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はいどーも。七式です。
PENTAXからカメラを始め、SONY α7IIIを経てα7RIVへと落ち着いた七式のカメラ遍歴ですが、
2021.11.5に新しいフルサイズセンサー搭載のカメラを購入しました。

Panasonic LUMIX DC-S5です。

このカメラはパナソニックのフルサイズ機である「S」シリーズの末っ子です。
上の兄弟には高画素のS1R、スタンダードなS1、動画特化のS1Hが存在しますが
その中のS1から2400万画素のセンサーと画像処理エンジンを引き継ぎつつ
小型軽量化を進めたのが「S5」です。


元々動画機としてのミラーレス一眼であるLUMIX「G」シリーズのG9Proを使っていましたが
操作性が非常に良く、使いやすく高画質で素晴らしいカメラでした。
少し前にα7IIIを手放し、α7RIVとG9の2台体制でしばらく楽しんでいましたが
G9で室内での動画撮影においてISO上昇に伴う画質の低下に悩まされていました。
かといって7RIVはどちらかというとスチル機なのでこっちで補うのも難しい状況。
残した二台よりも高感度耐性の高い7IIIを手放した事を少し後悔していたのですが・・・
買い戻す位なら違う機種を試したいと思ってS5を選びました。

使ってみると、これが素晴らしいカメラ!
キヤノン、ニコン、ソニーに比べてあまり人気の無いメーカーですが
このS5に関してはもっと評価されてもいいカメラだと判断したので
この良さを今からつらつらと書き綴ろうと思います。

それでは、S5の特に優れていると感じた点を紹介します。

  • デュアルネイティブISOで高感度耐性がすごい!
  • 手振れ補正がめっちゃ効く!
  • 4K60P 10bitが撮れる!
  • ハイレゾショットが素晴らしい!
  • キットレンズが面白い!

高感度耐性がすごい

DC-S5(以下S5)の標準ISOは100~51200。拡張で50~204800となっています。
2400万画素のフルサイズセンサー搭載機では数字の上ではα7IIIと同等の数値です。
(ちなみにG9は標準ISO200~25600、α7RIVは100~32000です。)
とはいえ、私の場合12800以上を使う機会はほとんどありませんので
数値上でISOの上限が高いか低いか、というのはあまり意味がありません。

重要なのはISO12800までのノイズと画質です。

写真撮影だけを考えるならISO12800というのは高すぎる数値です。
α7RIVでスチル撮影を行う場合、大抵の場合はISO3200までで収まりますし
ISOが上がってしまうならSSを下げるか絞りを開いて対応できます。
ところが、動画になると話は大きく変わってきます。

動画撮影の場合、例えば60Pで撮影するならSSは1/60に固定にします。
(細かい理由は省きますが、この設定が普通です)
また、私の撮影内容ではある程度の被写界深度を稼がないといけないので
F値(絞り)もF8~F16になります。

つまり、SSや絞りで明るさの調整ができません。

そうなると明るさの調整はISOに頼る事になるのですが、
上記設定だと少し照明が弱いとすぐにISOが跳ね上がってしまいます。

私が動画機として使用していたG9では、
F8で頑張って頑張ってISOは1600、少し気を抜くとISO3200・・・
高感度耐性の低いマイクロフォーサーズセンサーでは
ISO3200はギリギリアウトなノイズ量になります。

これをフルサイズに置き換えた場合、同じ被写界深度を得るにはF16が必要です。
F値が倍なので同じ明るさにするにはISOも倍になります。
つまりISO3200を常用、時には6400や12800が必要になる訳です。

α7IIIはISO8000位までは対応できました。7RIVだとISO6400がギリギリです。

ところが、S5はISO12800でも驚くほどノイズが少なく高画質に見えます!

7IIIと同じ2400万画素センサーなので、基本的に高感度耐性も近いはず・・・
それなのにS5の方が高感度で画質がいいのはなぜ?

それはS5のスペシャルな機能「デュアルネイティブISO」のお陰です。

デュアルネイティブISOとはベース感度を2つ用意して、
処理回路を切り替えて使用する事で高感度への耐性を高めた機能です。

諸説ありますが、S5の回路切り替え感度はISO4000前後だと言われており
テストデータではISO800とISO6400が同等のノイズ量だという驚異的な性能です。
(この機能はLUMIX GH5Sやα7SIIIにも搭載されているそうです。)

S5はデュアルネイティブISOの恩恵で
ミドルクラスの機種としては破格の高感度耐性を備えているのです!

S5は素晴らしい...(*´ω`*)



手振れ補正がめっちゃ効く!

次のポイントは手振れ補正です。
最近のカメラはボディ内手振れ補正の搭載率が非常に高くなっています。
ボディ内に手振れ補正機能があれば
当然レンズに手振れ補正が無くても手振れしにくくなるので
レンズの選択肢が大きく広がります。

α7IIIは5軸5段の手振れ補正を備えていました。
α7RIVは5軸5.5段・・・ですが、私の体感ではいずれも3段程度の効きだと思います。
SONYはマウント径もボディも小さいのでセンサーシフトでの手振れ補正には不利ですね。
もちろん3段の補正でも然程困った事は無いのですが、
先ほど書いたようにISOを上げたく無い、被写界深度を稼ぎたい・・・
そんなシチュエーションではスローシャッターでの撮影を余儀なくされます。

S5の手振れ補正は5軸5段。
カタログスペックではα7IIIと同等ですが・・・使ってみるとちゃんと5段分効きます。
買って初日にSS1秒を手持ちで撮影しましたが、問題無く撮れました(汗

フルサイズセンサーで素人が手持ち1秒をブレなく撮れる・・・マジかよ・・・

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被写体は適当ですが、60mm、F5.6、SS1秒での撮影です。
α7RIVだと絶対ブレます。
腕のある方は大丈夫だと思いますが、私には無理です。

写真ではピンボケと手振れは全てを台無しにしてしまいますが
S5ならそんな心配は不要かもしれません・・・

S5は素晴らしい...(*´ω`*)



4K60p 10bitが撮れる!

これは単純な話ですが、この価格帯で4K60Pを撮影できる機種は限られます。
主要機種だとEOS R6とS5そして出たばかりのα7IV位でしょうか?
しかし、R6と7IVは約30万円のカメラです。
S5は実勢21万円のカメラです。
60PだとAPS-Cにクロップされてしまいますが、差額を考えると素晴らしい。
フルサイズ画角が必要な場合は4K30Pにすればいいだけですし。

S5はコスパで圧倒出来てますね。素晴らしい...(*´ω`*)



クラス唯一ハイレゾショット搭載!


S5は2400万画素のフルサイズセンサーを搭載したカメラです。
つまり撮影した写真は2400万画素ですね。
この画素数はフルサイズとしては一般的で特筆すべきものではありません。

しかし、S5はこのクラスの機種で唯一「ハイレゾショット」を搭載しています

カメラ内合成で約9000万画素相当の写真を生成するこの機能は
SONYではリアルレゾリューションとして上位機種に搭載されています。
(機種によって画素数は違います)
しかし、フルサイズセンサーのミドルクラスでこの機能を備えるのはS5だけ
フルサイズでなければ、G9にもありますし、PENTAX K-70にもありました。
動く被写体には使えない、三脚必須、など条件はありますが
私は物撮りと風景メインなのでなんの問題もありません。

画素数は画質に直結しない、というのは大事な話ですが
高精細な写真が欲しい場合には画素数の暴力は非常に有効です。


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UPする時点で圧縮されてしまうのが残念ですが・・・
生の画像を見ると圧倒されるほど高精細です。

メイン機のα7RIVは6100万画素を誇る画素数番長です。
これと比較するとS5の2400万画素は頼りなく感じていた部分もありましたが
ここぞ!という撮影ではハイレゾが使える安心感は最高です。

やはりS5は素晴らしい...(*´ω`*)



キットレンズが面白い!


各社、入門用の機種にはレンズキットが存在します。
これはそのマウント用のレンズを持っていないユーザーでも
セット購入すればすぐに撮影が出来ますよ、というものですね。
どんなレンズがキットになっているかは各社、各機種で違いますが
多くの場合は廉価な標準ズームや高倍率ズームです。
例えばSONYであればFE28-70 F3.5-5.6やFE28-60 F4-5.6ですね。

で、肝心のS5の場合は「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」がキットレンズに設定されています。

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このレンズがもの凄く面白い...

まず、LUMIXらしい独特な焦点距離。
最近流行のV-Log撮影において
手持ちで自撮りする際に「24mmや28mmでは広角側が足りない」という問題があるのですが
それに真っ向から立ち向かう焦点距離です。
世の中にはV-Log機を謳いながら換算28mmのキットレンズで叩かれた機種もある中、
この20-60mmは素晴らしい評価を得ています。

私の場合、物撮りでは当然標準~中望遠域を使いますので40-100mm位で撮影しますが
風景と自撮りでは広角をかなり使います
α7RIVでは風景撮影の為に20万円以上する16-35mm F2.8 GMを購入しました。
しかし、実際20mm以下を使うシチュエーションは限られています
そこでこの20-60mmという焦点距離が活きてきます。
20mmあれば風景もばっちりです。最短撮影距離もそこそこ短いので
スナップやテーブルフォトにも向いています。
F値は3.5-5.6とやや暗いのでボケを主眼にした撮影には弱いですが
そこは他のキットレンズでも似たようなものです。

後心配なのは画質ですが、そこもぬかりなし。
何せこのレンズは単体だと7万円もするレンズです。
明るさ以外に必要な性能は一通り備えています。
大三元や単焦点に比べるとシャープネスがやや低いですが
SONY SEL2870に比べるとこちらの方が圧倒的にシャープですし
四隅の画質も安定しています。

70000円という価格はちょっとお高い気もしますが・・・

レンズキットで購入する場合は

S5レンズキット:243800
S5ボディ   :217318円
        
差額 26482円!!

(2021/12/31時点 価格.COM調べ)

70000円のレンズが26500円で付いてくる・・・めっちゃお得です(*´ω`*)


軽くて高画質で広角から標準まできっちり抑えたキットレンズ・・・

やはりS5は素晴らしい...(*´ω`*)



まとめ!...とイマイチな点

さぁ、ここまで思いつくままにS5の良さを語ってきました。
ぶっちゃけ、ベタ褒めな訳ですが・・・当然イマイチな点もいくつかあります。

例えば高性能な純正レンズがでかくて重い!

Panasonicはこれまで小型で軽いマイクロフォーサーズ用レンズを多数販売してきました。
フルサイズ用になる事で大きく、重くなるのは想定していましたが
いわゆる大三元(F2.8ズーム)レンズはとてもじゃないですが買う気が起こらない重さです。
まぁ各社画質重視のレンズは重い傾向なので仕方ないと思うのですが
シグマやタムロンが高画質で軽いF2.8ズームを出してきているので
選択肢として純正で軽いF2.8ズームが欲しい所です。

ちなみにS5のLマウントにはシグマが参加しているので純正に拘らなければ
安価で軽い大三元を使用する事はできます。
私も悩んだ末にシグマ28-70mm F2.8 DGDNを購入しました。

後発メーカーで、まだレンズが揃っていないという事もありますので
今後のLUMIXレンズに期待ですね。

その辺を加味しても、価格と性能のバランスではS5は素晴らしいです。
私はペンタ、ソニー、パナの3メーカーが好きなので
大御所のキヤノンとニコンに関しては試用しかしていませんが
私が今まで使った中でS5が一番しっくり来ています。
そりゃ、金額を気にしないならZ9やα1にすれば写真では最高ですし
動画と暗所性能でα7SIIIが最強なのも間違いないです。
各ハイエンドは別格ですからね。

しかし、対象をミドルクラスに絞った場合、α7IIIやα7C、Z6II、EOS-R、
その辺りの機種と比較してコスパが非常に高いと感じました。

長らくこのクラスを席捲していたα7IIIはα7IVに進化しました。
正常進化で素晴らしい機能性能ですが、価格もかなり上がって
EOS R6と同じアッパーミドルクラスになってしまいました。

私としてはエントリーミドルクラスのカメラがサブで必要なので
S5を選択しましたが、この選択は大正解でした。
(マウントが違うのでレンズ代は大損ですが・・・)

今後LUMIXレンズが拡充され、S5サイズの高画素機が出た場合
もしかするとメイン機もLUMIXに移行する可能性も捨てきれない・・・

S5はそう思わせてくれるカメラです。

S5最高!





ちなみに私はS5レンズキットを中古で18万円で購入しました。
中古だとさらにコスパ高いですね!