アメリカ漫遊思い出話(1980年、35歳)
その29、日本人の愉快な仲間4人と知り合う。
アメリカ人、サンフラン在住のFさんの知り合いの日本人4人と会う。
彼らは、アメリカでバイトをしながら、長期滞在している。
男Mさん、その彼女Sさん、男Gさん、その彼女Tさん。
4人は音楽仲間だ。
Mさんはエレキギター、Gさんはベースを弾ける。
Sさんはジャニスジョプリンの信奉者で年から年中ジャニス、ジャニスと言っている女性。
ワシはローリングストーン、ビートルズの世代。
しかし、ワシは何かに洗脳されることを極端に嫌うという性格なので、それらの音楽を聴き、楽しむが、深入りはしなかった。
もともと群れるのが好きじゃないのだ。
ワシの考えは、たとえば、ある音楽、特にロックのような強力な音にしびれて、完全なロック脳になってしまったら、ワシの頭の中で常にその音が流れてきて、
その心情に占拠されて、あらゆる場面にその影響が出てくるのではないかと思ってしまうからだ。
そんな“誰かの作り上げた物”で脳の中の大半を染められ、心を改造されるのは、ワシの人生の損失であると、
ワシは”本能的”に、そのように、その当時考えていた。
案外それは、今になって、当たっていたように思う。
あれほど、全世界の人々をビートルズ脳にしてしまったビートルズだが、過ぎ去ってしまえば、今はそんなに聴く人はいない。
ジョン・レノンの思想「国境をなくせば、人類は幸せになれる」は、今では間違いであることが判明している。その、”理想的”な心情はワシわかるが。直感的に当時ワシ、なんかヘンだぞ?くらいしかわからなかったが。
NUTOPIA has no land, no boundaries, no passports, only people.- John Lennon (ジョン・レノン) -
「ヌートピア」は国土を持たず、国境を持たず、旅券もなく、ただ住民がいる。
とにかく、ワシは熱に浮かされることはしたくないのだ。
反面、ワシはのめり込まないから、不幸なのだ。
でも、ワシはいつもプレーンなこころでいたいと思っている。安住の地はプレーンなこころでいることなのだ。
そういう性格なので、ワシは音楽に疎い。
彼らにいろんなことを教えてもらった。
彼らが信奉するグレイトフルデッドも、ジャニスジョプリンもワシは知らなかった。
ある日、彼らが、ジミヘン、ジミヘンと言っている。
「何その、ジミヘンって?」
「ジミーヘンドリックスですよ。天才的なギタリスト・・・逆さに弾ける・・・・」
明らかに、あんな超有名なジミヘンを知らないんだ・・・とあきれかえった顔。
グレイトフルデッドのコンサートに連れて行ってもらった。
音は楽しんだが、その熱狂ぶりには驚いた。
こういう、フアンがいるんだと妙なところに感心を持った。
とは言うものの、ワシは、学生時代、リズム&ブルースのリズムが好きで、シュ―プリームスに一時期ハマったことがある。
あの黒人レディの声にシビレタのだ。
あの声とリズムと彼女たちの姿は、今でもワシの脳に染みついている(笑)。
You Can’t Hurry Love,
Stop! In
The Name of Love,
耳にこびりついている。
ABBAアバも聴いたなぁ。
また、何かにハマってみるかなぁ・・・。
最近ハマったのが何をトチ狂ったのか、クレージ―ケンバンドのタイガー&ドラゴン。
「トンネル抜けると、そのままどんつきの三笠公園で~」
・・・出だしからシビレた。
歌えるように毎日練習。
しかし、これ、見かけより半端なく歌いづらい。
なんとかカラオケで歌えるようにはなったがヘタ(笑)。
ワシ、横山剣さん好きだねぇ。シブいよね。
でも、プレーンなこころもいいんだよなぁ・・・
ハマりたい、プレーンでいたいのせめぎ合いってところかな(笑)。
こんなアメリカ美人と同棲し、自然に英語を
話せるようにしたかったのだが・・・(メキシコに近いメキシコ湾のパドリー・アイランドで
この超美人のセクシー女性をこっそり望遠で撮る、今でも
心に残っている。こんな美人見たことがない(笑))
しかし、後に、こんなきれいなコと仲良くなった。
日本人なので、英会話の勉強にはならなかったが(笑)