2015年05月12日

マザコンが「無徴」な社会ってやばくね?

 タイトルはちょっと煽りを入れてみたけど、このくらいの方が意図が伝わると思う。
というわけで、前回の記事の続きです。

 いやね、「母性神話」を批判してますけど、あたし自身は小さい頃割と「お母さんっ子」だったらしいんですよ。それで周囲の大人を結構困らせたらしくて。
………でもね、自分じゃほとんど覚えてないのよ、びびるくらいに。「お母さんっ子」だった、ってのは親や祖母からの伝聞なの。
我を通そうとして暴れて周りを困らせた事はそこそこ覚えてて、時々思い出しては悶絶するくらいなのに、「お母さんに構って欲しくて」暴れた具体的な記憶はほとんどないの。

 幼稚園の頃、お母さんがいなくなる夢を見て目を覚まし、泣きながら親の布団に潜り込んだ夜の記憶はあるんだ。その時、妹が大人しく1人で寝てたのも覚えてるんだ。
そんなノリの子がぱっと親離れしたとも思えないから、「お母さんっ子」だったのは事実なんだと思うんだけど。親が疎ましくてしょうがなかった思春期に恥ずかしく思って記憶消してったのかなー、って思うくらいに記憶が無い。
まあ、10代の武勇伝に加えて年齢一桁時代の武勇伝の記憶が鮮明に残ってたら、精神的に生きてけないかもしれないけれども。

…で、ここで大元の記事に戻って、恐ろしい事が頭をよぎる。

…この人、親が疎ましくなったことないのか?



がみがみするお母さんより、甘やかしてくれるおじいちゃんおばあちゃんの方が好き、と思った事は無いんだろうか。
思春期ならではの心情なら、親より友達の方が分かってくれる、と思った事は無いんだろうか。
進路について考えるとき、常に情報を集めている学校や塾の先生の方が頼りになる、と思ったりはしなかったんだろうか。
ここまでお母さんにべったりなことを心配してくれる大人は、周囲にいなかったんだろうか。

正直、「みそ汁がおいしくない」こととは比べ物にならないくらい深い闇がそこにあるんじゃないかと思えてならないんだけど。
(16:30頃追記。「子どもを大切に出来てるか」はもちろんだけど、「子どもがちゃんと「社会化」出来るか」も、子どもを育てる過程で考慮されるべき重要事項だと思うんだよね。前記事のタイトルにもしたけど子どもはいずれ大人になるんだし。あたしが相当独りよがりのくそガキだったので、両親はその事を凄く心配してくれてた)

 そうして考えてみると、「お母さんっ子」って凄い言葉だよね。「おじいちゃんっ子」「おばあちゃんっ子」と同じノリで、お母さんべったりの状態を表現してる。「お母さん以外の人も面倒を見る」ことが前提じゃないと出てこない言葉だ。
実際あたしは曾祖母と一緒に暮らしてた時期があるくらいの大家族で育って、親戚付き合いも盛んだった。
どれだけ盛んかって、上で例に出した友達の位置に、従兄弟も含まれていたくらい。あと、親戚付き合いの過程で
「この人親戚らしいんだけど、どういう位置の人なんだろう…?」
と、子どもの頃は度々思うことがあったくらい。
ど田舎だったから近所付き合いも密で、地区の子どもの顔と名前は、現役世代の大人は大体把握してたんじゃないかと思う。

 でも、現代日本社会の育児で、この環境って結構イレギュラーだよね。
祖父母と一緒に住む親子は希少種って感じだし、体感治安の不安とか、プライバシー意識があって、近所付き合いもそこまでオープンに出来ないだろうし。親戚付き合いも、うちは幸いそこまで険悪じゃないけど、そうじゃないところも多いだろうから、必ずしもあてには出来ないよね。
母子密室育児じゃ「お母さんっ子」であることって当たり前過ぎるくらい当たり前で、わざわざ言葉のラベルが作られる事はないよね。実際、「お母さんっ子」って死語なんじゃないだろうかと、ちょっと不安になったりもする(タイトルで煽りを入れたのはそういう理由)。

 でも、「お母さん」だって本来1人の人間でしかない。
独立した自我があるから遊びたい事だってあるし、出来る事にも限界がある。
思春期に散々暴れて迷惑をかけたりもしたけど、ああいう衝突も、自分の中の「お母さん」を1人の人間にする、1つのきっかけになったのかな、って最近は思ったりする。
(それにしても随分変な方向に大暴れしたよな自分、とも思うので、こんなに美化して書いたら親(父母両方)に「ふざけんな」って叱られるかも。でも、親がそのくらい鬱憤溜めててもしょうがないかな、とあたしには思える)

「お母さんを大事にする」
ことと、
「お母さんを独占する・させる」
ことって、違うんじゃないかな。それを意識させてくれない社会って、まずいと思うよ。

※途中で切れてる文章に気付いたので最後まで入れましたorz

nanae_ll at 16:06│Comments(6)TrackBack(0) 社会 | ジェンダー?

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この記事へのコメント

1. Posted by たんぽぽ   2015年05月31日 18:33
>がみがみするお母さんより、甘やかしてくれる
>おじいちゃんおばあちゃんの方が好き、
>と思った事は無いんだろうか

わたしも親はやかましくてうっとうしいと、
思っていたクチでしたね。

子どものころのわたしは、夏休みや冬休みになると、
自分だけおばあちゃんの家に何日も泊まる
(もちろん親は来ない)という習慣があったのですが、
それがすごい楽しみでしたよ。


エントリ作者は、子どものころ親にかまってほしくて
わざと悪いことをする子だったとありますね。
親に相手にされなくてさみしかったのでしょう。

問題はそういう自己中心的だった子ども時代を
当たり前と思っているところだと思います。
自分の中の「黒歴史」とは思わないのかと思います。
(親のお金を盗んだとか書いているのに。)
2. Posted by 七重   2015年06月02日 00:07
たんぽぽ様、こちらにもコメントありがとうございます。

>祖父母の思い出

あたしの場合は小学校から高校まで父方の祖父母と同居していて、母方の祖父母の家に泊まりに行くのも基本的には親同伴だったのですが、従兄弟達とじゃれあったり、母方の祖父とおもちゃを買いに出かけたり、色々良い思い出です。

>親との距離感

ほとんどの子どもは大なり小なり「構ってちゃん」を親にやるものだとは思いますしあたしもそうでしたけど、そういうのっていつか
「自分が未熟だった」
ということに心の中で落ち着くものだと思うので…あたしより一回り以上上の元記事の人が未だに子どもの頃の自分を正当化してる、と思った時にちょっと衝撃を覚えました。「お金を盗む」って、単なるだだっ子とは「黒歴史」のレベルが違いますし。

親に相手にされなくて寂しかったのは分かるけど、それを他の人に埋めてもらえない状況を「絶対」として周囲に触れ回ると、救われる人より苦しむ人の方が多いんじゃないかな、と。
3. Posted by たんぽぽ   2015年06月02日 22:21
>それを他の人に埋めてもらえない状況を「絶対」として周囲に触れ回ると、

エントリ作者は、自分の事情や考えを絶対視する
傾向がみょうに強いですよね。
世の中には、自分と違った事情の人がたくさんあって、
とても自分の事情を当てはめられないかたが
いくらでもいることは、想像できないのかと思います。

親のお金を盗むなんて、いくらわざとすぐに
見つかるようにやったとはいえ、
書くのがはばかられそうな「黒歴史」だろうと思います。
それをあっさり書いたり、子ども時代の
「かまってちゃん」に疑問を持ってないとか、
自分自身を客観視できないのかもしれないです。
4. Posted by 七重   2015年06月02日 23:48
>自分の事情や考えを絶対視する傾向

人間誰しも自分を基準にして考えがちですけど、それが極端だったり、省みる事が無かったりっていうのは、特に反リベラルにありがちな印象ですね。

自分で客観視出来ないのは、まあ、その人個人の問題ですけど、周囲からツッコミ受けてこなかったっていうのは、その人個人に還元出来ない、社会とか集団の問題として注意する必要があるかな、と思います。
5. Posted by たんぽぽ   2015年06月04日 21:30
>周囲からツッコミ受けてこなかったっていうのは、

くだんの料理研究家のかた、例のエントリで猛批判を受けて、
そのあとしつこく言いわけのエントリを書きまくっていますね。
他者から批判されることに慣れない人が、
よくしめすリアクションだと思います。

もともと自分の考えを批判される機会が、ほとんどなかった感じですね。
批判される機会があれば、あのようなエキセントリックな考えも
いくらかは改まっているのだと思いますが。

>その人個人に還元出来ない、社会とか集団の問題として注意する必要があるかな、

ほとんど自分の考えを批判されずにきた人というのが
どうして出てくるのかは、考察を必要とするところですね。

男性でそれなりの地位にいる人なら、
強者の立場でいたから、まわりから批判を受けずにきたと
考えられるのですが、料理研究家のかたのような
女性の場合はどういうことなのかなと思います。
6. Posted by 七重   2015年06月05日 00:06
>言い訳エントリ

つい最近でも上がったらしいですから、ある意味凄いですよね。言い訳だけでどれだけエントリー書いているのかと。

>批判されない〜

彼女の場合は、「それなりの地位の男性」にすり寄り続ける事で、その恩恵にあずかってきた可能性はありそうです。
………もしかすると、彼女が一番最初に拠り所にした「それなりの地位の男性」が彼女の父親で、あの件を引き起こしたあたりの時期、彼女は父親にスポイルされてたとかあり得ないでしょうか?

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