今日、絵金の屏風絵が一部黒変したというニュースを聞いて、衝撃を受け落胆しました。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20100916-OYT8T00996.htm
幾つかの記事によると、熊本市現代美術館が高知の絵金蔵から借り受けた屏風絵を燻蒸作業(殺虫)した際、緑色の部分(おそらく銅を主成分とした白緑)が黒変したようです。
燻蒸業者も酷いが、美術館はなにやってんのか。
燻蒸剤の成分は何なのか、絵画への影響はないのか、そのくらい事前調査するのは常識だろ!!
ネットで関連記事の画像を見て更に愕然としました。
変色前と変色後
床、帯、そして遠景の芭蕉?の葉も醜く黒変。
こちらも酷い、作品の印象がまるで違ったものになってしまった。
絵金の屏風は、今でも赤岡の町の人たちが管理していて、祭りのときは小さな商店街沿いに、枕木またはそのまま地べたに置かれ、前に大きな蝋燭を灯して展示されます。
お祭りなので、かき氷やイカ焼きなんかを食べながら子供が走り回り、外灯には蛾などの虫が群がる。屏風を撮影しようと三脚を持ったおじさんたちもたくさん押しかけるので、何かの弾みで三脚が倒れて蝋燭ごと屏風にぶつからないかと見てる方はひやひやする。
作品の展示方法としては、全く粗野な扱いなのだけれど、絵金の赤岡での絵師としてのスタンス。作品の本来作られた意義などを考えると、それも一つのあり方かなと思い、僕自身も、今年も含め過去3度絵金祭りに参加して絵金の絵には親しんできました。
絵金の絵は以前も修復に出した際、オーバーペイントされて戻ってきた経緯があるようで、今回が初めてのケースではないようですが、今回のこの変わりようはあまりにも悲しすぎる。
今後の展示方法や、貸し出し基準も抜本的な見直しは必須。
絵金の屏風絵は、どうしても後世まで残してほしいし、その価値が十二分にある作品です。今の世代でボロボロにしてほしくない。
記事には修復を検討とか書いてたけど、はっきり言って無理です。
一度黒変した白緑はもう元には戻りません。
もう一回上から塗り直すのは、今の修復理論からすればタブーです。
さらに黒変しないように、処理するくらいが関の山でしょう。
今回被害にあったのは5点。
屏風全てでなかったのは不幸中の幸い・・・そうでも思わなければやってられない。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20100916-OYT8T00996.htm
幾つかの記事によると、熊本市現代美術館が高知の絵金蔵から借り受けた屏風絵を燻蒸作業(殺虫)した際、緑色の部分(おそらく銅を主成分とした白緑)が黒変したようです。
燻蒸業者も酷いが、美術館はなにやってんのか。
燻蒸剤の成分は何なのか、絵画への影響はないのか、そのくらい事前調査するのは常識だろ!!
ネットで関連記事の画像を見て更に愕然としました。
変色前と変色後
床、帯、そして遠景の芭蕉?の葉も醜く黒変。
こちらも酷い、作品の印象がまるで違ったものになってしまった。
絵金の屏風は、今でも赤岡の町の人たちが管理していて、祭りのときは小さな商店街沿いに、枕木またはそのまま地べたに置かれ、前に大きな蝋燭を灯して展示されます。
お祭りなので、かき氷やイカ焼きなんかを食べながら子供が走り回り、外灯には蛾などの虫が群がる。屏風を撮影しようと三脚を持ったおじさんたちもたくさん押しかけるので、何かの弾みで三脚が倒れて蝋燭ごと屏風にぶつからないかと見てる方はひやひやする。
作品の展示方法としては、全く粗野な扱いなのだけれど、絵金の赤岡での絵師としてのスタンス。作品の本来作られた意義などを考えると、それも一つのあり方かなと思い、僕自身も、今年も含め過去3度絵金祭りに参加して絵金の絵には親しんできました。
絵金の絵は以前も修復に出した際、オーバーペイントされて戻ってきた経緯があるようで、今回が初めてのケースではないようですが、今回のこの変わりようはあまりにも悲しすぎる。
今後の展示方法や、貸し出し基準も抜本的な見直しは必須。
絵金の屏風絵は、どうしても後世まで残してほしいし、その価値が十二分にある作品です。今の世代でボロボロにしてほしくない。
記事には修復を検討とか書いてたけど、はっきり言って無理です。
一度黒変した白緑はもう元には戻りません。
もう一回上から塗り直すのは、今の修復理論からすればタブーです。
さらに黒変しないように、処理するくらいが関の山でしょう。
今回被害にあったのは5点。
屏風全てでなかったのは不幸中の幸い・・・そうでも思わなければやってられない。