一歩先行く市役所職員となるための仕事術

元SEから市役所職員に転職して15年。 仕事のレベルを上げ、一歩先行く市役所職員となろうと思って奮闘中です。 同じ自治体職員、特に若い方々の参考になるかと思うことを書いています。

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・『公務員1年目の教科書』(学陽書房)を刊行しました!新入職員の方、その指導に当たる方に読んでいただきたいです。
・「手紙を綴るアドバイス」はカテゴリ別アーカイブから入ると、第1話からご覧いただけます。途中からご覧になるときは、目次をご利用ください。

【本日の読書】ジョン・P・コッター教授ら『カモメになったペンギン』

カモメになったペンギンジョン・P・コッター、ホルガー・ラスゲバー著、藤原和博訳『カモメになったペンギン』(ダイヤモンド社 2007年)

帯「変わらなければ、生き残れない。」

 『企業変革力』(日経BP社 1996年)、『ジョン・コッターの企業変革ノート』(日経BP社 2002年)、『企業変革の核心』(日経BP社 2009年)を書いた変革リーダーシップの大家、ハーバード・ビジネススクールのジョン・P・コッター教授による寓話です。
 変革の要件とストーリーのイメージを自分の中に持つために、この本よりわかりやすい本はありません。しかし、そこに込められたものは、とても深く、何度も読みたくなります。

 住んでいる氷山の危機を知ったフレッドはどうしたか?
 個性あふれるチームのメンバーたち。党首ペンギンルイスのもと、教授、アリス、バディはそれぞれどういう役割を果たしたか?
 変革リーダーシップの成功例はわずか10%。そこに共通するものとしてジョン・P・コッター教授の唱えた「8段階の変革プロセス」が、いきいきと描かれます。

  私もまた、行政経営担当として、読み返しています。
 自分たちにとって「氷山」は何か? 自分はチームのメンバーの誰に相当するか? そして、「ノーノー」は? 「幼いペンギンたち」は? いろいろと考えさせられます。

  変革は一人ではできません。チームで、プロセスをたどって、実現するもの。
 ジョン・P・コッター教授の教えを、どこまで実践できるか。厳しいですが、そこに挑む毎日です。 

 訳者の藤原和博さんも、ファンです。
 『坂の上の阪』(ポプラ社 2011年)、『さびない生き方』(大和書房 2010年)、『35歳の教科書』(幻冬舎 2014年)等々。私の本棚の一角を占めています。
 ぜひ一度直接お話を伺いたい、お会いしたいと思っていますが、この本を訳すとは、さすがだなと思いました!

【本日の読書】大久保幸夫さん『日本型キャリアデザインの方法』


日本型キャリアデザインの方法大久保幸夫『日本型キャリアデザインの方法』(日本経団連出版 2010年)

(副題)
「筏下り」を経て「山登り」に至る14章

 キャリアを考える上で、基本というべき本だと思います。
 久しぶりに読み返しましたが、改めていろいろ考えさせられました。

 新社会人から10年目ぐらいまでは「筏下り」。激流に揉まれながら、基礎力を身に付けていく時期であり、ゴールを決めず短期の目標を全力でクリアし、偶然による仕事や人との出会いを歓迎することだ。
 その流れが緩やかになったころからが「山登り」の時期。自ら腹決めして、専門力を身に付け、プロとなっていく…これが日本型キャリアデザインである。
 本書が指摘するこうしたキャリアのあり方は、自治体職員もそうなのだと思います。

 多くの自治体では、最初の10年間は、適性を見て基礎力を育成する時期として、窓口部門を含めて、幅広い異動を行っています。
 3~4年程度を異動の目安としている自治体が多いように思いますが、中には「ジョブローテーション」として、当初は必ず2年又は3年といった時期に必ず異動させる自治体もあります。そのような幅広い異動の中で、独り立ちさせ、また、本人も、組織としても適性を見ていくということなのだと思います。

 本書の指摘するとおり、人事異動とそれによる業務経験・実績は思うままにはいきませんが、①何が得意か?②何をやりたいか?③何に意義を感じ、貢献できていると感じるか?(エドガー・H・シャイン、キャリアアンカーの3つの問い)を自問自答し、仕事に向き合う中で機会を得ることになります。
 その機会を生かせれば、自分の強みを磨き、経験・実績を積み上げることができます。こうしたことを、若いうちに気づき、努力を続けることができれば、本当に大きな力になります。私が本書に出会ったのは、入所9年目でしたが、それでもいろいろ考えさせられました。

 なお、本書では、他にもいろいろ「そうだなあ」と思うところがあります。

・リーダーシップが磨かれる経験は、修羅場の経験、視界の変化に類する経験である。
・起業家は「不確かな状況に対する耐性のレベルが高い」
・「筏下り」と「山登り」では学習の仕方も変化する=「吸収する」学習→「考える」学習
・「新人時代が楽だった」と思っている人は、「新人時代は厳しかった」と思っている人に比べて、ミドルになって学習しない人になっている傾向がある。
・学習習慣がついている人は多彩な学習に取り組んでいて、そうでない人はどれもやらないという傾向がある。
・「時間がない」などが学習習慣がない理由だが、学習習慣がある人の方がむしろ労働条件が長い。

 「楽しい仕事は自分を幸福にしてくれるし、嫌な仕事は自分を成長させてくれる」という言葉は名言だと思いました。

 その上では、時代は、より早く、新人を独り立ちさせ、若手をプロとしていくことを求めている。そういう状況に既になってしまっているように思います。入所3年目で、業務の中核を担うなんてことは、珍しくなくなっています。
 より早く適性を見極め、専門性を高めつつ、広い視野・高い視点を持てるようにする、また、早いうちから自らの仕事の意義と成長を感じられるようにする、そういう育成が私たち中堅・管理職には求められているように思いました。

 自分にそれができるだろうかと戦慄を覚えつつも、そこにこそ、自治体の未来と、私たち自身のやりがいがあるのだと思っています。 

【本日の読書】山田千穂子さん『ビジネスマナーの「なんで?」がわかる本』

ビジネスマナーの「なんで?」がわかる本山田千穂子『ビジネスマナーの「なんで?」がわかる本』(講談社+α文庫 2014年)

帯「なんで知らない人からの電話に『お世話になっております』って言うの?」

 私は、実際、職場で若手に聞かれ、一瞬、答えに窮しました。
 この本は、こうした疑問にズバリ答えてくれ、ビジネスマナーのイロハがわかる本です。若い知人が大学を卒業し、ある自治体の内定をもらったというので贈り、大変喜ばれました。

 民間企業であれば、新入社員にビジネスマナーを身に付けさせるのは当然のこと。私も、若い頃いろいろ注意を受けました(ちゃんと身に付いてたか、あの頃を思い出すと汗が出ますが、、、)
 しかし、自治体では、必ずしも新入職員にきちんと指導しているかというと、研修ではお辞儀の仕方や敬語の使い方ぐらいで、新人指導の担当者任せ。疑問があるように思います。

 「ビジネスにおける常識とは、年齢も性別も社会的地位も違う人たちが、その違いを埋めて仕事を進めるためのベースとなるもの」で、「そのことを具体的に表現したものが『ビジネスマナー』」だと本書では説明されています。
 見知らぬ同士が仕事を進めるために不可欠のものであり、幅広い人たちのために幅広い人たちの協力を得ながら仕事を進める自治体職員にとっては、特に必要なものです。

 よく「あいつは、挨拶もできない」と言われますが、そんなところで損をしていたら、仕事はうまく回りませんから。逆に「いい挨拶」は武器になります。
 名刺の渡し方、受け取り方も、あまり自治体職員では教えてもらえないように思いますが、いろいろな機会で名刺交換する場面があり、相手となる市民の方、業者の方は当然マナーを心得ていますから、身に付けておくことはとても大事です。

 公務員志望の方で、新人の方におススメです。
 若手・中堅の方も、自分のビジネスマナーを再確認する上でも、ぜひ読んでみるといいと思います。
 私も、 電話応対の「少々」は30秒まで、「折り返し」で待たせていいのは10分まで等、できていない部分に改めて気づかされました。

 また、新人育成担当となった若手の方、また、新人が配属された部署の係長・課長の方へ。
 本書を新人さんにプレゼントして、ポイントを質問して確認してみるなんて指導法もおススメです。
 類書は数多くありますが、本書は「なんで?」がわかり、4コマ漫画が各項目の冒頭にあってとても読みやすく、しかも、¥580+税なのでプレゼントしても懐はあまり痛みません(笑) 
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