ナオミアウトライトのマーケット論

マーケットの話、運用手法の話

2018年01月

リスクの次は、リターンですね。
リターンも、なにかいつも利益を指すように使うことが多いですが、実は益もあれば損もあります。
リターンプラスマイナスかの違いです。

リスクというのは、価格の変動率を指します。

投資行動はこのリスクとリターンの関係を相対的に見て、買いか、売りか、見送りかを決めるのです。
言葉で言うのは簡単ですが、数値化して決めるのは極めて難しい作業となります。
結局、リスクもリターンも過去の統計で計るしかないからです。

リターンについては、本来は期待値となり、期待リターンを指します。リスクは過去の変動率が変化しないという前提ではじきます。

投資魅力度=リターン÷リスクで計算します。これが高いほど投資魅力があるといえ、低いと投資不適格とみなされます。絶対値みたいなものは在りませんが、1以上では投資検討の余地があり、通常は投資対象のAとBでどちらが魅力があるのかを比べます。

ここでは精密な計算方法は省きますが、実は、身近にも感じることができる計算式です。

「この仕事、割りに合わない」とか、「これコスパいいね」とか、感じる事ありますよね。

実は分子に自分の幸福度を、分母にその代償を、無意識的に計算しているのです。

例えば、AとBで投資魅力度をはかる場合、

Aのリスク 10
Bのリスク 100

Aのリターン 12
Bのリターン 90
だとします。
イメージ的にはBの方がうまくいけば利幅は90もありますが、Aは12しかありません。
さて、投資魅力度を計算すると、
Aは1.2倍、Bは0.9倍となります。
となると、投資魅力度はAが大きいということになります。

Aは12しか儲からないけど、Bよりも割に合う投資といえます。

利幅90くらい欲しいじゃない、と思うのであれば、Aに10倍の投資資金を振り向ければよいのです。

実際のイメージ例でいえば、Aは株式、Bは仮想通貨といったところでしょうか。

仮想通貨はうまくいけば儲かりますし、利幅も大きいです。しかしリターンはマイナスもあります。うまくいかなければ、ダメージも相当大きいということになります。今現在に限って言えば、リスクに見合ってない商品といえるでしょう。

ちなみに、サイコロで偶数か奇数かにベットする場合、投資魅力度は1倍です。従って、無条件で見送りとなります。






よく、リスクが低いとか、ハイリスクハイリターンとか、リスクがあるって言い方ありますね。
リスクってなんでしょうか?

ここでは、投資・運用上に限ってのリスクを簡易的ですが、ご説明します。
投資・運用上でも様々なリスクがあるのですが、まず覚えなければならない事としては、損失を指す事ではないのです。

運用上の最大のリスクとは、価格の変動性を言います。つまり、価格の振れ幅が大きいほどリスクが高いといい、価格の振れ幅が小さいのはリスクが低いといいます。これを心に留めましょう。

わかり難いかもしれませんが、例えば銀行にお金を預けるのは、リスクが低い投資行動です。預金も広く言えば投資行動となります。

預金はリスクが低いというより、リスクが無いのではと考える方がいると思いますが、預金(預金による利子)自体は金利に連動するので、金利変動がリスクとなりますが、先進国では金利変動はわずかであるため、リスクは低いといえますが、発展途上国では、預金であってもリスクは高いといえます。
ここで、おわかりと思いますが、益か損かは関係ありません

一方、今、世間の話題になっている仮想通貨は極めてリスクが高い商品といえます。つまり価格変動が、他の投資商品よりもずば抜けて大きいことを指します。

リスクが高い=価格変動(率)が大きい

を覚えましょう。

投資運用上のリスクとしては、その他で
信用リスク、
カントリーリスク
執行リスク

等があります。

いずれもそのリスクが顕在化すると、結局、価格変動に関わってくる原因となります。
信用リスクは投資対象の会社がつぶれる、又は取引を仲介している会社(口座を開いている会社・注文相手)がつぶれる、等をさします。

カントリーリスクはその名のとおり、国がおかしくなる(債務不履行、戦争、政情不安)ことで、注文が無効または財産が戻らない等につながります。

執行リスクは通常それほど大きくはないのですが、取引仲介会社が顧客の注文を執行できない状態を言います。通常の投資対象商品では、殆どありませんが、手数料だけが極端に安い弱小証券会社等ではありえます。また、話題の仮想通貨取引仲介会社では、すでに、このリスクが顕在化しています。

因みに、銀行預金のリスクは、通常のリスクとしては、とても低いと言えますが、信用リスクが顕在化した場合、その限りではありません。過去、取り付け騒ぎが起こった銀行もありますし、90年代後半では、都市銀行がつぶれかけ(つぶれたのもあります/日債銀、長銀、拓銀)、銀行へ預けるのもリスクがあるのだと、知らしめた出来事でした。












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