バッチフラワーレメディのフシギ
2008年07月04日
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今朝、東京ではひどい雷が鳴った。
ルルは一人で起きだして風呂場で震えていたので、ベッドに戻して抱っこして落ち着かせた。
最近はひどい雷でないかぎり反応しないし、すぐに落ち着くようになってきたが、もっとリラックスしていられるようにいろいろ試してみようと検索していたら、バッチフラワーレメディのレスキュークリームを耳に塗ってマッサージしましょうと書いてあるサイトがけっこうあった。
このバッチフラワーレメディという「自然療法」は、ずいぶん前から密かに流行っている。
人間はもちろん、イヌネコなどのコンパニオンアニマルに対しても用いられている。
保護活動をやっている人たちの間でも、不安をかかえる動物には「レスキューレメディ」が効果的だ、などと言われていたりする。
そもそも、このバッチフラワーレメディとは、１９３０年代のイギリスの医師であるエドワード・バッチがホメオパシーから出発して独自に開発した「癒しのシステム」だそうで、病気の最大の原因は「特定の心理的傾向」にあると考え、花の中に心のアンバランスを癒す治癒力が潜んでいると考えた。
この時点ですでに私にはついて行けなくなっている・・。
ペニシリンもない時代（１９４２年に製品化）、病気の原因も現在よりはずっと未解明で、思想史的には反実証主義が近代科学批判としての非合理主義と親和性をもった時代である。
それはさておき、さらに先に進もう。
バッチフラワーレメディでは、さまざまな「マイナスの感情」にたいし、それを癒す定の花が割り当てられているのだが、その根拠はエドワード・バッチが開発したという以外には示されていない。
製品としては、Ａ・ネルソン社が、「植物のバイブレーションをとった母液」を希釈して保存性を高める植物性グリセリンを添加して販売している。
母液は、ホメオパシーのレメディの原則である希釈ではなく、「太陽法（＊太陽光にさらされて花の治癒力が抽出されている“露”を集めるという方法）」と「煮沸法」によって作られるが、この母液を１０万倍に希釈して瓶詰めしたものが製品版だ。
花の露に癒しの治癒力なるものがあるのかはさておいても、１０万倍に希釈すれば、もはや元の成分の分子は（といっても水だが）全く残っていない。
言ってみれば、水にグリセリンを混ぜたものだ。
エネルギーが入っているから効くというのだろうが、そのエネルギーなるものが何かは知らないが、１０万倍に希釈した段階で成分は何も含まれていないのである。
関係ＨＰをみると、成分が含まれていないことは認めているので、なんだかわからないが治癒能力がある、という主張なのだろう。
これでは、信じるか信じないかという信念の問題になってしまう。
私は新薬を服用して効果を調べる「治験」のボランティアをしているが、かならずプラセボ（偽薬）を用いて、被験者も実験者もどれが本物の薬かわからないようにした二重盲検をおこなう。
すなわち、本物の薬とただのブドウ糖などを、観察者にも自分にもわからない形で服用してその本当の効果を確かめるのだ。
バッチフラワーレメディをはじめ、ホメオパシーの治療薬は、こうした二重盲験試験は取り入れられていない、というよりそれほ拒否している。
ということは、仮に効いたとしても、それがプラセボ効果によるものである可能性を排除できないということだ。
偽薬が効くこと、すなわちこれはよく効く薬ですよと言われたら、本当に症状が改善する人もいることは、科学的に実証されている（もちろん効かない人もいる）。
信じる人には効くかもしれないレベルのものにお金を払う余裕と勇気は私にはないが、マーケティング戦略論からすれば、商品にさまざまな付加価値をつけることによって差別化をはかり、顧客満足度をあげるという王道を歩んでいるという点に、事業としての成功の秘訣があるのだろうなぁと妙に感心してしまった。
だが、それによって必要な医療措置を受けさせずに症状が悪化することもあるので、そうなったら非常に危険である。
たんなるグリセリン水に頼る前に、合理的な判断をしよう。
ルルは一人で起きだして風呂場で震えていたので、ベッドに戻して抱っこして落ち着かせた。
最近はひどい雷でないかぎり反応しないし、すぐに落ち着くようになってきたが、もっとリラックスしていられるようにいろいろ試してみようと検索していたら、バッチフラワーレメディのレスキュークリームを耳に塗ってマッサージしましょうと書いてあるサイトがけっこうあった。
このバッチフラワーレメディという「自然療法」は、ずいぶん前から密かに流行っている。
人間はもちろん、イヌネコなどのコンパニオンアニマルに対しても用いられている。
保護活動をやっている人たちの間でも、不安をかかえる動物には「レスキューレメディ」が効果的だ、などと言われていたりする。
そもそも、このバッチフラワーレメディとは、１９３０年代のイギリスの医師であるエドワード・バッチがホメオパシーから出発して独自に開発した「癒しのシステム」だそうで、病気の最大の原因は「特定の心理的傾向」にあると考え、花の中に心のアンバランスを癒す治癒力が潜んでいると考えた。
この時点ですでに私にはついて行けなくなっている・・。
ペニシリンもない時代（１９４２年に製品化）、病気の原因も現在よりはずっと未解明で、思想史的には反実証主義が近代科学批判としての非合理主義と親和性をもった時代である。
それはさておき、さらに先に進もう。
バッチフラワーレメディでは、さまざまな「マイナスの感情」にたいし、それを癒す定の花が割り当てられているのだが、その根拠はエドワード・バッチが開発したという以外には示されていない。
製品としては、Ａ・ネルソン社が、「植物のバイブレーションをとった母液」を希釈して保存性を高める植物性グリセリンを添加して販売している。
母液は、ホメオパシーのレメディの原則である希釈ではなく、「太陽法（＊太陽光にさらされて花の治癒力が抽出されている“露”を集めるという方法）」と「煮沸法」によって作られるが、この母液を１０万倍に希釈して瓶詰めしたものが製品版だ。
花の露に癒しの治癒力なるものがあるのかはさておいても、１０万倍に希釈すれば、もはや元の成分の分子は（といっても水だが）全く残っていない。
言ってみれば、水にグリセリンを混ぜたものだ。
エネルギーが入っているから効くというのだろうが、そのエネルギーなるものが何かは知らないが、１０万倍に希釈した段階で成分は何も含まれていないのである。
関係ＨＰをみると、成分が含まれていないことは認めているので、なんだかわからないが治癒能力がある、という主張なのだろう。
これでは、信じるか信じないかという信念の問題になってしまう。
私は新薬を服用して効果を調べる「治験」のボランティアをしているが、かならずプラセボ（偽薬）を用いて、被験者も実験者もどれが本物の薬かわからないようにした二重盲検をおこなう。
すなわち、本物の薬とただのブドウ糖などを、観察者にも自分にもわからない形で服用してその本当の効果を確かめるのだ。
バッチフラワーレメディをはじめ、ホメオパシーの治療薬は、こうした二重盲験試験は取り入れられていない、というよりそれほ拒否している。
ということは、仮に効いたとしても、それがプラセボ効果によるものである可能性を排除できないということだ。
偽薬が効くこと、すなわちこれはよく効く薬ですよと言われたら、本当に症状が改善する人もいることは、科学的に実証されている（もちろん効かない人もいる）。
信じる人には効くかもしれないレベルのものにお金を払う余裕と勇気は私にはないが、マーケティング戦略論からすれば、商品にさまざまな付加価値をつけることによって差別化をはかり、顧客満足度をあげるという王道を歩んでいるという点に、事業としての成功の秘訣があるのだろうなぁと妙に感心してしまった。
だが、それによって必要な医療措置を受けさせずに症状が悪化することもあるので、そうなったら非常に危険である。
たんなるグリセリン水に頼る前に、合理的な判断をしよう。
コメント
投稿者：
ｼﾞｬｯｸﾘﾝ
（2008年07月04日 19:07）
お疲れモードで読んでたら、普段以上に理解できなかッたジャックリンですが、フラワーレメディ、ッてのには興味を持たなくてもいいッてことなのかしらぁ?また頭がさえた時に(さえてても一緒かも;;;)またゆッくり読みにきますm(_ _)m
投稿者：
グラ
（2008年07月04日 19:45）
＞ちゃこぽんさんそうそう、流行ってたし今も流行ってるんですよね。
かつては防腐剤にビネガーを使っていたのですっぱかったのですが、今は防腐剤にグリセリンを使っているので甘いんだそうです。
本家本元ではブランデーを使っているそうな。
これはよほど信心深くないと効かないと思います（笑）
その頃、ネットのお友達の間で流行ったんですよね。
で、うまく乗せられて買ってみました。
一応解説の本も・・・（爆）
でもさっぱり効果の程がわからないのと
自分で試してもさっぱり？？？だったので買ったのは１回だけ。
防腐剤にビネガーが入っているので、すっぱい味しかしませんでした（爆）
使ってみた私の感想もグラさんと同じですよ〜。
二度と買わないと思いますからｗｗ