理研の小保方晴子(おぼかたはるこ)らによる「STAP細胞の発明」という、明るい話題を提供してくれる一方で、過剰に祭り上げて当人や関係者などを困らせてしまう「メディアの功罪」も、見逃せない観点です。

ちなみに、共同研究者に名を連ねている医学博士のVacanti(ヴァカンティ)は、化学工学博士のLanger(ランガー)と共に「Tissue Engineering」という概念を1993年にScienceの論文で提唱した、謂わば再生医療の産みの親です。

二人は仲が良く、一緒に釣りをしている時に、その概念の着想に至ったそうです。
まさに、医学と工学の融合・コラボレーションが織りなす次世代医療は、こうして今、現実味を帯びつつあります。

しかしながら、そのような技術を活かすも殺すも、医学そして生命科学という未熟な学問の成熟度合いに依存します。
よって、私達は真摯な態度でそれらの学問を探究し追究していかなければなりません。

・・・・・
さて、生化学は「人間という実体の<機能>」を理解する上で、重要な学問の1つです。

・生命科学とは何か、特に医学での学びを意識した生命科学とはどのようなものなのか、ということについては、既に「
覚書】医学部編入への生命科学演習」で説いていますので、ご参考ください。
・他の章については、カテゴリー(Categories)を参照するか、または下記の目次内のリンクから飛んでください。

今回も、全体像(目次)を意識しながら、部分に分け入っていきましょう。

<目次>
第1章 細胞生物学(cell biology)[A] [B]
第2章 生化学(biochemistry)[A]

第3章 遺伝学(genetics)
第4章 分子生物学(molecular biology)
第5章 発生生物学(developmental biology)
第6章 生理学(physiology)
第7章 免疫学(immunology)



1.生化学
[A]
(1)結果論として記述


(1)正に帯電(塩基性アミノ酸):Lys [K], Arg[R]
   負に帯電(酸性アミノ酸):Asp[D], Glu[E]
塩基性アミノ酸は側鎖にアミド基を有し、水素イオンと結合することで正電荷を帯びます。
酸性アミノ酸はカルボキシル基を有し、水素イオンを放出することで負電荷を帯びます。


・pI<Isoelectic point:両性電解質の電気泳動移動度が0となるpH


(1)
・リボヌクレアーゼは、「リボ核酸(RNA)→オリゴヌクレオチド or モノヌクレオチド」の反応を触媒します
・高濃度の尿素によってタンパク質はフォールディングがほどけ、変性状態に置かれます(p32[1-25ミトコンドリアタンパク質の輸送](6))
(2)真核生物の熱ショックタンパク質(HSP<heat shock protein)はHsp70で、ATP依存性にタンパク質のフォールディングや解除を行う→再フォールディングで再生できなかったタンパク質はこれまたATP依存性にU-P系(ユビキチンープロテアソーム系)で分解される


(1)活性化エネルギーは基質Sに対する山の高さであり、酵素はその活性化Eを低下させるので、基質Sを基準にした産生物Pのエネルギー準位を表すギブス自由エネルギーには無関係です。
(2)ラインウェーバー・バークプロット導出は自力で出来るようにしておきます。その導出過程は下記です。
1.ミカエリス定数と酵素全体量[E]0を、[S]、[E]、[ES]などで表す
2.1の連立方程式から[E]を消去して、[ES]=・・・の式にする
3.酵素反応速度v=k2[ES]の式に代入し、k2[E]0=Vmaxと置換して整理し、逆数をとる


(3)ex.)ホスホフルクトキナーゼ(PFK-1@解糖系)はアロステリック酵素で、その阻害剤としてはATPやクエン酸が、その促進剤としてはAMPやADPが働きます


・「ホスホクレアチン(クレアチンリン酸)+水→クレアチン+リン酸」の反応は、クレアチンキナーゼが触媒します(脱リン酸反応)
・クレアチンリン酸からとったリン酸を用いて、ADPをATPに変換し、そのATPがADPに変換されるエネルギーを用いて筋収縮が起こります(反応の共役)




以下、工事中・・・