2007年06月16日

45 棚田文化継承  

 高知県の中山間地の多くには、子供がいません。ということは、子供の親、つまり、若い大人もいないということなのです。先人たちの汗の結晶である、美しい棚田が、山にもどっていくのは、時間の問題に思えます。しかし、そんな厳しい現実と四つに組んでいる都会人たちがいます。

 6/9(土)に、中嶋健造さんの棚田再生プロジェクトの「田植え」に行きました。中嶋さんは、西日本科学技術研究所の会社員で、棚田保全にしぶとく取り組んでいる人です。最近その功績が認められて、全国的な賞をもらいました。今回は、「里山の絶滅危惧種を守ろう!」という企画で、次の3つを守りたいのだそうです。

1.棚田を再生する人(都市からの交流者、地元若手農家)

2.生物(ヘイケボタル、ドジョウ、マルタニシ、ヤマアカガエル、タガメ、ゲンゴロウ、薬草)

3.アラキモチ(原種の匂い餅米)

 午前9時30分「七色の里」集合ということだったので、20分くらい前に行きましたが、すでに20人ほどが集まっていました。4年前に初めて田植えをしたときは、私も中心メンバーの1人だったこともあって、こういう場所には知り合いが多いのです。

 若者たちの間に、高知大学理学部植物生態学研究室教授の石川慎悟さんの姿がありました。山里、棚田の植生調査などをしながら、米作りを学生に体験させているのです。

「これは、実感教育ですね」

「学生にとってとてもいい経験になっていると思います。1から自分でやるとこれは大変なので、中嶋さんには感謝してます」

「彼も石川ゼミに参加してもらって張り合いがあるんじゃないですか」

 モンゴルからの女子学生も参加していて、話しかけてみました。

「私は、モンゴルでは畑すら見かけなかったけれど、もちろん、水田に入るのは初めてですよね」

「生まれて初めて。今日はとても楽しみ。日本文化の勉強になります」

 4人とも積極的で、今では日本の農業者も知らないような古式にのっとった田植えを楽しんでいました。日本人と同じ顔つきなのですが、目の輝きが農耕民とはちがうように思いました。

 「スローフード高知」が、昼食の食材について長めの説明をしています 参加団体は、高知大の石川ゼミ、スローフード高知、によど雑木団、こうち元気者交流会などで、初夏の1日、45人の都会人が、「アラキモチ」の田植えに汗を流しました。

 「七色の里」にもどると、昼食は、「スローフード高知」の人たちが作ってくれていました。食材の説明が少々長かったのですが、久しぶりにうまいものを食ったという感じでした。

 今年は、すでに深刻な水不足で、2枚用意した田が、1枚しか使えそうにありません。下の田は、畑にしかなりそうにありません。たぶん、今年も想定外の気象条件に出くわしそうですが、今後、3つの絶滅危惧種がすくすくと育ってくれるといいのですが……。

narijun1 at 10:08│Comments(1)TrackBack(0) 環境 | 国際交流

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この記事へのコメント

1. Posted by なり   2010年07月22日 17:45
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