3か月ほど前に、猫が家に迷い込んできた。
ハムスター?と思うくらい小さい。
このままでは死んでしまいそうなので、家に入れてあげた。
体重は300gすこし。
クーラーの室外機の下に隠れていたので、クーと名付けた。

やぎミルクを混ぜたキャットフードが口に合うらしく、食欲旺盛でとても元気。
無意味に走り回ったり、飛び上がったりしている。

ある日、左目だけを細めて涙を流している。
爪でひっかいたのだろうか。

数日後、左目が白濁しているのに気付いた。
調べてみると白内障らしい。
外傷が原因とのこと。やはり爪でひっかいたのか。
自然に治ることはないらしい。
まあ、左だけだし、片方だけ白くて見た目にはかわいそうだけど、元気に走り回っているし、右が見えてるならまあいいか、と。

その数日後、今度は右目を細めて涙を流している。
ほどなく、壁にぶつかるようになった。
両目とも見えなくなったのだ。

元気に走り回ることはなくなった。
カーペットのヘリの一角で、寝転がって一人遊びしている。
壁伝いにゆっくり歩く。
大興奮の餌の時間だが、玄関の餌置き場に降りるのも、ゆっくり。着地に失敗して、こけることも。
トイレに入るのも手探りで何度も確認している。
家族が近くを通るだけで、足音にビクッと反応しおびえる。

「もう治ることないんやって。」
という娘の言葉に猛反発した。
「とうさんの仕事は不可能を可能にする仕事なんやで! そんな言い方するな!」

猫のツボを調べる。
人間とはかなり違う。
むかし中国では、馬が必需品だったため、馬の治療法も発達して、動物のツボも整理されてきた。

人間の頭のてっぺんにある百会が、猫では腰のあたりにある。
百会は空間を支配する重要穴処だ。
百会に手をかざしてみる。強い反応がある。
ためしに、頭頂部に手をかざしてみる。
反応はない。
やはり、猫の百会は腰にあるようだ。

猫には問診はできない。
体の反応で治療するしかない。

まず、百会で虚実をみる。
そして、百会で空間をみる。
その空間の方向に生きたツボを感じ取る。

これらはすべて、手をかざすか、目視で感じ取る。
反応する穴処に、古代鍼をかざす。

そうやって、治療すること5~6回。
なんと、左目が見えるようになった! 白濁が全くなくなる。
右目の白濁も、外側から消えてきて、小さくなりつつある。

IMG_1498


おかげで、いたずら好きのクーが戻ってきた。


IMG_0285
IMG_0202
IMG_0307

かつて、鍼を動物に使う鍼灸師を冷ややかに見る時期が僕にはあった。
しかし、恩師、藤本蓮風先生は、犬猫を飼って鍼灸医学の研究をなさっていると聞く。ペットショップでわざわざ障害のある犬猫を選び、治して飼っておられるそうだ。
もちろん、楽しんでなさっているのだろうが。
それを耳にして、意識が変わった。
病を救うことに、人も動物も関係ないではないか。

そんな意識の変化が、結果としてクーを治療するという発想につながる。

先生、道を照らしていただき、ありがとうございます。


付記
「猫の白内障」アップから5日後、右目の白濁も消えました。
11ba7bb4
こんな感じです。
両目で見据えて、なにかを狙ってますね。


BlogPaint