2017年11月15日

EU









 ドイツ在住の川口マーン惠美さんの切れ味鋭い評論や、女性特有の細やかな感覚に基づく観察眼は、他の追随を許しません。先週、彼女の講演会が開かれましたので、ファンの一人として駆け付けました。これまでに彼女の著作を数冊読んでいましたが、このたび発売されたばかりの「復興の日本人論」を講演会の場で早速購入しました。福島原発に絡んで、マスコミが報道しづらくてスルーしていた面を、著者は見事に、勇気を持って仕上げています。ご自分の足で丹念に回って書いた力作です。国民必読ですね。


 EUに関し、それなりの表面的な知識は持ち合わせていたつもりでしたが、あらためてEU、およびその主導的な役割のドイツに関し、歴史から現状の問題点まで、実に判りやすく丁寧にお話ししてくれました。ドイツに在住しているからこそ把握可能な逸話をたっぷり聞くことが出来ました。


 ところでドイツという国は、中国に対してはずいぶん寛容かつ友好的ですが、一方日本に対しては、実に辛辣かつ侮蔑的な面があります。特にドイツのマスコミ報道は、底意地の悪さに満ちています。非白人という点では、日本も中国も同じはずなのですが、ドイツ人から見たその扱い方には雲泥の差があります。中国はビジネス面で、ドイツにとってすこぶる大事な市場であることから、必要以上に持ち上げている気がします。その分日本は、海外市場でドイツの最も有力な競争相手です。かつ、「ユダヤ人虐殺に匹敵する慰安婦問題」を後押しする事によって、「ナチスの残虐さと同等の犯罪」意識を共有させたいのかと思うくらい、日本貶めに熱心なのかな、と私には見えます。


 中国に対しては、地理的に遠い事もあって、直接的な脅威にさらされることがありません。自分たちに直接の被害がなければ、自由も人権も侵略も、基本的に無関心で済ませてしまうのでしょう。儲かるビジネスが少なくなれば、無視するだけのことです。ただ、アメリカに対しては、経済力では後塵を拝していても、精神性においては自分たちの方が上だ、との自負があります。そのため、アメリカを疎外するのに中国は役に立つ、との思いはあるのかも知れません。


 中国や韓国のマスコミによる日本報道は、基本的に「日本貶め情報」です。日本にいる特派員たちは、日本を否定する論調が主流(あるいは、本国の編集者が選別しているのかも知れませんが)です。ドイツのマスコミは、その多くが北京に事務所や特派員を置いても、東京にはおいていないにもかかわらず、日本貶め報道は得意です。中韓のマスコミと妙に重なります。


 近年、中国人や韓国人の訪日観光客の増加で、自分たちが国内でイメージしていた日本の姿と、自分の眼で実際に見る日本の実像とが、大きくかけ離れているのを認識している事でしょう。日本に観光客を送り込むのは、中韓にとって、ウソがばれるため、ある意味危険な事なのです。ドイツ人の観光客にも同様の現象が見られるようです。百聞は一見に如かず、と言いますから。東京五輪を控え、ますます海外からの観光客が増える事でしょうが、私たちは背伸びせず、ありのままの日本を見てもらえば、それがきっと彼らに感銘を与えるものと
思っています。




(07:40)

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