もちろん共同体の人員構成比を想定した場合でも、実際には多くの企業が現実には当てはまらない。

日本の標準的な企業の場合、社員の男女比だけをとっても1:1を実現している企業はまだまだ少ない。また企業は当然のことながら、必要人材を経済労働可能人材に限定している為、子供や老人は殆どといって存在しない。つまり、市場生産に特化した偏った集団なのだ。

だからといって企業が、いきなり人員構成比を村落共同体並みにシフトすることは、普通の中小企業には難しいだろう。

しかし、本当にそうかというとそうでもない。共同体という枠組みで企業集団を考えた場合、実は多くの企業に人員構成比からみても共同体化の可能性が既に内在している。
●企業集団の枠組みを認識転換する

それは、生産集団にはカウントされない人員群、つまり社員家族の存在である。通常社員の多くには家庭があり、家族を持っている。妻や子もいれば、親と同居している場合もある。これらの人員は、生産集団から切り離された消費集団として(経済的繋がりを除いて)ほぼ独立して存在している。これらの人員を、共同体の観点から生産集団内に包摂するならば、現状のまま、企業集団の構成比は一気に共同体の適正値へと近づくこととなる。

●個々の家族を包摂した共同体企業

つまり、生産集団を100とした場合、既に企業はその背後に(家族構成にもよるが)実態は300〜500以上の人材と密接に繋がっている。社員という枠組みを外せば、各企業の持つその集団母体は、遥かに大きく豊かなものになる。

企業の共同体化を考えるならば、自給自足や企業自治・危機回避といった枠組みの中に、当然これらの家族人数が最低でも企業集団の成員として内包される。そして、その人材群を生産(集団統合活動)活動として、どのような充足役割=仕事をつくりだせるかが、企業の共同体化に於ける課題となる。

●大家族としての共同体企業

たとえば、育児・子育て課題。
たとえば、老人介護の問題。
たとえば、障害者問題。
たとえば、医療(病気)の問題。
たとえば、自然災害の問題。
たとえば、食の安全問題。
たとえば、解脱(祭り)様式の問題

生産集団と消費集団の統合=企業の共同体化とは、本質的には企業と個人・家庭の単なる経済的繋がりを超えた、集団化による充足システムの構築=大家族としての企業の姿である。




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