眞鍼堂|奈良県橿原市の鍼灸専門治療院 大和八木駅から徒歩7分

一本鍼が鍼灸の力を最大に発揮。奈良県橿原市で本格的な東洋医学を実践する鍼灸院。肩こり・腰痛はもちろん、うつ・パニック・めまい・アトピー・喘息・不妊症・PMS・更年期障害・発達障害など、全科に対応。

東洋医学の「肝臓」って何だろう

さて、いよいよ肝臓に入っていきます。

肝臓と言う機能は、

現代語訳せよといわれると、一番こまります。

なぜかと言うと、

人間の深層心理…つまり無意識に深く関与し、また

肉体の無意識…つまり自律的な働き

…つまり、自律神経や免疫に深くかかわるからです。

無意識は自我との深いかかわりを持ちます。、

ですから、自我(自意識)をからめて説明しなければなりません。

自我…無意識…自律神経…免疫…

これらのキーワードを眺めて、イメージすることは?

うーん、最初から難しいですね。

たとえ話をしましょう。

長嶋茂雄さんが、脳梗塞で倒れられたことは、皆さんご存知ですね。

実は、この原因には、東洋医学で言うところの

「肝臓」という機能が深くかかわっています。



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アテネオリンピック。

野球の日本代表チームが、世界各国の代表チームと戦い、

世界一を決める大会です。

日本は代表監督に長嶋茂雄さんを選びました。

長嶋さんもその重責を引きうけられました。

史上はじめての日の丸を背負ったプロ集団の監督。

日本で一番人気のあるスポーツ、野球ですよ。

責任感もサービス精神も旺盛な長嶋さんは、その重責に、

「もしも負けたら、大変なことになるよ。日本にはいられなくなるかもしれないよ」

と家族に漏らしていたと言います。

天真爛漫なイメージとは随分ちがいますね。

そして、開催直前に倒れ、

一時は、生死をさまようような重体に陥りました。

あれだけ明るく快活だった監督の、

あまりにも突然のニュース。

ここに我々は、「ストレス」というものを意識せざるを得ません。

では、ストレスとは何者なのか。

下手をすると、死に追いやるほどの負のパワー。

本当にストレスか原因なのか?

それともただの偶然?

東洋医学はこれに三千年も前から目をつけ、

メカニズムを明らかにしてきました。

そのメカニズムの中心に「肝臓」という名をつけたのです。



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東洋医学は、肝臓を色々なものに例えています。

…例えば「木」

…例えば「将軍」

…例えば「魂」

まず「木」について説明を試みましょう。

皆さんの木のイメージは?

色々あると思いますか、ここでは、

「上にのびのびと伸びてゆく、自由闊達さ」

をイメージして下さい。

肝臓には、そういう側面があります。

新緑の季節、木々は美しい新芽を出し、

上に上に伸び広がります。

こんな木を見て、

われわれはどんな気持ちになるでしょう?

やはり伸びやかで爽やかな気持ちになります。

これが我々の体に「木」という働きがある証拠で、

この働きを「条達作用」といいます。

「条」とは?

Wiktionaryによると、字源は…

水の流れる様から「細長い」意が生じた。細長い木の枝。すじ。すじみち。

…らしいです。

つまり、スジのように「達」する…

まっすぐ、すんなり伸びて到達する様子です。

心身ともにこういう状態であれば、

まず病気にはならない。

また、病気になったとしても、すぐに治ってしまう。

こういうことを古代中国人はよく知っていました。

世間では、「ドクハラ」と言う言葉があるみたいですね。

ドクターが患者にひどいことを言うことなんですが、

これなんか、言語道断ですね。

治したいのか、病気を重くしたいのか、意味不明です。

物質医学に偏ると、「人間」が見えなくなるのかもしれません。



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それはさておき。

木というのは、太陽にすごく左右されますね。

東から日が当たれば、東に向かって伸び、

西から当たれば、西に成長します。

太陽の光がうまく降り注いでいれば、

すくすくと成長します。

しかし、太陽が当たらないと成長しません。

それどころか、ねじけ、曲がり、最後には枯れてしまいます。

太陽とは心です。心つまり自我…自意識とも言いますね。

これが太陽。

太陽と言えば、長嶋茂雄さんのイメージですよね。

ところが、長嶋さんの太陽は、

アテネで光を失いました。

すると長嶋さんの「肝木」が

「条達」できなくなってしまった。



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ここまでは分かります。

でも、のびのびできなくなったくらいで、

どうして長嶋さんは倒れてしまったのでしょう。

ここで陰陽論で学んだことが必要になります。

陰極まって陽になる。

陽極まって陰になる。

この転化の法則が、理論的根拠になってきます。

つまり、すがすがしい太陽の光を浴びて行われていた「正常」な条達が、

太陽の急激な変化によって、「異常」な条達に変化した。

正常と異常。これも陰陽です。

異常な条達は、人体の上部である頭部に、異常なアクションをおこした。

結果的に、脳の血管を攻撃し、細胞を死滅に追い込んだ。

なんか、肝臓って恐いっていうか、激しいっていうか、

猛々しいですね。

これが肝臓のもう一つの横顔である、

「将軍」としての側面です。

しかし、「将軍」は、ただの戦争好きではありません。



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将軍は、国を守るために、

東に敵が攻めよせたら、

東に軍を集めてそれを防ぎます。

そうしている間も、

西の備えも怠りません。

そうして絶えず注意して、

国土や民を守ろうとします。

そういう緊張した性格を持っています。

これは免疫に相当します。

ストレスがたまる…

つまり過度に緊張状態が続くと、

免疫が落ちるといわれますが、

東洋医学では昔から知られていたことです。

肝臓を治療すると、

なんとなく気持ちが落ち着き、

集中力がつき、すがすがしくなります。

こういう状態に持って行くと、

癌などの難病でも進行が止まる。

…つまり免疫が癌細胞を包囲し、増えなくするのです。

こういう臨床事実から、

肝臓の治療方法が工夫され、

肝臓の性格というものの分析が進んだのでしょう。



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そうなると、

いろんな面で肝臓が働いていることが分かります。

「火事場の馬鹿力」もそうです。

将軍はここぞという時、

軍事力を集中させます。

ある場所に軍隊を集中する場合、

「条達」という道を使いながら。

後になって疲れは来るでしょうが、

火事を何とかするために

一時的に力を集中させるのです。

カゼを引いた時、喉にはウィルスが増殖します。

将軍は、これをやっつけるため、

条達という道を通って、

白血球を総動員させます。

もてる力を抗ウィルスに集中させるため

筋肉には力が足りなくなり、体がだるくなります。

つまり機能である「気」を

ウィルスに集中させるので、

筋肉の気が足りなくなるのです。

すべて元締めは将軍である肝臓です。

もしも、です。

もしも、この将軍が狂った人だったら…。



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考えただけでも恐ろしいですね。

ウィルスを攻撃せずに、

骨を攻撃し出したらどうなる?

リウマチです。

体の大切な組織を

深い考え(謀慮)なく

ランダムに攻撃したら?

条達という道を使えば、

将軍は軍隊をどこにでも派遣できます。

全身性エリテマトーデス・ベーチェット病・潰瘍性大腸炎…

その他もろもろの膠原病

…つまり免疫異常疾患は、

すべて、この将軍が狂人になってしまったからです。

アレルギーもそう。

花粉は、そもそも人体に無害の物質。

これを敵とみなしてしまう。

免疫が発動し、

鼻水を出して、なんとか洗い流そうとする。

将軍の暴走です。



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実は、

免疫は、西洋医学の概念ですが、

分かっていないことが非常に多い機能です。

例えば、神経系…くわしくいうと、

呼吸器系・循環器系・運動器系などは

統率者がハッキリしてますね。

脳です。

ところが、免疫は脳の支配下にはない。

じゃあ、免疫を統率しているのは何か。

これが分かっていないらしいんです。

免疫学の世界的権威の多田富雄先生は、

「健康人において、免疫が一糸乱れぬ統率性を保っているのは、逆に不思議なくらいだ」

と、おっしゃっているくらいです。

免疫なんて、いつ暴走してもおかしくないのに、

なぜ暴走しないんだろう、不思議だ、

と言うんです。

だから、西洋医学では、

免疫が暴走した疾患を治すことができていません。

免疫抑制剤をつかって、つまり体力のレベルを落とすことによって、

病気を抑えているに過ぎません。

免疫は機能。

物質科学が基礎の西洋医学では、非常に解きにくいんでしょう。

しかし、東洋医学は、肝臓と言う概念を持っています。

その切り口を使うえば治る筋道がある。

西洋医学の切り口では治る筋道がない。

それだけのことです。

この免疫学の先生は晩年、興味深いことをおっしゃっています。

「人の本質を突き詰めると、それは身体ではない。動きだ。」

免疫ほどの機能的分野(「気」)を専門に扱う先生には、

そう見えてくるのでしょう。

東洋医学の「気」の概念に非常に近い視点です。



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話を戻します。

肝臓には「木」「将軍」としての横顔がある。

木は太陽(自我・自意識)の影響をうけ、

太陽の動向次第で狂うこともあり得る。

正常な太陽(君主)のもとで、

将軍は名将として、国や民のために、深い考えをもって軍事力を発動する。

異常な太陽(君主)のもとで、

将軍は狂人として、ランダムに軍事力を発動する。

このような肝臓の性質を

古人は「魂」とも表現しています。

ん?

魂とはなんでしょうか。

これも東洋医学の言葉。

簡単にいえば、

魂とは「無意識」です。

また、難しい概念ですね。

分かりやすくするため、「無意識」がどういうところで使われているか考えてみましょう。

例えば、

消化吸収。これ、無意識です。

自分で何とかしようとしても、体が勝手に動いています。

呼吸。これもですね。

もちろん、免疫も。

心臓の鼓動。睡眠。排便。体温調節。

ン? これって自律神経ですよね。

そう、魂は自律神経の働きをイメージすると分かりやすい。

もうすこし正確な定義づけをすると、

生命のオートマチックな機能のうち意識できないもの、と言えます。

例えば心筋梗塞の患者さんは、

常に不安と言うストレスを抱えています。

これを和らげるだけで大きく症状が改善します。

肝臓を治療するとストレスが和らぎ、

心臓も回復するのです。



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無意識が関わるのは、自律神経ばかりではありません。

例えば、

美しいと思う心。けがらわしいと思う心。

人をいとおしいと思う心。なんだか憎たらしいと思う心。

それから直感。

すべて無意識、つまり魂です。

魂は心の無意識でもあるのです。

東洋医学が、直接、治療できるのは、

自律神経の部分、つまり体の無意識です。

しかし、体の無意識は、

心の無意識につながっています。

体調が何となくいい時、

心まで素直に優しくなれるのは、

無意識の部分でつながっているからです。

逆も言えますよね?

心が何となく楽しい、笑いが自然とこみあげてくるような時、

体も喜んでいませんか?

これは「条達」という言葉でまとめることができるでしょう。

条達、覚えてますか?

「木のように、上にのびのびと伸びてゆく、自由闊達さ」

…でしたね。

上だけではありません、根っこも下にしっかりと張りながら。

上滑りな伸びやかさではなく、

基礎をしっかりと持った伸びやかさですね。

気と血の陰陽関係でいえば、

「血」をしっかりと持った「気」です。

これが体の健やかさ、心の健やかさと

大きく関わるのです。

そういう意味で、肝臓は血にも関わります。

出血が止まらないとき、肝臓を治療すると、

出血が止まることがあります。

若い女性の不正出血は、これが多いです。

おもしろいですね。



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さてさて。

体の無意識に関わる肝臓。

これが異常を起こすと、色々な不具合が出ます。

免疫・睡眠・消化吸収・心拍・呼吸・体温調節などなど。

また、

条達ができないと、伸びやかさが失われるわけですから、

流れの淀んだところにゴミがたまるように、

副産物がたまりやすくなります。

湿痰・瘀血・邪熱。

こういったものが一か所に集まってしまうと

恐ろしい病気になります。

癌です。

癌にならない秘訣は、条達なんですね。

ゴミが出来ても外に流れていけばいいんですから。

ところで、

「私、ストレスなんか無いよ」

と言う人、いますね。

その人が健康なら問題ありません。

でも、あちこちつらい、病院通いが忙しい…となると話は別です。

ほんとにストレス、ないの?



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ここで、
思い出してください。
長嶋さんは、心の太陽が光を失ったために
「肝木」に異常が出た。
ストレスとは、

まず自意識で感じ、

それが無意識(肝臓)に影響して、

体に障害が出るものです。

ストレスがないのに、肝臓が狂うことがあるんでしょうか。

長嶋さんの場合、

心の太陽が光を失った、

と表現しましたが、実は正しくありません。

太陽が間違った方向から木を照らした、

というのが正解です。

「勝たないと日本にいられない」

…という不自然で強い光を放つ自意識が

肝木の条達すべき方向を誤らせた。

だから、木は

誤った方向にむかって枝を伸ばしたんです。

異常な条達は、

人体の上部である頭部に

異常なアクションをおこした。

とすると、

問題は、ストレスではなく、

心の太陽が照らす方向…。



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そうなんです。

だから、

「自分は絶対正しい」と思いこんでる人、

こういう人にはストレスはありません。

でも、その思い込みが自然の理法に反している時…、

太陽は誤った方向から肝木を照らします。

もちろん、肝木はあらぬ方向に枝を伸ばすでしょう。

思いこみが強ければ強いほど、です。

肝臓が狂うのは、ストレスが原因とは限らない、

ということです。

例えば、人のものを盗んでしまった。

そしたら、ふつう気分が良くないでしょ?

ストレスですよね?

でも、なんとも思わない人がいる。

盗みの何が悪い。別にいいじゃないか!

こう思い込んでる人もいる。

ストレスに感じようが感じまいが、

この人たちは、いずれ体調を崩すでしょう。

魂を傷つけたからです。

無意識を傷つけたからです。

肝臓を悪くするからです。



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ストレスに気づけない…

ストレスと感じない…

人間の心理の奥深さです。

東洋思想は、ここまで考えてきました。

人の体と心を

臨床というまな板の上で

解剖してきたんです。

だから、西洋医学が難病とするものに

立ち向かう術を持つんです。

長嶋監督が

「負けたら日本にいられない」と、

お考えになったことは、間違っています。

負けたって、誰が監督を責めますか?責められますか?

もし、そんな奴がいたら、

国民みんなでやっつけてやればいいんですよ!

あれ?僕の肝臓も間違った方向に条達しかけてる?



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大切なことを言い忘れているので、補足させてください。

肝臓を治療するうえで、大切なもの。

腎臓と肝臓の関係。脾臓と肝臓の関係。

肝臓を治療しようと思えば、腎臓を治療しないと治せない。

肝臓を治療しようと思えば、脾臓を治療しないと治せない。

東洋医学的な色合いの濃い考え方です。

西洋医学の「肝臓」なら、「肝臓」のみを治療することになりますね。

物質を基にした西洋医学は、一つのパーツを修理することに重きを置きます。

機能を基にした東洋医学は、機能の連携のバランスをとることに重きを置きます。

では、肝臓と上記二臓とは、どのような関係があるのでしょう。

まずは、肝臓と腎臓の関係を見ていきましょう。



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肝と腎の関係。

東洋医学の肝臓って何だろう(11)
 でも少し述べましたが、
肝は木、は根にたとえられます。
木は根によって支えられている。
根がなければ木は枯れてしまいます。
肝と腎も同じ。
肝は腎によって支えられています。

腎に蔵されている「」は作り変えられ、「血」になります。
「血」は肝臓に蔵され(肝血)、肝臓の気(肝気)を生み出します。
肝気と肝血の関係は、「血って何だろう」で学んだ気と血の関係そのものです。
母子関係とシーソー関係がありましたね。
どちらも陰陽の理論でした。
肝気が暴走したとき、つまりストレスなどで条達異常が起こったとき、
その裏側では、肝血が弱くなりすぎています。
シーソー関係ですね。

肝血が足りていると、肝気は暴走しなくなります。
肝気の暴走≒ストレス。
その肝血の供給源が腎臓というわけです。
腎臓を強くしておけば、肝気の暴走が防げることになります。

逆に、ストレスが常にあって、肝気が常に強くなりすぎた状態だと、
肝血が常に足りなくなるので、
腎臓が弱くなっていきます。 
肝臓を調整して、腎臓が弱るのを防がなければなりません。

このように、肝臓と腎臓は精と血の観点から一つの機能としてみることができます。
これを精血同源といったり、肝腎同源といったりします。

まとめます。

腎精が弱ると肝血も弱る。結果として肝気が暴走する。
腎精がしっかりしていると、肝血もしっかりする。結果として肝気は落ち着いている。



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肝との関係。

肝と腎が精・血という枠組みで助け合っていることを、前回学びました。

肝と脾はそれとは対照的です。
肝が暴走すると脾が弱り、肝が落ち着くと脾が強くなります。
脾が弱ると肝が暴走し、脾が強くなると肝が落ち着きます。
シーソー関係ですね。
一方が強くなると一方が弱くなる、と簡単にまとめることができる。


これを気と血の関係で説明しなおしましょう。

気の暴走=血の弱り …でしたね。だから、
肝気が暴走すると肝血が弱ります。
血のソースは脾がもたらす栄養分です。
だから、血=脾とも言えます。
血が弱いということは、脾が弱いということに等しい。
ゆえに、
肝気暴走=肝血が弱い=血が弱い=脾が弱い。

逆もしかり。
脾が弱い=血が弱い=肝血が弱い=肝気暴走。


また、こういう説明の仕方もできます。
肝臓の機能である条達。
これは脾臓の栄養分を動かすルートの流暢な流れ(運化機能)にも一役買っています。
条達がうまくいかないと、運化機能もうまく働かず、脾臓が停滞します。
肝気が道なき道を暴走し動けなくなると、脾臓が弱ります。


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肝と脾のシーソー関係はよく見られます。

たとえば、
ストレスで胃が痛いとか、食欲がなくなるとか、下痢するとか。
ぼくはこの体質です。
肝の暴走が脾を痛めつける。
「肝脾不和」っていいます。

ひどくなると、コーヒーを飲むだけで胃の調子を壊す。
カフェインが肝を興奮させ、肝が脾を弱らせる ためです。

逆も言えます。つまり、
脾が弱い体質の人は、ストレスでイライラしやすい。
体の弱い人で、しかも神経質。
これは肝気の暴走が慢性的に起こっています。
もともと脾が弱いため、肝がいきり立っている。
 
また、肝気が暴走すると、体の痛みが起こりやすくなる。
そういう法則があります。(後日詳しく説明します)

ですから、もし、肝と脾のシーソー関係で肝気が立っているならば、
その痛みの原因は、脾の弱りということになります。
これも実際にたくさん見られます。
食欲が出てきたら痛みもましになった… 。
よくあることです。



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ただし、みんながみんな、ストレスで即座にお腹に異常が出るとは限らない。
ストレスがあっても、平気で食べる人もいます。
この辺は、もって生まれた体質があるようです。

つまり、即座にシーソーが動くか、ジワジワ動くか、という体質的な違いがあるということ。
ジワジワ動く人は、どちらかというとストレス食いになる傾向があります。
とくに甘いものに走る人。
これはこれで厄介です。

まず、ストレスを受ける。
即座にシーソーが動かないので、にはまだ力がある。食べる力が残っている。
そこで、甘いものを食べると、瞬間的に脾が充実します。
脾が充実していると、肝は暴走しません。
肝が落ち着く。
つまり、気持ちがやすらぐ。ストレスがましになります。

甘いものを非常に好んで食べる人は、肝の暴走を無意識に防ごうとしています。



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甘いもので気持ちが落ち着く。
これで済めばよいのですが、そうはいかない。

運動もせずに甘いものを多食すると、
栄養をさばききれず、
ジワジワと脾を弱らせていきます。
それから、湿痰がたまってくる。
湿痰が長くとどまれば邪熱を生み、湿熱に変化する。
湿熱は血を焼いて、瘀血まで生み出す。

また、脾が弱ってくると肝気が暴走し始める。それも徐々に。
普段からイライラしやすくなる。ストレスを感じやすくなる。
すると甘いものが手放せなくなる。

負の循環です。

暴走を始めた肝気は、条(みち)を失っているわけですから、行き止まりになって鬱滞し、気滞を生じたり、道なき道を行って戻れなくなったり、いろんな問題を生じます。

真っ赤な顔して狂った将軍

肝の気滞が邪熱を生みだします
邪熱は湿痰をますます粘質のものにし、血を焼きます。

肝臓と痛みの関係について、詳しく説明します。
肝臓は「痛み」と密接な関係があります。

すなわち、
肝気が暴走すると、体の痛みが起こりやすくなる。
そういうことが言えます。

おおざっぱに言えば、肝臓というものが緊張という機能をコントロールするからです。
緊張は痛みにつながります。
思い出してください。
肝臓には、ピリピリと緊張した将軍という、一つの横顔がありましたね。
過度の緊張は痛みを生みます。
だから、肝は痛みを司る。 

もう少し詳しく分析してみましましょう。

肝は「」のように「上にのびのびと伸びてゆく、自由闊達さ」を持っていましたね。
これを「条達」する。
つまり「条」(みち)を使って、目的の場所に「達」する。
言い換えれば、
体全身の機能()を、スラスラと滞りなく動かす。そういうサイクルを生み出していく。

もし、肝気が暴走するとどうなるか。
条(みち)を見失い、行き止まりになって鬱滞を始めます。
気滞ですね。
もともと「木」のように上に伸びる性質がありますから、上に機能の過剰な偏りが起こる。
簡単に言うと、上に気が昇りやすくなる。

上に気の重心が移動するとどうなるか。
頭でっかちの建造物を想像してください。
左右に傾こうとしますね。
人の体はそれを何とか修正しようとする。
バランスを取ろうとするわけです。
頭が右に傾けば左に、左に傾けば右に。
あるいは、足元を右に左に移動させることによって、重心を保とうとするかもしれない。
そういう風にして、
気の左右のバランスが崩れていきます。
人体の左右が崩れてしまう。

考えてみてください。痛みは多くは左右片側に出ますね。
こういう痛みは、肝の異変をまず疑ってよい。

鍼は、この気の偏在を修正するのに最も適した方法です。
ただし、一ヶ所~数ヶ所のツボしか用いない鍼治療の場合ですよ! 念のため。
そういう条件ならば、漢方薬よりも優れている。
もちろん、西洋医学にはこうした方法論は見当たりません。

左右のバランスを鍼をつかって治療する。
すると、上下のバランスまで勝手に治ってしまう。
結果的に気が下がり、全身の正常なサイクルが復活する。
気分は爽快になり、痛みは知らぬ間に消えている。
緊張が解けるからです。

適度な緊張感と集中力があって、国のためを思い戦う、「やさしい将軍」に戻るからです。



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