オーランド諸島の自治と地域経済の活性化リンクより引用です

欧州の人たちに、「欧州諸国は何故農村部のコミュニティーを大変大事にするのか」、と、その根本を問うと、建前の理屈はともかく、
最後には、「陸続きの欧州は、他国人の侵入を見張るため、人の住まない地域は作らないのです。それが国家の安全保障に直結するのです。」という答えが異口同音に返って来るという経験談を語っておられました。これは私どももよく耳にすることではあります。

我が国は、東京一極集中を押し進め、経済効率の上でそれも已む無しとの理屈がまかり通っているが、これは世界の常識とは異なる、ということをおっしゃりたかったのです。
海岸線の長大な我が国が、人の住まない地域を放置した場合にどうなるか、これは国家の安全保障にも関わる問題だと、強調されておられました。知らないうちにある地域に異なる言葉を話す集団が住み着いていたのが発見された、ということでは困るというものです。
海上保安庁や警察の機能強化だけで片づく問題ではない、コミュニティー目があってこそそういう事態が防げるのだ、と。

もう一つの視点は、よりポジティブに、地方分権でこそ地域が活性化するということを、オーランド諸島の自治の経験を引いて説得力を持って指摘されました。

オーランド諸島は、バルト海、ボスニア湾の入り口に位置するフィンランドの自治領の島々のことです。
住民のほとんどはスウェーデン語を話すのだそうです。

フィンランドは、ロシアから分離独立しましたが、その際に、スウェーデンとフィンランドの間のバルト海にあるオーランドは、スウェーデン語を話す住民がほとんどであり、オーランド諸島がスウェーデンに属するのか、フィンランドに属するのかで両国の間に紛争が起きたのだそうです(1921年)。一時は一触即発の危機状態に至ったのだそうです。

時の国際連盟事務次長の新渡戸稲造がこの紛争を、「新渡戸裁定」をもって収めたのだそうです。オーランド諸島はフィンランドに属するが、公用語はスウェーデン語とし、フィンランドの軍隊の駐留は認めず自治領とする、というのがその裁定であったのだそうです。日本的にいえば、「大岡裁き」でしょうか。

スウェーデンに郷愁を感じていた当時のオーランド島民にとって、その裁定は余り評判が良くなかった、とのことですが、85年以上たった今では、スウェーデンに属さず、フィンランドの自治領になったことが結果として自分たちで物事を考え決定することにつながり、地域は大いに活性化し、欧州の中でも選りすぐりの経済的豊かさを享受する地域となっているとのことです。独自の法律を施行し、独自の州行政により中央政府のかわりにサービス行うことのできる権利が与えられ、特徴のある教育・文化、公共医療、地方自治、郵便、放送、商工業に関するサービスが提供されているのだそうです。

オーランド諸島の例を引くことで、長谷川代議士は、自治によってこそ経済は活性化することを実例を以て紹介してくれました。


匿名希望