雲は偉大だ。


この前、海岸でなにげなく、大空に広がる雲を見ていたら、

「地平線から上が雲の在る空間だな」と思い、

反対に「地平線から下が我々の住む世界だな」と思った。


そんな住み分けみたいな感覚で見ていると、よく考えれば雲って、あれは水のカタマリなんだ。

大きな入道雲は何百トンだかの巨大な水のカタマリなんだ。と、

そんな感慨が浮かんでくると、あの雲の偉大さが突然わかった。

雲は水蒸気のかたちで空間に浮いている。

水蒸気のかたちだから浮き上がっていられるのだ。

人にこんな質問をしたくなった。

「水100トンを空中に持ち上げてふわりと浮かせる方法を考えてください」

すぐに答えられる人は頭がいい。

ワシだって、急に言われると、なんかデッカイ気球を持ち出し、それで浮かせる方法を考えるかもしれない。

 


答えは、水100トンを熱い夏の盛りに、熱い、滑走路のようなコンクリート表面に撒けばいい。

水はどんどん蒸発して空中にすべて浮かび上がることになる。

風が吹いたりして、空中に拡散されるかもしれないが、

ともかく、どんなに広がろうと、100トンの水は空中に浮いたことになる。


何千万トンだか、何兆トンだかわからないが、その膨大なる空中に浮いた水が地上に降って来て、

我々地上の環境を最適にしてくれているのだ。

 


それから、雲の形は、すべて同じものがない。

何億年もの間に同じ雲の形はひとつもない。これも、考えてみればスゴイことだ。


雲の命は短い。しかも、雲は見ている間に、変化していく。

なんか、人間から見たら、「自由」そうだ。

雲を見ていると心が癒される。

雲クンを擬人化してみると、地上から上が、彼らが住んでいる真の自由な世界。

下の人間界は、まあ、なんとも言えない、混沌とした良いも悪いもごった煮の世界(笑)。



さらに想いを馳せると、氷を浮かせ、雪を降らせる。

高山に積もった雪は、植物を生育させ、美味しいコメの元になっている。美味しい酒にもなる。


美酒に酔った気分になっていると、

ああ、台風も雲クンのせいだよなあ。

あれはイカンなあ。

しかし、被害に遭う人には気の毒だが、

ワシは台風は何だかワクワクさせるんだよなあ。


 
成田アキラの電子書籍