今日は、仕事の後にもっちゃ様&N様と一緒に、今日から公開の映画『悪人』を観てきました芥川賞作家の吉田修一のベストセラーを、妻夫木聡&深津絵里主演で映画化した人間ドラマ。監督は、『フラガール』の李相日。朝日新聞夕刊にも連載されていたそうよ。

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正直言って、カナダのモントリオール映画祭で最優秀女優賞に輝いた深津絵理よりも、ベテラン組の演技の素晴らしさが印象に残ります。祐一(妻夫木聡)の祖母を演じた樹木希林、佳乃の両親の柄本明と宮崎美子の演技があってこそのこの作品でしたね。だから、ナラクマ得点は65点。

誰が本当の悪人なのか?と映画はどの場面でも問いかけてきていました。人を殺してしまった者なのか。殺されるほどの怒りを与えてしまった者なのか。殺人のお膳立てをした者なのか。殺人者の親なのか。育てた人間なのか。殺人者を逃がす者。家族を執拗に追い回すマスコミ。悪徳商法で老人から金を巻き上げる人間も悪なのではないか。

一番の悪人は、被害者を置き去りにして亡くなった後も話のネタで笑ってた大学生の増尾って男。被害者の佳乃も最低だけど、この男はもっと最悪だと思いました。この嫌な男役を岡田将生が演じていたのには、更に驚きでした。

加害者と被害者の家族で対照的ですが、どちらも悲しみの深さは同じ。そんな中で、マスコミに追われて途方に暮れている祐一の祖母に声をかけるバスの運転手のシーンは、今回の映画で一番泣けたかも。あとは最低な男の増尾に対して疑問を持つ友人がいたりと、ちょっと救いなシーンも印象に残っています。

人の孤独、悪徳商法、介護問題とある意味では、今の世の中の問題がたくさん詰まった作品だったのかもしれませんね。