img1_file5888567cd05ba中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は2017年1月25日、曲がった形にできる液晶パネルを開発した、と発表した。曲面を持つパネルは液晶では難しいとされてきたが、ガラスに代えてプラスチックを基板に使うことで実現し、有機ELよりも高精細かつ安価、軽くて割れにくいというメリットがあるとされる。製造時のプロセス温度を下げ、樹脂基板を採用することで曲げられるようにした。2017年から2018年の量産を目指す。新開発のパネルは、スマートフォンや車載部品に使うことを想定。液晶パネルを使ったスマホでも、端に曲面を取り入れたデザインなどが可能になる。写真は開発された5・5型フレキシブル液晶ディスプレー

3ac5d474c35e4090液晶パネルは一般的に、有機ELのパネルよりも高精細で製造コストも安いものの、曲面にするのが難しいという欠点があった。JDIは、曲がる基板の上で液晶の状態を安定させる技術を高め、基板をプラスチックにすることで曲面を持つ液晶パネルを実現。プラスチックの基板には、薄く、落としても割れにくい利点もある。バックライトを除いた厚みは0・19ミリメートルで、曲面の度合いを示す曲率半径は5jpミリメートル。精細度を示す1インチ当たりの画素数は401ピクセル。JDIの主要顧客である米アップルは、2017年以降のiPhone(アイフォーン)に有機EL(韓国LGディスプレイ製が有力)を搭載するとされる。JDIは有機ELパネルの開発にも取り組む一方、液晶パネルの技術開発も進めている。左は、JDIの有機ELパネル こっちは、2018年半ばに量産の予定で韓国勢の有機ELのシェアにも切り込む 参照記事 参照記事 参照記事 参照記事

自ら発光する材料を使う有機ELパネルの最大の特徴は、バックライトが不要なため液晶パネルに比べ曲げやすい点だ。これまで画像が鮮明であることや、省エネルギー性も特徴とされてきたが、液晶の進化でこれらの優位性は薄れつつある。中小型有機ELパネルの弱点は高精細化が難しい点だと言われている。画素密度は1インチ当たり400画素が限界とされており、FHD(フルハイビジョン)の4倍の解像度を持つ「4K」パネルなどを中小型で実現するのは難しい。一方、低温ポリシリコン(LTPS)技術を使った既存の液晶技術は高精細化できる。アップルがアイフォーンに有機ELパネルを採用するのも「デザインを刷新するのが一番の狙い」(業界関係者)で、同じく曲がる特性を持つ日本の新型液晶が切り崩せるか注目される。参照記事



nappi11 at 00:12│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

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