Syrian Civil War Map _ Live Map of the Syrian Civil War2017年10月16日:此れまでと違う右の戦況図で見ても、ほぼ各勢力の進捗状況は同じだが、この図では、イラク北西部のクルド系ヤジーディ族 Yazidi Kurds(Bashik)が多く住む シンジャル地域Shingar regionの支配勢力を、シリアが拠点のクルド女性部隊 YJSと、地域女性民兵と思われるYBS(PKK支援のシンジャル抵抗組織PKK-backed Shingar( Sinjar) Resistance Unitsとの説明もある)と表記している。この参照地図では、一貫してこの地域を色分けし、シリアクルドが越境していると強調表示している。  参照記事
キルクーク市の南西側、幹線道路の上に緑の点をつけてあるが、この参照地図では、現地10月15日、d5b59c21864d49d2220f3df447760ea1_XL-728x41013日からここまで侵攻したイラク軍が、この地点以南からペシュメルガPeshmerga軍が撤退するように勧告したが、ペシュメルガPeshmerga軍:右 が此れを拒否し、キルクーク市南部に約1000人規模の部隊を配備したと説明されている。複数の記事から、上の図のキルクークの南側、ピンクの曲線ほどの位置に配備したと理解している。またイラク側からは、48時間以内の期限付き強制撤退勧告だったとの記事もある。過去形で書いたのは、その後イラク政府側がこの事を直後に否定し、アバディ・イラク首相が13日までに、キルクーク側へ攻め込むのを停止させる命令を出したからで、武力衝突にまでは至っていないようだが、クルド側は、キルクーク市に接近したイラク軍のハンビー装甲車5台を破壊したとも語っている。この辺の主力が、イラン支援のシーア派民兵、人民防衛隊PMUである事を思えば、イラク中央とイラン、或いは軍部との考えの違いが露呈したとも思える。
447129ba4d98393a12a24371bef0b52ec8a49539_18写真左は、10月15日、キルクーク南部郊外タザ・カーマツ Taza Khurmatuに終結したイラク軍。参照記事イラク軍には、キルクーク市、さらにその北に広がる油田地帯を掌握したい意思があるようだ。
イラク国営テレビは16日、イラク政府軍が、クルド自治政府と帰属を争う油田地帯キルクークの「広大な地域」を掌握し、キルクーク西の油田も掌握したとしているが、確認されてなく、クルド側は否定している。もし事実なら、クルド支援の米国が出てくるはずだ。米国防総省は、中央政府とクルド自治政府に対し「エスカレートした行動をこれ以上避けるよう」要請したとロイターは報じている。  参照記事 参照記事 参照記事 過去ブログ:2017年10月ハウィジャ奪還の経緯とクルドへの対応、原油利権 イラク 3月イラク北西部でクルド人同士の武力衝突か?シリア、イラク 2016年11月モースル解放後のシナリオ イラク
233820fbは此れまで使用してきた戦況図だが、この図ではISのシリア側支配地域は、イラクとの国境に沿って北の方まで存在すると表示している。どちらが正確かは確認も出来ないが、いろんな解釈があると知っておくのも重要だ。イラク軍が一枚岩で無いことは、今後の展開にも大きく影を落とすだろう。特にシンジャル地域、キルクーク付近については。
10月16日の記事で、Hawijaなどから撤退した800人ほどのISが、ペシュメルガPeshmerga軍のいるクルド支配地へ自ら逃げ込んだとされ、この事で、ペシュメルガPeshmergaとISが手を組んだとする記事もあるが、クルド側からの説明は一切無く、IS兵士らがどこへ向かったか、または送致されたかなどはミステリーとされている。多くのペシュメルガPeshmerga兵士が残酷にISに処刑された事を思えば、互いが手を組むことは無く、むしろ、秘密裏にISを処刑するのではとさえ思うのだが、、。参照記事 
クルド人部隊、イラク部隊と2017年10月17日:イラク軍準軍事組織とクルド軍は現地16日、キルクークで戦闘状態になり、クルド人戦闘員少なくとも10人が死亡、27人が負傷したとクルド側の当局者が16日、明らかにした。16日の大規模な作戦では、イラク部隊が主要な軍事基地や空港(キルクークから北西約10キロにある空軍も使用するK-1 AirbaseKirkuk Air Base 2003年米軍が開港、2011年イラクへ引き渡された)、油田を掌握。一方でクルド側の当局者は、この作戦が始まって以降、さらに数十人のクルド人戦闘員が行方不明になっていると訴えている。参照記事 引用したAFP記事が、イラク中央政府支持の「準軍事組織」と書いているが、シーア派民兵を指しているのだろう。右の写真の赤い旗もイラクシーア派Iraqi Shiiteが掲げる旗に似ている。そうであれば予想Syrian Civil War Map _ Live Map of the Syrian Civil War通りとも言え、民兵らは中央政府の意向を無視したように見える。個人的には此れが、クルドへの攻撃停止を命じたイラク、アバディ政権の意向だとは思えない。最悪イラク合同軍の分裂の可能性もある。黒い車両は、モースル奪還で最前線に立ったイラク軍の「Golden Division黄金部隊」と呼ばれる特殊部隊の物のようだ。
左下の現地16日の戦況図では、クルクーク市内からクルド兵、市民は16日に退去したと説明が在り、キルクーク市街はすでにイラク側(人民防衛隊、治安軍)支配地の色付けになっている。15日にイラク軍がTaza Khurmatuに終結していた事を思えば、約30キロを一機に侵攻した作戦はかなり迅速で、相当前から練られていたのだろう。
結局、上に在る油田地帯を示す、2012年頃の状況にクルド政府支配を押し戻した事になり、北部シリア国境付近についても、その図のTal Afar以北のBlue lineと示されたラインまでクルドKRG支配地を押し戻す意向のようで、暗黙の了解があるのか、クルド側もこの地域で抗戦する気配は見せていない。
_98327627_presidentsイラクのハイダル・アバディ首相は、住民投票は違憲だとして破棄するよう求めており、10月15日にはイラクのフアド・マスーム大統領(写真左)が危機打開のためKRGのクルド人指導者マスード・バルザニ大統領(右)と協議を行なったが物別れに終わり、15日夜にイラク側は作戦を開始している。イラク国営テレビは、イラク軍が「戦闘をせずに」複数の油田を含むいくつかの地域を支配したと報じたが、クルド人自治区当局者は否定している。過去ブログ:2017年5月イラク北西部の戦況とクルド
2a5b51382017年10月17日の戦況地図では、クルド系ヤジーディ族 Yazidi Kurds(Bashik)が多く住む シンジャル地域Shingar regionのシンジャルShingal地区は2014年8月にISに占拠され、2015年11月にクルド・ペシュメルガPeshmergaと、PKKにより解放され、現在はペシュメルガPeshmergaが撤退し、イラク軍シーア派民兵PMUの管理下にある事を表している。この図では、シンジャル地域でのYJS,YBSの支配は強調されず、単にクルド地域とされている(最上部の地図とは出典元が違う)。 参照記事  キルクークの北西部Dibis地域の村2箇所にISが進入したとの17日の記事がある。参照記事 この位置にいるISに対しペシュメルガPeshmergaはどう出るのか?無視するなら、敢てイラク軍と戦わせている事になる。シリア軍はMayadin制圧後も南下しており、ロシア軍が空爆をしているAbu-Kamal まで侵攻するようだ。空爆映像



nappi11 at 02:12│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

1. Posted by 甲東   2017年10月17日 10:53
さーて、バルザーニどうする。指をくわえていると、クルドが分裂する方向だが。
影響力も、やる気もあるとは思えないが、アメリカに頼るしかないか・・・プーチンか・・・
2. Posted by 甲東   2017年10月17日 22:18
ある人が冗談半分で言っていました。これ以上イランの勝手にされたくないサウジがクルドを応援するのではないかと。そうなると最悪ですね。
応援と言っても、ならず者と武器を供給するだけでしょう。クルド人がバタバタと死ぬことになる。シリアのクルドも騒ぎ出す。当然、トルコも大騒ぎ・・・まさかイスラエルが加勢することはないだろう。

ところで、イラクのマアスーム現大統領はクルド人で、PUKメンバーです。
3. Posted by ん   2017年10月17日 22:37
へー。
意外とショボかったですねえ、クルド軍。

あっさりキルクーク取られちゃうとは思いませんでした。

このまま敗走かしら。それとも策があるのかな。
4. Posted by 甲東   2017年10月20日 07:14
ガセネタの可能性も十分ありますが・・・
アルジャジーラ等が、サウジの湾岸諸国担当大臣が、有志連合の米特別代表とともにラッカ近郊の村々を訪問し、クルドとも話し合った、と言っているそうです。

本当なら恐いですね。シリアのクルドにしても、アサドと正式に折り合いを付けるのが先のはずですが・・・アフリン、イラクを心配して焦らない方が良いが。
アメリカはサウジに任せたいのでしょうか・・・北朝鮮で忙しい・・・自衛隊も死者が出るほど真剣に訓練していそうだし。
嘘情報としても、若い皇太子ならやりかねない雰囲気、はあるのでしょうね。

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