新型セレナe-POWER自動運転レベル2・試乗記。その３
今回は走りについてだ。
走りは文句なく１００点満点！
旧型のガソリンエンジン車に比べて、気持ちよく加速していく。
旧型車は加速時にＣＶＴ（無段変速機）のブア―――ンという音がして、その割には加速が鈍かった。
e-POWERセレナはモーター駆動だから、アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がり、グングン加速していく。
やはり電気は素早い。
ガソリン車のエンジンってのは、燃料をシリンダーに霧吹きして、点火爆発して、ピストンを上下して、クランクシャフトを回しトランスミッションで動力を最適にしていく。
こんなややこしい手順を踏んだ(笑)パワートレインがガソリン車なのだ。
ひるがえって、電気自動車は電気エネルギーをいきなりモーターにぶち込み、車輪を回転させる。モノスゴク単純だ。
この素早いレスポンスで、山道でもぐんぐんストレスなく登って行く。
旧型セレナから新型に乗り換えたときに、まず気がついたことは、足回りが格段に良くなっていること。
サスがいいのか、ボディ剛性が高まったからか、走りがまったく違う。
ミニバンなのにまるでスポーツカーのような安定感と走舵感がある。
今回、東北道でたまたま遭遇したランボルギーニにピタリと張り付いて走ったが、なんの不安感もなかった。
何キロ出したかって？内緒(笑)。ちなみにワシは国内A級ライセンス保持者だゾ。
急加速をするときは、バッテリーからの電力にエンジンから発電したての電力を加えるシステムになっている。うまく考えてますね－。
e-POWERドライブといって、回生ブレーキを使って減速させるドライブができる。
これは、アクセルを離すだけで、回生ブレーキがかかるのだ。
これは最初に経験した時においては、勝手にブレーキがかかる感覚なので違和感があった。
ガソリンエンジン車のエンジンブレーキが常にかかるようなものだ。
ところが、慣れてくるとこれが優れものだとわかってくる。
極めてフラットなブレーキングなので、アクセルを離すとシルキィといってもいいほどなめらかなスムーズさで制御がかかっていく。
車速と回生ブレーキの制御の関係性を体で覚えてしまえば、カーブでブレーキを踏むことなく通過していけるし、信号の白線にピタリとブレーキなしで止まれる。
つまり、まったく正規のブレーキのお世話にならなくてもアクセルワークだけで運転できるのだ。
事実、今ではワシはブレーキをほとんど使わない。
ところがこの回生ブレーキにも弱点があるのだ。
たとえば高い山に登ったとき、下りの坂道を延々と下りる。
このとき初めは回生ブレーキが効いて、バッテリーにはどんどん電気が充電されていく。
メーターパネルに表示されたバッテリーモニターのブルーのゲージがみるみる伸びて、ついには満杯、つまり、充電過多になる。
途端に回生ブレーキが効かなくなる。
回生電気を収める器がなくなるから、回生できないのだ。
下り道で回生ブレーキのおかげでブレーキを踏まずにカーブを曲がっていたのに、ブレーキを踏まざるを得なくなる。
そうなると、通常のブレーキ操作に切り換えるだけでいいのだが、これは困ったことだ。
ただし、少しでも上り坂になったりしたら、充電の空きスペースができ回生ブレーキが作動する。
放電させるとかなんとかできないものか、改善していただきたい。
次回はいよいよ、自動運転についてだよ。
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