2006年01月20日

東証取引停止について

東証、売買を全面停止 処理能力限界に(読売新聞)
なにもかもが「ライブドア」のせいって感じの報道がうずまいてますが、東証システムの処理能力限界について、専門分野なので書いてみたいと思います。

東証のシステムトラブルも、抜本的な改革が必要だと思いますが、これだけ続くと、あまり懲りてない感じがしますね。公的なシステムですから、金融庁手動で監査体制をとったほうがいいような気がします。責任問題はどうでもいいですから、システムを正常稼動させることが必要でしょう。

実は東証のシステムのように、大量のトランザクションを処理しなければいけないシステムは、構築が最も難しいシステムのひとつです。さらに、稼働中は止めることができませんから、通常ハードウェアは分散し、片方がとまっても、もう片方が動くというような仕組みをとります。

今回批判されていますが、自主的に取引を停止したり、時間を制限したりしたことは、システム自体が破綻する前の予防措置としては評価できます。でなければ、取り返しのつかない事故になる恐れがあったからです。

もっとも、止まらないようなシステムを作ることが一番大切なのですが。。。

考えられる原因は
  1. 東証から出た、性能値に関する要求が小さすぎた。
  2. 富士通が構築したシステムが、予想より低い値で限界に達した

のいずれかだと思われます。

どちらにしろ、1日に450万件しか処理できないシステムは、海外の例をみても、性能が悪すぎるようです。
報道によると、NYSEでは、1日160億件の取引が行われています。市場規模も違うので単純に比較することは難しいですが、この数字の差は、ちょっとすごいですよね。誰かが、かなりのレベルで見誤ったことは確かですね。

上でこの手のシステムはもっとも構築が難しいと書きましたが、実は、日本にはこういうシステムを設計できるエンジニアは、非常に少ないのです。大変専門的な知識が必要だということと、日本はこういうシステムの構築事例が、海外に比べて極めて少ないのです。各金融機関も、旧来のシステムを増強して使ってきており、海外の金融機関が構築している、新しい仕組みを持ったシステムは皆無に等しいのです。旧来型のシステムは、増強するのが大変難しく時間がかかります。東証のシステムも例外ではありません。
ですから、最初に性能値を見誤ると、大変なことになります。

とはいいつつも、性能値を算出するのは大変難しく(今回の東証は、おそまつすぎますが)、インターネットを使った取引が盛んに行われる昨今では、どこまで予測できるかが分かれ目になります。さらに、限界値を越えそうになった場合、すばやくシステム増強できる仕組みを構築しておく必要があります。

そこまでできなければ、もしもの時は、信用を簡単に失ってしまうでしょう。東証ならびに、富士通はどうリカバリーするつもりなんでしょうか。

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こうさぎ
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