電車に乗ったら後ろでぶつぶつ声がした。
振返ると60代とおぼしきおじさんがなにやら独り言。
誰かと話しているようで気味が悪い。
自分と年代的に変わらない人の姿に、ああはなりたくないと思った。

気にしているとほどなく駅に到着した
そのおじさんが降りようとドアに近づく。
ドアのそばには乳母車の母親が立っている。
おじさんが母親の方を見て何か言おうとした。
=何かあれば=とわたしの体に力が入った。

そのおじさんが降り際に優先座席に座る乗客に向って

『だれかこのお母さんのために席を譲る勇気はありませんか?』

そう言って、あっけにとられている乗客をしり目に颯爽と降りて行った。

人は見かけによらぬもの。
同じ景色を見て何も気づかない自分がいて、
先入観や固定観念で判断している自分がいた。

ただ、独り言はやめたほうがいい・・・・。絶対。