自然食品宅配の店 菜の花村スタッフブログ

無農薬野菜、自然食品、オーガニック・マクロビオティック商品を仙台市中心に宮城県内に宅配している自然食品店(有)菜の花村。菜の花村にまつわるエピソードやレシピ…etc旬な話題をスタッフがお届けします。

生産地レポート

2012年3月11日に居たところ

CIMG1187

トマトです。

今日、菜の花村社長を含め、スタッフ4名で、仙台市坪沼にある市民の放射能測定室「小さき花」の見学に行ってまいりました。

メイン道路は雪が消えていたのに、「小さき花」のほうにハンドルを向けると、車の腹をこするくらいの積雪!
この先に、最新テクノロジーがあるのか?

小さき花  ameblo.jp/foreston39/

測定してほしい検体も3種、持って行きました。


小さき花を主催する石森秀彦さんは、原発事故が起きるまで、坪沼の地で有機農業を家族で営んでいました。
安心して口にできるおいしい野菜を、直接お客さんに届けていました。
しかし、原発事故で、美しかった畑の土が、放射能に汚染されてしまったことを察するや、野菜の宅配を止める決断をしました。
カンパと借金で、性能のいい放射能測定器を購入し、一生懸命勉強し、納屋の一部を測定室に改造し、「一番困っている人のために」放射能測定室を作りました。
福島原発の避難区域から移ってきた人の仕事場にもしたいと考えました。

CIMG1188これがその測定器。

CIMG1189カバー、オープン!

CIMG1197石森さんが、検体の生しいたけを、測定用の容器にぎゅうぎゅう詰めているところ。

CIMG1200測定器にセットし、待つこと30分。

私たちが持ち込んだ、大郷の原木生しいたけの測定結果は・・・?ドキドキヒヤヒヤ・・・

結果、セシウム137、134とも、不検出でした!あ~よかった~(嬉し泣き)。
検出限界は5ベクレル未満です。

千葉県産のニンジンと、中田町産のお米、こちらも不検出でした。

測定料は一検体につき3000円です。
震災直後は、万単位のお金を出さないと、正確に測定できなかったことを思うと夢のような金額です。
それも、石森さんの自己犠牲で成り立っているわけですが。

菜の花村では、毎週1~2検体を、小さき花に、測定依頼していく予定です。
石森さん、今後ともよろしくお願いします。


ところで、今日は3月11日。東日本大震災から丸一年。
一年前、一年後にこんな機械を目にすることになろうとは、夢にも思いませんでした。
エコショップエナジーさんが、ブログに書いていたように、「世界は変わってしまったんだなあ」と思いました。
苦しいけど、2011年3月11日より前には、もう戻れないのだから、やれることをやらなくちゃ。

そういえば、昨日のガイアシンフォニーのトークショーで、龍村監督が言ってたっけ。
「変えられないことを悩まない、変えることのできることは変える勇気を持つ、そしてその両方を見極めることが出来るように」・・・・という意味だったような・・・。

新聞もテレビもラジオも一年という節目を迎えて、追悼の報道一色。
もう見たくないと思っていた、津波の映像を目にし、生き残り、生きてゆく人の言葉に触れ、昨日から一人になると、なんか喉の奥のほうが痛みます。
子供のとき、泣くのを我慢していたときの感じに似てる。

地面が大揺れに揺れて、何もかも壊れてしまったあの日の、真っ暗な、寒い夜に感じていた、恐怖と悲しみと不安が、蘇ってきたのかもしれません。

声をあげて泣くことができたら、少しは気持ちも軽くなるのかも。





震災から立ち上がる人々

トマトです。

縁あって、本吉の岩渕さん(男性)を訪ねました。
もしかしたら、来年から菜の花村の生産者になるかもしれない方。

雲ひとつ無い青空の下、車を走らせましたが・・・

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本吉の田んぼには、まだ津波の爪あとが残っていました。

岩渕さんの御自宅は高台にあり、津波の被害は免れましたが、3月11日当日、麓の沢の近辺にいた車が何台も流されたそうです。
周囲360度見回しても、海など見えないところ。こんなところまで大津波が来るなんて、誰が予想できたでしょう?

御歳77歳になるという岩渕さん。
畑仕事以外に様々なお顔を持ち、そのひとつが「樹木医」。木のお医者さん。
勤め人だった頃、通信教育で資格を取られたそうです。

数千坪はあるという敷地の中は、お抱え庭師がいる庭園のようでした。

CIMG1099

これは岩渕さんが育てた赤松。玄関に続く坂道に沿って、舟の舳先のように伸びています。
一年で10センチ伸びるそうで、「ここまでは伸ばしたいと思ってるの」と、1メートル先の空間を指差す岩渕さん。
あと2メートルは頑張ってほしいです。

その後、帰り道の途中にある、わじあんカフェ「Aimaki」さんに立ち寄りました。



http://blog.goo.ne.jp/aimakiblog/

食品の放射能検査ができる機械が昨日届いたそうです。

10月にお子さんが生まれたばかりというオーナーさん。頑張ってます。

静かなお茶会

トマトです。

日曜日の昼下がり、一人店にいたら、一本の電話が。

「もしもし初めまして。私、静岡でお茶を作っているものなんですが、お宅のホームページを拝見して、お電話させていただきました・・・・」

電話の主は、静岡の静香農園さん。穏やかで優しい男性のお声です。

http://www11.ocn.ne.jp/~shizuka/index.html   

農薬も化学肥料も使わず、静岡の美しい山あいで、お茶の栽培から製茶、販売まで手がけているお茶屋さんでした。(桃生の鹿島茶園さんと似てますね。)紅茶も作っているそうです。

福島原発の事故以後、静岡のお茶に高いセシウムが検出されたことは、記憶に新しいこと。
静岡の場合、基準を超える検出量があったのは海に近いお茶畑で、「川根茶」で知られる静香農園さんのある山間部は、製茶でも基準を下回る量でした。
それでも、風評被害は避けられず、通信販売で成り立っていた売上げは激減しているそうです。

「あの、もし御迷惑でなければ、そちらのお店を訪ねてみたいんですが・・・」

え?静岡から?ここ、宮城ですよ!?

「あ、はい、今すぐってわけじゃないんですが・・・」

静香さん(そう呼ばせていただきます)は、「森は海の恋人」で知られる、気仙沼の牡蠣養殖業 畠山重篤さんを訪ねてみたいと思っていて、その時に菜の花村にも寄ってみたいと思われたそうです。

「畠山さんとお知り合いなんですか?」
「あ、いえ、私が一方的に知っているだけなんですが・・・」
ファンの気持ちのようです。

自然の循環を大切にしてお茶を作ってきた静香さん。植林することで豊かな海を作り、いい牡蠣を育てることに情熱を注いできた畠山さんに、シンパシーを感じたのでしょう。

静岡のお茶。
宮城のお米。

どちらも原発事故の影響に苦しめられています。

3月11日以前だったら、国産無農薬・無化学肥料、しかも一貫製造のお茶は、引く手数多だったことでしょう。
それなのに、原発事故以後は、静岡のお茶であるということだけで買ってもらえない。

電話のあと、静香さんに教えていただいた静香農園さんのホームページを開いてみました。
一面の緑のお茶畑。
自然を大切に、自然に生かされて栽培しているから、お茶畑をとりまく山の景色も植物も動物も人の笑顔も美しい。

それが今、抗えない巨大な力で汚されてしまった・・・
遠い静岡の空の下に、確かにあるその景色が、涙でにじんで見えました。

静香さんのお茶なら飲んでみたい。
きっと、優しい味がするに違いない。
きっと、ほっとできるに違いない。

静香さんが、なんで菜の花村のホームページを見てくれたかというと、有機野菜とか、そういう類の言葉で検索していたら行き当たったそうです。
ただ見てくれただけでなく、お電話までくださったことが嬉しいです。

見つけてくれてありがとう。

いつか気仙沼を訪ねるとき、菜の花村にお立ち寄りくださいね

復興の狼煙

トマトです。

大津波で何もかもが喪われてしまった南三陸町。

菜の花村においしい魚を納めてくれていたヤマウチ鮮魚店さんも、店も工場も自宅も、全て喪いました。
でも、命だけは残りました。
生きていればこそできることがある!

大震災から5ヶ月の8月10日、ヤマウチさんは、志津川商工団地の中に、新しい店をオープンさせました!

トマトと菜の花村社長は、8月16日にその新店舗を訪問。

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地元の人たちのため、魚だけでなく、野菜やお肉、乾物、お酒、買い物ができるミニスーパーのような品揃え。食堂もついてます。
お店はたくさんの人でにぎわっていました。
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志津川名物のカニがドーンと!
来月には魚の加工工場もできるそうです。

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お店の中に飾られていた写真パネル。今となっては見られない、三陸鉄道の車両と志津川の町並み・・・
ここに確かにいろんな命があったのですね。
喪われて初めてわかる、「平凡」の美です。

青梅畑でつかまえて

トマトです。

今日は水曜日。ズッキーニさんの日だと、楽しみにブログを開いた皆様すみません。諸事情により、本日は私が代打を努めさせていただきます。

代打と言えば・・・!本日の楽天対ソフトバンク戦、1対0で楽天が勝利しました~!ビールが旨いです!

それはさておき、梅干用梅の収穫期。梅雨も明けた今週がピークです。

CIMG0542 昨年に続き、中田町の三浦さんの梅畑で、月曜日から梅の収穫作業に励んでおります。

 暑いけど、日に焼けるけど、おいしい梅干を漬けたいというお客様のためならば、シミ、ソバカスもなんのその(いまさら気にしてもしかたないという声もあり)。

 月曜日はゆずさんと、昨日は一人で、梅もぎをしました。

 一人だった昨日、私を襲ったアクシデント。

 梅に向かって伸ばした右手の中指の、第二間接下に走った鋭い痛み!
熱湯を浴びて火傷でもしたような感じ・・!?!?

 次の瞬間、私の目に映ったのは、飛び去っていく金色の羽のある生き物・・・・・

あ~蜂に刺された!

 と、理解するまで約0.5秒。

 蜂に刺されるなんて、小学校の渡り廊下でズボンのポケットに蜂が引っ付いているのに気づかずに、思いっきり触れてしまい、私の指をぶっすりやって飛び去る蜂を見送って以来だ・・・と、その頃の記憶が走馬灯のようによみがえってきました。

 あのときは、泣きながら保健室に駆け込んだものでしたが、あれからウン十年たった今、大人の自分は泣くこともできず、保健の先生もいません。刺されたところをおのれの前歯で強くかみつき、毒素を吸いだすことをとりあえず試みました。(効果があるのかどうか知りませんが。)

 しかし、指は容赦なく、水ぶくれ状態に腫れてきます。心なしか動悸がするような気がしなくもない・・・このまま倒れて、一人つぶれた落ち梅にうもれて発見される自分を想像してしまいましたが・・。

 あくまでも気のせいだったようで、そんなことは起こらず、車を運転できる正気さと、指の動きを確認したので、必要な梅を採り終わってから、家に向かいました。

 蜂に刺されたら、どの薬を塗ればいいんだっけ?

 そうだ、まむし酒、まむし酒があったはず!

 打ち身や虫刺されに効くんだからと、母に分けてもらったまむし酒があったはず。
 引っ越して2年になるというのに、未だ片付いていない荷物をあちこち探しましたよ。
 これ以上指をぶっとくしたくない!その願いが通じたのか、私にしては奇跡的に、ガラクタの中から目当てのまむし酒が入った小瓶を発見しました。
 コットンにまむし酒(これがまた妙な臭いがするんです!)をたっぷり含ませ、刺されたところにあて、包帯で固定。数時間後、腫れはみごとにひきました。ビバ!まむし酒!

 あと50回くらい蜂に刺されても(嫌ですが)大丈夫なくらい、まむし酒は残っていますが、これがなくなったら、どうしよう?

 まむしはもちろん猛毒を持つ蛇。かまれたら人間は死んでしまいます。
 が、そのまむしを捕まえて、生きたまま酒に浸けて、そのエキスを薬にしちゃう人間ってどうなの?まむしより怖いかも。まむしに生まれなくて、ほんとうによかった!

 明日、一人で梅もぎをする予定のゆずさん、蜂に気をつけてくださいね。もし刺されたら、まむし酒持って行くから。

 
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