7939a8fc-a22f-4dbd-84ee-70212567294bmaxresdefault米国ロサンゼルス級原子力潜水艦「ハートフォード」USS Hartford (SSN 768:1992年2月22日に起工、1994年12月10日に就役)とシーウルフ級原子力潜水艦「コネチカット」 (USS Connecticut SSN 22)が、北極海と思われる場所で潜水艦の極寒に耐える作戦能力を検証し、米海軍の公式サイトが2018年3月13日に公開した。参照記事 参照記事 記録映像 イラスト付き映像
北極の経済的価値が注目されている。地球温暖化の影響で氷がとけ、資源開発や北極海航路の使用が可能になった。そこに目を付けた中国は北極版の「氷上シルクロード」計画に乗り出した。開発の成否のカギを握るのは、最大の北極沿岸国ロシアとの協力だ。
中国外務省は2018年1月26日、白書「中国の北極政策」を発表。その中で中国を「北極圏に最も近い国の一つ」とし、「経済や環境など幅広い分野における北極の利害関係国」と位置付けた。そして「中国はエネルギーの消費大国であり、北極海航路や資源開発は中国経済に大きく影響する」と、経済権益を確保する意欲をにじませた。
Yamal liquefied natural gas2017年暮れの12月8日、北極に面したロシア・ヤマル半島で「ヤマルLNG( YAMAL LNG液化天然ガス)」が正式稼働し、記念式典にはプーチン大統領も姿を見せた。「ヤマル」は北極最大のLNG開発プロジェクトで、中国も資金協力する中ロ協力案件。2019年に全面竣工した後、3本の生産ラインで毎年中国に400万トンのLNGを供給する。この量は中国が輸入するLNG総量の8%に相当し、中国はここを「氷上シルクロードの重要拠点」と位置付ける。このプロジェクトには、ノルウェーの海運会社Teekayロシアの資源開発企業ノヴォテク Novatek、中国の中国国家石油公司China National Petroleum Corporation (CNPC).が連携し、巨額な投資を行っている。
Yamal-LNG当初、ロシアのヤマル半島Yamal Peninsulaに建設が予定されていた総額270億ドルに上る液化天然ガス生産の大規模工場は、ロシアへの経済制裁のため計画の実現化は崩壊の危機に瀕していたが、2016年、助け船が現れた。日本の国際協力銀行(JBIC)がヤマルでの計画に4億ドル(約409億円)規模の融資を提供することでプロジェクトが始動した。
現在ヤマルLNG開発ではノバテクが50.1%の権益を握り、フランスのトタルと中国の中国石油天然気集団(CNPC)が各20%、中国の国家ファンド「シルクロード基金」が9.9%を出資している。基地の当初の年間生産量は550万トンで、2019年には3倍の1650万トンに増やす予定となっている。参照記事

yamal-lng日本の商船三井も、この、北極海航路を通じた世界初の大規模エネルギー資源輸送プロジェクト、「ヤマルLNGプロジェクト」に参画し、北極海での砕氷航行試験が行われ、2018年年3月末から運航が始めるという。日揮もサベッタ港での施設開発に参加している。
丸紅は2011年10月13日、カナダのLNG海運大手ティーケーLNGパートナーズ(Teekay LNG Partners)と共同で、デンマークの海運最大手A.P. モラー・マースク(A.P. Moeller-Maersk、APMM)から液化天然ガス(LNG)運搬船事業を買収すると発表し、約14億ドル(約1080億円)を投じLNG船8隻の所有権益を取得すると発表していた。
4ea67df079f0f55f2faff7a65b598a9c消費国日本が、国際的なLNG開発事業の中で大きな位置づけに居るのが分かる。分かっていないのは韓国くらいか? この大型プロジェクトで、韓国の大宇造船は2014年、日本の商船三井の発注を含む、砕氷LNG運搬船9隻を28億ドル(約2900億円)で受注している。特殊な砕氷LNG運搬船の製造管理には日本から技術者が派遣されている。こう書いて置いてもいづれ、「わが国が独自に開発製造した」と、おかしなナショナリズムを振り回すのだろうが、、。
LNG運搬船は、日本では三菱重工、川崎重工などが手がけていmhiて、三菱重工はエンジンに世界初のハイブリッド推進システムを採用し、燃費効率を従来船から40%超改善し、LNGタンクを従来の球状から上半球部分がやや大きいリンゴ形状に変更して、船幅を変えずにLNG搭載量を約16%増やした:右。この事で、新パナマ運河を通行できる初めての大型LNG運搬船が誕生し、世界中の配船会社への販売が予定されている。日本は米国からも、シェールガスからのLNGを輸入しているため、日本向けLNG運搬船がパナマ運河を通行している。 参照記事 参照記事
北極海航路は、一般的なスエズ運河を通るルートに比べて航行距離が短い。したがって輸送日数の短縮、コスト低減、CO2排出量も削減できる。ただ冬の期間は氷に覆われるため、砕氷船が必要となる。商船三井は北極海航路の発展に向けた協力の他に、ロシアの独立系天然ガス生産会社「ノヴォテク」とカムチャツカ地方に新設されるLNG積替え基地の事業化調査を共同で行う覚書も締結している。
米国地質調査所が2018年公表した石油・天然ガス資源の埋蔵量に関する報告書によると、「未発見で技術的に採掘可能な世界資源のうち約22%が北極圏にある」と言われている。 参照記事 参照記事 過去ブログ:2018年1月世界最初の砕氷LNG運搬船が完成に近づく 2016年9月日本がロシアの助け船

26001f52ロシアは、フィンランド南部バルト海経由でのLNG(液化天然ガス)出荷に向け、ロシア西部レニングラード州 Leningrad Oblast(レニングラード オーブラスチ)に新たなLNG(液化天然ガス)生産工場を建設するプロジェクトを立ち上げており、日本の三井物産株式会社が協議に入ったと2018年3月29日報じられた。
00_jpg_srz今のところロシアで唯一稼動しているLNG生産工場はロシア東部で稼動するプロジェクト「サハリン2:Sakhalin II、生産基地はサハリン州コルサコフKorsakov:写真左」に在り、三井物産はこのプロジェクトの株主で、株12.5%を保有している。 ここからのLNGは、2012年12月から北海道の石狩湾工のLNG基地へ陸揚げされている。参照記事 参照記事 過去ブログ:2017年12月「サハリン2」事件の流れと日本が持つ警戒感

nappi11 at 00:14│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

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