか:悪いものをよいもののように見せかける
30. 反客為主:はんかくいしゅ:軒を借りて母屋をとる
31. 美人計:びじんけい:色仕掛けで敵をたらし込む
32. 空城計:くうじょうけい:こちらに計略があるように思わせる
33. 反間計:はんかんけい:敵のスパイを二重スパイにする
34. 苦肉計:くにくけい:わざと自分を傷つけて相手の信用を得る
35. 連環計:れんかんけい:計を次々に繰り出して敵を惑わせる
36. 走為上:そういじょう:最後は逃げるが勝ち
どうでもよいことだが、これだけ多くの漢字があって、日本にない文字が「仮道伐カクのカク」1つだけというのも面白い。一応ふりがなも付けたが、これらを中国語で発音できたら、格好いいだろうなぁ。

少し中国の古典も読んでみようかと、とっつきやすそうな本書を手にとって見た。うーん、初心者にはよいのかもしれないが、少々物足りない。具体例をふんだんに混ぜており、分かりやすいのだが、古典の持つ重みが失われてしまっている感は否めない。とはいえ、こういったもので、最初の敷居を低くしてもらい、本格的に読み始めることができれば、それはそれで、価値のあることだろう。
第一章では、なぜ中国人がビジネスに兵法をよく使うか、が記載されている。抜粋してみよう。
1.ビジネスは戦争だと考えている
2.儒教的活を守る為に戦うことが必要とされている
3.相手よりも常に有利な位置に立ちたがる
4.商人は人をだますものだという意識がある
5.熾烈な権力闘争の中で生き残る必要がある
6.兵法の使い手であった毛沢東の影響が大きい
7.孫氏兵法は官僚教育に採用されている
文中には、中国企業に日本企業がだまされたような事例が沢山出てくるが、最近も引き続き発生しているのだろうか?まだまだ、未整備な点は多いとはいえ、WTO加盟あたりを契機に、中国も良い方向に変わりつつあるように感じる。もちろん油断してはいけないが、あまり警戒ばかりしていても信頼関係が構築できない。この辺りの匙下限が難しいところであろう。
一番興味深かったのは、中国人は「外人」に対して、このような計を使うのであり、味方、つまり「自己人」になってしまえば、兵法を使う相手ではなくなってしまう、という点。なるほど、まさにその通り。結局、信頼関係を作って、しっかりと理解しあうことが一番大切なのであろう。
兵法36計の名称を抜粋しておく。
01. 瞞天過海:まんてんかかい:世間をだましてうまく逃げる
02. 囲魏救趙:いぎきゅうちょう:真の目的を遂げるために別の場所を攻める
03. 借刀殺人:しゃくとうさつじん:自分では手を下さず,他人にやらせる
04. 以逸徒労:いいつたいろう:こちらは休んで敵が疲れるのを待つ
05. 趁火打劫:ちんかだきょう:敵の機器につけ込んで攻撃する
06. 声東撃西:せいとうげきせい:別の場所で声をあげて敵をひきつけ,不意をつく
07. 無中生有:むちゅうしょうゆう:何かをでっちあげる
08. 暗渡陳倉:あんとちんそう:敵の目を別の場所に向けて,ひそかに目的地に行く
09. 隔岸観火:かくがんかんか:敵の内紛を傍観して自滅を待つ
10. 笑裏蔵刀:しょうりぞうとう:笑いながら近づいて敵を油断させ,倒す
11. 李代桃僵:りだいとうきょう:より大きな犠牲のために何かを犠牲にする
12. 順手牽羊:じゅんしゅけんよう:目の前のチャンスを逃がさない
13. 打草驚蛇:だそうきょうだ:敵に警告を発して脅かす
14. 借屍還魂:しゃくしかんこん:古いものを利用して新しいものを作る
15. 調虎離山:ちょうこりざん:敵を不慣れな環境に誘い出して攻める
16. 欲擒姑縦:よくきんこしょう:敵をとらえたいときはわざといったん逃がす
17. 抛磚引玉:ほうせんいんぎょく:つまらない物を出して貴重な物を引き出す
18. 擒賊擒王:きんぞくきんおう:敵をとらえるには,まずその指導者を捕らえる
19. 釜底抽薪:ふていちゅうしん:敵の勢いを削ぐ
20. 混水模魚:こんすいぼぎょ:敵を混乱させ,それに乗じて攻撃する
21. 金蝉脱殻:きんせんだっかく:自分の陣地をもぬけのからにして脱出する
22. 関門捉賊:かんもんそくぞく:敵を閉じ込めて捕らえる
23. 遠交近攻:えんこうきんこう:遠い国と結んで近くの国を攻める
24. 仮道伐カク(カクは将の右側に虎):かどうばっかく:他に行くように見せかけて目的地を攻める
25. 偸梁換柱:とうりょうかんちゅう:ひそかに敵の力を奪う
26. 指桑罵槐:しそうばかい:別の者を批判して,間接的に敵を批判する
27. 仮痴不癲:かちふてん:ものを知らないふりをして相手を油断させる
28. 上屋抽梯:じょうおくちゅうてい:敵を進ませ,退路を断ってしまう
29. 樹上開花:じゅじょうかいか:悪いものをよいもののように見せかける
30. 反客為主:はんかくいしゅ:軒を借りて母屋をとる
31. 美人計:びじんけい:色仕掛けで敵をたらし込む
32. 空城計:くうじょうけい:こちらに計略があるように思わせる
33. 反間計:はんかんけい:敵のスパイを二重スパイにする
34. 苦肉計:くにくけい:わざと自分を傷つけて相手の信用を得る
35. 連環計:れんかんけい:計を次々に繰り出して敵を惑わせる
36. 走為上:そういじょう:最後は逃げるが勝ち
どうでもよいことだが、これだけ多くの漢字があって、日本にない文字が「仮道伐カクのカク」1つだけというのも面白い。一応ふりがなも付けたが、これらを中国語で発音できたら、格好いいだろうなぁ。

2009年11月10日
中国法令:非居住者に対する課税強化
先日のエントリーで非居住者についての定義を述べた。非居住者であっても、中国国内で長期的に役務を提供すると、納税義務が発生する。例えば長期出張ベースでのコンサルティングや技術指導などを実施していた場合である。親子間のコンサルティング・フィーなども、契約期間が6ヶ月以上であれば課税対象となる。また、コンサルティングという役務の提供がP/E(恒久的施設)と認定されてしまうリスクもはらんでいる。
中国が金融危機以降の4兆元の景気対策を行っているのは周知のこと。この一方で、税収を増やそうと、いろいろな課税措置が取られているというのが背景にある。
最近、よく耳にするのは、駐在員の人件費に関する問題。日本人駐在員の人件費の一部を本社が立替えて、駐在員の日本の口座に振り込んでいるというのはよくある例(住宅ローンの返済原資のためなど) この立替に関する本社への送金が駐在員の役務に対する対価であり、本社が中国にP/Eを形成するという、よく理解できない理屈である。たまたまシンセン地区では、立替金の送金そのものが規制されており、問題になっていないが、上海や蘇州など、送金可能な地域では特に話題になっているようである。
中国が金融危機以降の4兆元の景気対策を行っているのは周知のこと。この一方で、税収を増やそうと、いろいろな課税措置が取られているというのが背景にある。
最近、よく耳にするのは、駐在員の人件費に関する問題。日本人駐在員の人件費の一部を本社が立替えて、駐在員の日本の口座に振り込んでいるというのはよくある例(住宅ローンの返済原資のためなど) この立替に関する本社への送金が駐在員の役務に対する対価であり、本社が中国にP/Eを形成するという、よく理解できない理屈である。たまたまシンセン地区では、立替金の送金そのものが規制されており、問題になっていないが、上海や蘇州など、送金可能な地域では特に話題になっているようである。
