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感受期と犬猫の販売

2015年06月22日
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夕方、マルちゃん(ドゴMIX♂7歳)と散歩をしていたら、50メートルぐらい前を、こげ茶色の動物が歩いていた。


ネコさんかなと思ったが、それよりはちょっと大きい。


マルちゃんは熱心ににおいを追跡しはじめた。


なんだろうと思ってじっとその動物を見ていたら、いきなりすっくと立ち上がった。


サルだったのである。


1匹で偵察中だったのだろう。


すぐに姿が見えなくなったが、ふつうに舗装道路を歩いていた。


家に帰ったら、サル追いの空砲が間近で鳴り響いたので、やっぱり群れがいたのだ。


ちょっと移動するだけで追い払われるサルたちは、まったく気の毒だ。


今日は、犬猫の感受期の過ごし方について取り上げてみたい。


「うちの猫は、おとなしく寝ていたかと思ったら、突然激しく攻撃してきて、手に深く噛み付くんです」。


「うちの犬は、他の犬を怖がって遊べないんです」。


このような相談を受けることがある。


こうした問題行動の背景にあるものを考えてみよう。


犬や猫の行動の発達過程を見てみると、いくつかの段階に分けることができる。


その中でも特に重要なのが、感受期(センシティブピリオド)と呼ばれる時期である。


犬はおおよそ生後3〜12週齢まで、猫はおおよそ生後2〜7週齢までの時期をいう。


さまざまな刺激に対する感受性が高まるところからそう呼ばれている。


最近では、社会化不足の犬の問題行動が意識されるようになってきたため、感受期の重要性が注目されるようになってきた。


犬の場合、5〜12週くらいが、人間との交流を学ぶのに最適な時期とされている。


といっても、この時期までは人間と接触させてもダメだということではなく、この時期に脳の神経回路が集中的に発達して、神経学的、行動学的に準備が整うということである。


犬は生後3週くらいから他の子犬の後を追う社会的遊びを始め、6〜7週で仲間に対して愛着が生まれる。


だから、この時期に仲間から引き離すと、混乱から不安定になってしまうのである。


また、この時期のストレスは、学習能力にも影響する。


ペットショップでの展示販売の規制がない日本では、大抵の子犬はこの時期をショップのケージの中で過ごすため、排泄の学習がうまくいかない。


ペットショップで売られる子犬は、たいてい生後4週齢ほどで親兄弟から引き離され、8〜9週齢くらいまでショップのショーウィンドウに隔離されるため、次のような、成長にとって重要なさまざまな刺激を受けることができない。


人間と十分に触れ合うこと。
親兄弟から遊びを通じて社会的ルールを学ぶこと。
他の犬と接触すること。
トイレを覚えること。
ハーネス、リードに慣れること。


刺激をうける機会が少なくなると、脳の神経回路の発達が阻害され、状況に対する不適切な反応が起こるリスクが増大する。


他の犬を見ただけで吠える、遊びの攻撃行動(噛み付きなど)が抑制できない、不適切な遊び行動がみられるなどである。


ヨーロッパ諸国では、生後8週齢未満の子犬を親兄弟から引き離してはならないという法律がある。


だが、心あるブリーダーは、12週齢までは手元に置いて、犬同士の交流や生活上のルールを学習させるのが一般的である。


その場合も、日本のようなケージやサークル飼いではない。


ケージやサークルを使用する人がほとんどいないだけでなく、動物の自由を著しく制限するような飼い方は、法律で禁止されている。


鎖などでつなぐことも禁止している国がある。


そもそもブリーディングには、非常に多くの厳しい法律が課せられているため、ショーで上位入賞しないかぎりは金儲けにはならないので、ブリーダーは室内フリーで十分に手をかけ、散歩に連れて行ける頭数の犬しか置かない。


日本では毎日きちんと親犬の散歩をしているブリーダーは極めて少ない。


ヨーロッパでは、引き離し禁止時期を12週齢までのばそうという動きもあるが、それにたいし日本では、8週齢未満の子犬の販売禁止を求める運動がずっと続いてきたが、骨抜き法制化によりまだ実施していない。


8週齢規制は重要なことだが、ショップやブリーダーの販売時期ではなく、実際に親兄弟から引き離す時期を8週齢以降にしないと意味がない。


また、8週齢で引き離したのち、子供だけをまとめて狭いショーケースに入れて展示していては、やはり意味がないのである。


日本の繁殖業者が、母犬を小さなケージに押し込めて、散歩もさせずにヒートのたびにどんどん子供を生ませ、使えなくなるまで使っては捨てるということをおこなっているかぎり、その子犬たちの正常な発達はのぞめないのである。


これはペットショップで売られる猫の場合も同様である。


そもそも、命ある動物を、売るために生産するモノ=商品としているかぎり、利潤原理からは逃れられない。


犬猫を買うということは、その生産・流通・販売システム内にある動物たちにとって、大きな苦痛を強いる残酷な行為である。


このシステムは、さらに、その動物たちを一生にわたって苦しめ続けるのである。


さまざまな刺激に慣れていない、他の仲間との社会化ができてない、精神的に不安定な性質を持ち続けるなどである。


こういう犬猫は、非常に飼いにくい。


だから、飼い主から叱られたり疎まれたり、ひいては殺処分に持ち込まれたりすることになる。


動物にとっても人間にとっても、良いことなしである。


多くの人が、早くこのことに気づいて欲しいと思う。


もちろん、犬猫の性格形成には、感受期の刺激への暴露だけでなく、ほかにもさまざまな要因が影響を与える。
親犬猫が神経質だったり、人間嫌いだったりすると、子供もその性質を受け継ぐことになる。


猫の場合、特に野良猫の子供や捨てられた子猫を拾って飼いはじめるケースが多いが、妊娠中の母親の栄養状態が生まれてくる猫に影響を与えるという点は無視できない。


栄養状態がよくない母猫から生まれた子猫は、学習能力が低く、異常な恐怖や脈絡のない攻撃行動をおこなうという。


また、生後2週で母猫から分離された子猫は、他の猫やヒトを恐れ、攻撃行動を取るようになり、学習能力も低かったという報告がある。


これらのようなケースでは、人間と一緒に暮らすことは難しいかもしれない。


逆に、出生後からより早期に、より長時間人間に触られた子猫は、より友好的になる。


また、知らない物体により早く近づいて、なれることができる。


さらに、5人の人間に扱われた子猫は、ひとりだけに扱われた子猫よりも、人間にたいして友好的であるということも確認されている。


とすれば、感受期の子猫を保護したときには、このようにヒトとの接触を多く確保し、その他の刺激にも積極的に慣らすようにしたい。


保護活動をする場合には、そうやって賢く、感性豊かな猫を猫に育ててから譲渡すると、後になって捨てられるというリスクを減らすことができる。


同腹の子猫を保護した場合、生後数週間であるにもかかわらず、すぐに1匹ずつ里子に出してしまうヒトがいるが、これは子猫の成長にとっては、非常にマイナスである。


生後2〜4週間の間に他の子猫と過ごすことは、心を落ち着かせる効果がある。


それだけでなく、生後3週から12週ごろまで続く社会的遊びをとおして、とおして噛む強さやコミュニケーションのしかたなどのルールを学ぶのである。


この時期に1匹だけで過ごすと、噛み付きや不適切な遊びの制限を学ぶことができなくなる。


その場合、人間が教える必要があるが、これをきちんとできる人は少ない。


わたし自身、保護猫たちにやってきたが、ルル(ヨーキー♀10歳)のほうが、はるかに上手だ。


猫の場合も12週齢くらいまでは、親兄弟と一緒にいたほうが、行動の正常な発達にとってはプラスである。


自分の犬猫の困った行動に直面した時、感受期にどのような環境にいたのかを考えてみると、その背景がわかるかもしれない。


それも含め、犬猫の売買にまつわる問題を、よく考えていただきたいと思うのである。


参考文献:Karen L.Overall 『動物行動獣医学』


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コメント
投稿者:こっこ(2015年06月22日 23:18) 
こんにちは、毎日楽しみに拝見しています。

我が家のヨーキーのチェリーは、幸いとても良いブリーダーから譲り受ける事ができました。
我が家のちょっとした予定の為に、生後二ヶ月になってすぐの時に引き取りたいとの申し出に、「二ヶ月を過ぎ、ワクチンを打った後、一週間は様子をみさせて。お譲りするのはそれからです」と言われました。
その間、チェリーは室内フリーで昼間はみんなと、夜寝る時はお母さんと寝る生活でした。
少しづつ月齢の違う子犬やブリーダーさんの飼い犬のボルゾイ達とそしてブリーダーさん三世代6人家族と過ごしていたのです。
驚くのが手のひらに乗りそうなちっちゃなチェリーをボルゾイが踏むことなく行き来し、自分の子ように相手をしてくれているのです。
そしてグラさんののんびり散歩で、チェリーはゆったりした子に育ちました。
投稿者:グラ(2015年06月23日 06:28) 
>こっこさん

そうですか、それはよかったですね。
親犬がきちんと朝晩散歩に連れて行ってもらっているかも重要です(その犬のために)。
それから、子犬を外の世界に触れさせているかも、社会化には大切です。
社会化期が終わるまでに、室内や敷地内だけで育てるのは、大きな問題があります。
そこまでやっているブリーダーは残念ながらまずいませんが。
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