その6、仮の宿に住む女・澄子さん(32歳)
信頼とワシを好きになってくれれば、あとは、どんな女の中にも潜むマゾ快感を引き出して、
気持ちいいことを教え込んでいけば、澄子さんといえども、快感には勝てない。
人間と言うのは畢竟は性の快感で動いているのだ。
たとえば食べる快感も元をただせば性の快感からきているのである。
景色を見ていい気持ちになるのも官能なのだ。<――――これ、ワシのテーマ「脳感」のところを読んでもらえれば御理解いただけると思います。
澄子さんを感じる女に、ワシがしてあげただけに、別れたあとは、寂しいものだ。
いい女だった。
すこし、旦那さんに嫉妬みたいなものが残ったよ。