贈与関係が取引関係を制覇する時代がくる
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から引用します。

>日本人の働き方は、昔から取引関係よりは贈与関係を大事にしてきたという面はあるが、近年になって贈与関係の比重は増していると思う。おそらく、それは人々の活力源=仕事の目的が私権から本源へ移行していることが背景にある。私権時代は、モノやサービスの機能に対する価格の競争力が市場の制覇力だったが、本源充足の実現可能性が開かれた時代になると、価格競争力よりは、本源充足力が制覇力になっていく。贈与という行為は、本源充足力のベースになる行為であるがゆえに、贈与関係が取引関係をも制覇するようになってきているのではないかと思う。

しかし、それは取引関係を有利に進めようとする邪心から来るものでは本物ではない。邪心が見抜かれると、逆に有難迷惑ともとられかねない。元々の日本人の精神がそうであったように、贈与関係は、邪心抜きで、見返りを求めない純粋な心からしか生まれないということは肝に銘じておきたい。
引用終わり

 大企業は自分の都合で商品の寿命を決めます。しかし、生産者=農家は違います。1台200万の農機具は一生ものです。しかし、部品の保存期間(15年程度か)が過ぎると在庫がなくなり、故障は即、買い替えになります。部品のある期間は10万なのに200万に一気に跳ね上がるのです。又、修理したくても図面がないので農家は泣き寝入りです。

そんな状況を見たひとが、困った農家を助けようとして自分の技術を活かし、製品は不況で活力を無くした地元の中小企業の町工場をネットワークして作り上げる仕事を立ち上げました。

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NHK おはよう日本(関東甲信越)
からの引用です。

>町工場と農業つなぐ “新ビジネス”
高齢化や人手不足の課題に直面する農業。農業機械の大型化や多機能化が進む一方で、その維持が農家の負担にもなっています。こうしたなか、群馬県では農家のさまざまな要望に応じて、農機具の部品の修理や改造を行う町工場グループの取り組みが注目を集めています。

中古で買ったばかりのトラクターが、壊れてしまったという農家の豊田 恵佐学さん。動力を伝えるドライブシャフトが真っ二つに折れていました。

「田んぼがこれからっていう時に壊れたから 本当に参っちゃって・・・」製造は15年前。部品はすでに廃番になっていました。新たにトラクターを買うと、200万円以上の出費です。何とか部品が手に入らないか・・・。
頼ったのは、高垣達郎さん。高垣さんは、農機具の部品の特注にたった1つから応じています。折れた部品を元に、10万円ほどでシャフトを復元しました。
高垣)「ばっちり使えるはずですので」
豊田)「シャフトはトラクターの命なので。ホッとしています」
高垣さんの会社は、農機具の修理や改造などを専門とする、異色の会社です。社員はわずか4人。部品の設計図は描きますが、実際の製作は他の会社に任せています。

というのも、群馬県東部を中心に、120以上の町工場をネットワークで結び、自動車メーカーなどの下請けで培った技術力を生かしているのです。
高垣さんはそれぞれの得意分野を把握して、発注先を選びます。
トラクターのシャフトの歯車を加工した町工場は、試作品の製作を得意としています。復元した部品が、トラクターの他の部分とかみ合うように、高い精度で調整しました。
歯車加工会社の、梅澤隆司さんは「現物合わせでやるのは、我々ならではの技なので」といいます。

高垣さんは8年前、不況で活気を失っていく地元の町工場を見て、何かできないかと考えました。そんなとき、町工場に農機具の修理が持ち込まれても、図面がなかったり、専門外の技術が必要になったりするため、対応できないことがあると知りました。
町工場を効率的に結びつけることで、今では、年間7,000万円分の仕事を発注しています。

「『町工場の仕事を増やしたい』と思ってやっている。これまで仕事にならなかった部分を仕事にするのが自分たちの役割」
町工場に農家の要望を正確に伝えるため、高垣さんは現場を訪れることを大切にしています。中略

 高垣さんは「商品は、町工場の加工技術と自分たちの工夫・・・すべて生かして農家さんに喜んでもらう。最高ですね」と話していました。
町工場と農家をつなぐ、新しい製造業の現場です。
 この会社には、全国から年間500件以上の依頼が集まるということで、農機具メーカーから部品の開発と製造を委託されることもあるそうです。
引用終わり

 そういえば、以前に読んだ
「ちっちゃいけど、世界一 誇りにしたい会社」
著者:坂本光司 法政大学教授

を思い出しました。出てくる8つの会社の従業員は30人以下。自分の利益は度外視して人が求めるものを作り続ける。その真摯の姿が評判を呼んで世界から依頼がくる。心から人のために活き、廻りから助けられて自分も生きて行く。そんな関係と全く同じと思います。大企業では出来な活動です。

しかし、良く考えれば楽しく一生を活きるための極意のようです。
お金はあの世に持っていけない。ならば、その瞬間瞬間を人々が喜ぶことを生業にして生きる方が良いですね。そこにはあの世に持っていけない私権は全く関係ない。充足する楽しい社会に向かっていることが発見です。



酒井俊弘