2005年04月01日

based on "Kiyo and Bukiyo "

スペシャル 


片桐君が出て行ってしまったドアを眺めながら、海風が舞い込む部屋で立ち尽した。
暮れかけた空は暖かかった町を少しずつ冷ましはじめ、強い風が前髪を乱していく。
ふと手のひらに残った紙切れに目を移せば、1キロと離れていない同じ町内の住所。
舞い込んだひときわ強い風に部屋中をかき乱されながら、僕は少し笑うことができた。

『おれも、面白かったよ。』

呟くような声だった。
普段の片桐君からは想像もできないような、優しくて静かな。
対照的なだけに、ひどく物悲しい気持ちにさせる声でもあった。
大立回りは、彼なりの絵画へのけじめだったのだろうか。
決心だったから、こんなに近距離の引越しにも箔をつけようとして。
何より、僕を心配させないようにという思いがあったのだろう。
どんどん冷たくなる風に彼への思いを乗せようとして、僕は小さく息を吸い込んだ。

「僕も、楽しかったよ…」

握り締めた手のひらの中で、くしゃくしゃになってしまった住所の紙切れ。
大丈夫、もうこんな紙は必要ない。きっと、すぐにまた会える。
彼の絵画への愛は、こんな冷たい風が吹いたくらいじゃ消えないはずだから。
一歩踏み出したその足で、僕は全開になった窓を閉める。
これで、冷たい海風はもう入ってこない。
いつでも彼が帰ってこられるように、僕はこの場所を守り続けよう。
楽しかったといってくれた、彼がもう一度ここを尋ねてきてくれるまで。

けれど、僕のなりのこの小さな決心は意外な形で脆くも崩れ去ることになる。
一週間もたっていないある雨の日の午後、片桐君が実家を追い出されて、
ずぶぬれになって僕の部屋に転がり込んでくることによって…

***
なぜか続く予定(笑)
器用不器用のその後を想像するととっても楽しいんですvv


nao_alice at 21:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【SS】ラーメンズ 

2005年02月24日

based on " "

壊れそうなくらい不安になるだけ
独り占めしたくなるの
何もいわずに ただ君の愛がここに欲しいよ

can't let go

動きたくない。
頬に当たったソファの冷たいレザーが心地よくて、立ち上がれない。
しばらくそうしていれば肩に置かれる手も、今日はない。
見かけより華奢な、長い指。
幾度となく肩に頬に、髪に背中に触れた手のひらが少し恋しかった。
そして少し考える。
きっと不安なのだろう。
人一倍繊細で神経質で、完璧を目指すべくあるためには、想像もできないほど。
そういう時、殻に閉じこもって世界を拒絶するやり方は正しいと思う。
自信がないから、失うものすらない自分とは絶対に違う。
自信の取り戻し方なら知っているから心配は要らないのに、とても心配だ。

不安で息ができなくなるんだ。

不安。
ほんの少しわかる気がする。
世界に対して自分の存在をいやというほど認識しているから感じる不安なのだ。
しかし自信と同じで、自分は存在の意味を考えたことすらない。
自分が感じる不安といえばひどく説明のしようがないもので、例えるなら霧のようだ。
針のような不安だ、と言った。
自分自身に自信があるから、感じる不安も明確なのだろう。
不安になると、子供にもどったようにわがままになる。
何かに怯えるように、目の前で泣く。
ひどく攻撃的になることもあった。

完璧って、難しい。

当たり前のことをようやく受け入れて、疲れた顔で笑った。
それでも、完璧を目指さずにはいられない。
破っては閉じこもるの繰り返しで、殻はそろそろ敗れかけている。
それでも、そこが唯一眠れる場所だと言うなら守りたい。

だから今だけは、胸に感じる頭ひとつ分の重みが私の不安。

***
inspired by "let go" m-flo loves Yoshika
適当に想像してください…。
いろんな意味で 惨 敗 。


nao_alice at 22:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【SS】ラーメンズ 

2005年02月20日

唐突に

某様宅のネタバレ示板見たのですが…
以下アリスネタバレなので、ご注意。
続きを読む

nao_alice at 01:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年02月19日

based on "Saishu"

ゼウスガーデン


小学生のころ、夏休みの自由研究で朝顔の観察を命じられた。
日ごとに育っていくその花を、私は懸命に観察した。
欠かさず水をやり、伸びていく茎の長さを測り、花のつぼみを絵に残した。
夏休みが終わる頃には、小学生の作るものとしては立派すぎる観察日記ができあがった。
意気揚々と向った学校で、大切に育てた朝顔を押し花にしなくてはならなかった時、
どうしてこんなにも美しく咲いている花を摘んでしまわなければならないのかと、
理解に苦しんだ事を、今でもよく覚えている。
それからだ、私が理科の授業を嫌いになったのは。
本当は、花も虫も、星も地球ごと全部好きだった。
人間だけが他の生き物に興味を持って、その命を搾取して、あまつさえ研究などと嘯く。
幼心にもその傲慢さに我慢がならなかったのだと、今振り返ってみて思う。
中学校に上がってからも、虫や蛙の解剖の授業は仮病を使って欠席した。
心配した当時の友人達が見舞いに自宅を訪れた中に、プリマ―小林はいた。
その当時は大して仲のよい友人ではなかったものの、この見舞いをきっかけに
私たちは長いようで短い青春を共有する親友となった。
そのとき彼が私の部屋に置いてあった朝顔の押し花に気づき、何気なく言った
「綺麗だね」と言う一言に、当時の私はひどく救われたのだった。
彼はその言葉を覚えていないだろうし、私もあの時の感動を今はもう思い出せない。
けれど、その言葉で彼に対して心を開くことができたことだけは忘れていない。
押し花にすることによって、その美しさを保つことができた朝顔。
死こそが、生命が持ちえる最高の美なのだと気づいた瞬間だった。

私たちは同じ高校に進学した。
美術部で絵を描いていたプリマと、生物部で虫の標本を作っていた私。
子供だと思われたくない子供にありがちな、性急な恋や度の外れた無茶。
私たちはいつも一緒に、同じように、同じ分だけ青春を生き急いだ。
今思えば、同じだと思っていたエネルギーのベクトルは、真逆だったのかもしれない。
無を描くことによって、その中に生を見出そうとしていた彼。
生あるものの命を奪って、死の中に美を見出そうとしていた私。
気づかなければ、心安いまま私たちはいられたのかもしれない。
気づいた時には、私の心の黒い庭に一輪咲く黒い花の芽が萌えていた。
ジャック、と私を呼ぶ彼の声が水代わり。
肩に乗せられる手が風となり、彼の描いた絵が肥料となって、黒い花は育っていく。
重たげにつぼみを揺らす薔薇にも菊にも似たその一輪は、高校を卒業する頃になって
初めて私の人生を狂わせる毒を私の血の中を駆け巡らせた。
私は、生物の教師になるべく地元の大学の教育学部に進学することを決めた。

プリマは東京へ行った。
たびたび連絡してくる彼の話し声は、次第に地方の訛が取れて標準化されていく。
離れていても、寂しくはない。辛くも孤独でもない。
ただ、恐ろしいのは彼が変わってしまうこと。
私の心を捉えて離さない、あの生きたくてたまらない彼の瞳の情熱が消えてしまうこと。
その生への執着を、網膜に焼付けでおくだけで満たされるほど私は無欲ではない。
生きていることが当たり前の世界に取り憑かれている彼を残しておきたい。
そう思うことはいけないことだろうか?
老いて萎びた彼が、彼にとって快適でない世界を泳がなければならないことを助長したくはない。
私が取り憑かれている彼の生きる情熱が、枯れていくのを見たくはない。
そうだ。私にはそうしなければならない義務がある。
私は彼を永遠に残しておく。

大粒の雪の舞う体育館の外。
いつもなら空を見上げれば無数の星が私を見下ろしているが、今日はそれもない。
星座となって空に散らばるその星々も、実際にはただの土の塊か気体だ。
光年という単位など、この明るい黒の下では実感のしようもないくだらない幻想だ。
それより、身に纏ったこのジャケットに残る彼の煙草のかすかな苦味を感じていたい。
体育館から響いてくる彼の恐怖に満ちた声。
あぁ、なぜ彼はこんなにも生きたがるのだろう。
私には理解ができないけれど、もっと、もっと聞かせて欲しい。
声高に、生きたいと叫んで欲しい。
体育館が静かになった。
ドアの開く低い音、彼が見つけた私の家族。
私は携帯電話を取り出して、彼のナンバーをリダイヤルした。
影響ディスプレイに点滅する数字の羅列…もう少しだけ、光っていてくれ。
『おぉ。ジャック…』
低い声が鼓膜を振るわせる。
私は、何度もシミュレーションしたその会話を、無感動に繰り返した。


「家族になるんだ…」

涙が止まらない。
切り刻むたびに浴びる黒い液体に噎せる。
私は、彼の身体を解体しながら祈った。

「一緒にいよう…ずっと」

永遠に。
この星が終わるまで。

「プリマ…」

一緒に暮らそう。
夏の花咲く、暖かい庭のある神様の家で。
そこはきっと、あの朝顔も、黒い花びらの私のつぼみも、
枯れることなく咲き誇っているはずの永遠の楽園。

***
採集の二人。
ジャックはこんな風に、最初から歪んでいること希望…(ガク
何も知らないプリマは、何も知らないまま剥製になるといいと思います。
大好きなコントですが、見るたび恐怖で涙ぐむのはそろそろ卒業したい(笑)


nao_alice at 16:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【SS】ラーメンズ 

2005年02月15日

based on "ATOM yori"

21世紀を駆け抜けるレシプロで
逃げる夜を追いかけよう

21st century flight

健康診断だよ、ととがし君は言ってぼくを病院のようなところへ連れてきた。
ぼくはとがし君のような普通の人間ではないので、定期的に身体中を検査される。
普段はめんどくさがり屋なとがし君が近所の病院へつれていってくれるのだけど、
今日一緒に来たところは白い外壁の大きな総合病院のようなところだった。
外はせっかく晴れているのに、この建物が太陽をさえぎってしまっている気がして、
ぼくは建物の中に入るのを少しためらってしまった。
けれどとがし君がほら、と言って手を引くのでぼくは引かれるまま自動ドアをくぐる。
真っ白い玄関にある透明な自動ドア。
通り抜けると外の濁った空気とは違った、無菌の冷たさを肌に感じた。
中にいる人たちもみな、自分以外には興味がないような無関心さだ。
隣にいるとがし君だけが、ちゃんと生きてて、ぼくの腕を暖かく掴んでくれていた。
彼に引かれるまま外来用の受付を過ぎ、青白い顔の看護婦さんとすれ違う。
あの人は人間なのかな?それとも、ぼくのような半分機械のAIかな。
ぺたぺた、冷たい白の廊下をスリッパがリズミカルに進んでいく。
廊下の突き当たりのエレベーターの前まで来たところで、とがし君は歩みを止めた。

「…とがし君、受付はしないでいいのすか?シートとか、カードは?」

結構な早足の彼は玄関を抜けてから一気にここまで歩きぬけた。
考えてみれば、受付も済ませてないしいつものカードやシートももらってない。
ぼくの身体を細かい項目に分けた、ぼくの知らない専門用語がぼくを診断するカード。
とがし君はいつもそのカードと一生懸命にらめっこして、一つ残らず項目を埋めていた。
彼があまりに真剣なので、一つでもブランクがあればぼくととがし君が一緒にいられなく
なるんじゃ、なんて思ってしまうほどだったから、ぼくは恐る恐る聞いてみたのだ。
エレベータの階数は静かに光りながらグランドフロアを目指して下りてくる。
とがし君はただ、

「のすは気にしないでいいよ」

とぼくの方を見ずに言った。
その言葉にぼくが少し不安になった時、かすかな音がしてエレベータのドアが開いた。
さぁいらっしゃい、とでも言いたげな密室の中へすべるように進入する。
病院の中は、箱が重なっているみたいだ。
そして、箱が重なれば重なるほど空気の密度が高くてひんやりとしている。
エレベータに乗ったとたん、とがし君の腕が離れていって、ぼくは少し震えた。

「のす?寒いのか?」
「…ううん。平気」

とがし君はあったかかったのに。
わずかな温もりすらぼくを見捨てて、ぼくは冷たい密室で一人機械の身体を抱きしめた。
エレベータが静かに上昇し始める。
奇妙な浮遊感が身体を包む。
とがし君が押したボタンは最上階よりひとつ上の、丸の中に何の数字もないボタン。
白い丸は薄明るく点灯し、いつかとがし君の撮った写真の中で見たタンポポのようだった。

「のす、降りるよ」

いつの間にかエレベータは最上階をも通り過ぎていたようだ。
とがし君の声でタンポポの世界から引き戻されたぼくは、花より暖かい彼に腕を引かれる。
何よりも安心できるその力に、ぼくは従順に従ってエレベータを降りた。
目の前にはまっすぐに続く白い廊下。
階下よりいくらか暖かい感じがするのは、空に近いからだろうか。
人気のない廊下と、その突き当りの白いドア。
不安が、恐怖が胸を締め付ける。
突き当りまで進むと、とがし君はそのドアを軽くノックした。

「どうぞ」

穏やかな声が中からした。
聞き覚えのある声だった。
とがし君の記憶よりもっと昔の、ぼくがまだこの形をしていなかった頃に聞いた声。
驚いているぼくの腕を今までと同じようにとがし君が引いて、ドアを押し開けた。
そこには、明るい、丸い部屋が広がっていた。

「よくきたねぇ。今日はどうしたんだい」

猫がいた。
その猫が喋ったように思ったけど、実際はその奥の机空こっちを見てるお爺さんだった。
小さな黒猫、でも鼻先と手足の先だけが白い彼は、ぼくの足に身体を寄せた。
とがし君は後ろ手にドアを閉めると、なつかれたね。と僕に向って言った。
小さく鳴いて、子猫は奥の机へと帰っていく。
ぼくととがし君はその黒猫について、丸い机の側へ歩いていった。

「久しぶりだねぇ、とがし君。そっちの彼は、あの時の?」
「…お久しぶりです、先生。彼の名前はのす。ぼくの同居人です」

ドウキョニンて、なんだろ?
初めて聞く言葉に、ぼくは少しまた不安になる。
最近彼が口にするようになった、うざい、とおんなじ意味だったらどうしよう。

「のす、こちらが今日お前を診てくれる先生だよ」
「…こんにちわ」

とがし君の背中から少し頭を出して、ぼくは先生を見た。
眼鏡の奥の優しそうな目がぼくを見ていた。
目が、とがし君と似ている。
優しくて暖かくて嘘をつかなくて、ぼくを傷つけない。
ぼくはとがし君の背中を離れて、先生の前に立った。

「立派になったね、のす。嬉しいよ」
「…先生は一体誰なのわいよ?おれのこと、知ってるの?」
「知ってるよ。そこのとがし君より、君のことを知っている」
「そんなことないだろわいよー!とがし君は毎日俺と一緒にいるのすよ?」
「はは、そうか、そうだね。私が言ったのは、君の身体の機械の部分についてだよ」
「機械の部分…のすか?」

先生は一つ頷いて、今度はとがし君を見た。
とがし君は、少し困ったような顔でぼくを見ていた。

「のす、お前今日はここに入院なんだ」
「えっ、何で?」
「先生が、いつもよりしっかりお前を診てくれるからさ。時間がかかるんだよ」
「おれ、どこか悪いのすか?」
「そうじゃないけど…」

そうじゃないけど、一体なんなのだろう。
治まっていた不安がまた押し寄せてくる。
ぼくが不安そうな顔をしたのか、先生が優しく言った。

「のす。君は旧型なんだよ。最新のAIみたいにバッテリーを充電しないタイプじゃない」
「…?」
「充電式電池だって、使い続ければエネルギーがなくなるだろう?だから今日は…」
「…手術するのすか?」

先生をさえぎると、とがし君がまた困ったような顔をした。

「簡単なもんだよ、心配するな。明日にはうちに帰れるさ」

先生の困ったような視線。
とがし君の優しい言葉。
ぼくは、きっと信用するべきなんだろう。
とがし君の手はもうぼくを掴んでいないけど、その手にまた掴んでもらうには、
どうしたって手術をしなくちゃならない…なら、一日くらいぼくも我慢しなきゃ。

「わかったのす…でも、明日にはうちに帰るわいよ!延長はなし!」

ぼくが言うと、先生もとがし君も、おんなじ顔で笑った。
そしてぼくは今日始めて、自分からとがし君の手を掴んだ。

◇◇◇

「わー。身体が軽いのすー!」
「こらのす。あんまりはしゃぐんじゃねぇ、壊れるぞ」
「全然平気だろわいよ!ねぇ、先生!?」

一日たって、昨日とおんなじ場所でとがし君と顔をあわせた。
先生はくすくす笑いながらぼくととがし君を交互に見つめていた。
先生はきっと、手術の天才なんだ。
身体がこんなに軽いのは、とがし君と初めてあった日以来のような気がする。
あの日、僕はのすって言う名前をもらってうれしくて、飛び跳ねたんだった。
そのときにとがし君じゃない誰かが言ってた、「いつでもここへおいで」って。
ぼくはすっかり忘れていたけど、きっとそのせりふを言ったのは先生だ。
ぼくは、先生が作ったAIなんだ。
先生ととがし君は飛び跳ねるぼくを見ていた。
先生はタバコに火をつけると、ふととがし君に向って言った。

「…君の言ったとおり、飛べるようにしといたからね」
「え」

ぼくは、聞き逃さなかった。
飛べるように、飛べるように、飛べるように…
先生の言葉が頭の中でエコーする。

「…ありがとうございます。よかったな、のす。お前、今日から飛べるってよ」
「とがし君、飛べるって…飛べるって、アトムみたいにのすか!?」
「う〜ん、アトムみたいにはムリだな、きっと。お前髪型全然アトムに似てないもん」
「何言ってるわいよ!先生、おれ、アトムみたいに飛べるのすか!?」

先生は笑って、そうは言っても君は旧型だから一日20分が限度だけどね、と言った。
それでも全然かまわなかった。
飛ぶのはずっと夢だったから。
そして、ぼくは飛べるようになったら絶対にしてみたかったことを先生に聞いた。

「ねぇ先生、空にとがし君連れてってもいいだろわいよ?」

おいのす、ととがし君はぼくを制そうとしたけど、ぼくは気にしなかった。
先生は苦笑しながら、彼は高所恐怖症だから程ほどにしてあげるならいいよ、といった。

「先生、ほんとにありがと。おれ、すごい嬉しいのすよ」
「うん。これからも、とがし君と一緒に時々ここにおいで」
「いいのすか?病気じゃないのに病院に来て?」
「ここは私のおうちだからいいんだよ」

じゃ、またくるわいよ!とぼくは言って、とがし君を見上げた。
彼はぼくと先生を交互に見ながら苦笑した。

「じゃあ先生、ありがとうございました。ぼく達はこれで」
「…あぁ、そうだね。用がなくても、たまには遊びに来るといい」
「また、いつか。のすが壊れたら駆けつけます」
「いつでも、待ってるよ」

そういいながら先生は白い廊下へ続くドアを開けてくれた。
とがし君は先にぼくを出し、白黒の猫に小さく手を振った。
ぼくもとがし君に習って子猫に手を振る。
子猫はまた、小さく鳴いた。

「それじゃ、失礼します。お体にはお気をつけて…お父さん」

とがし君は先生に向ってそういうと、パタンとドアを閉じた。
聞いたことのない言葉が、もう一つ増えた。

◇◇◇

長くて白い廊下に、スリッパのぺたぺたという音が響く。
身体は軽く、エレベータの浮遊感すら楽しみだ。

「ねぇとがし君。オトウサンて、なんのすか?」

エレベータの中で、彼はその質問には答えてくれなかった。
グランドフロアに降りてから、彼はまたぼくの腕を掴んで一目散に玄関を目指す。
早くこの冷たい建物から出たいと思っているのは、ぼくだけじゃないみたいだ。
無菌の空気の中から汚れた空気の中に泳ぎ出てもぼくはそれほど違和感を感じなかった。
外に出たとたん、隣をゆっくり歩くとがし君が大きく呼吸しながら言った。

「のす。あの先生ね」
「とがし君?」
「あの先生が、のすのお父さんだよ」
「えっ、ほんとのすか!?じゃあオトウサンて、どういう意味になるわいよ…?」
「考えろ考えろ。そう簡単に答えは見つからないんだよ」

はは、と笑いながらとがし君はぼくの腕を引いた。

「じゃあとがし君。もう一つ、ドウキョニンて、なんのすか?」

ぼくが言うと、とがし君はふと立ち止まってぼくをじっと見つめた。
あの日、初めてぼくがとがし君をとがし君として認識した日の目で。
ゆっくりととがし君が口を開く。

「同居人って言うのはね…」

病院の最上階よりもうひとつ上の秘密のフロア。
とがし君はぼくから視線をはずして白い建物の上のほうを見上げた。

「家族ってことだよ」

家族。
もう一度ぼくを振り向いて、とがし君は笑ってくれた。
カゾク、の意味もぼくにはおぼろげにしかわからなかったけど、きっと大切な言葉だ。
カゾクと言う言葉を反芻して、ぼくは羽がはえたように嬉しい気分になった。
そして急に空を飛びたくなった。

「飛んで帰ろう!とがし君!」

とがし君の腕を強く掴んで、ぼくは走り出す。
白い建物が背中を押してくれているような気がした。
やめろよ〜のすぅ、と情けない声を出すとがし君の腕のぬくもり。
離してしまわないように気をつけながら、ぼくは初めて地面を蹴った。

inspired by "20th century flight"/spiral life
***
なんとかデー、企画のお話のつもりです(笑)
私の中でのすの誕生日はこのデー。
とがし君からのすへのプレゼントがこんなんだったらいいな、
と言う妄想からできた、でっち上げSSでしたvv


nao_alice at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)【SS】ラーメンズ 

2005年02月14日

感想書く週間「零の箱式」

感想書く週間の間にPFYS(略してみました)を挟んでしまいました・・・
本日は私が三番目に好きな公演ビデオ、「零の箱式」の感想を書きましょう。
ヨリヌキ初期作品集、と言う副題のついているこのビデオ。
初期・・・から結構凄いことやってたんだなぁーなんて思っちゃう一品です。

>「現代片桐概論」
オンバト、完売、TR、そしてこの零箱とバージョンがたくさんある片桐概論。
標本を教壇に置いて姿勢をただしたあと、髪形も整えてあげるコバヤシ講師。
「下腹部にある孵化室に取り込みます!」とマサグラレテ思わず反応してしまう標本。
イイ・・・!余談ですが、TRの「イヤ〜じゃない・・・」by講師がすげぃツボなんですv
講師、高額で取引されてるヒメカタギリも持ってんだろーなー(笑
研究室も標本や関連書で埋め尽くされていることでしょうvv
概論ってことはマンモスクラスなんだろうけど、ぜひ出席してみたいですv

>「文庫本」
西田さん、室岡さん、三宅さんの三人を客演に迎えての大作ですvv
これの見所は・・・「片桐君の座り方」ですねー!!ウチマタ座りなんです・・・!(ハナヂ
あと速読を失敗して「ごめんねぇ〜・・・」とションボリ片桐君、コバ太郎の背後から
のぞき込むようにしてゲストを見る片桐君、脇でカセットが聞ける片桐君・・・。
個人的に片桐オンパレードvv「何で背の順か?」byコバ太郎も好きだにゃ〜。
小林&片桐の間のパワーバランスが絶対的小林>片桐なのも好みの設定ですvv
このコントを初期にやってたって言うのも、凄いよなぁ〜。原型かも知んないけどネ。

>「タカシと父さん」
エル!オー!ブイ!イー!ラ・ブ・リーKATAGIRI!!正にコバ太郎による片桐君の、
片桐君のためのコントといっても過言はないでしょう!バージョンは色々あるけど、
後々のリンクも踏まえて、やっぱりこの零箱バージョンが一番好きな私です。
「カラカラ虫!」から「そんなむっしいっねーよー!」の流れがかわいすぎる!!vv
「ちボール!」「手血(てぢ)〜どなたか輸血をばしておくれやす・・・特に息子の人・・・」
「タカシ、父さんと一緒にハポンに帰ろう!」「エロス!えろすぅ〜vv」「おはぎり!」
「機械の身体なんて要らないよ!」「東京裁判東京裁判良い国作ろうか!」「屈辱かー?」
「父さんのッ誕生日ッたーかーしッ何かくれよッ!」「問答無用!問答無用!」
「知名度ビミョー!!」・・・書きすぎましたが、父さんのセリフは全部ツボなんです・・・

>「釣りの朝」
いや・・・何も言いますまい・・・大 好 き で す!!あぁ〜愛しいよ〜片桐君!
「♪三枚に〜おろしました〜」絶対に何かがおかしいお魚ソングも愛しさ倍増です。
このコントで何がツボかって、片桐君の一人称が「ボク」(あえてカタカナ)な所ですvv
ボクって・・・ボクってー!!何でアンタそんなに可愛らしさ振りまいてんだぁー!!!
なぜか片桐君が一人称「僕(ぼくorボク)」だとすげぃカワイイ気がしてしまう腐った私。
オチの片桐君はエラくセクシーだし、コバ太郎はERO大魔王だし・・・なんだこのコント!
余談ですがコバ太郎が挙げた魚の気持ち悪いところは、全部私と一致してます。

>「かわいそうなピンクの子犬コロチンの物語」
客演再びvv西田さんがあんなにムッキーだとは思いませなんだ・・・ステキーvv
室岡さん・・・白い・・・そしてそれ以上に白い片桐君・・・。どこまでもインドア派なのね・・・。
このコントのセリフでなぜか「本宮全部いっとけやー!」がすげーツボりました(笑)
「天上天下、あと読めねぇ!」「腹が減ったらつばを飲め!」しのいでますね〜(笑)
「男男ー!」「汚雄ー!」「OH−!」全部「おお〜」と読むのがいいですよねー。
コバ太郎登場後のオトコタチの純情っぷりがかわいくて素敵ですvv
コロチンの物語は何気に残酷で、何気にホラーなのもさりげなく毒っぽくて◎。

>「片桐教習所」
これも大好き!片桐君よりコバ太郎が好きだった頃の私は、これ見て狂喜乱舞でした(笑)
揺れたり気を使ったり、お高くとまったり曖昧な記憶だったり・・・コバ太郎捨て身の炸裂!
五人分身魔球やチョップ軍隊、おはぎりや機械の身体などに加え、文明開化まで!!
休憩時間のポーズやバブルガムブラザース失敗、妙に腰が低いコバ太郎もかわいいv
入れ替わりマジック、初めてみた時にはびっくりしたな〜。父さん出てくるんだもん!
ショパンの五番のSEもあいまって、ファンサービスいっぱいの力作でしょうvv

>「日本語学校フランス編」
三人の客演とともに日本語学校!圧巻ですね〜vv
ウィッグをずらしていく先生が面白くって・・・生徒アランがそれを気にしてるのもイイvv
おなじみシンバシから関西人にはなじみのないちくわぶ、ゴードン、トーマス、
バティストゥータやバッキンガム宮殿など国際色豊かな日本語学校ですvv

>「小さな会社」
ジムノペディのリズムが心地いい、ほんのりと心温まる家族コント。
小さなデザイン会社の社長カタギリ君と社員コバヤシ。
コバヤシの声帯模写(笑)やカタギリパパの愛娘溺愛っぷりがほほえましいのですvv
家族愛、親子愛、友愛。公演の最後を飾るのにふさわしい、愛がいっぱい詰まったコントv
オチも秀逸で、見たあとにはホント「麺が好きでよかったv」と思わせてくれる力作です。

>全体の感想
初期作品集ということで、一つ一つのコントがすごく時間をかけて作ってあるって感じ。
きっと色々手は加えてあるのでしょうが、それにしてもコバ太郎のコントに対する熱意が
公演のビデオの中でも一番がむしゃらに全面に出ている感じがするビデオですね。
他の本公演に比べて統一感はありませんが、その分コントのクオリティが高いですv
麺にハマりかけの初心者さんに、ぜひ勧めて見せたい一作品ですvv

nao_alice at 21:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年02月10日

君の席

,大好き(笑)分かりやすな〜この子!
だって全員スーツですよ?会 社 員 で す よ??
会社の名前が知りたいな〜。
多分ダイドー●リンコみたいなとこだろうけど(笑)
以下自分的まとめ。

>コバ太郎as大橋さん
宣伝部所属。
新商品(コーヒー)「Men is Black」のキャンペーンマネジャー(?)。
「MIB」の発売記念キャンペン「男の川柳」を選ぶ会議をセッティング。
選んだ川柳は「言い訳を しないあいつの いない席」

>片桐君as橋本タケシさん
製造開発部所属。
「MIB」の研究・開発を担当、普段は研究室でコーヒー豆の研究をしている。
会社では「変な髪形」で有名だが、「開発部は髪形をとやかく言われない」との事。
選んだ川柳は「顔の皺 男の深みが にじみ出る」
→「ぽっこりと お腹ふくらむ お父さん」

>矢作さんas佐野タカシさん
営業部所属。主に外回り担当。
28歳独身。同僚からは「独身貴族」略して「貴族」と呼ばれている。
好奇心旺盛でおしゃべり。話を脱線させるのが得意。
選んだ川柳は「自棄酒は 男にだけは 許される」

>設楽君as三上さん
マーケティング部所属。
いつもタバコをくわえていて、あまりやる気がなさそうに見えるがそうでもない。
会議嫌いだが、新商品を貶されてトイレに閉じこもってしまった橋本を勇気付ける。
選んだ川柳は「言い訳を しないあいつの いない席」

>小木さんas坂本リョウジさん
経理部所属。
趣味で川柳をたしなみ、自分が選んだ川柳が選ばれなかったことに腹を立てて
会議を引き延ばそうともくろむが、結局は却下されてしまう。
選んだ川柳は「ふざけるな おまえなんかに わかるのか」

>日村さんas木村さん
総務部所属。
会社では「変な顔」で有名だが、プロジェクトメンバーの中では唯一の既婚者。
子供がいるため、早く会議を終わらせて帰りたいと思っている。常に作業服着用。
選んだ川柳は「ぽっこりと お腹ふくらむ お父さん」

nao_alice at 00:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年02月08日

project "for your seat"

「あ、佐野さん。橋本さん見ませんでした?」

佐野が振り向くと、そこにはちょっと見上げてしまうほどの長身が佇んでいた。
ダークグレイのスーツに収まった細身と、さらりと長めの黒髪が印象的な大橋だ。
宣伝部の大橋が持つ黒表紙の間には許容量限界まで収められた白い紙の束。
はみ出した一枚には「MIBに関する社内アンケート」の文字。
佐野も答えた覚えのあるレジュメだった。

「いや、僕は見なかったけど・・・開発部方面には行ってないし」

抱えた新商品のサンプル缶が腕に食い込む。
抱えなおしながら問いに答えると、大橋は困った、というような顔をして言う。

「あぁ、そうですか・・・。重そうですね、そのサンプル。持ちますよ」
「え、いいよ・・・」

佐野の言葉には耳を貸さず、大橋は重なり合ったてっぺんの缶からいくつかを抱えた。
黒表紙は脇に抱えられている。
佐野は両腕に一杯だったのコーヒー豆の缶のヘビーな重さが少し軽減して、ほっとする。
大橋を見上げると、少し困ったような顔のままいいんですよ、と口だけが動いた。
こういう気の使われ方をされるのは初めてだった。

「・・・で?」

頭の少し上のほうから、大橋の声が聞こえてくる。
佐野は少し遅れてそれに反応した。

「・・・で、とは?」
「いや・・・佐野さんこれからどこに行くのかな、って・・・」
「あぁ」

佐野は何も考えずにただ返事を返す。
本当はこのまま駐車場へ行って外回りに行くつもりだったが、大橋が何故橋本を
探しているのか、持ち前の好奇心からつい気になってしまった。

「外、回ろうと思ってたんだけど・・・」
「そうですか。じゃ、駐車場でいいんですよね?」
「うん・・・でも、大橋君いいの?橋本さんに用あるんだろ」
「えぇ、まぁ・・・。でも僕のは個人的な用事ですから」

個人的な用事?
例の会議からこっち、大橋や橋本、三上が一緒にいるのをちらちらと目撃はしていたが、
佐野はずっと今自分と大橋が抱えている新商品「MIB」に関わることだと思っていた。
しかし個人的な用事となると「MIB」とは無関係な話なのだろうか。
佐野と大橋はゲートに向って歩き始める。
歩きながら、佐野は横目で大橋を見た。

「個人的な用事って・・・コーヒーに関することじゃなくて?」
「えぇ、まぁ・・・基本的にはMIBの開発の進捗に関することを話したいだけですから、
私事ってわけでもないんです。でも、橋本さん僕が部署まで行くと、話し辛いみたい」

だから、外で酒でも飲みながら話そうかと思って。と大橋は続けた。
その声は意外に弾んでいて、佐野は歩きながら大橋を見上げる。
大橋は全く橋本さん、いつも僕が行く時間部署にいないんですよねぇ、と言いながら
すれ違った秘書課の女性に笑顔で会釈をした。
佐野は、大橋が社内の女性陣にかなり人気があることを耳にしている。
その大橋が追い回しているのが女性でもなく、あまつさえ「変な髪形」で有名な
製造開発部のマネージャー橋本であることに、佐野は少し笑ってしまう。

「大変だね〜君も。でも橋本さん、君のこと相当警戒してるもんねぇ・・・」

何気なく言った一言に続いて、がしゃん、と重たい音がした。
大橋が持っていた缶が、カーペットの廊下にゴロゴロと転がっていく。

「あぁっ・・・す、すみません佐野さん!」

大橋の腕から順に転がり落ちていくいくつかの缶。
大橋が慌てふためく姿など、佐野は初めて見た。
あの冷静で神経質な男でも、取り乱すことくらいはあるらしい。
佐野は珍しいものを見た心境で大橋を眺めながら言う。

「え・・・いいよいいよ、それよりごめん、拾ってくれる?」

転がった「MIB」の缶をいそいそと拾い、黒表紙を脇に抱えなおす大橋。
その表情が幾分曇っていることに佐野は気づく。

「大丈夫、大橋君?」
「だい、大丈夫です・・・ごめんなさい、落としちゃって」
「うん、いいよ・・・。どうしたの急に?」

佐野の問いに、大橋はしばらく答えなかった。
佐野もそのまま、追求することもしない。
無言のままゲートも近くなったところで、大橋が絞り出すような声で言った。

「あの・・・佐野さん。さっきのことって・・・誰が言ってたんですか?」

喉の奥からの、震えた声。
長めの前髪がちょうど目を覆っているので、佐野にはその表情はよくわからなかった。
しかし、一体自分のどの発言が、彼をこんなに動揺させているのだろう。

「さ、さっきって?いつ?」
「・・・は、橋本さんが・・・僕のこと警戒してるって・・・」

涙声なのは聞き間違いじゃないだろうか。
伏せがちだった顔をがば、とあげて、大橋は佐野に詰め寄った。
この状況に佐野は対応しきれていない。

「橋本さんが言ってたんですか!?僕、き、嫌われて・・・っ」
「ちょっとちょっと大橋君!?お、落ち着きなよ、近い近い、顔が近いよ・・・」
「す、すみません・・・」

はっと我に返った顔で、大橋は佐野から少し遠ざかる。
佐野は、迫力のある大橋の精悍な顔を間近で見て心臓がばくばくしてしまっている。
大橋ははぁ、と深くため息をついてがっくりとうなだれてしまった。

「もー・・・何、なんなのよ?いいよ、とりあえず車まで行って積んじゃお」
「そう・・・ですね・・・」

ゲートを出て、地下駐車場まではすぐだった。
外を歩いている間、一言も喋らない大橋を横目で見ながら佐野は少し感づく。
これはもしや、面白いことになっているんじゃなかろうか!
佐野のクラウンの後部座席に缶を全て積んでしまうと、大橋は恨めしそうに佐野を見る。
佐野はしぐさで、大橋に車に乗るように促す。
大橋は素直に助手席に乗り込み、また一つため息をついた。

「タバコ吸っていい?」

運転席に乗り込んですぐ、佐野はスラックスのポケットからマイルドセブンを取り出す。
大橋の返事はかすかに首を縦に振る程度で、気の毒に感じられるほど落ち込んでいた。
火をつけて大きく吸い込むと、吐き出した煙が一瞬佐野と大橋の間に壁を作った。

「・・・で、橋本さんがなんだって?」
「・・・僕を・・・警戒してるってなんなんでしょうか・・・」
「警戒?」
「佐野さん、さっきそういったじゃないですか!橋本さんは君を相当警戒してるって・・・」
「あぁ、それか・・・」

煙を更に吐き出しながら、佐野は大橋を見る。
悲壮な顔つきの大橋は、頭を振ってうつむいてしまう。

「例の会議以降、君が開発部に入りびたりだって話はよく聞いてるよ。坂本さんから。
僕は直接見てないから知らないけど、君結構ダメ出ししてるみたいじゃない、開発部に」
「そ・・・それは新製品を絶対成功させたいからですよ!宣伝部の人間として、そして
このプロジェクトのチーフとして、僕は責任ある仕事をしたいと思っているだけで・・・」
「うーん・・・僕の聞いた話だと、大橋君、結構橋本さんにだけ話聞いてるって事らしいけど」
「それも・・・は、橋本さんが開発のマネジャーだから・・・」
「そりゃそうだろうけど・・・でも、宣伝部の人に味をどうこう言われるのは嫌なんじゃない?」
「い、嫌・・・?」

大橋の声はすでに涙ぐんでいる。
佐野はそんな大橋がいっそかわいそうに思えてきた。
短くなるまでタバコを吸ったあと、付属の灰皿でもみ消すと、佐野はエンジンをかけた。

「嫌って言うか・・・やっぱさ、公衆の面前で槍玉に挙げられるのは気分よくないと思うよ」
「で、でも、俺は少しでもあの人の力になろうと・・・」

一人称が僕から俺に変わったのを佐野は聞き逃さない。
人間、感情的になると素が出るものだ。
これは決まりだ。
大橋は橋本に、プロジェクトのメンバーとして以上の感情を持っている。

「うーん、僕はよく知らないからなぁ・・・じゃあさぁ、僕より三上君に話聞いてみたら?」
「み、三上さん・・・?」
「彼すごい仲いいよね橋本さんと。こないだ一緒に食堂でご飯たべてるの見たよ」
「・・・!!」
「いろんなこと相談したりされたりしてるみたいだし、三上君って頼りになるし」
「俺だって頼られたいですよ!!」
「・・・は・・・?」

大橋がつい大声を出したのを見て、佐野はやりすぎたと思う。
大橋自身もそれに気がついたのか、口元を押さえて絶句している。

「あ、あぁ・・・そうだよね!だって君チーフだもんねこのプロジェクト!頼られたいよね!」
「そ・・・そうですよ!!み、三上さんもいいかもしれないけど、お、俺だって・・・」
「だから!」
「あ、そ、そうですよね!ねー!?は、橋本さんだって忙しいですしねー!」

自分の言ったことを一生懸命取り繕う大橋を見て、佐野は笑いをこらえるのに苦労する。
若いなぁ・・・あったなぁ、自分にもこういうころ。
ついノスタルジィに浸っていると、ようやく落ち着いたのか大橋が言う。

「ホント・・・ダメなんです。何かふがいなくて、自分が。どうして・・・こんなに・・・」
「橋本さんが気になるのか?」
「なっ・・・!!な、何言ってるんですか、佐野さん!!違いますよっ!!」
「まぁまぁまぁ、落ち着いて大橋君。わかったから」
「ち、違いますからね・・・!?」
「わかったわかった」

面白い、これは面白いおもちゃを見つけてしまった。
早速帰ってきたら坂本さんに報告しなきゃ。
佐野はまじめに赤くなったり青くなったりする大橋を見ながら思う。

「でも・・・ホントはどうなんでしょう。橋本さん、僕のこと嫌いなのかな・・・」

落ち着いた大橋がぼんやりと、窓の外を見ながら言う。
車しか停まっていない駐車場は、まだ昼なのに薄暗い。

「なんか・・・初めてだからよくわかんなくて・・・」
「あぁ・・・そう・・・」
「こんな大きいプロジェクトもそうだし、橋本さんみたいな人と仕事するのも・・・」

これは完全に一人の世界だ・・・長くなりそうだ。
佐野は大橋を横目で見ながら言う。

「僕らしくないって言われるんです・・・こんなに人付き合いで悩んだことないから」

苦笑しながら大橋は言う。
そして、ふいにドアを開けて助手席から降りた。

「すみませんでした、佐野さん。僕、橋本さん探しに戻りますね」
「え?あぁ、うん、そうしなよ」
「長くなっちゃって・・・すみません」
「いいよいいよ、気にしないで」

どこか吹っ切れたような笑顔で佐野に向き直り、大橋はドアを閉める。
佐野はウィンドウを空けてその笑顔を一瞥した。
一礼してゲートへ戻ろうとする大橋に、佐野は言う。

「ま、いいんじゃないの・・・たまには。らしくないこともさ」

大橋は苦笑して、そうですね、そうですよね。といって、もう一度頭を下げた。
ゲートへ向う大橋の姿勢のいい歩き方。
社内一敏腕な有能株が向う明日はどっちだろう。
細身の頼りなさが少し滲んだその背中に佐野はほんの少し微笑んで、ギアを入れた。

***
営業部所属、外回りの佐野さん(矢作さん)登場v
坂本さんは、いうまでもなく小木さんです。経理部って、ぴったりすぎるよ・・・
しかし今回ちょっと大橋君(コバ太郎)が暴走しすぎた。と言うか俺が。
本当に、大橋君の明日はどっちだ!


nao_alice at 21:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【SS】ラーメンズ 

2005年02月06日

project "for your seat"

三上は悩んでいた。
例のコーヒーがあまりにもまずいので、大橋をはじめとする宣伝部が
橋本の居る製造開発部にかなりせっついてきているのだ。
おかげで三上は(あんまり関係ないのに)橋本に泣きつかれている。

「三上くぅん…」

社運を賭けたコーヒー、ブルチア産の豆を使用した「MIB」がかなりまずい。
満場一致で「まずい…」の意見を受け、橋本は毎日研究所に籠もりきっているようだ。
橋本だけでなく開発部の研究員はみなそうだったのだが、チーフとして研究を指揮している
橋本のやつれ具合はひどく、心なしか髪の毛のボリュームも少なく見えた。
ランチタイムにカフェテリアで見かけた橋本があまりにもやつれていたので、
思わず声をかけてしまったのだった。

「どうしよう…もうわかんないよぉ、これ以上何やってもダメな気がして…」

書類を広げたまま、三上を見上げる橋本の瞳には涙が浮かんでいる。
普段元気な橋本だけに、落ち込んでいる姿は何故だかいっそう悲壮だ。
かける言葉も見つからず、三上は黙って橋本の隣の席に座った。

「橋本さん、昼飯は?」
「まだ…。だって食欲ないんだもん、コーヒー飲みすぎて」
「あぁ…でもあのコーヒーまずいから、胃に悪そうだな」
「…!やっぱり…三上君もまずいと思ってるんだ、あのコーヒー…」

ショックを受けたような顔で、橋本は顔を両腕にうずめてしまう。
もじゃもじゃした髪の毛が腕に広がって、わかめのようだと三上は思った。

「だって…アレは世辞でも旨いなんて言えねぇよ…」

600円のAランチと、トレイにのった社員なら無料でお代わりできるコーヒー。
恨めしそうに三上のコーヒーを睨んで、橋本はうつぶせた状態から身体を起こす。

「…分かってるんだ…今のままじゃダメだって…」

橋本はつぶやくように言葉をつむぐ。
三上は定食の煮魚に箸をつけながら横目で橋本を見た。
紙コップに入ったコーヒーは、かすかに湯気を立てている。

「大橋君がさ…橋本さんの味覚がおかしいって、もっとおいしいもの作れって…。
僕は大橋君よりコーヒーのこと分かってるつもりだし、でも反論もできなくて…。
大橋君、何だか僕に恨みでもあるみたいに毎日毎日部署に来て文句言うんだ」

キザなメガネと高級スーツに、長身とさらっとした黒髪。
まじめで仕事ができて、少し神経質な宣伝部の大橋はこのプロジェクトのチーフだった。
橋本は、人当たりのよさそうな大橋の笑顔の裏に潜む意地悪さを敏感に感じ取っていた。

「まぁ、大橋さんも大変っすからねぇ…社運もかかってるし、きつくもなるって」

言っては見たものの、しかし三上は本心ではそうは思っていなかった。
橋本は気がついていないのだ、大橋の不器用なアプローチに。

「でもね、僕にばっかり愚痴ってると思ったら飲み屋に連れて行かれて有無を言わさず
なが〜いこと付き合わされるし、誕生日だからおごれってもう2回も祝ってるし、
今度横浜行こうって、中華料理を食べながら本場のコーヒーを研究しろって言うし…」

あって数ヶ月しかたってないのに誕生日を二回祝った時点でおかしいと気がつかない
橋本も橋本だが、社運を賭けたコーヒーをダシに己の欲望満たし三昧な大橋も大橋だ。
客観的に見れば、「小学生が好きな子には意地悪しちゃう」現象なのだと一瞬で
分かってしまう大橋のアプローチの仕方に、三上は少し橋本が気の毒に思えた。

「まぁ、気づかないほうもそれなりにバカってことか…」

涙声で大橋について愚痴を言う橋本が、すっかり自分には気を許しているこの状態を、
三上はそれでも少し楽しんでいる自分に気づく。
大橋に後ろめたい思いに駆られていると、橋本がぱっと顔を上げて三上を見た。

「ねぇ三上君…君、大橋君とは仲いいんだろ?今度さ、それとなく聞いてみてくれない?」
「…何を?」
「大橋君が、僕のどこがそんなに気に入らないのかってこと」
「は?え…えぇぇ!?」

これはもう、正真正銘の鈍感である。

「だって…大橋君の僕を見る目、すご〜く怖いんだよ、睨んでんだもん。
こないだなんか、文句言うために駐車場で僕のこと待ってたんだよ!?
そのあと終電なくなるまで飲むし、疲れてるから僕途中で寝ちゃったし」
「寝たの!?」
「だって僕、もうここ二週間くらい平均睡眠時間一日3時間だよ?寝るよそりゃ…」
「アンタ…なんかされてねぇといいけどな…」
「臓器とられるとか!?やりそ〜大橋君なら…」
「そういうんじゃねぇからな…?」

いっそ大橋が気の毒に思えてくるほどに、橋本は大橋を本当に怖がっているようだ。
三上にしてみれば、同期で入社した大橋とは部署こそ違うがそこそこに仲はいい。
仕事はできても、好いたはれたには不器用な大橋が恋した相手が橋本とは面白い。
これはしばらく退屈しなくてすみそうだ。

「橋本さん。もう昼休み終わっちゃうから、俺行くわ」
「え、もう行っちゃうの三上君…」

食べ終わった食器を乗せたトレイを持って、三上は席を立つ。
座ったまま三上を見上げる橋本は、髪型も相まって動物のようで妙に可愛らしい。
三上は小声で橋本に言う。

「だから今日、仕事終わったら飲みに行こう。話聞いてあげるから」
「ホント!?」

ぱっと表情を明るくした橋本を見て、三上は内心ほくそ笑む。
今のところ、橋本は完全に俺方面に傾いている。

「あ、でもまた大橋君が何か言ってくるかもなぁ…」
「いいよ、大橋さんには俺から言っといてやる。だから、な」
「…うん!じゃ、三上君仕事終わったら連絡して。僕も今日は早めに切り上げるから」
「わかった。じゃ、また後でな」

バイバイ、と小さく手を振る橋本を後にして三上はトレイをカウンタに持っていく。
マーケティング部の入り口までいくエレベーターを待つ間、三上は思う。
本当に、面白くなりそうだ。

新商品「Men Is Black」のプロジェクトはまだ始まったばかり。
コーヒーの味より、気になることはたくさんあった。

***
君席、三上→橋本←大橋プロジェクト発動!(笑)
,澆董∋鮎紊気(設楽君)と橋本さん(片桐君)にグラグラきました。
大橋さん(コバ太郎)がどうでもいい程に(笑)
まで見てもやっぱり空回りする大橋君は、今回負け犬で(笑)


nao_alice at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【SS】ラーメンズ 

2005年02月05日

感想書く週間◆峽漾

本日は、第9回公演「鯨」です。
「鯨」は個人的にすげぃ思い入れのあるタイトルなので(笑)、気合が入ります!
白い鯨ネタがあれば、きっと一番好きな本公演になっていたかも・・・?
では、早速ネタバレ感想ですvv

>「ことわざ仙人」
出、出オチ・・・!?と思えなくもない、スレッスレの一本(笑)
でも、片桐君のこういうワガママ&スベリ系の役は私大好物なんですvv
髪は真っ黒なのにひげは真っ白な片桐君・・かわいいなぁ〜。
個人的にコバ太郎がセンター分けなのがかなり高得点な感じです(笑)
「上着」って言われてイヤラシク上着を脱ぐコバ太郎もいいよねぇ・・・v
好きなことわざは「口はまぐわいのもと」(笑)
「いい、おべべだな」も無意味に時代がかっていて好きv

>「超能力」
「椿」の「心理テスト」+「CBF345」の「レストランそれぞれ」÷2?
最初見たときは勢いがありすぎて、何回も見直してしまいました(笑)
照明が落ちてくるところは、すごい結構迫力があるし好きな演出です。
色々考えると、ほんとはどっちかが超能力者なんじゃないかなんてぐるぐる。
ホント、「みたいなな〜!」で全部済ますのはずるいよね〜コバ太郎。

>「バースデー」
こーれーはかなり好きなコントです。「カタイヌー!?」のところが特に(笑)
珍しくSE中心に進んでいくけど、表情だけで表現するのは難しそうだなぁと思ったり。
欲しいものがマラカスて・・・豆柴は私も欲しいけどさ(笑)
ズボラさんとコバヤシの関係が、いい感じに仲良さげで素に近い感じが好きv
あと料理家の方のコバ太郎の本は私も持ってます。コーヒーはやったことないけど(笑)

>「壷バカ」
こういうの、大好き(笑)いいなぁ〜負けず嫌いの壷バカvv
何も言うことはありません、ただただ、ふくらはぎに注目ですvv

>「絵かき歌」
これもすごくじ〜んと来るような、ほんのり系の話ですね〜v
「♪バナナはりんごじゃないです」「♪バナナが六億ありまして〜」
愛!くじろうちゃんの父さんに愛ー!!こういう片桐君に弱い弱い・・・
「あ!くじろうちゃんだ!僕の大好きなくじろうちゃんが帰ってきた!vv」
ぅ俺 は お 前 が 大 好 き だ ー ! ! !
くじろうちゃんの人間の人格も、「いるいる、こんな人〜」って感じで◎vv
最後の「くじろうちゃん早く早くー!」「早くーとか言って超ウケる」がラブリーすぎv

>「count」
システマチックで、見てて気持ちがいい。「一人と一つ」が秀逸です。
「見えないけど、三人」→「見えた」のくだりは、怖いけど面白い(笑)
友人が、「一人一人」→「2.5人」の流れで超興奮してたのが面白くて仕方なかった・・・
いや私も好きなんだけどさ、あの流れは(笑)

>「アカミー賞」
ケント・コバーン・・・こんなアメリカ人のプレゼンター、いるよな〜(笑)
セリフの途中でかぶせてくる片桐君、「Yes!」とガッツポーズの片桐君、
「マーベラス!」がすげぃ日本語発音の片桐君…ラ ブ リ ー !!!
「機長の片桐です!」「この賞を世界中の恵まれない中小企業に捧げます!」
ケント・コバーンもさることながら、片桐君がかわいすぎて涙が滲みます…

>「器用で不器用な男と不器用で器用な男の話」
麺のコントで始めて少し涙しかけたコントがこれ。ヤバイよほんとに…
トイレットペパーが舞っていなきゃ、完全に号泣してたよきっと(笑)
大げさなまでのコバ太郎の白痴っぷり(嘘だよー!)が最高にラブリーで…
コバヤシを元気付けようと飛び回るカタギリ君も優しすぎてなんかもうねー。
最後の「近い!」が、笑えるのと同時にすごいほっとさせるんですよね。
「よかったー!」って思っちゃう、コントなのに(笑)
色々背景を考えても楽しいし、一粒で二度も三度もおいしいコントですvv

>全体の感想
私が二番目に好きな本公演です。何度見ても飽きない、飽きさせないすごい本公演。
漢字三部作シリーズは全部すごい好きなんですが、鯨と言う言葉に思い入れのある私は
どうしても鯨びいきになってしまいます(笑)>麺に関係ないんだけどね…;;
「ATOM」とは違い、全体的にほんわりした雰囲気で、何も考えずに楽しめる公演ですvv

nao_alice at 22:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年02月04日

感想書く週間 ATOM」

本日から開催(?)感想書く週間。
今までも少し書いてきたけど、思い入れまで語ろうかと(笑)
私が好きな本公演の順番で語ってゆきます。
と言うことで、今回は第12回公演、「ATOM」のネタバレ感想です。

>「上下関係」
「俺は、完全!かつ、かっこいい!かつ、金持ち!かつ、人間ができている!」
の後、コバ太郎が「うんうんうんうん!」とすごい勢いで頭を振っているのが好き。
これ見て、自分もよく「不幸なことがちょっと自慢」な人になってることに気づいて、
あぁ、コバ太郎に完全にしてやられているなぁ〜と感じてしまいました。
最後の「それ以下だよ・・・」も意地悪なオチで、コバ太郎の表情の変化がイイ・・・v
私は割と好きなコントです。

>「新噺」
「二人でやる落語」が新鮮で、テンポもよくみてて笑ったり「ほぉ〜」と思ったり。
コバ太郎さんはほんとに噺家さんみたいで、黄色いふちのメガネが某氏を彷彿とさせます。
江戸っ子な喋り方が板についていて、コバ太郎落語すきなんだろうな〜なんて思ったり。
片桐君が一人で突っ走っちゃう時のコバ太郎の「俺もいれて。俺も入れて!」が
何かすげぃ好きなんですvv「終わってねぇよ!」も漫才みたいで新鮮vv

>「アトム」
「あんたはこの時代に生まれて、この時代に死ぬんだよ!」と言うセリフを聞くと
何だかグッときますねぇ・・・好きなセリフです。父さんが全然話聞かないのもいい(笑)
もう全ての流れが正しくて、息つく暇もなくて、オチも秀逸で、言うことありません。
大好きなコントです。

>「路上のギリジン」
ヤバイ・・・おもしろすぎる!!!ギリジン三部作ではこれが一番好きですvv
ビデオでは「お金で買えないものなんてあるもんか〜♪」が聞けないのが残念・・・
戦艦ヤマトのギリジンバージョンは非常に頭を占領します。
でん、でれれれーん、でれれれん、ギリギリジン♪よく歌ってしまう・・・

>「採集」
怖くて切なくて残酷で、いろんな背景を想像してしまう。麺の全部のコントの中で、
私のベスト3には絶対入ってるコントです。思い入れのあるコントなんですよー・・・
一回見た後もう一度複線なんかを意識しながら見ると、更に怖いことに気がつきます。
「切り裂きジャック」の名前の由来とか「中身に興味ないから」とかのセリフも、
最後の最後に全部繋がるって事を知ってると、プリマの無邪気な(?)想像も更に
オチの怖さを引き立てていて、もーホント何回みてもぞっとするですね。。。
それと共に、ジャックのプリマに対する思いが何でそんなに歪んじゃったのかとか、
考え始めるとキリがなくなって一日中妄想しちゃう(で、怖くなる)んですよね。
「何だよ、完璧じゃねぇかよ!」ってセリフは、あなたに言ってあげたいよコバ太郎・・・
すげぃなぁ。

>「アトムより」
もうね・・・これが大好きなんですよね・・・のすととがしくん。最高に大好きです。
採集とともに、私の好きな麺コントベスト3には必ず入ってます。愛なんです。
私、片桐君のこういうキャラにすげぃ弱くて、のすはもうホント愛しいです。
コバ太郎が表現したがっていることを、めずらしくストレートに描いたコントだし。
「日常の中の非日常を描くのではなく、非日常の中の日常を描く」って言うセリフを
あえてのすというキャラクターの口から言わせたのには、何か意図があったのかな・・・
「採集」のホラーの後にこれがあって、ほんとによかったと思う。かわいいし、和むし。
最後の最後が「アトムより」ってのは、ありえないくらいぴったりだと思うです。
余談ですが、「アトムより」の「より」は一体どういう意味なのか?と言うことは
結構各地で議論されてるっぽいですが、私は「アトム寄り」、つまり「アトム」が
いる世界に近い、今から見た「少し未来」なんじゃないかと、みた時から思ってました。

>全体の感想
ライブを見に行ってみたかった・・・!!!ほんっとにいつもいつもいつもいつも、
ビデオ見るたび思います。全コントが全部好きな本公演はあんまりないんです私(笑)
一個一個のコントが他の本公演に比べて「意味」を持ってるものが多い気がするし、
いつになくメッセージ性が強いのにも惹かれますな。「笑い」と言う点では他の公演より
少し大人しめですが、なんか小難しい方面の「コバ太郎らしさ」があふれてる感じが
なんかこう・・・幸せなんです。見てて。もう、大好きです。一番好きー!!

nao_alice at 01:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年01月27日

四戦目、またしても・・・

惨敗。ちょっと待ってよ、何この人気・・・(笑)
嬉しいけど、見れなかった自分はかわいそう。
今日は四時間半前に行ったのにな・・・ぐすん。

nao_alice at 22:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年01月24日

47

47、のネタバレです。
思い出せるだけ思い出してみました。
2戦目バージョンです。
例によってラ麺ズALICEネタバレ(て言うかネタそのまま)ですので、
未見の方で、これから見たいと思っている人は見ないほうがいいでしょう。

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nao_alice at 22:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

2005年01月23日

三戦目、惨敗。

当日券、取れませんでした・・・ガブン。
二時間前じゃ全然ダメだ・・・(涙

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2005年01月22日

二戦目!

行ってきました本多・・・今日は当日券。
一時間以上並んでゲットしたのは「座布団・下手・001」。
下手と言えばコバケンの立ち位置。よく見えました。
表情まで・・・エンドトークの立ち位置は逆なので、片桐君もよく見えたv
それでは早速二日目レポ。今回もやや鑑賞より。
例のごとくまだ見に行っていない人には優しくないネタバレ満載。

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2005年01月20日

ALICE本戦ッ!

行ってきたよ〜きましたよ〜ALICE!
無駄に検索除けしてますが、いやもうホント楽しかったです。
りぃたんと一緒に行けたってのも、楽しめた原因のひとつだと思います。
ホントにホントにありがとうvvまた一緒に行こうね〜。

そんなわけで、誰も気にしちゃいないだろうが自分が覚えていたいので
一生懸命レポートします!1/19日夜・本多公演ラー麺ズALICE!
張り切ってネタバレまくりです!見たい人だけ見てください。

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2005年01月16日

good day house

またしても、ようやくgood day houseをみました。
KKプロデュース公演第一弾と言うことですが・・・。
プレビューを見ると皆さん辛い評価のこの作品。
しかし私は好きですよ〜すごく。
以下は感想、ネタバレあるので、見たい人だけどうぞv

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nao_alice at 22:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)【その他】ラーメンズ 

Dogeza

VIDEO VICTIM収録、コバケン脚本&主演「Japanese Tradition」第二弾が見れます。
How to Dogezaでございます。かなり間違ってますが、NYでは大うけだったらしいです。
「ベストヒットジャパニーズショート」から見れます。
見に行ってみる。

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2005年01月15日

Jam Films 2

本日もお家でのんびり過ごしましたv
今日はクリスマス頃に届いていたJam Films2をやっと見ました。
各ショートフィルムの感想など少し・・・
ネタバレなので、見たい人だけどうぞ。


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2004年11月21日

今更ですが

「STUDY」みますたっ!!!!!!!!!!
ギャーッ片桐君ぽっちゃりしてる!おかげでコバケンの不健康さが際立ってる!
ネタは、タイトルどおり「STUDY」してました。頭を使ったネタが満載。
いや、麺はいつも頭を使うんだけど、今回のテーマは「理数系」かな。
でもそれがまた素敵に面白いんだよねぇ・・・コバケン万歳♡♡
以下はネタ一言コメント、ネタバレありですから。

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