ふれあい

2009年08月24日

第560回 患者様との会話の地域による違い その1

14e9a5c0.jpg 私が奈良と舞鶴で患者様とするお話の典型と思われるものを書きます。

 奈良の患者様の代表は82歳男性の糖尿病患者様で、健康志向が高く“西ノ京”から“ならまち”の当院まで片道4.5Kmを徒歩で1時間ほどかけて、消費カロリー200Calほどで来てくださいます(特定疾患管理指導などしなくていいですよね)。義父の代からの患者様でご趣味は絵画(静物画、風景画)、年に1回程度の頻度で行われる個展に今までに二度行かせていただきました。一度目は京都寺町で奥様の落款作品と一緒に展示され、二度目は奈良本子守町(ほんこもりちょう)でご主人さまのより多くの作品を、風流には縁のない私ですが楽しませていただきました。

 このように奈良の患者様は健康志向の高い方が多く、ビブレ(第228回 鹿男あをによし で紹介した小西通りの、最初に現在NHK連続テレビ小説のヒロインをしている多部未華子ちゃんがマイ鹿を繋いだと言い張ったところ)で水泳しておられるとか、“歩こう会”でのお話とか、散歩道で五十二段を上がる話とか、日光過敏症にもめげず歩こうとする方とか・・・の話が診察室で盛り上がります。(2009年9月1日)

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2009年08月18日

第553回 世界で一番美しい話(賢者の贈物)その1

5478836d.jpg 先日98歳になられたご婦人の患者様の在宅診療に行きました。そのご婦人はベッドの上からこのごろ暑くなって汗だくで入って来る私に、「このごろの気候は異常ですね。すごい汗。可哀想に。」と声をかけ、タオルを貸してくださいます。患者様は一人暮らしでヘルパーさんの手助けで生活されています。

 その日ご婦人の患者様とお話しているときに、テレビでの凶悪事件(そのときは千葉県での母親刺殺、娘さんの誘拐というもの)の頻発の話になり、最近人の心を優しくするような心和む話を聞かないですねー先生なにかいいお話をしてくださいませんか?とおっしゃいました。

 そして私が世界で一番美しい物語だと思い、考えるだけで涙が頬をかってに伝わってしまう「賢者の贈り物」のあらすじをお話しました。作者はオー・ヘンリー(もうひとつの代表作が「最後の一葉」)。ジムとデラという貧しい夫婦の物語です。みなさんご存知ですよね。

 お昼から往診が数軒あるので、ご婦人にゆっくりお話する時間がなく、あらすじだけだし、私もいい歳になったし昔のようにお話ししながら涙を流す可能性はほとんどないと高をくくって話し始めたのでした。(2009年8月23日)


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2009年08月17日

第552回 往診に呼ばれた理由

25fe0e2c.jpg 今日初めて往診にうかがったお宅は、90歳を越えられた女性で、心不全・腎不全があり在宅ご療養のお手伝いをするため電話で依頼を受けた方です。

 退院前の病院は良く知っている病院で、その病院主治医の先生に私が往診することを相談されて紹介状を前もっていただいていたのですが、その方のお名前に覚えがなく、なんだか不可思議にまた嬉しく伺ったのでした。

 迎えてくださったのは、息子様と病院の訪問看護師さんとリハビリ療養士の方々、いろいろとお体の具合を拝見して、病院への通院間隔や、緊急時の対応法などを相談しました。
 
 ひととおりのお話が終って、「どうして私を在宅主治医に指名してくださったのですか?」と質問すると、息子様は「以前に父が先生に水虫を診てもらったことがあり、そのとき高齢でフラフラだった父を親切にしていただき、丁寧に説明して治療していただいたからですよ。」とのお返事でした。

 驚きました。水虫の検査・治療はそれほど難しいものではなく、治療も塗薬だけだったはず。それほどの患者様とのふれ合いもないと思うのですが、そのように感謝していただくこともあるのですねーと恐縮し、日ごろの私を省みるのでした。(2009年8月21日)

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2009年08月08日

第543回 アロマ

b4a315cf.jpg 今朝の患者様との会話。待合室のアロマオイルを一滴さしながら。

私   「このごろはまだまだ蒸しますね。」
患者様 「そうですね。蒸し暑いですは。」
私   「待合でときどき汗の臭いがすることがあるので、毎日アロマを少しだけ香るようにしているんですよ。」
患者様 「そういえばいい香りですね。」
私   「でもときどきアロマオイルを入れすぎて、むせまんねんーこれが。」

 一同笑い。しばらくして、ラベンダーのいい香りが奥の処置室まで行き渡ったのでしたー今日は入れすぎちゃったかな。(2009年8月3日)

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2009年08月03日

第540回 かたつむり

1befa465.jpg マイマイともカタツムリともデンデンムシとも呼ばれる蝸牛、訪問診療に伺うお宅の木の上に5匹、それも巨大化してとても大きいのを見つけました。さすがに梅雨です。

 カタツムリは腹足類に属する軟体動物で、肺のある陸貝なのだそうで、殻は右巻きのものが多く5〜6層の螺層を持っています。 頭に2対の触角があり、長いほうの先端に目があります。しかし、この目は明暗の判断しかできないようです。雌雄同体で、土の中に卵を産みます。

 平安末期の歌謡集である梁塵秘抄には、「舞へ舞へ蝸牛、舞はぬものならば、馬の子や牛の子に蹴させてむ、踏み割らせてむ。 まことにうつくしく舞うたならば、華の園まであそばせむ。」と歌われているようですが、カタツムリが踊ったところは見たことがありませんね。これがエスカルゴだったらどんなに大きな食材になるのだろうと思いつつも、患者様のお部屋から見える蝸牛たちに、患者様の目を楽しませてあげてねとささやく私でした。(2009年7月29日)

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2009年07月27日

第537回 「してあげる」と「させていただく」

67e12926.jpg 第4回まほろばPEACE緩和ケア研修会はその専門専門の講師の先生方がパワーポイント(スライド)で講義を進めるのですが、内容は平準化のために全国どこでも同じスライド原稿のようで、自分で作成したスライドでも説明するのにかなりの練習を要するのに、どんなにか説明文章を推敲されたことでしょう。頭が下がります。

 その平準化された講義の仕方で少しだけ気になったことが・・・それは講師の先生方全てが患者様に対して、ご家族に対して治療・説明をするときに「・・・してあげる。」、受講者に「どのようにしてあげれば良いでしょう。」とおっしゃることです。目線を同じくしてと考えるのですが、どうも「・・・してあげる。」は何か違和感を覚えました。

 学部5回生のとき尊敬する第2外科のN先生(後に滋賀県の大病院の院長になられました)に教えていただいたときのことです。先生が診療されているときに、高齢のご婦人の患者様にこう言われたと授業の前置きに話されました。「先生は、とても熱心に診てくださってとても感謝しています。お人柄も尊敬していますが、ひとつだけお願いしたいことがあります。それは私に話すときに『・・・してあげる。』とおっっしゃるのですが、これは何か高みから話されるようで気に入りません。『・・・させていただきます。』とか『・・・させていただいていいでしょうか。』と言い換えていただくわけにはいかないでしょうか。その後N先生は「してあげる」を止めて「させていただく」と患者様にお話するようになったとのことです。

 それ講義以来、「させていただく」には医師の専門性を損なうことなく、患者様の意思を尊重し、患者様と目線を同じくし、患者様に出会えて全人的にご病気を学ばせていただく医師としての喜びを表現する力があるように私には思えてならないのです。(2009年7月23日)

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2009年07月24日

第535回 遠来の患者様

5aee8c35.jpg 今日7月1日水曜日の夕診のとき、この4月で奈良市から神戸市へ転勤された患者様が来られました。神戸市での診療継続については医院への紹介状をしたため、よろしくよろしくお願いしていたため、何か不都合でもあったのかと???心配して、「え〜っ、どうされたのですか?もうお会いするこちはないかと思っていたのですが。」と申し上げました。  

 「いやー先生には何でも言えるので〜。」と笑顔でお返事くださって、すっかりリラックスのご様子。普段はストレスの塊のようなお仕事なのが分かっているので、幸い患者様も他におられずゆっくりお話しました。 私「いかがなさいました?」患者様「このごろ管理職として“うつ”の職員の報告書を読む機会が増えて、読んでいると眠れなくて、こちらまで“うつ”のような感じになってきて。」私「専門の先生のところへは診察に行かれましたか?」患者様「ずいぶん以前に同様の症状で、専門医の診断を受けたことがあり〜。」その後ゆっくりとお話を伺い、若干の専門医より指導のお薬を処方してまた専門医を受診されるようにお話したのでした。

 お帰りは三宮駅まで直通の近鉄―阪神線、特急がないこと、ロマンスシートでないので疲れることなどをお話なさいました。遠路来てくださったことに感謝です。(2009年7月19日) 

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2009年06月30日

第526回 なんぞのついで

cadf67df.jpg ある日の診察。80歳台女性の患者様に付き添われておこしのご家族に、患者様のことでゆっくりと微に入り細に入り、ディサービスのお話、血圧のお話、食事、薬、便通などなどお聞きしていました。

 長いことお話していると、話がいろんなところへ飛び火するのが常です。付き添いの方がちょっと・・・とお話を始められ、数年通った病院の治療でなかなか治らないと・・・ず〜っと「そうですか。そうですか。」とお聞きすること10分。メモ書きも数枚となって薬の名前も沢山出てくると、時間経過までまとめねばならず頭の中が一杯になってきます。

 たくさん患者様をよそにお話しし、ご高齢の患者様もちょっと疲労感を漂わせられるようになって患者様の体調を気遣うようになったころになって・・・で受診することにしますーの話になりました。そこから電子カルテを作って、メモ書きを全部写してーちょっとだけアドバイスを求められているつもりがーでした。

 介護を必要とされる患者様のことを伺うときには、ご家族の健康状態もお聞きすることにしています。健康相談的な色んなお話ももちかけていただきます。「なんぞのついで」と考えて、「かかっておられる病院の先生はこのようにお考えで、このお薬はこういう効能効果、副作用で・・・ですから継続して受診して先生のお話を良く聞いてくださいね。」のアドバイスだけでお聞きする一方にしていて、決して「私ならこうします。」などとは言わないものですが、ときどきこんな風に本式に受診となって慌てることがあります。(2009年7月1日)


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2009年06月16日

第518回 ある日の往診2

38e02a9d.jpg 2軒目のお宅の患者様は直径8cmで、とても汚染した褥瘡の方だったのですが、往診開始時に栄養、排泄、汚染時や感染発熱時の処置、使用薬剤の選択をケアマネさん(岡谷会)、訪問看護師さん(ぬくもりポート)、デイケア担当者(らくじ苑)、ヘルパーさん、ご家族の全員が一同に集まってコンセンサスを作っておいたおかげ(ケアマネさんのリードによる)ですっかり改善され、来週の往診で治癒とさせていただく予定・・・明日訪問看護のFさんに電話しようっと。

 ここで本日の予定は終了して午後3時に帰院、―――っと待っていたように電話が鳴って、近くの患者様から「緑色の痰が出て、ここ数日食欲なく眠れない」と一人暮らしの女性からーーー普段は慢性疾患について天理よろず相談所病院にかかっておられるのですが、急いで発進(といっても徒歩30秒)、行ってみるとお熱は38.4度で診断は“気管支炎”−すぐに用意した点滴を行い、採血も追加、内服をお渡しして、駆けつけたご親戚にバトンタッチ。

 3軒目終了で帰って午後4時半、帰るとすぐに薬の配達があり、45分には午後診最初の患者様が入って見えましたーそのまま診察へ。有意義な午後でした。(2009年6月15日)


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2009年06月15日

第517回 ある日の往診1

d5f022d4.jpg 午前の診察が終わると早めに昼食を済ませ、時間があるとNHKの“つばさ”を見て、勇んで午後1時から4時半までの間に自分で時間を割り当てた往診に出かけます。

 6月2日火曜日の往診スケジュールは2軒で、1軒目は美女ケアマネ(京終クリニック所属)のHさんを通じての依頼があった、初めて伺う奈良市南部のおうちでした。奈良市の旧市街は道が狭いので、お義母さんに“できるだけ広い道”かつ“田んぼに落ちたり、溝こ(みぞこ=舞鶴弁)に落ちたりしなくてすむ道”を地図で教えてもらって出発しました。完全房室ブロックときにアダム・ストークス症候群を起こされる女性でしたが、初診時の脈拍は61回/分。脈拍にちょっと安心して、先に到着して待っていてくださったHさんと、デイケアの利用等について打ち合わせて次のおうちに向かいました。続く・・・写真は院長が良く行くオムレツがめちゃ美味しい”おしゃべりな亀”さん(2009年6月13日)


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2009年05月29日

第506回 訪問看護ステーション”野の花”

d995a4b9.jpg 現在2人の在宅患者さまを一緒に看てくださっているのは、済生会奈良県病院訪問看護ステーションの4人のスタッフさんです。その存在を知ったのは医師会の新年会でS院長先生から「今度、訪問ステーションをすることになったからよろしく。」とお酒を飲みながらご挨拶を受けたからです。  

 全国どこでものことでしょうが、奈良市内の訪問看護ステーションには、かがやき、こまどり、ぬくもり、あさがお、さわやか、なでしこ、ひまわりなどの愛称が付いていますが、済生会奈良県病院訪問看護ステーションはまだ愛称も付いていない開始早々のステーションだったのでした。  

 その訪問看護ステーションに名前がつきましたーの連絡をいただいたのは数日前、もう平成21年5月になっていたと思います。名称は「訪問看護ステーション野の花」。思わず「それって徳永進先生の診療所からいただいたの?」と聞くと、「先生(私のこと)、徳永先生のことご存知なのですね(華やいだ声で!)。気づいてくださることはなかったですよ。」とN看護師さん。職員の総意で”野の花”とお決めになったのだそうです。もちろん、野の花診療所(有床診療所のホスピス)へも視察に行かれたことがあるとのことでした。  

 徳永先生。先生の蒔かれた花の種はしっかりと奈良の地で芽吹いています。(2009年5月22日)


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2009年04月25日

第488回 Narative Based Medicine

b328a2af.jpg 本によれば、山田正弘さんという教授の社会学における会話パターンの分析調査では、“スタート”と“割り込”みと“チェンジ”が多いのが男性の会話の特徴だとのこと。とにかく自分のほうからしゃべりたがるし、相手がしゃべっているのをさえぎってしゃべってしまう、そして、話題を自分のほうから勝手に変えてしまうというのです。

 私の家庭内には女性が多い(私以外はみな女性)ですが、常々医師として“聞き上手”であるようにと指摘されます。私は社会学における男性のコミュニケーションの典型というところでしょうか。
 
 そんな中先日“Narative based medichine”という本の存在を研究会で教えていただきました。今奈良市立西部図書館にあったものを中央図書館から借りるようにお願いしているところです。楽しみに読めるか、苦痛なものか・・・楽しみにしていることだけは確かです。(2009年4月15日)


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2009年04月14日

第483回 走れ!メロス2

19ca0260.jpg その若者は月の終わりがけになって、やっと持ってきてくださいました。「いやーすみません。すっかり忘れていました。」と爽やかにおっしゃりながら。 最近の若者はーと年寄りにありがちなことを考えていた私は、ここで次の太宰の文章を思い出すのでした。

「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれて嗄れた声が幽かに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧りついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑み、「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」 メロスは腕に唸りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。

 少しでも彼がトンズラ(ヤッターマン好評公開中)するのではないかと考えたことのある私は「最近の若者も捨てたものではない。」と思い返すのでした。(2009年4月1日)


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2009年04月13日

第482回 走れ!メロス1

b18e644c.jpg ある男前の若い患者様のこと、診療が終っての窓口で「今日は18円しか持っていません。」とおっしゃいました。医者にかかるのはタダだと思っておられたわけではないのでしょうが、緊急性のあるご状態で財布の中までは見てこられなかったでしょう。

 この場合、診療費は未収金扱いとなり後日領収という電子カルテ上ではややこしい手続きが必要になります。ま〜そのようなこともあるかと「後日持ってきますからー。」の言葉を信じる分けです。保険証番号や住所、電話番号は教えていただいているのでまず間違いはないところではあります。

 しかしながら、長い間お支払に来て下さらないと悪い予感というものが頭をもたげます。電話番号は最近携帯であることが多いし、保険証も有効でないものがあったりするし、住所だって本当のことを書いておられるかもしれません。(続く)(2009年3月31日) 


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2008年05月19日

第302回 ある日の夜診

f3b48590.jpg 診療日は午後5時から7時まで診察をさせていただいております。ある日のこと(といってもよくあること、と言ってもあまりあっては困るのですが・・・)午後6時55分頃に電話のベルがツルルルーと鳴りました。受付さんが取って応対してくださり「先生、○○さんがこれから行くとおっしゃっていました。」と・・・「うわー何時頃来られるんやろーお住まいはどちらでしたっけー。」幸いご住所は1Km程度の距離でした。
 当院では電子カルテを使っていますので、電子カルテを終了させないといただいた診療費窓口分の総計が出ないことになります。1日分を集計して記録することは、個人の開業としては保険医療をする上ではとても大切な仕事で、国家の保険制度との契約ということになります。うちで働いてくださっている受付さんや看護師さんにはご家庭があるので、家事を疎かにしていただかないようにできるだけ終業時間は守って差し上げたいのが私の気持ちです。ですから遅れて受診されることが分かっているときには、皆さんに先に帰っていただき、むくつけき私だけが1人クリニックに残って寂しく集計をすることがあります。この場合早く帰っていただくように、終了点検をいったんはして窓口の金額が合っていることを確認していただくのです。(2008年5月21日)


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