奈良東大寺二月堂修二会お水取りの季節です。
知り合いのお寺の森川ご住職からお誘いをうけ、ついに行くことになりました。
夕飯をご馳走になり、数年前に練行衆として籠もられたとき使用された森川さんの紙衣(かみこ)や差懸(さしかけ)を見せていただいた。

お水取り1
紙衣(かみこ)は
練行衆が修二会の間着る服は紙衣。仙紙という強い紙を棒に巻き付け竹の輪でしごいて柔らかくする。これを寒天を塗って張り合わせ衣にしたもの。
修二会の終わりの頃には松明などのすすで黒くなり、荒行によって破れたりしているといわれているが、正しくすすで黒くなり、後ろが破れていました。

24
差懸(さしかけ)とは
内陣で履く修二会独特の履物。写真でも分かるようにそれぞれの家紋が入っ手居て、コレも自分で作るとのことです。草履のような下駄のような履き物の裏は少しすり減っていました。

5
午後七時からの大松明を見るために二月堂の下まで行く。森川さんの案内で普通では行けない裏から車で直行です。着くともう既にひとでいっぱい!聞き慣れない方言の言葉があちらコチラから聞こえる。なるほど、ここ数日やけに人が多いと思っていたが、観光客が多いのか。地元にいながら初めてというのはチョット恥かも。
始めに今年の練行衆である上司さんと鷲尾さんにご挨拶に行く。

6
七時になると照明が消え、やがて欄干上に大松明の火柱が走る。火の粉が舞う事にあちらこちらで大歓声が起こる。約20分間で10本の大松明。
(堂下の善男全女は火の玉となった松明をに息をのみ、燃え上がる炎、飛び散る火の粉の美しさに、しばし我を忘れて歓声を上げる)と説明書に書いてあったが、正しくその通りの光景でした。

7
ワタシはといえば、息をのむどころか、如何に綺麗に写真を撮るかに悪戦苦闘。色々試した結果これが精一杯でありました。おかげでバッテリーはほとんど無くなってしまった。こんなに短時間で電池がなくなったのは初めて。


9松明ショー?が終わって、いよいよ内陣へ行くことになる。
誰でも入れるというのではなくちゃんと許可書代わりのリボンが要るのです。内陣は撮影禁止なのでここからは画像はなしです。



内陣は女人禁制!!女性は外側の「お局席」からの見学となります。これまでの人生で、男に生まれて良かったと思った初めての瞬間でした。

内陣は荘厳な雰囲気に包まれ、11人の練行衆の読経の声が厳かに鳴り響く。いいなあ、こんな雰囲気すきです。南無観世音菩薩南無観世音南無観


始め何を唱えてるのか分からなかったけど、南無観世音菩薩と教えてもらいました。なぜ観世音菩薩なのかと不思議だったけど、後で説明書を読むと二月堂のご本尊は観世音菩薩とのことでした。

寒いから耐えられないと思っていたけど、この雰囲気なら一晩居ても構わないと云う気持になっていた。何故だか分からないが、読経の声が心地よく、自分の代わりに国家安泰を祈って修行しておられる練行衆の方々ともう少し一緒にいてオーラをもらいたい気持でした。

約二時間ほどの体験だったけど、また機会があれば、今度は一晩ここで過ごしたいと思うほどの貴重な体験でした。


吉川