歯にはワシかなり苦労したよ。上の前歯の裏と下の前歯が小学生のときから、ぶつかっていて、徐々に、前歯の裏が削れていくんだ。
ワシの子供の頃は矯正歯科なんてなかったしね。
小六の時、歯科の先生に言われた。キミの歯は大人になったら、前歯だけでなく奥歯も薄く削れて折れたり、穴があいて虫歯になってガタガタになってしまうだろうとね。
28歳の頃になったら本当に薄く削れて前歯が3本折れてしまった。仕方がないので差し歯にした。
当然、削るほうの下の歯も先が削れて短くなっている。そうこうしているうちに虫歯があちこちにでき、そのたんびになるべくお金をかけないように、安い差し歯を入れてもらい、ちまちまとその場しのぎの治療をしてもらっていた。
歯並びの統一が取れていないので、どこかの歯がどこかに当たると言った感じで思い切り強く噛めない。イライラすることが多かった。
しかし、歳を取ってきて、歯はこんなふうにだめになっていくんだろうと、これが普通のことだと思いつつ月日が流れて行った。
ワシが38歳の時テレクラ漫画なるものがヒットして、収入が増えた。
それからは歯のほうも高いほうの歯を入れたりして、変に歯が当たることもなく、何の問題もなく、さらに月日が過ぎていった。
50歳になったとき、ある人の紹介で、自費だが、かなり歯で名医と言われる歯科医に行ってみた。
そこでは、精密にワシの歯を検査してもらった。
結果は、昔、やってもらった差し歯のほとんどが根っこのところがだめになっていて、このままだと4~8年で半分の歯が入れ歯になってしまうだろうと怖い御託宣が出た。
ワシはこの際、徹底的に歯を完璧にしてもらおうと、決心した。
その医者に治療をしてもらったら、まず、いままでかかった歯医者とはまったくちがうことに驚いた。
一回の治療時間に2時間もかけるのだ。
観察していると、まるで精密機械でも制作しているかのごとく歯を作り上げていく。
差し込むほうの金属部分など、高速の砂の微粒子を吹き付けて、何ミクロンだかわからないが、研磨してぴったりと収まるようにしていくのだ。
歯並びも昔の歯並びを大幅に変えていく。
こんな感じで、月に2~4回通って、完成するのに1年半を要した。
費用はなんの車だかは言わないが、1台分のお金がかかった。
先生になんと感謝していいか。素晴らしい!!
どんなふうに以前と変わったか。
まず、歯を完成させたあと、とんでもなく体の調子がよくなった。
モノを噛むときに、気持ち良く噛める。強く噛んでも何の問題もない、歯をスリスリしてもストレスなし。リンゴでもメザシでも固いフランスパンでもバリバリ食える。この生き物としての基本中の基本、この爽快感、これが蘇った。歯にはこんな”こころ”が宿っていたなんて、いや、素晴らしい!!!!!!!!!。
食事がうまくなった。
肩こりが全くなくなった(これはすごいこと)。
風邪を引かなくなった。
歯周病菌が一掃されたせいか疲れもなくなった。
口臭がなくなった。
きれいな歯になって笑うことが多くなった。笑いには福来るだ。
外に出るのが億劫でなくなった。
人とよく話すようになった。
歯が悪い時の何となく暗い、時にはイライラする、そんな精神状態が吹っ飛んでしまい、たかが歯のことだけど、生まれ変わったと言っていいほどすべてに新鮮さを感じさせてくれる。
歯ってこれほど大事だったのかと、初めて気付かされた。
ああ、こんなことだったら、もっと早くにしてもらっておけばよかったのに・・・
おそらく、歯に何の支障もなく虫歯一本もない人はそれが普通のことだから、歯の健康に関しては、そのありがたみはわからないだろう。
健康な歯を持っている人は、きちんと歯を磨いて、しっかりと管理することですね。
虫歯や歯周病になっている方は、経済の許す限り、歯にはケチらないことをお奨めします。
現在、ワシは69歳だが、歯の完成から18年が経つがまだピカピカ。ガタはなし。歯とセガレは若者と同じキャパシティを持っておるゾ(笑)
一言で言うと、 歯が健康だと気分がいい 。これに尽きる。